要点国税通則法 133 条は、査察官が裁判官の許可状を得て、犯則嫌疑者の発着した郵便物を通信事業者から差し押さえる権限を定める。第三者宛ては犯則事件との関連が必要で、差押えは原則通知される。
Q · 税務署は本当に人の郵便物を勝手に差し押さえられるの?
査察官なら令状があれば差押え可能
国税通則法 133 条により、犯則事件を調査する査察官は裁判官の許可状を得て郵便物を差し押さえられます。1 項は犯則嫌疑者が発着した郵便物で関連性を細かく問われず、2 項は第三者宛てで「犯則事件に関係があると認めるに足りる状況」が必要です。3 項で発信人・受信人への通知が義務づけられますが、通知により調査が妨げられるおそれがある間は通知を遅らせることができます。任意の税務調査にこの権限はなく、犯則調査に入った査察部門のみが持ちます。
郵便局に留め置かれたあなた宛ての封筒を、警察でも検察でもない国税の職員が差し押さえられる。それを可能にするのが国税通則法 133 条だ。脱税などの犯則事件を調べる査察官(通称マルサ)は、裁判官が出す許可状を手にすれば、あなたが出した郵便物も、あなたに宛てられた郵便物も、通信事業者が保管しているものを押収できる。しかも構造は二段になっている。1 項はあなた本人が発信人・受信人の郵便物で、犯則事件との関連を細かく問われない。2 項は第三者宛ての郵便物で、こちらは「犯則事件に関係があると認めるに足りる状況」がなければ手を出せない。そして 3 項、差押えをしたら発信人か受信人に通知する義務がある。ただし例外がある。通知すると調査が妨げられるおそれがあるときは、知らせなくてよい。あなたの手紙が押さえられ、あなたはそれを知らないまま調査が進む、その扉がこの一条に組み込まれている。
国税通則法 133 条は、国税の犯則事件の調査における郵便物等の差押えを定める規定である。当該職員(査察官)は裁判官の許可状を得て、犯則嫌疑者が発着した郵便物・信書便物・電信についての書類を通信事務取扱者から差し押さえることができ、第三者宛てのものは犯則事件との関連が認められる場合に限られる。差押え後は原則として発信人または受信人へ通知される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国税の犯則事件を調査する査察官が、裁判官の許可状を得て犯則嫌疑者の郵便物を差し押さえる権限を定めた規定です。差押え後は原則として通知されます。
マルサ(査察)は脱税の犯則調査で、令状に基づき郵便物差押えなど強制処分が可能です。通常の税務調査は任意で、郵便物を押収する権限はありません。
提示される許可状の対象・期間・差押物件の範囲を確認して記録し、税務と刑事の双方に通じた弁護士へ早期に相談します。発言は慎重にすべきです。
差し押さえられます。ただし 133 条 2 項により「犯則事件に関係があると認めるに足りる状況」が必要で、無条件ではありません。容疑者以外でも対象になり得ます。
必要です。1 項も 2 項も裁判官が発する許可状を前提とする令状主義がとられており、査察官の一存では差し押さえられません。
133 条は郵便物・信書便物・電信書類が対象です。電子データは別の差押えや記録命令付差押えの規定で扱われ、条文の射程が異なります。
平成 29 年(2017 年)改正で廃止され、平成 30 年(2018 年)4 月 1 日から国税通則法第 11 章に統合されました。古い解説は旧「国犯法」で説明しています。
必ずではありません。犯則調査は行政手続で、心証を得た場合に告発され刑事事件へ転じます。告発の有無や検察の判断により結論は分かれます。
簡単ではない。国税通則法 133 条は裁判官が出す許可状(令状)を必ず要求している。1 項でも 2 項でも令状主義が前提で、査察官の一存では押収できない。しかも 2 項の第三者郵便物は「犯則事件に関係があると認めるに足りる状況」の疎明が要る。業界裏話ヒント:査察(マルサ)と通常の税務調査は法的性質が全く別物。任意の税務調査に郵便物差押えの権限はなく、この権力を持つのは犯則調査に入った査察部門だけ。玄関に来たのが調査官か査察官かで、あなたが置かれた局面はまるで違う
原則は教えてもらえる。133 条 3 項が発信人か受信人への通知を義務づけている。だが但書に大きな例外がある。通知によって調査が妨げられるおそれがある間は、通知しなくてよい。つまり調査が進行中なら、あなたは自分の郵便物が押さえられた事実を当分知らされない。業界裏話ヒント:査察が水面下で動いているとき、この但書が使われる。通知が来ないことは無関係を意味しない、むしろ調査継続のサインでもある。だから査察の気配を感じた時点で、通知を待たずに専門家へ動くのが実務の勘どころだ
権限の出どころが違う。刑事訴訟法 100 条・222 条に基づく郵便物押収は警察・検察の捜査権限、133 条は国税通則法に基づく犯則調査の権限だ。犯則調査は形式上は行政手続だが、告発されれば刑事事件に転じる二階建て構造になっている。業界裏話ヒント:2018 年(平成 30 年)に国税犯則取締法が廃止され、この規定は国税通則法の第 11 章に移された。古い解説書は「国犯法」で説明しているものが多く、条文番号ごと変わっている。検索するなら「国税通則法 犯則調査」が現行の入口だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象 | 133 条:郵便物・信書便物・電信についての書類 | — |
| 要件 | 許可状+(第三者宛ては)犯則事件との関連の疎明 | — |
| 主体 | 当該職員(国税の査察官) | — |
| 通知 | 3 項で発信人・受信人へ原則通知(但書で遅延可) | — |
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