災害対策基本法 第49条の10(避難行動要支援者名簿の作成)
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- 市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの(以下「避難行動要支援者」という。)の把握に努めるとともに、地域防災計画の定めるところにより、避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置(以下「避難支援等」という。)を実施するための基礎とする名簿(以下この条及び次条第一項において「避難行動要支援者名簿」という。)を作成しておかなければならない。
- 2.避難行動要支援者名簿には、避難行動要支援者に関する次に掲げる事項を記載し、又は記録するものとする。
- 一氏名
- 二生年月日
- 三性別
- 四住所又は居所
- 五電話番号その他の連絡先
- 六避難支援等を必要とする事由
- 七前各号に掲げるもののほか、避難支援等の実施に関し市町村長が必要と認める事項
- 3.市町村長は、第一項の規定による避難行動要支援者名簿の作成に必要な限度で、その保有する要配慮者の氏名その他の要配慮者に関する情報を、その保有に当たつて特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
- 4.市町村長は、第一項の規定による避難行動要支援者名簿の作成のため必要があると認めるときは、関係都道府県知事その他の者に対して、要配慮者に関する情報の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
避難行動要支援者名簿の作成とは何ですか?
定義避難行動要支援者名簿の作成とは、災害対策基本法第49条の10に定められた規定で、「市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第49条の10(避難行動要支援者名簿の作成)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第49条の10の条文原文は「市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確…」で始まります。
- 災害対策基本法第49条の10は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第49条の10の前の条は災害対策基本法第49条の9です。
- 災害対策基本法第49条の10の次の条は災害対策基本法第49条の11です。
- 災害対策基本法第49条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/49_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法49条の10は、市町村長に避難行動要支援者名簿の作成を義務づける。作成に必要な限度で、福祉目的で保有する要配慮者情報の内部利用も認めている。
Q · 要介護の親は、申し込まなくても市の避難名簿に載るの?
基準に当たれば、申出がなくても役所が名簿に載せうる
災害対策基本法49条の10第1項は、市町村長に避難行動要支援者名簿の作成を義務づけています。第3項により、市町村は要介護認定や障害者手帳など福祉目的で保有する情報を名簿作成に内部利用できるため、本人の申出がなくても登載されることがあります。ただし対象の線引きは市町村ごとに異なり、平時に自治会や民生委員へ名簿が渡るのは、原則として本人が同意した場合に限られます(49条の11第2項)。
解説
東日本大震災では、障害のある人の死亡率が住民全体の約2倍に達したと報告されている。逃げ遅れた理由のひとつは、誰が自力で逃げられないのかを地域の誰も把握していなかったことだ。この反省から平成25年(2013年)に置かれたのが本条である。本条は市町村長に「避難行動要支援者名簿」(自力で逃げるのが難しく、特に手助けが要る人のリスト)の作成を義務づけた。名簿には氏名、住所、連絡先に加え、支援が要る理由まで載る。さらに第3項により、役所が介護保険や障害者手帳のために集めた情報も、名簿作りに転用できる。つまり、あなたの親が要介護認定を受けていれば、何も申し出なくても名簿に入る可能性がある。ただし落とし穴がある。名簿があることと、近所の誰かが普段からそれを持っていることは別の話だ。平時に自治会や民生委員へ渡るのは、原則として本人が同意した場合に限られる(49条の11第2項。条例に特別の定めがある場合を除く)。同意の返信用紙を捨てた家庭は、普段は「役所しか知らない人」のままになる。
法的な位置づけ
避難行動要支援者名簿とは、災害対策基本法49条の10に基づき市町村長が作成する名簿であり、要配慮者のうち災害時に自ら避難することが困難で、円滑かつ迅速な避難の確保のため特に支援を要する者について、氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、避難支援等を必要とする事由などを記載し、避難の支援や安否確認の基礎とするものである。
よくある質問 AI による整理
Q1避難行動要支援者名簿とは何ですか?
災害時に自力で避難するのが難しく、特に支援が要る人を市町村長がまとめた名簿です。災害対策基本法49条の10が作成を義務づけています。
Q2避難行動要支援者名簿に載る項目は?
