災害対策基本法 第49条の14(個別避難計画の作成)
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- 市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、当該避難行動要支援者について避難支援等を実施するための計画(以下「個別避難計画」という。)を作成するよう努めなければならない。ただし、個別避難計画を作成することについて当該避難行動要支援者の同意が得られない場合は、この限りでない。
- 2.市町村長は、前項ただし書に規定する同意を得ようとするときは、当該同意に係る避難行動要支援者に対し次条第二項又は第三項の規定による同条第一項に規定する個別避難計画情報の提供に係る事項について説明しなければならない。
- 3.個別避難計画には、第四十九条の十第二項第一号から第六号までに掲げる事項のほか、避難行動要支援者に関する次に掲げる事項を記載し、又は記録するものとする。
- 一避難支援等実施者(避難支援等関係者のうち当該個別避難計画に係る避難行動要支援者について避難支援等を実施する者をいう。次条第二項において同じ。)の氏名又は名称、住所又は居所及び電話番号その他の連絡先
- 二避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項
- 三前二号に掲げるもののほか、避難支援等の実施に関し市町村長が必要と認める事項
- 4.市町村長は、第一項の規定による個別避難計画の作成に必要な限度で、その保有する避難行動要支援者の氏名その他の避難行動要支援者に関する情報を、その保有に当たつて特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
- 5.市町村長は、第一項の規定による個別避難計画の作成のため必要があると認めるときは、関係都道府県知事その他の者に対して、避難行動要支援者に関する情報の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
個別避難計画の作成とは何ですか?
定義個別避難計画の作成とは、災害対策基本法第49条の14に定められた規定で、「市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、当該避難行動要支援者について避難支援等を実施するための計画(以下「個別避難計…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第49条の14(個別避難計画の作成)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第49条の14の条文原文は「市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、当該避難行動要支援者について避難支援等を実施するための計画(以下「個別避難計…」で始まります。
- 災害対策基本法第49条の14は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第49条の14の前の条は災害対策基本法第49条の13です。
- 災害対策基本法第49条の14の次の条は災害対策基本法第49条の15です。
- 災害対策基本法第49条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/49_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法49条の14は、市町村長に避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成を努力義務として課す。本人の同意がなければ作成されない。
Q · 親が役所の避難行動要支援者名簿に載っていれば、災害のとき誰かが迎えに来てくれるの?
名簿だけでは不十分。支援者を決める個別避難計画も必要
災害対策基本法49条の14により、市町村長は避難行動要支援者ごとに個別避難計画を作成するよう努めなければなりません。名簿(49条の10)は対象者の一覧にすぎず、支援者の氏名・連絡先、避難場所、避難経路を具体的に定めるのは計画のほうです。ただし作成は努力義務で、本人の同意がなければ作られません。家族が市町村やケアマネジャーに作成状況を確認し、申し出ることが現実的な第一歩です。
解説
役所は、一人で逃げられない人の名簿をすでに持っている。災害対策基本法49条の10によって、避難行動要支援者名簿(災害時に自力で避難するのが難しい高齢者や障害者などの一覧)の作成は市町村の義務だからだ。ただし名簿は「誰が危ないか」を示すだけで、「誰が、どの道を通って、どこへ連れて行くか」までは書かれていない。その空白を埋めるのが本条の個別避難計画である。支援してくれる人の氏名と連絡先、避難場所、避難経路を一人ずつ書き込む。注意すべきなのは、計画の作成が市町村の努力義務(できる限り取り組むべき義務であり、怠っても直ちに違法とはならない)にとどまる点だ。本人が同意しなければ作られない。待っているだけでは順番が回ってこない自治体も多い。親が要介護になったら、名簿に載っているか、計画まで作られているかを役所に確認する。この一手を打つかどうかで、豪雨の夜に支援者の電話が鳴るかどうかが変わってくる。
法的な位置づけ
個別避難計画とは、災害対策基本法49条の14に基づき、市町村長が避難行動要支援者名簿に記載された者ごとに作成する避難支援の計画である。名簿の記載事項に加え、避難支援等実施者の氏名と連絡先、避難場所、避難経路等を記載する。作成は努力義務であり、本人の同意を要件とする。
手順
- 1.名簿への登載状況を確認する 市町村の防災担当課または福祉担当課に、本人が避難行動要支援者名簿に載っているかを問い合わせる。「避難行動要支援者名簿と個別避難計画の担当課」と制度名で尋ねると窓口に早くつながる
- 2.計画の作成状況を尋ね、未作成なら申し出る 名簿に載っていれば個別避難計画が作成済みかを確認する。未作成であれば作成を申し出て、ケアマネジャーや相談支援専門員に担当者会議での対応を依頼する
- 3.情報提供範囲の説明を受けて同意を判断する 同意の前に、平時に計画情報が誰へ提供されるか(49条の15第2項)、災害時にどう扱われるか(同条第3項)の説明を受け、本人と家族で同意するかを判断する
- 4.支援者・避難先・必要物資を具体的に書き込む 支援者は複数人を確保し、担当範囲(声かけ・安否確認・搬送)を明記する。人工呼吸器や常用薬がある場合は、電源確保が可能な避難先や持出品も記載する
- 5.家族で共有し、変化があれば更新する 計画の控えを家族で共有する。転居、施設の入退所、要介護度の変化、支援者の転出があれば、その都度市町村に更新を申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1個別避難計画とは何ですか?
