災害対策基本法 第8条(施策における防災上の配慮等)
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- 国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与することとなるように意を用いなければならない。
- 2.国及び地方公共団体は、災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するため、特に次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
- 一災害及び災害の防止に関する科学的研究とその成果の実現に関する事項
- 二治山、治水その他の国土の保全に関する事項
- 三宅地の耐震化、建物の不燃堅牢化その他都市の防災構造の改善に関する事項
- 四交通、情報通信等の都市機能の集積に対応する防災対策に関する事項
- 五防災上必要な気象、地象及び水象の観測、予報、情報その他の業務に関する施設及び組織並びに防災上必要な通信に関する施設及び組織の整備に関する事項
- 六災害の予報及び警報の改善に関する事項
- 七地震予知情報(大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第二条第三号の地震予知情報をいう。)を周知させるための方法の改善に関する事項
- 八気象観測網の充実についての国際的協力に関する事項
- 九台風に対する人為的調節その他防災上必要な研究、観測及び情報交換についての国際的協力に関する事項
- 十火山現象等による長期的災害に対する対策に関する事項
- 十一水防、消防、救助その他災害応急措置に関する施設及び組織の整備に関する事項
- 十二地方公共団体の相互応援、第六十一条の四第三項に規定する広域避難及び第八十六条の八第一項に規定する広域一時滞在に関する協定並びに民間の団体の協力の確保に関する協定の締結に関する事項
- 十三自主防災組織の育成、ボランティアによる防災活動の環境の整備、過去の災害から得られた教訓を伝承する活動の支援その他国民の自発的な防災活動の促進に関する事項
- 十四被災者の援護に従事する者が災害が発生した地域において円滑かつ効率的に活動を行うことができる環境の整備に関する事項
- 十五被災者の心身の健康の確保、居住の場所の確保その他被災者の保護に関する事項
- 十六被災者の生活の再建に関する事項
- 十七高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下「要配慮者」という。)に対する防災上必要な措置に関する事項
- 十八海外からの防災に関する支援の受入れに関する事項
- 十九被災者に対する的確な情報提供及び被災者からの相談に関する事項
- 二十防災上必要な教育及び訓練に関する事項
- 二十一防災思想の普及に関する事項
- 二十二防災上必要な情報通信技術その他の先端的な技術の活用に関する事項
この条文の基本情報
施策における防災上の配慮等とは何ですか?
定義施策における防災上の配慮等とは、災害対策基本法第8条に定められた規定で、「国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与するこ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第8条(施策における防災上の配慮等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第8条の条文原文は「国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与するこ…」で始まります。
- 災害対策基本法第8条は第一章 総則に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第8条の前の条は災害対策基本法第7条です。
- 災害対策基本法第8条の次の条は災害対策基本法第9条です。
- 災害対策基本法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法8条は、国と地方公共団体に、災害の予防と拡大防止のため科学研究・国土保全・要配慮者対策など22の事項の実施に努めるよう求める努力義務規定である。
Q · 災害対策基本法8条を根拠に、国や市に防災対策の不備を訴えられる?
努力義務のため、本条だけでの請求は困難
災害対策基本法8条2項は22の防災事項を列挙するが、文末はいずれも「努めなければならない」であり、個人の具体的な請求権は生じないと解される。河川や施設の管理に問題があれば国家賠償法1条・2条で構成するのが通常である。ただし本条は、地域防災計画や要支援者名簿の整備状況を点検する基準として、議会質問や住民要望の根拠に使える。
解説
国や自治体には防災の「努力義務」しかない。本条第2項には22項目が並ぶが、文末はすべて「努めなければならない」で終わっている。条文がこう書かれている以上、この一条だけを根拠に「堤防が低かったから賠償しろ」と訴えても、勝つのは極めて難しい。ただ、ここで終わらせるのは早い。22項目は、国と自治体が公に認めた「やるべきことの一覧表」でもある。宅地の耐震化、要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児など、避難に手助けが必要な人)への措置、被災者の住まいの確保、生活再建の支援。どれも、あなたの住む市町村の地域防災計画(自治体が作る防災の実行計画書)や避難行動要支援者名簿(自力で逃げにくい人の名簿)として具体化されているはずのものだ。具体化されていなければ、それは議会質問や住民の要望で突ける空白になる。本条は請求の根拠には向かない。行政の宿題がどこまで進んだかを確かめる物差しとして使う条文である
法的な位置づけ
災害対策基本法第8条は、国及び地方公共団体の施策における防災上の配慮を定める規定である。第1項は施策全体が災害の防止に寄与するよう意を用いる義務を、第2項は災害の予防と拡大防止のため科学的研究、国土保全、都市防災、要配慮者対策、被災者の保護と生活再建など22の事項の実施に努める義務を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法8条とは何ですか?
