要点国税通則法 155 条は、犯則調査により犯則があると思料するとき、職員に検察官への告発を義務付ける規定。所得税・法人税など間接国税以外では、告発するか否かに裁量の余地はない。
Q · 脱税がバレたら、税金を払って終わりにはならないんですか?
税目次第。所得税・法人税なら告発は義務で裁量の余地はない
国税通則法 155 条は、当該職員が犯則事件の調査により犯則があると思料するときは、検察官に告発しなければならないと定めます。間接国税以外の国税、つまり所得税・法人税・相続税などのほ脱には、行政的な金銭納付で終わらせる通告処分の道が制度として用意されていません。申告納税方式による間接国税は原則として通告処分で処理され、酒税法 55 条 1 項・3 項の罪その他政令で定める罪に限って告発されます。本税や重加算税を全額納付しても、155 条の告発義務そのものは消えません。
税務署の調査官が来た日と、国税局査察部の職員が令状を持って玄関に立つ日は、法的にまったく別の世界である。前者は税額を確定させるための行政調査、後者は刑事罰を前提とした犯則調査だ。155 条は、その犯則調査の出口を定める。所得税・法人税・相続税といった間接国税以外の税で「犯則があると思料するとき」、職員には告発しなければならないという義務が課される。裁量ではなく義務であることに注目してほしい。酒税など申告納税方式の間接国税は、原則として通告処分(行政的な金銭納付で終わらせる仕組み)に流れるのに対し、所得税や法人税のほ脱には、その逃げ道が制度として用意されていない。あなたが「修正申告して税金を払えば刑事にはならない」と信じているなら、その安心は間接国税の世界の話であって、あなたが払っている税の世界の話ではない。
国税通則法 155 条は、犯則事件の告発義務を定める規定である。当該職員が犯則事件の調査により犯則があると思料するとき、間接国税以外の国税に関する犯則事件、および申告納税方式による間接国税のうち酒税法 55 条 1 項・3 項の罪その他政令で定める罪に係る事件について、検察官への告発を義務付ける。告発するか否かに職員の裁量は認められていない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
税務調査は税額を確定させる行政手続、犯則調査は刑事罰を前提とした手続です。犯則調査は裁判官の許可状に基づく臨検・捜索・差押え(国税通則法 132 条)が可能で、出口には 155 条の告発が待っています。
申告納税方式による間接国税の犯則事件について、告発に代えて罰金相当額の納付を通告する行政的な処理です。履行すればその事件で刑事訴追されない効果があります。所得税・法人税にはこの制度がありません。
155 条の告発義務は納付の有無では消えません。本税・重加算税を全額納付しても告発は止まらず、量刑の情状として考慮されるにとどまります。行政上の制裁と刑事の告発は排他の関係にありません。
条文に金額基準はなく、犯則があると思料するかどうかで判断されます。実務上は脱税額の規模、仮装隠蔽の悪質性、期間の継続性が重視されると言われますが、公表された明確な閾値はありません。
各税法の両罰規定により、法人と実際に行為した個人の双方が処罰対象になりえます。「指示に従っただけ」という立場でも、実行者として告発の対象に含まれる可能性があります。
犯則調査は着手前に長期の内偵が行われるため、前触れなく早朝に複数箇所へ同時に入るのが通例です。任意の税務調査のような事前通知(国税通則法 74 条の 9)の仕組みはありません。
155 条は「告発しなければならない」と定めており、職員に見逃す裁量はありません。交渉の余地があるのは告発前の事実認定の段階であって、告発するか否かの判断ではありません。
公訴時効は罪の法定刑に応じて決まり、多くのほ脱犯は 5 年とされています(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、ほ脱犯では申告期限の経過時と解されています。
犯則調査に入られた全件が告発されるわけではない。犯則があると思料するに至らなければ告発されず、課税処分だけで終わる事案もある。ただし 155 条は思料した時点で告発を義務付ける(裁量ではない)。業界裏話ヒント:査察は着手前に相当な内偵を済ませている。玄関に立った時点で、彼らはあなたの通帳の動きを既に把握している前提で対応方針を組むべきで、「知らなかった」で押し通す戦略は最も失敗しやすい
申告納税方式による間接国税は、原則として通告処分(行政上の金銭納付)で処理され、155 条 2 号が定める酒税法 55 条 1 項・3 項の罪その他政令で定める重い罪に限って告発される。つまり同じ「脱税」でも税目で出口が違う。業界裏話ヒント:通告処分を履行すれば、その事件について刑事訴追されないという効果を持つ。この一事不再理に似た効果があるかどうかが、税目によるリスク差の正体である
税務調査(国税通則法 74 条の 2 以下)の質問検査には不答弁への罰則があるが、犯則調査は刑事手続に準ずるものと解され、憲法 38 条 1 項の自己負罪拒否特権が及ぶ。実務上、解釈が分かれる領域もあるため、実際の対応は弁護人と決めるべきである。業界裏話ヒント:査察官の質問に答えた内容は調書化され、後の刑事裁判の中核証拠になる。最初の一日で語った説明が、一年後の法廷であなたを縛る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 国税通則法 155 条:犯則調査の出口、検察官への告発義務 | — |
| 強制力 | 犯則があると思料すれば告発は義務、職員に裁量なし | — |
| 行き着く先 | 検察官による捜査・起訴、刑事罰 | — |
| 税目による分岐 | 間接国税以外は告発、申告納税方式の間接国税は酒税法 55 条 1 項・3 項の罪等に限定 | — |
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