氏名、生年月日、性別、住所または居所、電話番号などの連絡先、避難支援等を必要とする事由、その他市町村長が必要と認める事項です(49条の10第2項)。
Q3避難行動要支援者名簿の対象者は誰?
高齢者や障害者などの要配慮者のうち、自ら避難することが困難で特に支援を要する人です。具体的な基準は各市町村の地域防災計画で定められます。
Q4福祉の情報を避難名簿に使うのは個人情報保護法違反?
違反にはなりません。49条の10第3項が、名簿作成に必要な限度での目的外の内部利用を明文で認めており、個人情報保護法の利用制限の特則として働きます。
Q5避難行動要支援者名簿の作成は市町村の義務?
義務です。第1項は要支援者の「把握」を努力義務とする一方、名簿は「作成しておかなければならない」と定め、作成自体を法的義務としています。
Q6難病の情報も避難名簿に使われる?
使われることがあります。難病の医療費助成情報は都道府県が持つことが多く、第4項に基づき市町村長は知事などに要配慮者の情報提供を求められます。
Q7避難行動要支援者名簿はいつ作られた制度?
東日本大震災で障害者や高齢者の逃げ遅れが問題となったことを受け、平成25年(2013年)の災害対策基本法改正で設けられた制度です。
Q8避難名簿に載っているか確認できる?
多くの自治体では、防災担当課または福祉担当課に問い合わせれば確認できます。個人情報保護法に基づく自己情報の開示請求という方法もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1名簿に載るのって、本人が申し込まないといけないんですか?
申し込みは必須ではない。本条第1項は市町村長に把握と名簿作成を義務づけており、第3項で要介護認定や障害者手帳などの情報を内部で転用できる。そのため、基準に当たれば自動的に名簿に入りうる。実務のポイント:基準は市町村ごとに違い、軽い認知症で一人暮らしの人や、手帳を持たない人は漏れやすい。多くの自治体は本人や家族からの申し出による登載を受け付けているので、基準外でも窓口で相談する価値がある
Q2名簿に載ったら、病気のこととか近所に全部バレますか?
平時に自治会や民生委員などへ渡るのは、原則として本人が同意した場合か、条例に特別の定めがある場合に限られる(49条の11第2項)。受け取った側は秘密保持義務を負う(49条の13)。実務のポイント:自治体によっては、提供する項目について相談に応じる運用もある。「支援が必要な理由」の書き方を「歩行が困難」程度にとどめたいなど、細かい希望を伝えてから同意するという手がある
Q3同意してなくても、災害のときは名簿って使われるんですか?
使われうる。災害が発生した、または発生するおそれがある場合で、生命や身体を守るために特に必要があるときは、市町村長は本人の同意なしに支援者へ名簿情報を提供できる(49条の11第3項)。実務のポイント:混乱の中では名簿の受け渡し自体が遅れがちで、受け取った側も初対面の相手の家を探すことになる。同意を「プライバシーを差し出すこと」ではなく「事前に顔合わせをするための切符」と考えると、判断が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「名簿に載れば誰かが助けに来てくれる」という問いの立て方自体がずれている。本条が定めるのは市町村長の名簿作成義務であり、特定の誰かに救助義務を課してはいない。内閣府の取組指針も、避難支援にあたる人が自分や家族の安全を優先することを前提にしている。名簿は救助の約束ではなく、支援の段取りを組むための土台である
- 「個人情報なのだから、役所は福祉の情報を勝手に使えないはずだ」と思われがちだ。しかし第3項は、名簿作成に必要な限度で、介護保険や障害福祉のために集めた情報を目的外に内部利用することを明文で認めている。本人が申し出なくても、要件に当たれば名簿に入りうる
- 要配慮者と避難行動要支援者が同じだと思っている人は多いが、その違いの重さは知られていない。高齢者、障害者、乳幼児などの要配慮者のうち、自力での避難が困難で特に支援を要する人だけが名簿の対象になる。どこで線を引くかは市町村ごとの運用によるため、隣の市なら載る人があなたの市では載らないことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 49条の10:名簿の作成(把握・記載事項・情報収集) | 49条の11:名簿情報の利用と外部への提供 49条の14:個別避難計画の作成 |
| 市町村の義務の強さ | 名簿作成は法的義務(要支援者の把握は努力義務) | 提供は本人同意等の要件を満たす範囲で実施 個別避難計画の作成は努力義務 |