国と地方公共団体が防災のために取り組むべき22の事項を列挙した規定です。いずれも「努めなければならない」とされる努力義務です。
Q2努力義務と法的義務の違いは?
法的義務は違反すれば違法となりますが、努力義務は実施に努める姿勢を求めるもので、違反しても直ちに違法・請求権の根拠にはなりにくい点が異なります。
Q3災害対策基本法の要配慮者とは誰のこと?
高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者を指します。定義は本条2項の要配慮者の号に置かれ、名簿や個別避難計画の前提になっています。
Q4地域防災計画はどこで見られる?
多くの市町村が公式サイトの防災ページで公開しています。見当たらない場合は防災担当課に閲覧を申し出ることができます。
Q5自主防災組織とは?
町内会や自治会などを単位に住民が自発的に結成する防災組織です。本条2項は国と自治体にその育成に努めるよう求めています。
Q6地震予知情報は今も発表される?
確度の高い地震予知は困難と整理され、現在は南海トラフ地震臨時情報などが運用されています。条文上の文言は残っています。
Q7防災対策が進んでいない自治体に要望するには?
本条2項の該当号を引用し、地域防災計画で未着手の項目を具体的に示した要望書を提出すると、担当課が予算要求の根拠に使いやすくなります。
Q8災害対策基本法8条に罰則はある?
ありません。本条は努力義務規定で、罰則も期限も定められていません。拘束力のある義務は49条の10など個別の条文が担っています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市が堤防の整備をサボってたせいで家が浸水したんですけど、この条文で訴えられますか?
本条は努力義務なので、これだけを根拠に勝つのは難しい。河川の管理に問題があった場合の請求は、国家賠償法2条(公の営造物の設置管理の瑕疵)で組み立てるのが通常である。実務のポイント:水害訴訟では、未改修の河川について最判昭和59.1.26(大東水害訴訟)が厳しい判断枠組みを示しており、原告側のハードルはかなり高い。本条を持ち出すより、管理の実態を記録した資料を集めるほうが勝負になる
Q2うちの父、障害があるのに市から何の連絡もありません。名簿ってどうやって入るんですか?
名簿の作成は市町村の義務で(災害対策基本法49条の10)、掲載の要件は市町村ごとに定められている。福祉課か防災課に問い合わせ、掲載状況と平常時の情報提供への同意(49条の11)を確認するのが第一歩である。実務のポイント:名簿に載っていても、避難時に誰が何をするかを決める個別避難計画(49条の14)がなければ、支援者が動けないことがある。名簿とあわせて、計画の作成を依頼する
Q3ボランティアに行ってケガしたら、国が面倒みてくれるんですか?
本条はボランティア活動の環境整備を努力事項にしているが、個人のケガを国が補償する規定はない。一般的には、出発前に地元の社会福祉協議会でボランティア活動保険に加入する。実務のポイント:保険は居住地の社会福祉協議会で被災地へ向かう前に加入しておくのが基本で、被災地の窓口で慌てて手続きするより確実である。補償の範囲は事前に確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「国の責務と書いてあるのだから、災害で被害が出たら国が補償する」と考えるのは誤りである。本条は努力義務で、個人の具体的な請求権を生まない。被災者への金銭支援は、災害救助法や被災者生活再建支援法など別の法律で要件が決まっている。それも全損・大規模半壊など被害の程度で線が引かれ、一律の補償ではない
- 「防災は役所の仕事」という見方は、法律の見え方とずれている。災害対策基本法は7条で住民にも備えと自発的な防災活動への参加を求めており、本条も自主防災組織の育成やボランティア環境の整備を挙げている。行政は住民が動くことを前提に制度を設計している。動かない住民の穴を埋める仕組みにはなっていない
- 要配慮者の名簿があること自体は知られている。だが、平常時に名簿情報を民生委員や自主防災組織へ渡すには原則として本人の同意が要る(49条の11、条例で別の定めをしている市町村もある)。この点はあまり知られていない。同意していなければ、発災前に近所の支援者があなたの家族を把握できない可能性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 8条:国・自治体の防災施策22項目(努力義務) | 49条の10:避難行動要支援者名簿の作成(市町村の義務) 7条:住民等の防災上の責務(努力義務) |
| 義務の主体 | 国及び地方公共団体 | 市町村長 住民・公共的団体等 |
| 具体性 | 施策分野の列挙にとどまり、方法・期限は裁量 | 名簿という具体的成果物の作成を求める 備えと自発的な防災活動への参加を求める |
他国ではどう定めているか 4 か国
各級政府が平時に実施すべき減災事項を列挙する構造で、日本の本条と同じく施策の方向を示す列挙型規定である。