災害時に自力で避難するのが難しい人ごとに、誰が支援し、どこへ、どの経路で避難するかを定める計画です。災害対策基本法49条の14が根拠です。
Q2個別避難計画の作成は市町村の義務ですか?
努力義務です。名簿の作成は49条の10で義務とされていますが、個別避難計画は「作成するよう努めなければならない」にとどまり、未作成でも直ちに違法とはなりません。
Q3個別避難計画は誰が作るのですか?
法律上の作成主体は市町村長です。実務ではケアマネジャーや相談支援専門員などの福祉専門職、民生委員、自主防災組織が作成に関わる自治体が多くあります。
Q4個別避難計画には何が書かれますか?
名簿の記載事項に加え、避難支援等実施者の氏名・住所・連絡先、避難場所と避難経路、その他市町村長が必要と認める事項が記載されます(49条の14第3項)。
Q5個別避難計画はいつまでに作成されますか?
法律上の期限はありません。内閣府の取組指針は、ハザード区域内で優先度の高い人についておおむね5年程度での作成を目安としています。
Q6介護保険の情報を防災に使うのは違法ではないですか?
違法ではありません。49条の14第4項により、市町村長は計画作成に必要な限度で、保有する要支援者の情報を本来の目的以外に内部で利用できます。
Q7難病の家族も個別避難計画の対象になりますか?
対象となりえます。49条の14第5項により、市町村長は都道府県知事などに要支援者の情報提供を求めることができ、難病の受給者情報を把握する経路があります。
Q8個別避難計画の同意を求められたとき何を説明されますか?
計画情報が平時や災害時に誰へ提供されうるかの説明を受けます。49条の14第2項が、同意を求める際の説明を市町村長に義務付けています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が名簿に載ってるかどうか、役所に聞けば教えてもらえるんですか?
本人や家族が問い合わせれば、確認に応じる自治体が多い。名簿の作成は49条の10で市町村の義務とされており、個別避難計画の作成も本条で努力義務とされている。実務のポイント:防災担当課と福祉担当課のどちらが窓口かは自治体によって異なり、最初にかけた課でたらい回しになりがちである。「避難行動要支援者名簿と個別避難計画の担当課はどこですか」と、制度の名称を使って尋ねると一度で目的の課につながる
Q2同意しないと、災害のとき助けてもらえないんですか?
同意しなければ平時に計画は作られないが、それで支援の対象から外れるわけではない。49条の15第3項により、災害時には同意がなくても生命や身体を守るため必要な限度で情報が提供されうる。実務のポイント:本当の差は当日に出る。計画がない人は、支援者が当日になって初めて状況を把握するため、持病や薬、電源の必要性といった事前の準備がすべて抜け落ちる。拒否するなら、近所に知らせない形で計画を作れないか相談する余地がある
Q3近所の人の避難支援者を頼まれたけど、助けられなかったら訴えられたりしない?
