要点法人税法85条は、合併・分割・譲渡で退職年金業務を年度途中に引き継いだ場合、退職年金等積立金額を期首分と引継分に分けて月割り按分すると定める。現在は課税停止中で納税額はゼロ。
Q · 会社の合併で年金業務を引き継いだ年は、退職年金等積立金への法人税ってどう計算するの?
期首分と引継分を月割りで按分して合計します(現在は課税停止中)
法人税法85条により、事業年度の中途で合併・分割・譲渡により退職年金業務を引き継いだ場合、承継法人のその年度の退職年金等積立金額は、期首の積立金額を12で割って当期の月数を掛けた額と、引き継いだ積立金額を12で割って引継日から期末までの月数を掛けた額の合計になります。月数は暦に従い、1月未満の端数は切り捨てます(85条2項)。ただしこの退職年金等積立金に対する法人税は平成11年(1999年)度以降課税が停止されており、実際の納税額は現在ゼロです(最新の改正状況をご確認ください)。
退職年金等積立金に対する法人税、という税がある。信託銀行や生命保険会社が企業年金の原資を預かって運用するとき、その積立金に課される特殊な法人税だ。第85条は、この業務を合併・分割・譲渡で他社に引き継いだ場合、引継ぎのあった事業年度の積立金額をどう計算するかを定める。答えは月割り按分。承継法人は、自社の期首積立金を12で割って当期の月数を掛けた額と、引き継いだ積立金を12で割って引継日から期末までの月数を掛けた額、この二つを足す。ここまで読んで「自分には一生関係ない」と思っただろう。だが本当の急所は別にある。この退職年金等積立金に対する法人税は、平成11年(1999年)度以降ずっと課税が停止されており、今も凍結中だ(最新の改正状況をご確認ください)。つまり第85条は、生きているのに眠っている条文。金融機関のM&Aデューデリで、この一条の存在と凍結の現状を両方押さえている人だけが、税負担の前提を正しく読める。
法人税法85条は、退職年金業務等を行う内国法人が合併・分割・譲渡により当該事業を事業年度の中途で承継した場合における退職年金等積立金額の計算特則である。承継法人の期首積立金額を12で除し当期月数を乗じた額と、引継積立金額を12で除し引継日から期末までの月数を乗じた額の合計とし、第84条の原則計算を引継年度について修正する。
信託銀行や生命保険会社などが企業年金の原資として預かり運用する積立金に課される特別な法人税です。課税標準は法人税法83・84条が定めますが、現在は課税停止中で納税額はゼロです。
課税されていません。平成11年(1999年)度以降、租税特別措置法により課税が停止され延長され続けています。85条は計算方法を定めますが、実際の納税は生じていません(最新の改正状況をご確認ください)。
期首の積立金額を12で割って当期の月数を掛けた額と、引き継いだ積立金額を12で割って引継日から期末までの月数を掛けた額を合計します。月数は暦に従い1月未満は切り捨てます。
退職年金業務等を行う内国法人で、信託銀行・生命保険会社・農協など特定の法人に限られます。合併後存続法人、分割による承継法人、譲受法人がこれにあたります。
切り捨てます(法人税法85条2項)。月数は暦に従って計算するため、効力発生日を月末にするか月初にするかで按分月数が1月ずれることがあります。
恒久措置ではなく租税特別措置法の時限措置で、数年ごとの税制改正で延長されてきました。理論上はいつ復活してもおかしくないため、長期の税務予測では復活リスクの注記が実務の作法です。
計算の枠組みは同じで、いずれも期首分と引継分の月割り按分です。ただし承継法人の範囲では分割により設立された法人は除かれ、既存の内国法人が承継する場合が対象となります。
承継対象に退職年金業務が含まれるかをまず確認し、含まれる場合は85条の月割り按分と課税停止の現状をセットで税務デューデリ報告書に落とします。この一項の有無が報告書の精度を左右します。
現在はゼロです。退職年金等積立金に対する法人税は平成11年(1999年)度以降、租税特別措置法によって課税が停止され、その後も延長され続けています。第84・85条は計算方法を定めますが、実際の納税は発生していません(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:この凍結は恒久措置ではなく時限措置です。数年ごとの税制改正で延長されており、理論上はいつ復活してもおかしくない。金融機関の長期の税務予測では、この復活リスクを注記しておくのがプロの作法です
いいえ、丸ごとではなく月割りです。第85条は、承継法人が期首から保有していた積立金と、引き継いだ積立金を分け、それぞれを12で割って当期・引継後の月数を掛けて合算します。二重計上も期間の重複もしない設計です。業界裏話ヒント:月数は暦に従い1月未満は切り捨て(第85条2項)。だから効力発生日を月末にするか月初にするかで按分月数が1月ずれることがある。日付の設計が計算結果に効く、地味ですが実務家が押さえる勘所です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 85条:引継年度の退職年金等積立金額の計算特則(月割り按分) | — |
| 計算方法 | 期首分(12分の当期月数)+引継分(12分の引継日から期末までの月数)の合計 | — |
| 適用場面 | 合併・分割・譲渡で事業年度の中途に退職年金業務を引き継いだとき | — |
| 端数処理 | 月数は暦に従い1月未満は切り捨て(85条2項) | — |
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