要点法人税法 69 条は、外国で納付した外国法人税を日本の法人税額から控除できる外国税額控除を定める。控除は控除限度額を上限とし、超過分や余った枠は 3 年繰り越せる。
Q · 海外で払った法人税は、日本の法人税から全部引けるんですか?
全額ではなく、控除限度額の範囲まで引けます
法人税法 69 条により、内国法人が国外源泉所得について外国で納付した外国法人税は、日本の法人税額から控除できます。ただし控除できるのは「控除限度額」(日本の法人税額×国外所得金額÷全世界所得)が上限で、全額戻るとは限りません。限度額を超えた外国税や余った控除枠は前三年内事業年度に限り繰り越せますが、負担が高率な部分(高率負担部分)は最初から控除対象から除かれます。適用には確定申告書への明細書(別表六)添付と証明書類の保存が必要です(69 条 25 項)。
シンガポールに子会社ではなく支店を出して稼いだとする。現地で法人税を払い、日本に戻ればその同じ利益にまた日本の法人税がかかる。同じ一円の儲けに二つの国が課税する、これを放置すれば海外進出は割に合わない。法人税法69条は、この二重課税を削り取るための装置だ。海外で納めた外国法人税を、日本の法人税額から直接差し引ける。ただし無制限ではない。「控除限度額」という天井があり、これは日本の法人税額のうち、全世界所得に占める国外所得の割合ぶんに限られる。天井を超えて払った外国税、あるいは余った控除枠、そのどちらも3年間だけ繰り越せる。使わなければ消える。さらに現地で異常に高い税率を課された部分(高率負担部分)は、そもそも控除の対象から外される。つまり「海外で払った税金は全部戻る」わけではない。戻る額は、あなたの限度額計算と3年の枠管理にかかっている。
法人税法 69 条は外国税額控除を定める規定であり、内国法人が国外源泉所得について外国で納付した外国法人税を、日本の法人税額から控除することを認める。控除額は全世界所得に占める国外所得の割合に基づく控除限度額を上限とし、高率負担部分や非課税所得に対応する部分等は控除対象外国法人税から除かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
海外で納めた外国法人税を日本の法人税額から差し引く制度です。法人税法 69 条が根拠で、控除限度額の範囲内でのみ控除でき、全額が戻るとは限りません。
日本の法人税額に、全世界所得金額に占める国外所得金額の割合を掛けて算出します。国外所得が多いほど限度額の天井は高くなります(69 条 1 項)。
外国での税負担が政令基準を超えて異常に高い部分をいい、この部分は最初から控除対象外国法人税から除かれます。現地の過大課税を日本が肩代わりしない趣旨です。
控除限度額の余りも、限度額を超えた外国税も、いずれも前三年内事業年度(当期開始日前 3 年以内)に限り繰り越せます。使わなければ消えます(69 条 2 項・3 項)。
外国税額控除の適用に必要な明細書のことです。控除額とその計算、控除対象外国法人税の額を記載して確定申告書に添付します。添付がないと原則適用できません。
控除額と計算の明細書(別表六等)の添付と、外国税を課されたことを証する書類の保存が必要です(69 条 25 項)。書類がなければ原則として適用できません。
各事業年度の確定申告書で適用します。繰越枠は最も古い事業年度以降、毎期の申告書に控除限度額と外国税額を記載し続けなければ維持できません(69 条 26 項)。
外国子会社合算税制(租税特別措置法 66 条の 6)で合算課税された所得についても、子会社が現地で払った外国税を調整する仕組みがあり、69 条の射程に入ります。
黒字で法人税額が十分出る期は控除(税額から直接引ける)、税額が出ない赤字期は損金算入(法人税法41条)が有利になりやすい。選択は毎期できます。業界裏話ヒント:控除を選ぶとその外国税は損金にできず(41条)、逆も同様で、両取りはできません。多国籍企業の税務部は各社の課税ポジションを見て期ごとに有利判定を回している。ここを固定運用している会社は毎年取りこぼしている
捨てなくて済みます。控除限度額が余った期は、過去3年に払い過ぎた外国税(繰越控除対象外国法人税額、69条3項)を充当できます。逆に払い過ぎた期の超過分は3年繰り越せます(69条2項)。業界裏話ヒント:繰越を生かす鍵は書類です。繰越に係る最も古い事業年度以降、毎期の申告書に控除限度額と外国税額を記載し続けないと枠が維持されない(69条26項)。一期でも記載を落とすと繰越枠は復活しない。ここで数千万を溶かす会社がある
原則使えません。一定要件を満たす外国子会社からの配当は95%が益金不算入(法人税法23条の2)で、日本で課税されない以上、対応する外国源泉税も控除対象から外れます。業界裏話ヒント:だからこそ海外展開の初期に『支店か子会社か』の形態選択が効いてきます。支店利益は69条の控除対象、子会社配当は益金不算入と、税の取り扱いが根本から違う。進出形態を税務目線で設計しないと、後から取り戻せない差がつく
控除限度額がグループ全体の所得ベースで計算されます(69条14項)。自社の国外所得だけでなく、通算グループ各社の所得が限度額を左右します。業界裏話ヒント:通算では他社の修正申告や税務調査があなたの控除額に波及します。しかも当初申告額に固定する仕組み(15項)や、隠蔽・仮装があった場合の除外(16項)まである。通算グループでは外国税額控除は『一社の話』ではなく、グループ全体の申告一貫性の問題になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効果 | 69 条 外国税額控除:外国法人税を日本の法人税額から直接控除 | — |
| 対象 | 国外源泉所得に課された控除対象外国法人税 | — |
| 選択・上限 | 控除限度額が上限、控除と損金算入は毎期二者択一 | — |
| 繰越 | 限度額・外国税とも前三年内事業年度に繰越可 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。