要点国税通則法 144 条は、運搬・保管に不便な差押物件を所有者に保管させ、腐敗・変質のおそれある物件は公告後に公売して代金を供託できると定める。公売に所有者の承諾は不要である。
Q · 差し押さえられた生鮮品やワインは、無罪になっても現物で返ってこないんですか?
変質のおそれある物は公売され、戻るのは代金だけです
国税通則法 144 条 2 項により、腐敗・変質のおそれがある領置物件・差押物件は、公告のうえ公売に付され、その代金が供託されます。事件が没収に至らなくても、現物は競売で他人に渡り、戻るのは供託金だけです。査察の公売は買い手が限られ時価を下回ることが多く、財産は目減りします。一方、運搬・保管に不便な物は、所有者等の承諾を得て保管証を徴し、所有者自身に保管させることができます(1 項)。
マルサ、つまり国税局査察部が令状を持って踏み込み、帳簿もパソコンも、店の冷蔵庫に眠る高級食材まで押さえていった。ここで多くの人が知らないのが、その押さえられた物のゆくえだ。国税通則法144条は二つの力を定める。第一に、運搬や保管に不便な物は、所有者であるあなた自身に「保管証」を取って預けさせることができる。倉庫の鍵はあなたが握ったまま、という奇妙な状態が起きる。ただしあなたの承諾が要る。第二に、生鮮品やワインのように腐敗・変質のおそれがある物は、公告のうえ公売にかけ、その代金が供託される。ここが怖い。事件が有罪・没収に至らなくても、現物は競売で他人の手に渡り、あなたに戻るのは代金だけ。しかも査察の公売は買い手が限られ、時価を大きく下回ることが多い。差押えを受けた瞬間から、あなたの財産の価値は静かに目減りしていく。
国税通則法 144 条は、国税犯則調査で領置・差押えした物件の処置を定める規定である。運搬・保管に不便な物件は所有者等の承諾を得て保管証を徴し保管させることができ、腐敗・変質のおそれがある物件は政令に従い公告した後に公売へ付し、その代金を供託することができる旨を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
領置は相手が任意に提出した物や遺留物を占有する処分、差押えは臨検・捜索により強制的に占有する処分です。144 条はどちらの物件も同じ処置の対象とします。
運搬・保管に不便な物件を所有者等に保管させる際、当該職員が徴する書面です。保管者は以後その物件を勝手に処分・移動できず、隠匿すれば別の刑事責任を負います。
腐敗・変質のおそれがあるとき、国税庁長官・国税局長・税務署長が政令に従い公告の後に公売できます。事件の決着を待たずに現物が処分される点が特徴です。
電磁的記録を保管する者に命じて必要な記録を記録媒体に記録・印刷させ、その媒体を差し押さえる手続です。144 条の処置対象に含まれます。
事件が没収に至らなければ、供託金として還付を請求できます。供託物還付請求権には一般消滅時効が及ぶため、放置は禁物です。
所有者であれば還付・仮還付の申立てができます。問うべきは取り戻せるかではなく、どの手続でいつ動くかです。公売前なら現物確保の余地があります。
自分の物が他人の犯則調査に巻き込まれた場合でも、所有者として還付を求める道があります。所有を証する資料を整えて早期に申し立てます。
不要です。1 項の保管には承諾が要りますが、2 項の変質のおそれによる公売は承諾なしに実施できます。だから公売前の反論が重要になります。
現物では戻りません。腐敗・変質のおそれがあるとして公売にかけられた物は、その代金が供託され(144条2項)、事件が没収に至らなければ供託金として還付されます。物そのものは競売で他人の手に渡った後です。業界裏話ヒント:査察の公売は買い手が限られ、時価を大きく下回って売れることが多い。だから生鮮品の差押えは、それ自体が財産の目減りを生む。争えるうちに『変質のおそれなし』を主張して公売自体を止めるのが、金額を守る本筋です
断れます。144条1項の保管は『その承諾を得て』が要件で、同意なしに押し付けられることはありません。逆に手元に残したい物なら承諾する選択もあります。業界裏話ヒント:保管を引き受けると保管証を差し入れ、以後その物を勝手に処分・移動すれば犯則物件の隠匿として別の刑事責任を問われうる。承諾は『物が手元に残る』利点と『管理責任を負う』リスクの二面がある。承諾前に必ず目録で何を預かるのか確認することです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 144 条:領置・差押物件の処置(保管・公売・供託) | — |
| 対象となる局面 | 物件を占有した後の維持・処分の場面 | — |
| 所有者の関与 | 保管は承諾要件、公売は承諾不要 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。