建物の区分所有等に関する法律 第11条(共用部分の共有関係)
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- 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
- 2.前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
- 3.民法第百七十七条の規定は、共用部分には適用しない。
この条文の基本情報
共用部分の共有関係とは何ですか?
定義共用部分の共有関係とは、建物の区分所有等に関する法律第11条に定められた規定で、「共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第11条(共用部分の共有関係)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第11条の条文原文は「共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第11条は第一章 建物の区分所有に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第11条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第10条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第11条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第12条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法11条は、マンションの共用部分が区分所有者全員の共有に属すると定める。一部共用部分はこれを共用すべき者の共有となり、3項により民法177条の登記対抗要件は適用されない。
Q · マンションの廊下やエレベーターって、結局だれのものなんですか?
区分所有者全員の共有です。登記はなく部屋と一体で移ります
区分所有法11条1項により、廊下やエレベーターなどの共用部分は区分所有者全員の共有に属します。ただし一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者だけの共有です(1項ただし書)。3項が民法177条の適用を外しているため、法定共用部分の持分に登記は存在せず、専有部分を売れば持分も手続なしで買主へ移ります(15条1項)。2項により規約で別段の定めもできますが、27条1項の管理所有の場合を除き、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできません。
解説
マンションの廊下、エレベーター、屋上、外壁。これらの登記簿を法務局で請求しても、そもそも存在しない。区分所有法11条1項は共用部分が区分所有者全員の共有に属すると定めるが、その共有は民法の共有とは別物である。3項が民法177条(不動産の権利変動は登記しないと第三者に対抗できないという原則)の適用を正面から外しているからだ。つまりあなたが501号室を売った瞬間、廊下やエレベーターの持分は登記手続を一切経ずに買主へ移る。裏を返せば、共用部分の持分だけを誰かに売ることも、担保に差し出すこともできない。さらに1項ただし書は「一部共用部分」を認める。一階が店舗、二階以上が住居という建物なら、住居側の階段は住居所有者だけの共有になりうる。管理費の負担も修繕決議の重みも、この線引きで変わる。毎月の管理費が本当にあなたの共用部分に対応しているのか、検証の起点はここにある。
法的な位置づけ
建物の区分所有等に関する法律11条は共用部分の帰属を定める規定である。1項本文は共用部分が区分所有者全員の共有に属するとし、ただし書で一部共用部分をこれを共用すべき区分所有者の共有とする。2項は規約による別段の定めを許容しつつ、27条1項の管理所有を除き区分所有者以外の者を所有者と定めることを禁じ、3項は民法177条の適用を排除する。
手順
- 1.管理規約と別表を取り寄せる 管理組合または管理会社から管理規約の全文と別表を入手する。一部共用部分の定め(11条1項ただし書・2項)、持分割合(14条)、専用使用権の範囲がどこに書かれているかを最初に特定する
- 2.法定共用部分か規約共用部分かを切り分ける 分譲時の建物図面と登記事項証明書を突き合わせ、対象部分が構造上当然に共用部分となる法定共用部分か、規約で共用部分とした部分かを判断する。後者は共用部分である旨の登記の有無を確認する(4条2項、不動産登記法58条)
- 3.自分の持分割合と負担額を照合する 14条の持分割合の算定方法(原則は専有部分の床面積割合)と、規約別表に記載された割合が一致しているかを確認する。管理費・修繕積立金の請求額が持分割合と整合しているかを19条を軸に検算する
- 4.総会前に書面で理事会へ質問状を出す 争点となる部分の帰属と負担根拠について、11条1項・14条・19条を明示して書面で回答を求める。書面で残すこと自体が後の証拠になり、決議後に争う場合の出発点になる
よくある質問 AI による整理
Q1共用部分とは何ですか?
専有部分以外の建物の部分と附属物です。廊下、階段、エレベーター、屋上、外壁、躯体などが典型で、区分所有法11条1項により区分所有者全員の共有に属します。
Q2一部共用部分とは何ですか?
一部の区分所有者だけが共用すべき部分です。住居用の階段を住居所有者だけで使う場合などで、11条1項ただし書により、その者たちだけの共有になります。
Q3共用部分に登記は必要ですか?
法定共用部分の持分には登記がありません。11条3項が民法177条の適用を外しているためです。規約共用部分だけは共用部分である旨の登記が必要です(4条2項)。
Q4共用部分の持分割合はどう決まりますか?
原則は専有部分の床面積の割合です(14条1項)。規約で別段の定めをすることもできるため、まず管理規約と別表を確認するのが実務の順序です。
Q5共用部分の修繕費は誰が負担しますか?
原則として区分所有者が持分割合に応じて負担します(19条)。使う使わないは原則として負担の理由になりません。一部共用部分の定めがあれば負担の範囲が変わります。
Q6規約で共用部分の帰属を変えられますか?
できます。11条2項が規約による別段の定めを認めています。ただし27条1項の管理所有の場合を除き、区分所有者以外の者を所有者と定めることはできません。
Q7玄関ドアや窓は共用部分ですか?
