要点所得税法40条は、事業用の在庫を贈与または時価の7割未満で譲渡すると、その時価や差額を事業所得の総収入金額に算入すると定める。現金の受領がなくても課税される。
Q · 在庫をタダや半額で人に譲っただけなのに、なんで自分に所得税がかかるの?
受け取った現金でなく在庫の時価に課税されるからです
所得税法40条により、事業用の在庫を贈与・遺贈した場合はその時価全額(1項1号)、著しく低い価額で譲渡した場合は対価と時価の差額のうち実質的に贈与と認められる部分(1項2号)が、その年分の事業所得または雑所得の総収入金額に算入されます。実務では通常の販売価額の7割未満が「著しく低い価額」の目安とされます(所得税基本通達40-2)。現金を受け取らなくても時価ベースの所得税が発生する点が最大の落とし穴です。
廃業する店の在庫を、お世話になった常連客に半額で譲った。あるいは、家業を継ぐ息子に商品在庫をまとめて贈与した。あなたの頭の中では「自分の持ち物を安く売った、あるいはあげただけ」だ。ところが所得税法40条は、それを「時価で売った」ものとみなし、あなたのその年の事業所得に時価分を組み入れる。タダで手放しても、時価が総収入金額に算入される。しかも著しく低い価額(実務では通常の販売価額のおおむね7割未満、所得税基本通達40-2)で売れば、その差額のうち実質的に贈与とみなされる部分が課税対象になる。つまり在庫をタダや激安で手放すと、現金は一円も、あるいは半額しか受け取っていないのに、時価ベースの所得税だけが現実に発生する。現金の入りと税金の出が食い違う。この落とし穴を知らずに事業承継や廃業整理をすると、納税資金が手元にないまま税務署から通知が届く。
所得税法40条は、たな卸資産の贈与等の場合の総収入金額算入を定める規定である。居住者が事業用の在庫を贈与・遺贈し、または著しく低い価額で譲渡した場合、その時価または対価と時価の差額のうち実質的贈与と認められる部分を、その年分の事業所得または雑所得の総収入金額に算入する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実際には無償または低額の資産移転を、税法上は時価で譲渡があったものとして扱う制度です。所得税法40条(在庫)や59条(固定資産)が代表例で、課税漏れを防ぐ趣旨です。
40条は事業用の在庫(たな卸資産)、59条は譲渡所得の対象資産が対象です。低額の基準も異なり、40条はおおむね時価の7割、59条は時価の2分の1未満が発動ラインとされます。
はい。もらう側に贈与税、あげる側に40条の所得税がかかります。同じ在庫の一回の移転に対し、二つの税目が二人の当事者を同時に捉えます。
在庫を贈与すると40条で時価が事業所得に算入され、現金なしで所得税が発生します。適正時価での売買に組み替えると対価が入り、納税資金を同時に確保できます。
値付けが通常販売価額の7割を下回ると、差額のうち実質贈与分が総収入金額に算入されます(40条1項2号、通達40-2)。7割を境に課税の有無が変わります。
原則として通常の販売価額(時価)を基準にします。仕入価格ではなく、事業者が第三者に販売する際の通常価格が算定の出発点となります。
条文本体ではなく所得税基本通達40-2が根拠で、通常の販売価額のおおむね70%に満たない対価を「著しく低い価額」の目安とします。
はい。所得税法39条が在庫の自家消費について、その時価を総収入金額に算入すると定めており、40条と対をなす規定として機能します。
かかる。所得税法40条1項1号により、贈与した在庫の「時価」があなたのその年の事業所得(または雑所得)の総収入金額に算入される。現金は一円も受け取っていなくても、時価分の所得税が発生する。業界裏話ヒント:これは現金が入らないのに税だけ出る「納税資金なし課税」の典型で、廃業時に見落とすと後から通知が来て資金繰りが詰まる。だから実務家は、無償贈与ではなく時価での売買に組み替え、対価を現金で受け取って納税原資を同時に確保する設計を勧める
所得税基本通達40-2では、通常の販売価額のおおむね70%に満たない対価が「著しく低い価額」の目安とされている。この線を下回ると、差額のうち実質的に贈与と認められる部分が総収入金額に算入される(40条1項2号)。業界裏話ヒント:譲渡所得のみなし譲渡(59条)は時価の「2分の1未満」が基準で、在庫(40条)の「7割」とは全く違う。同じ安売りでも、対象が在庫か固定資産かで発動ラインが変わる。7割か半分か、その一点で課税の有無が反転する
40条2項が定めている。贈与・遺贈で取得した在庫は、40条1号で総収入金額に算入された金額(すなわち時価)を取得価額とみなす。低額譲渡なら、支払った対価に算入された贈与相当額を合計した金額が取得価額になる。業界裏話ヒント:この取得価額の引き継ぎを知らないと、もらった側が売却時に原価を実際の支払額だけで計算し、本来より高い所得税を払ってしまう。あげた側が時価で課税されている分、もらった側はその時価を原価に立てられる、この対応関係を押さえると過大課税を避けられる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象資産 | 40条:たな卸資産(事業用の在庫) | — |
| 低額譲渡の発動ライン | 通常の販売価額のおおむね7割未満(通達40-2) | — |
| 算入される金額 | 贈与=時価全額/低額=差額のうち実質贈与分 | — |
| 課税の趣旨 | 在庫に化体した事業利益への課税漏れ防止 | — |
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