共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第十九条までに定めるところによる。
要点区分所有法 12 条は、共用部分の共有について民法ではなく同法 13 条から 19 条までによると定める。そのため民法 256 条の分割請求権は共用部分に適用されない。
Q · マンションの廊下や屋上は共有なのに、どうして「分割してくれ」と言えないんですか?
区分所有法 12 条が民法の共有規定を外しているからです
共用部分は区分所有者の共有ですが、区分所有法 12 条により、その共有関係は民法ではなく同法 13 条から 19 条までが規律します。そのため民法 256 条の分割請求権は適用されず、廊下・階段・屋上の持分を切り出して分割や競売にかけることはできません。持分は 15 条により専有部分と一体で処分され、変更は 17 条の 4 分の 3 決議、費用と収益は 19 条の持分割合で按分されます。建物を一体として存続させるための設計です。
マンションを買った瞬間、あなたは性質のまったく違う二つの財産を同時に手にしている。表札のかかった自分の部屋(専有部分)と、廊下・階段・屋上・エントランス・основ躯体の持分(共用部分の共有持分)だ。民法の共有であれば、共有者はいつでも分割を請求でき、話がまとまらなければ裁判所が競売にかけられる(民法256条、258条)。それが廊下や屋上に適用されたら、住民一人の気まぐれで数十世帯の住居が消える。12条は、その民法の回路を共用部分から切り離す一行である。共用部分の共有については民法ではなくこの法律の13条から19条による、とだけ書いてある。だが、分割請求権の封じ込め、持分割合の固定、専有部分と切り離して売れない仕組み、大規模修繕の4分の3ルール、管理費の分担率まで、マンション生活の土台はすべてこの一行から分岐している。
区分所有法 12 条は、共用部分の共有関係についての準用切替規定である。共用部分が区分所有者の全員又は一部の共有に属する場合、その共有については民法の共有に関する規定ではなく、同法 13 条から 19 条までの規定によることを定め、使用・持分割合・分離処分の禁止・変更の決議要件・費用負担と収益帰属を専用の規律に委ねる。
共用部分の共有関係を民法の共有規定から切り離し、区分所有法 13 条から 19 条までに委ねる準用切替規定です。分割請求の封じ込めや持分の一体処分の出発点になります。
できません。12 条が民法の共有規定の適用を排除しているため、民法 256 条の分割請求権は共用部分に及びません。廊下や屋上を切り分けたり競売にかけたりする道はありません。
できません。15 条 1 項により持分は専有部分の処分に従い、2 項が分離処分を禁じています。持分を手放す唯一の方法は部屋ごと売却することです。
14 条により、原則として各区分所有者が有する専有部分の床面積の割合によります。規約で別段の定めを置くこともでき、管理費や修繕積立金の分担率に直結します。
構造上一部の区分所有者のみの共用に供されることが明らかな部分です(11 条 1 項但書)。管理は 16 条により原則としてその一部の者が行い、費用負担の範囲が変わります。
形状または効用の著しい変更を伴う場合は 17 条 1 項により区分所有者及び議決権の各 4 分の 3 以上、伴わない場合は 18 条の普通決議で足ります。
7 条の先取特権の対象になり、8 条により特定承継人である買主にも請求できます。中古購入者が前所有者の滞納分を負担する事態はここから生じます。
19 条により原則として持分割合に応じて各区分所有者に帰属します。ただし規約の別段の定めで管理組合の収入とする例が実務では多数です。
できない。12条が民法の共有規定の適用を外し、15条1項が持分は専有部分の処分に従うと定め、同条2項がこの法律に別段の定めがある場合を除き分離処分を禁じている。持分を手放す唯一の方法は部屋ごと売ることである。業界裏話ヒント:部屋を売れば将来の管理費負担からは抜けられるが、滞納分は8条で買主に承継されるだけで、売主自身の債務が消えるわけではない。決済時に清算するのが実務の常識である
要らない。民法251条なら共有物の変更に共有者全員の同意が必要だが、12条が民法を外し、17条1項が区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会決議まで緩めている。形状または効用の著しい変更を伴わない工事なら18条の普通決議で足りる。業界裏話ヒント:4分の3か過半数かの線引きは、議案書で工事を「修繕」と書くか「改良」と書くかで動くことがあり、その表現を最初に決めているのは理事会側である(老朽マンション対策として決議要件の見直しが進んでおり、最新の改正状況をご確認ください)
争点は、そのエレベーターが全体共用部分か一部共用部分かである。構造上一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかなら一部共用部分となり(11条1項但書)、その管理は16条により原則としてその一部の者が行う。全体共用部分なら19条により持分に応じて負担する。業界裏話ヒント:この区別は規約で動かせる(11条2項)。分譲時の原始規約に「エレベーターは全体共用部分とする」と一行入っているかどうかで、店舗オーナーの生涯負担額が数百万円変わる。1階店舗を中古で買うなら、原始規約のその一行を必ず読む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 12 条:共用部分の共有関係をどの法律で規律するかの切替 | — |
| 民法との関係 | 民法 249 条以下の共有規定の適用を全面的に排除 | — |
| 実務で問題になる場面 | 分割請求・持分の単独競売ができるかの入口論 | — |
| 違反・誤解の帰結 | 民法の条文を根拠に交渉しても土俵違いで通らない | — |
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