要点区分所有法 11 条は、マンションの共用部分が区分所有者全員の共有に属すると定める。一部共用部分はこれを共用すべき者の共有となり、3 項により民法 177 条の登記対抗要件は適用されない。
Q · マンションの廊下やエレベーターって、結局だれのものなんですか?
区分所有者全員の共有です。登記はなく部屋と一体で移ります
区分所有法 11 条 1 項により、廊下やエレベーターなどの共用部分は区分所有者全員の共有に属します。ただし一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者だけの共有です(1 項ただし書)。3 項が民法 177 条の適用を外しているため、法定共用部分の持分に登記は存在せず、専有部分を売れば持分も手続なしで買主へ移ります(15 条 1 項)。2 項により規約で別段の定めもできますが、27 条 1 項の管理所有の場合を除き、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできません。
マンションの廊下、エレベーター、屋上、外壁。これらの登記簿を法務局で請求しても、そもそも存在しない。区分所有法 11 条 1 項は共用部分が区分所有者全員の共有に属すると定めるが、その共有は民法の共有とは別物である。3 項が民法 177 条(不動産の権利変動は登記しないと第三者に対抗できないという原則)の適用を正面から外しているからだ。つまりあなたが 501 号室を売った瞬間、廊下やエレベーターの持分は登記手続を一切経ずに買主へ移る。裏を返せば、共用部分の持分だけを誰かに売ることも、担保に差し出すこともできない。さらに 1 項ただし書は「一部共用部分」を認める。一階が店舗、二階以上が住居という建物なら、住居側の階段は住居所有者だけの共有になりうる。管理費の負担も修繕決議の重みも、この線引きで変わる。毎月の管理費が本当にあなたの共用部分に対応しているのか、検証の起点はここにある。
建物の区分所有等に関する法律 11 条は共用部分の帰属を定める規定である。1 項本文は共用部分が区分所有者全員の共有に属するとし、ただし書で一部共用部分をこれを共用すべき区分所有者の共有とする。2 項は規約による別段の定めを許容しつつ、27 条 1 項の管理所有を除き区分所有者以外の者を所有者と定めることを禁じ、3 項は民法 177 条の適用を排除する。
専有部分以外の建物の部分と附属物です。廊下、階段、エレベーター、屋上、外壁、躯体などが典型で、区分所有法 11 条 1 項により区分所有者全員の共有に属します。
一部の区分所有者だけが共用すべき部分です。住居用の階段を住居所有者だけで使う場合などで、11 条 1 項ただし書により、その者たちだけの共有になります。
法定共用部分の持分には登記がありません。11 条 3 項が民法 177 条の適用を外しているためです。規約共用部分だけは共用部分である旨の登記が必要です(4 条 2 項)。
原則は専有部分の床面積の割合です(14 条 1 項)。規約で別段の定めをすることもできるため、まず管理規約と別表を確認するのが実務の順序です。
原則として区分所有者が持分割合に応じて負担します(19 条)。使う使わないは原則として負担の理由になりません。一部共用部分の定めがあれば負担の範囲が変わります。
できます。11 条 2 項が規約による別段の定めを認めています。ただし 27 条 1 項の管理所有の場合を除き、区分所有者以外の者を所有者と定めることはできません。
多くの管理規約では、玄関ドアの外側や窓枠・窓ガラスを共用部分とし、内側の塗装や錠の交換だけを専有部分の扱いにしています。規約の別表で範囲を確認してください。
原因が共用部分の配管等にある場合、管理組合が管理者として対応するのが原則です。原因箇所が専有部分か共用部分かの切り分けが、責任と費用負担の起点になります。
専有部分ではありません。バルコニーは建物の構造上の一部として共用部分に含まれ、区分所有者は規約で専用使用権を与えられているにすぎない、というのが実務の一般的な取扱いです(11 条 1 項)。だから避難ハッチの上に物を置けず、勝手な床材変更も規約違反になりえます。業界裏話ヒント:消防法上の避難経路の制約も重なるため、撤去を求められたとき「自分の専用スペースだ」という反論はまず通りません。争うなら専用使用権の範囲の解釈で攻めるのが唯一現実的な線です
できません。共用部分の持分は専有部分の処分に従い、分離して処分できません(15 条 1 項)。11 条 3 項が民法 177 条の適用を外しているのも、持分が専有部分の登記に付いて回るからです。持分だけの譲渡も、持分だけの抵当権設定も効力を持ちません。業界裏話ヒント:逆に言えば、部屋を買えば共用部分の持分は自動で付いてくる。売買契約書に共用部分の記載がなくても買主が不利になることはなく、仲介業者が「共用部分の持分は別途」と言い出したら、その業者の知識水準を疑ってよい
規約に一部共用部分の定めがあるかどうかで結論が変わります。定めがなければ 11 条 1 項本文どおり全員の共有で、使う使わないにかかわらず 14 条の持分割合に応じて負担するのが原則です(19 条)。業界裏話ヒント:分譲時の原始規約に一部共用部分の定めが抜けている物件は想像以上に多い。揉めてから直そうとしても、11 条 2 項の別段の定めには 31 条の特別決議(区分所有者及び議決権の各 4 分の 3 以上)が要り、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときはその者の承諾まで必要になる
本当です。規約に定めれば管理者を共用部分の所有者と定められます(11 条 2 項ただし書、27 条 1 項)。これを管理所有と呼び、管理者は区分所有者でなくても構いません(25 条 1 項)。ただし所有といっても管理のための形式的なもので、共用部分の重大な変更はできず、区分所有者全員のために管理する義務を負います(27 条 2 項が準用する 20 条)。業界裏話ヒント:管理所有は現在の実務でほとんど使われていません。採用されている物件に出会ったら、規約が古いまま放置されているサインで、他の条項も現行法とずれている可能性が高い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 11 条:共用部分が誰に帰属するか(全員か一部か) | — |
| 原則の内容 | 区分所有者全員の共有、一部共用部分はこれを共用すべき者の共有 | — |
| 規約で変更できるか | できる(2 項)。ただし 27 条 1 項の場合を除き区分所有者以外は所有者にできない | — |
| 登記との関係 | 3 項により民法 177 条を適用除外、法定共用部分に持分登記なし | — |
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