国と地方自治体の災害予防・被害軽減の責務を一般的に定める。日本の災対法を参考に整備された経緯がある。
災害対策は原則として州の権限で、連邦は民間防衛と州への支援を担う分権型の構造である。
連邦の災害支援の枠組みを定め、大統領の災害宣言を起点にFEMAが州・地方を支援する仕組みが中心である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 寝たきりの母と二人暮らし。大雨の夜に避難指示が出たら、誰が母を運ぶのか? 市の避難行動要支援者名簿に母が載っていなければ、近所の民生委員も消防団も母の存在を知らない。名簿の作成は市町村の義務(災害対策基本法49条の10)で、本条第2項の「要配慮者」の項目がその土台になっている
- 市役所の防災担当になって三年目のあなたは、議会で「個別避難計画の作成率は何%か」と質問された。2021年改正で市町村の努力義務になった計画で、まだ一割も進んでいない。答弁の準備にあと二日しかない
- 中古戸建ての重要事項説明で、宅建士がハザードマップを広げ、物件が浸水想定区域の端にあると説明した。2020年8月から、水害ハザードマップでの位置説明は宅建業者の義務になっている。手付金を払う前の、この十分間で引き返せる
- 被災地で炊き出しをしたいNPOが、受け入れ窓口が分からず三日間動けなかった。本条は、被災地で支援する人が円滑に動ける環境を整えることを国と自治体の努力事項にしている。社会福祉協議会の災害ボランティアセンターは、この文脈で立ち上がる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 本条だけで損害賠償が認められるのは通常考えにくい。被害の原因が具体的な施設の欠陥や職員の判断ミスにあるなら、国家賠償法1条または2条で構成を検討する2. 罹災証明書を申請し、被災者生活再建支援金や災害救助法の応急修理の対象になるか確認する3. 避難所の環境や要配慮者への対応に問題があれば、記録を残して市町村に改善を求める。本条第2項の該当号と内閣府の指針を併せて示すと伝わりやすい
訴えられた側:1. 自治体の担当者として防災の不備を指摘されたら、地域防災計画と本条第2項の各号を対照した進捗表を作り、未着手項目に理由と予定を付ける2. 本条は努力義務だが、名簿の作成(49条の10)のように別条で義務になっている事項は免責されない。義務と努力義務を区別して説明する3. 訴訟リスクは、予見可能性と結果回避の可能性が具体的に問われる個別の場面にある。事前の判断過程を記録として残しておく
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。行政の不備による損害を国家賠償法で請求する場合は、民法が準用される(国家賠償法4条)。損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、不法行為の時から20年。違法な公金支出を問う住民監査請求は、原則として行為のあった日から1年以内(地方自治法242条2項)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条2項は国及び地方公共団体の施策目標を示すプログラム的な努力義務規定であり、個人に具体的な請求権を付与するものではない。具体的な拘束は名簿作成義務(49条の10)など個別規定が担う。
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)前後(要検証) 阪神・淡路大震災を受け、ボランティアによる防災活動や高齢者・障害者への配慮に関する事項が加えられたとされる。改正年と文言は人的検証が必要
- 平成25年(2013年)・令和3年(2021年)前後(要検証) 東日本大震災後に要配慮者の定義、教訓伝承の支援、被災者の心身の健康確保などが整備され、その後、広域避難(61条の4)を引用する形に改正されたとみられる。各号の改正時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機に災害対策基本法が制定され、施策における防災上の配慮を定める本条が置かれた。
- 2.平成25年(2013年) 改正:東日本大震災を受けた改正で、要配慮者の定義や教訓伝承活動の支援、被災者の保護に関する事項などが整備されたとされる(各号の詳細は要検証)。
- 3.令和3年(2021年) 改正:広域避難(61条の4)等の規定整備に伴い、本条2項の協定に関する号が改められたとみられる(要検証)。
- 災害対策基本法 第3条国の防災上の責務
- 災害対策基本法 第5条市町村の防災上の責務
- 災害対策基本法 第7条住民等の防災上の責務
- 災害対策基本法 第49条の10避難行動要支援者名簿の作成義務
- 災害対策基本法 第49条の14個別避難計画の作成努力義務
- 大規模地震対策特別措置法 第2条地震予知情報の定義の引用元
- 災害救助法 第4条被災者保護のための救助の種類
- 被災者生活再建支援法 第3条生活再建支援金の支給
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