多くの管理規約では、玄関ドアの外側や窓枠・窓ガラスを共用部分とし、内側の塗装や錠の交換だけを専有部分の扱いにしています。規約の別表で範囲を確認してください。
Q8共用部分から漏水したら誰の責任ですか?
原因が共用部分の配管等にある場合、管理組合が管理者として対応するのが原則です。原因箇所が専有部分か共用部分かの切り分けが、責任と費用負担の起点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1バルコニーって自分の部屋じゃないんですか?
専有部分ではありません。バルコニーは建物の構造上の一部として共用部分に含まれ、区分所有者は規約で専用使用権を与えられているにすぎない、というのが実務の一般的な取扱いです(11条1項)。だから避難ハッチの上に物を置けず、勝手な床材変更も規約違反になりえます。実務のポイント:消防法上の避難経路の制約も重なるため、撤去を求められたとき「自分の専用スペースだ」という反論はまず通りません。争うなら専用使用権の範囲の解釈で攻めるのが唯一現実的な線です
Q2共用部分の持分だけ売ることはできますか?
できません。共用部分の持分は専有部分の処分に従い、分離して処分できません(15条1項)。11条3項が民法177条の適用を外しているのも、持分が専有部分の登記に付いて回るからです。持分だけの譲渡も、持分だけの抵当権設定も効力を持ちません。実務のポイント:逆に言えば、部屋を買えば共用部分の持分は自動で付いてくる。売買契約書に共用部分の記載がなくても買主が不利になることはなく、仲介業者が「共用部分の持分は別途」と言い出したら、その業者の知識水準を疑ってよい
Q3一階が店舗のマンションで、店舗オーナーがエレベーター代は払わないと言っています。通りますか?
規約に一部共用部分の定めがあるかどうかで結論が変わります。定めがなければ11条1項本文どおり全員の共有で、使う使わないにかかわらず14条の持分割合に応じて負担するのが原則です(19条)。実務のポイント:分譲時の原始規約に一部共用部分の定めが抜けている物件は想像以上に多い。揉めてから直そうとしても、11条2項の別段の定めには31条の特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上)が要り、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときはその者の承諾まで必要になる
Q4管理者が共用部分の所有者になれるって本当ですか?
本当です。規約に定めれば管理者を共用部分の所有者と定められます(11条2項ただし書、27条1項)。これを管理所有と呼び、管理者は区分所有者でなくても構いません(25条1項)。ただし所有といっても管理のための形式的なもので、共用部分の重大な変更はできず、区分所有者全員のために管理する義務を負います(27条2項が準用する20条)。実務のポイント:管理所有は現在の実務でほとんど使われていません。採用されている物件に出会ったら、規約が古いまま放置されているサインで、他の条項も現行法とずれている可能性が高い
間違えやすい点 AI による整理
- 「共用部分の持分は登記簿のどこに書いてあるのか」という問いの立て方そのものが誤っている。法定共用部分に持分の登記は存在しない。11条3項が民法177条の適用を外したのは、まさにそのためである。例外は規約で共用部分と定めた部分で、この場合だけ「共用部分である旨の登記」が対抗要件になる(区分所有法4条2項、不動産登記法58条)。登記の有無を探す前に、法定か規約かを見分けるのが先
- 共用部分が全員の共有であること自体は、多くの区分所有者が知っている。知られていないのは、その共有が民法の共有と比べて桁違いに硬いという点だ。持分だけを売ることも、持分だけに抵当権を設定することもできない(15条1項の分離処分禁止)。通常の共有なら使える共有物分割という出口も、共用部分では機能しない。持分を持っているのに、持分単独では何もできない
- あなたから見れば、バルコニーは自分の部屋から出た先にある自分のスペースである。法律から見れば、そこは共用部分で、あなたが持っているのは規約で与えられた専用使用権にすぎない。この落差は、勝手な床材変更や物置設置で管理組合と衝突したとき、あなたの立場を一気に崩す。避難ハッチの上に物を置けない理由も、この構造から出てくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 11条:共用部分が誰に帰属するか(全員か一部か) | 14条:各区分所有者の持分割合をどう算定するか 15条:持分を専有部分から切り離して処分できるか |
| 原則の内容 | 区分所有者全員の共有、一部共用部分はこれを共用すべき者の共有 | 専有部分の床面積の割合による 専有部分の処分に従い、分離処分は禁止 |
| 規約で変更できるか | できる(2項)。ただし27条1項の場合を除き区分所有者以外は所有者にできない | できる(14条4項の別段の定め) 法律に別段の定めがある場合を除きできない |
| 登記との関係 | 3項により民法177条を適用除外、法定共用部分に持分登記なし | 登記ではなく規約と床面積が判断資料 専有部分の登記に持分が付随して移転 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も共用部分の持分を専有部分と分離処分できないとし、共用部分の修繕費負担を持分割合によらせる点で日本と骨格が近い。約定共用部分(規約共用部分に相当)の概念も置かれている
