要点国税通則法 159 条は、間接国税の犯則事件は税務署等の告発を待って論ずると定める。告発は書面で行い、引き継がれた差押物件は検察官の押収物とみなされ、告発の取消はできない。
Q · 消費税の脱税がバレたら、税務署が告発しなくても検察に起訴されるの?
告発の前なら通告処分で終われるが、告発後は取消不可
国税通則法 159 条 1 項により、間接国税(消費税・酒税など)の犯則事件は、税務署・国税局の当該職員や国税局長等の告発がなければ検察官は起訴できません(告発前置主義)。告発の手前には 157 条の通告処分があり、示された金額を納付すれば刑事事件になりません。ただし 5 項は告発の取消を禁じており、告発後に納付しても手続を戻せません。さらに 4 項により、犯則調査で領置・差押えされた物件は告発とともに検察官の押収物とみなされます。
居酒屋を営んでいて、売上の一部を抜いて消費税を過少に申告していたとする。ある朝、国税局査察部(マルサ)が踏み込み、帳簿もレジもパソコンも差し押さえられた。多くの人はここで「もう前科は避けられない」と観念する。だが国税通則法159条を知る者は、まだ一枚の切符が手元に残っていることを見抜く。消費税や酒税のような間接国税の犯則事件には、いきなり刑事手続ではなく、まず通告処分(157条)という道がある。税務署が示した金額を納めれば、刑事事件にならず幕を引ける。そして決定的なのは、検察官はこの条文の定める「告発」がなければあなたを起訴できないという点だ。これを告発前置主義と呼ぶ。裏を返せば、告発される前だけが唯一の交渉窓口だ。しかも5項が冷たく告げる、一度なされた告発は二度と取り消せない。親告罪の告訴と違い、示談で引っ込めてもらう余地はない。あなたの生死を分けるのは、告発の前にいるか後にいるか、その一点だ。
国税通則法 159 条は、間接国税に関する犯則事件の告発を定める規定である。同条 1 項は、当該職員または国税局長・税務署長の告発を訴訟条件とし(告発前置主義)、2 項は告発の書面性と調書・物件の検察官への引継ぎを、4 項は引継物件を刑事訴訟法上の押収物とみなす旨を、5 項は告発の取消不能を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関の告発を公訴提起の条件とする仕組みです。国税通則法 159 条 1 項により、間接国税の犯則事件は税務署等の告発がなければ検察官は起訴できません。
所定の期間内に通告の旨を履行しなければ、国税局長または税務署長が告発を行い(157 条 2 項)、事件は刑事手続へ移ります。告発後は 5 項により取消もできません。
違います。所得税・法人税など間接国税以外は 155 条により告発されますが、通告処分の制度はありません。納付で刑事化を止める道は間接国税に固有のルートです。
国税局・税務署の当該職員(156 条 1 項ただし書)、国税庁の当該職員(同条 2 項ただし書)、または国税局長・税務署長(157 条 2 項・158 条)です。
できません。159 条 2 項は書面によることを求め、152 条の調書を添付し、領置物件・差押物件があるときは目録とともに検察官へ引き継ぐことを義務づけています。
電磁的記録の保管者に必要な記録を記録媒体へ記録・印刷させたうえで差し押さえる処分です。平成 29 年改正で引継ぎ対象に加わり、告発後は押収物とみなされます。
酒税は間接国税なので、無許可製造・販売は犯則事件として 159 条のルートに乗ります。まず通告処分の可能性があり、履行しなければ告発され刑事手続へ進みます。
通告処分の道は閉じますが、本税・加算税・延滞税の納付、修正申告、引継証拠の収集手続の適法性の吟味など刑事弁護活動は残ります。弁護人の早期選任が鍵です。
間接国税(消費税・酒税など)なら、必ずしもそうではありません。国税通則法157条の通告処分に応じて金銭を納付すれば、刑事事件にならずに終わります(159条1項が告発を訴訟条件としているため)。業界裏話ヒント:直接国税(所得税・法人税)にはこの通告処分の制度がなく、納付で刑事化を止める救済ルートは間接国税だけの特典です。自分の事案がどちらの税かで、打てる手が根本から変わる
できません。159条5項が「第一項の告発は、取り消すことができない」と明言しています。親告罪の告訴と違い、一度出た告発の撤回という選択肢は存在しません。業界裏話ヒント:だからこそ勝負は告発の「前」です。通告処分の段階で全額を納める、あるいは犯則調査に誠実に対応して告発自体を思いとどまらせる、この窓口を逃した瞬間に後戻りの道は消える
使われます。159条4項により、告発とともに引き継がれた領置・差押・記録命令付差押の物件は、刑事訴訟法上、検察官が押収したものとみなされます。行政調査で集めた証拠が、そのまま刑事証拠へ横滑りする構造です。業界裏話ヒント:犯則調査では任意提出の場面も多く、告発前だからと油断して渡した資料が、後で自分を追い込む証拠になる。最初の一手から弁護士を同席させる価値はここにある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用対象 | 159 条:間接国税(消費税・酒税等)の犯則事件の告発 | — |
| 刑事化を止める道 | 告発前なら通告処分の履行で終了できる | — |
| 訴訟条件 | 告発が公訴提起の条件(告発前置主義、1 項) | — |
| 撤回の可否 | 告発の取消は不可(5 項) | — |
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