内閣府の避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針は、計画は支援者に法的な義務や責任を負わせるものではなく、支援者本人と家族の安全が前提だと整理している。実務のポイント:引き受ける際に「自分ができるのは声かけと安否確認まで」のように範囲を計画へ明記しておくと、当日の判断に迷いが出にくい。一人に負担を集中させず、複数の支援者を書き込むよう市町村に求めるのが現場の定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 「名簿に載れば、災害時に誰かが迎えに来てくれる」と思われがちである。だが名簿は対象者の一覧にすぎず、迎えに行く人を決めるのは個別避難計画のほうである。計画がなければ、誰が誰を助けるかは当日の偶然に任される
- 計画の作成を拒否すればプライバシーが完全に守られる、という前提そのものがずれている。49条の15第3項により、災害が発生したとき、または発生するおそれがあるときは、生命や身体を守るために必要な限度で、本人の同意がなくても名簿や計画の情報が提供されうる。拒否したことで消えるのは平時の準備だけで、緊急時の情報提供は止まらない
- 支援者として名前を書かれる側から見れば、「助けられなかったら責任を問われるのでは」と身構えてしまう。一方、内閣府の取組指針は、計画は支援者に法的な義務や責任を負わせるものではなく、支援者自身の安全確保が前提だと整理している。この認識の差が、支援者のなり手不足の大きな原因になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的性格 | 49条の14:個別避難計画の作成は市町村長の努力義務 | 49条の10:避難行動要支援者名簿の作成は市町村長の義務 49条の15:計画情報の提供・利用のルール |
| 本人の同意 | 作成に本人の同意が必要(1項ただし書) | 名簿作成自体に本人の同意は不要 平時の提供は条例の定めか本人同意、災害時は同意なしでも提供されうる |
| 記載内容 | 名簿事項+支援者の氏名・連絡先、避難場所、避難経路 | 氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、避難支援を必要とする事由など 記載内容ではなく提供先と提供場面を定める |
| 役割 | 誰が、どこへ、どう連れて行くかという道順 | 誰が避難支援を必要としているかという地図 地図と道順を支援者に渡すための通路 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は災害防救法で災害予防と避難の枠組みを定めるが、要支援者ごとの個別計画を法律上の努力義務として明記する日本型の規定とは構造が異なる
フランスは市町村が高齢者・障害者の名簿を本人等の申出に基づき作成する制度を持ち、熱波などの緊急時の支援に用いる。日本の名簿制度に近いが、個別計画までは定めていない
米国は連邦法が災害支援の枠組みを定め、要配慮者への対応は州・地方の緊急計画や障害者差別禁止法制との関係で扱われ、個別計画は自治体の実務に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一人暮らしの父は要介護3で、家は浸水想定区域の中にある。もし今夜、線状降水帯で警戒レベル4が出たら、誰が父を車椅子に乗せて運び出すのだろうか。名簿に載っているだけで、個別避難計画がなければ、支援者は決まっていないかもしれない
- 民生委員の依頼で、近所の高齢女性の避難支援者として計画に名前を書くことになった。あなたの手には彼女の住所、持病、避難経路の情報が渡る。この情報を町内会の雑談で話すことは許されるのか。49条の17の秘密保持義務が、あなたにかかってくる
- 役所から「個別避難計画作成への同意のお願い」という封書が届いた。母は「近所に障害を知られたくない」と言って拒否するつもりでいる。同意しなければ計画は作られない。ただし災害発生時には、同意がなくても名簿情報が支援者に渡ることがある
- 台風の上陸予報まであと3日。ケアマネジャーとして担当している利用者のうち、誰の計画ができていて、誰の計画がまだなのか、あなたは把握していない。避難のタイミングを決める一番の材料がない
- 人工呼吸器を使う子どもがいる家庭。停電した瞬間に命の時間が数時間単位で減っていく。電源を確保できる避難先を計画に書き込んでおけるのは、平時のうちだけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の防災担当課か福祉担当課に、本人が避難行動要支援者名簿に載っているかを確認する2. 載っていれば、個別避難計画が作成済みかを尋ねる。未作成なら作成を申し出る3. 同意の説明を受けるときは、平時に誰へ情報が渡るか(49条の15第2項)を確認したうえで判断する4. ケアマネジャーや相談支援専門員に同席を頼み、支援者、避難場所、電源や薬の確保を具体的に書き込む5. 作成後は控えを家族で共有し、転居や状態が変化したときに更新を申し出る
訴えられた側:支援者として計画に名前が載る立場の場合:1. 引き受ける前に、自分の担当範囲(声かけのみか、搬送までか)を明確にしてもらう2. 受け取った情報は避難支援の目的以外に使わない。49条の17の秘密保持義務がある3. 自分と家族の安全確保が優先であり、取組指針も支援者に法的責任を負わせる趣旨ではないと整理している4. 引っ越しなどで支援が難しくなったら、すぐに市町村へ連絡して支援者を変更してもらう
時効(請求できる期限):本条に特定の期限や時効はない。計画作成は努力義務であり、内閣府の取組指針はハザード区域内の優先度が高い人についておおむね5年程度での作成を目安としている(最新の改正状況をご確認ください)。支援の不備を理由とする損害賠償には、国家賠償法や民法の一般原則(民法166条、724条)が適用される
学説
行政実務の整理(内閣府取組指針):個別避難計画は避難支援の実効性を高めるための計画であり、支援者に法的な義務や責任を負わせるものではなく、支援者本人と家族の安全確保を前提とすると整理されている
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正 令和元年東日本台風などで高齢者や障害者の犠牲が相次いだことを受け、個別避難計画の作成を市町村の努力義務として新設した。名簿情報の条文番号もこの改正で整理された。その後の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:令和元年東日本台風などで高齢者や障害者の犠牲が相次いだことを受け、個別避難計画の作成を市町村長の努力義務として新設。同意取得時の説明義務、目的外の内部利用、都道府県知事等への情報提供の求めも併せて規定された
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