韓国の集合建物法も共用部分を区分所有者全員の共有とし、一部の者のみが共用する部分をその者たちの共有とする構成を採る。日本法の影響が強い立法として知られる
ドイツは共同所有権(Gemeinschaftseigentum)と特別所有権(Sondereigentum)の二分構造を採り、共同所有権の持分を特別所有権から切り離せない点で日本と同じ発想に立つ
米国は州法ベースで、common elements と limited common elements を区別する。limited common elements は日本の一部共用部分に機能的に対応し、負担配分も区別される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたのマンションで一階店舗部分の外壁だけが崩れかけていたら、修繕費は誰が出すのか。総会まであと3週間、店舗オーナーは「全員の共用部分だから全員負担」と言い、住居側は「あれは一部共用部分だ」と反論する。規約に一部共用部分の定めがあるかどうか、そして14条の持分割合で、あなたの負担額は数十万円単位で動く
- 売買契約書に、廊下やエレベーターの持分について一行も書かれていない。買主が不安がる。だが11条3項と15条1項により、共用部分の持分は専有部分の移転に当然に従うので、記載がなくても移る
- 管理組合の理事長として、一階テナントのオーナーから「うちは屋上もエレベーターも使わない、修繕積立金を下げろ」と請求を受けた側に立ったとする。防御の骨格は、規約に一部共用部分の定めがあるかどうか。定めがなければ11条1項本文どおり全員の共有であり、使う使わないは原則として負担の理由にならない
- ベランダに物置とウッドパネルを置いていたら、管理組合から撤去通知が届いた。多くのマンションではバルコニーは専有部分ではなく共用部分として扱われ、区分所有者にあるのは専用使用権だけである。「自分の部屋の続き」という生活感覚と、法律上の位置付けが真正面からずれている
- 住宅ローンの借換えで、金融機関から抵当権の設定範囲を確認された。専有部分に抵当権を設定すれば、共用部分の持分にも当然に効力が及ぶ。持分だけを担保から外すことも、持分だけを別に担保に入れることもできない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 管理組合から規約全文と別表を取り寄せ、一部共用部分の定めと持分割合(14条)を確認する2. 争点の箇所が法定共用部分か規約共用部分かを、分譲時の図面と登記事項証明書で切り分ける3. 総会前に書面で理事会へ質問状を出し、根拠条文(11条1項、14条、19条)を明示して回答を求める。書面で残すこと自体が後の証拠になる4. 不利な決議が通った場合、区分所有法には会社法のような決議取消しの訴えの規定がないため、決議無効確認の訴えで争う
訴えられた側:1. 対象部分が専有部分か共用部分かを、建物の構造と規約の両方で確認する。壁の内側までか躯体の中心までかという境界の取り方で結論が変わる2. 共用部分であっても、規約上の専用使用権の範囲内なら使用は適法。規約と使用細則の文言を逐語で照合する3. 原状回復を求められたら、まず「原状」の定義(分譲時の仕様書と図面)を確定させてから交渉に入る4. 費用負担を争うなら11条1項と19条を軸に、規約の別段の定め(11条2項)の有無を押さえる
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限はない。関連する争いの時間軸として、管理費や修繕積立金の請求権は権利を行使できることを知った時から5年で時効消滅する(民法166条1項1号)。総会決議の無効確認には出訴期間の定めがないが、時間が経つほど工事や支出が既成事実化して覆しにくくなる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:11条の共有は民法上の共有と同名だが性質を異にし、団体的拘束の下にある特殊な共有と解される。15条1項の分離処分禁止と3項の登記対抗要件の適用除外により、持分は専有部分に完全に付従し、共有物分割請求(民法256条)も機能しない。
実務上の整理:一部共用部分に当たるかは、構造上および利用上、特定の区分所有者のみが共用すべきものと客観的に認められるかで判断され、規約に明示があれば争いが大幅に減る。原始規約に定めを欠く物件では、事後の31条特別決議による手当てが必要となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律の制定により、共用部分の帰属に関する規定が置かれた。集合住宅の急増に対応し、専有部分と共用部分の二層構造を法定した
- 2.昭和58年(1983年) 改正:区分所有法の大規模改正。共用部分、管理組合、規約、集会決議に関する規定が全面的に整備され、共用部分の帰属と管理をめぐる条文構成が現行の形に近づいた
- 建物の区分所有等に関する法律 第4条共用部分の範囲と規約共用部分の登記
- 建物の区分所有等に関する法律 第14条共用部分の持分割合の算定基準
- 建物の区分所有等に関する法律 第15条持分の専有部分との分離処分禁止
- 建物の区分所有等に関する法律 第19条共用部分の負担と利益収取の帰属
- 建物の区分所有等に関する法律 第27条管理所有、2項ただし書の唯一の例外
- 民法 第177条本条3項が適用を排除する対抗要件規定
- 民法 第256条共有物分割請求、共用部分では機能しない一般規定
- 不動産登記法 第58条共用部分である旨の登記の手続的根拠
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