| 本人同意の要否 | 不要(第3項で福祉情報を内部利用できる) | 平時の外部提供は原則同意必要(条例の特別の定めがある場合を除く)、災害時は同意不要の場合あり 本人の同意を前提に作成・提供 |
| 家族が取るべき行動 | 登載の有無を確認し、漏れていれば申出で登載を求める | 同意書に返信し、平時から支援者と顔を合わせる ケアマネジャー等を通じて計画作成を依頼する |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は災害防救法で災害予防と避難の枠組みを定める。災害弱者の名簿作成を市町村相当の機関に明文で義務づける日本型の規定があるかは要確認
フランスは2003年の熱波被害を受け、市町村が高齢者・障害者の登録簿を作る制度を設けた。本人または第三者の申出による任意登録が基本で、日本の行政主導型と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市役所から「避難支援のための情報提供に同意しますか」という封書が届いたが、一人暮らしの母はよく分からず放置していた。もし今夜、大雨で避難指示が出たら名簿はどうなるのか? 災害が起きた、または起きるおそれがある段階なら、市町村長は本人の同意がなくても支援者に名簿を渡せる(49条の11第3項)。ただし、普段一度も顔を合わせていない支援者が、その夜に初めて住所を知って駆けつけられるかは別問題だ
- あなたは自治会の防災担当になり、市から名簿の写しを受け取った。町内会の LINE グループに「念のため共有します」と写真を貼った瞬間、名簿を受け取った者の秘密保持義務(49条の13)に正面から抵触する。善意の共有のつもりでも、名簿に載った人の支援が必要な理由と住所を広く晒すことになる
- 人工呼吸器をつけて在宅療養している子どもがいる。停電すれば数時間が勝負になる。名簿の「避難支援等を必要とする事由」欄に電源が必要だと書かれているかどうかで、当日の段取りが変わる
- 台風の上陸予報まであと3日。要介護4の父と二人暮らしのあなたは、市の名簿に父が載っているかを知らない。市の防災担当課か福祉担当課に問い合わせれば、登載の有無と、地域の誰に情報が渡っているかを確認できることが多い。予報が出たあとは窓口の電話がつながりにくくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市の防災担当課または福祉担当課に、本人が名簿に載っているか、平時に誰へ情報が渡っているかを確認する2. 載っていなければ、多くの自治体が設けている申し出による登載を求める3. 同意書に返信し、民生委員や自治会と顔を合わせておく4. ケアマネジャーや相談支援専門員を通じて個別避難計画(49条の14)の作成を依頼する。名簿の誤りや漏えいが疑われるときは、個人情報保護法に基づく開示請求や訂正請求も選択肢になる
訴えられた側:1. 名簿情報を受け取った自治会役員や民生委員は秘密保持義務(49条の13)を負う。コピー、SNS での共有、目的外の閲覧はしない2. 保管場所と閲覧できる人を決め、役員が交代するときは確実に返却または引継ぎをする3. 自治体職員であれば、登載基準と更新頻度を地域防災計画で明確にしておく。作成や更新を怠ったことで避難が遅れ被害が出た場合、国家賠償法1条の責任が問題となる余地がある(因果関係の立証は実務上容易ではない)
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。名簿の不備や情報漏えいで損害が生じた場合の国家賠償請求には、国家賠償法4条により民法が適用される。損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、不法行為の時から20年で請求できなくなる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正 東日本大震災の教訓を受け、避難行動要支援者名簿の作成義務を定める条文として新設された
- 令和3年(2021年)改正 個別避難計画の作成を努力義務とする49条の14以下が新設された。この改正で本条の文言が調整されたか、またその内容は要確認
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:東日本大震災で高齢者や障害者の逃げ遅れが問題となったことを受け、避難行動要支援者名簿の作成義務を定める条文として新設された
- 2.令和3年(2021年) 改正:個別避難計画の作成を努力義務とする49条の14以下が新設され、名簿と個別避難計画の二段構えになった。本条の文言調整の詳細は要確認
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