要点法人税法82条の7は、資本金一億円超の法人など特定法人に対し、国際最低課税額に対する法人税の申告をe-Taxで行うことを義務付ける。到達は国税庁のファイルへの記録時である。
Q · 国際最低課税額の申告って、紙で出したらダメなんですか?
紙で出すと提出が成立せず、無申告扱いになりうる
法人税法82条の7第1項により、資本金一億円超の内国法人、相互会社、投資法人、特定目的会社である特定法人は、国際最低課税額に対する法人税の申告を電子情報処理組織(e-Tax)で行わなければなりません。紙による提出は原則として提出行為が成立せず、無申告として扱われうるため、無申告加算税・延滞税のリスクを負います。ただし添付書類に係る部分だけは、光ディスク等の記録用媒体を提出する方法も認められています(同項ただし書き)。
「15%の国際最低課税額」の確定申告書を、あなたの会社が例年どおり紙で作って郵送したら、それは法的に『提出した』ことにならないかもしれない。資本金一億円超の内国法人、保険業法上の相互会社、投資法人、特定目的会社、これら特定法人には、国際最低課税額に対する法人税の申告をe-Tax(電子情報処理組織)で行う義務が課される。任意の便利機能ではなく、方法そのものが強制される。しかも申告が税務署に『到達』するのは送信ボタンを押した瞬間ではなく、国税庁のコンピュータのファイルに記録された時だ(第四項)。締切直前のシステム障害で記録が間に合わなければ、中身がどれだけ正確でも未達、つまり無申告になりうる。添付書類だけは光ディスク等の媒体提出も認められ(第一項ただし書き)、法人番号は記載に代える特例もある(第五項)。段取りを知る者だけが、この関門を安全に通過できる。
法人税法第82条の7は、特定法人による国際最低課税額に対する法人税の申告方法を規律する規定である。特定法人とは、対象会計年度開始時の資本金の額または出資金の額が一億円を超える法人、保険業法上の相互会社、投資法人および特定目的会社をいい、これらの法人は納税申告書および添付書類の記載事項を電子情報処理組織により提供しなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
多国籍企業グループに世界共通で15%の最低税率を確保する制度に基づき、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税を申告する書類です。法人税法82条の6が提出義務を定め、82条の7が提出方法を電子に限定しています。
対象会計年度開始の時における資本金の額または出資金の額で判定します(本条2項1号)。期中に減資しても、開始時に一億円を超えていれば当該年度は電子申告義務の対象です。
あらかじめ税務署長に届け出る必要があります(本条1項)。電子証明書の取得と利用者識別番号の発行を伴うため、申告期限直前ではなく、対象会計年度中に準備を終えるのが実務です。
添付書類に係る部分については、添付書類記載事項を記録した光ディスクその他財務省令で定める媒体を提出する方法が認められています(本条1項ただし書き)。申告書本体は電子送信が必要です。
各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内です(法人税法82条の6)。通常の法人税の2月以内より大幅に長く設定されていますが、制度初期は経過措置が置かれる場合があります。
あります。保険業法上の相互会社、投資法人、特定目的会社は、資本金の額にかかわらず特定法人に該当します(本条2項2号〜4号)。規模ではなく法人の型で義務が発生します。
電子が必要です。本条1項は国税通則法18条の期限後申告、19条の修正申告に係る納税申告書も対象に含めています。当初申告だけの話ではありません。
電子申告の場合、国税通則法124条の名称・法人番号の記載に代えて、財務省令で定めるところにより名称を明らかにする措置を講じます(本条5項)。省略ではなく代替措置です。
特定法人の国際最低課税額の申告は電子が義務(本条第一項)なので、紙提出は原則として提出行為自体が成立せず、無申告として扱われうる。すぐe-Taxで再送し記録時点を確保するのが先決です。業界裏話ヒント:災害やシステム障害でe-Taxが客観的に使えなかった場合には、書面申告を認める救済が別途用意されている。ダメ元で諦めず、使えなかった事情の証跡を残して税理士に承認申請の可否を確認する価値がある
それは別の話です。1億円超はあくまで『申告を電子でやれ』という特定法人の判定基準(本条第二項)。国際最低課税額の課税対象になるかは、多国籍グループの連結総収入金額が原則7.5億ユーロ以上か(法人税法82条の2系)という全く別の基準で決まります。業界裏話ヒント:この二つの1億円と7.5億ユーロを混同して『対象かも』と過剰に身構える中堅企業は多い。まず課税対象か否かを連結売上で切り分けてから、電子申告義務を論じるのが正しい順番
本条第四項で、申告は国税庁のファイルに記録された時に到達したとみなされます。争点は送信ではなく記録の有無なので、記録を示す受信通知が決定打になります。業界裏話ヒント:e-Taxのメッセージボックスに届く受信通知こそが到達の唯一の客観的証拠。これを保存していないと、送ったつもりでも法的に立証できない。送信後は必ず受信通知を取得・保管する習慣が、後日の水掛け論を防ぐ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる申告 | 法人税法82条の7:国際最低課税額に対する法人税の申告 | — |
| 規律している内容 | 申告の「方法」(電子情報処理組織の使用強制) | — |
| 義務の対象者 | 特定法人(資本金一億円超・相互会社・投資法人・特定目的会社) | — |
| 違反したときの帰結 | 紙提出は提出行為が成立せず、無申告として扱われうる | — |
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