要点法人税法62条の9は、非適格株式交換等を行った子法人の時価評価資産の含み益・含み損を、その事業年度の益金・損金に強制計上する規定。適格なら課税は繰り延べられる。
Q · 現金が動かない株式交換なのに、うちの会社に法人税がかかることってあるの?
非適格なら子会社の含み益に法人税がかかる場合があります
法人税法62条の9により、非適格株式交換等または非適格株式移転が行われると、子法人が有する時価評価資産の評価益は益金に、評価損は損金に算入されます。現金が動かなくても含み益に法人税が課される点が要注意です。適格・非適格の分岐は、完全支配関係の継続や対価が親法人株式のみであるかなどの客観要件で自動的に決まり、納税者は選べません。要件を一つ外すだけで、静かな株式交換が課税イベントに変わります。
あなたの会社が大手に買収される。現金は一円も動かず、相手の株式と自社株を交換するだけ。「株のやり取りだから会社に税金は出ない」、多くの経営者がそう信じてサインする。ところが買われた側の会社、つまり子法人に、いきなり法人税の請求が来ることがある。法人税法62条の9は、非適格の株式交換・株式移転が行われた瞬間、子法人が持つ資産の含み益(時価評価資産の評価益、要は帳簿より値上がりしている分)を、資産が一ミリも動いていないのに強制的に利益として計上させる。逆に含み損があれば損金にできる。分水嶺はただ一つ、その取引が「適格」か「非適格」かだ。完全支配関係の継続、対価が株式のみ、といった要件を一つ外すだけで、静かな株式交換が課税イベントに化ける。あなたが真っ先に読むべきは、契約書の対価設計と支配関係の条項である。
法人税法62条の9は、非適格株式交換等および非適格株式移転が行われた場合に、株式交換等完全子法人が有する時価評価資産の評価益または評価損を、当該事業年度の所得計算上、益金または損金に算入する旨を定める規定である。適格要件を満たす再編では課税が繰り延べられるのに対し、非適格の場合は資産の移転がなくとも含み損益が清算課税される点に特徴がある。
適格要件を満たさない株式交換・株式移転のことです。完全支配関係の不継続や親法人株式以外の対価が混じると非適格になり、子法人の時価評価資産の含み損益が課税されます(法人税法62条の9)。
完全支配関係または支配関係の継続、対価が親法人株式等のみであること、事業の継続などが求められます(法人税法2条)。一つでも欠けると非適格になり時価評価課税が生じます。
固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産などのうち政令で定めるもので、非適格株式交換等の直前に子法人が保有する資産です。少額資産や含み損益の小さい資産は政令で除外されます。
適格株式移転なら課税は繰り延べられますが、非適格の場合は子法人の時価評価資産の評価益が益金に算入され法人税が課されます。持株会社新設の再編でも要件を外すと課税されます。
なります。62条の9は評価益を益金に算入する一方、含み損のある資産の評価損は損金に算入させます。含み損の大きい会社は非適格の方が損金を早く取れる逆転ケースもあります。
適格は帳簿価額を引き継ぎ課税を繰り延べる(中立)、非適格は時価評価して含み損益をその場で清算課税します。分かれ目は支配関係・対価・事業継続の客観要件です。
非適格株式交換等の日の属する事業年度で、子法人の時価評価資産の評価益・評価損を益金・損金に算入します。取引後に有利な処理へ変更することはできません。
一の者が法人の発行済株式の全部を直接または間接に保有する関係です。株式交換の直前に完全支配関係があった場合や適格要件を満たす場合は、62条の9の時価評価課税から除外されます。
非適格株式交換等では、資産が実際に移動しなくても、法人税法62条の9が子法人の時価評価資産の含み益を強制的に利益計上させるからです。趣旨は、非適格=経済実態が実質的に変わったとみなし、含み益をその時点で清算課税する点にあります。業界裏話ヒント:この課税は評価益だけでなく評価損も強制計上します。含み損の大きい資産を抱える会社なら、あえて非適格にした方が損金を早く取れて有利になる逆転ケースがある。適格=常に得、ではない
納税者の希望ではなく、法人税法2条が定める適格要件(完全支配関係や支配関係の継続、対価が親法人株式等のみ、事業継続など)を客観的に満たすかで自動的に決まります。一つでも外せば非適格です。業界裏話ヒント:実務で最も多い非適格化の落とし穴は『対価に親法人株式以外(現金や親会社の親会社株など)が混じる』ケース。交換比率の端数調整で少額の現金を渡しただけで取引全体が非適格に転落することがある。端数は現金精算せず設計段階で潰すのが鉄則
覆せる余地はあります。争点は欠けているとされる適格要件が本当に欠けているかで、支配関係の継続や対価内容を証拠で立証できれば適格性を維持できます。業界裏話ヒント:非適格と判定されても課税額はゼロか満額かの二択ではありません。時価評価の対象資産の範囲(政令で除外される少額資産等)と評価額の算定で本税を大きく圧縮できる。否認を受けたら『適格性の争い』と『評価額の争い』を二段構えで組む
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|---|---|---|
| 課税の扱い | 62条の9:非適格株式交換等で子法人の時価評価資産の含み損益を益金・損金算入 | — |
| 適用場面 | 非適格の株式交換・株式移転(子法人の資産は移転しない) | — |
| 資産移転の有無 | 資産は一切移転しないが含み損益を清算課税 | — |
| 分岐を決める要件 | 完全支配関係の継続・対価が親法人株式のみ等(法人税法2条) | — |
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