都市計画法 第15条の2(都道府県の都市計画の案の作成)
クイックジャンプ
- 市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。
- 2.都道府県は、都市計画の案を作成しようとするときは、関係市町村に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
この条文の基本情報
都道府県の都市計画の案の作成とは何ですか?
定義都道府県の都市計画の案の作成とは、都市計画法第15条の2に定められた規定で、「市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第15条の2(都道府県の都市計画の案の作成)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第15条の2の条文原文は「市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。」で始まります。
- 都市計画法第15条の2は第二節 都市計画の決定及び変更に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第15条の2の前の条は都市計画法第15条です。
- 都市計画法第15条の2の次の条は都市計画法第16条です。
- 都市計画法第15条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第15条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第15条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/15_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法15条の2は、市町村が都道府県に対し都市計画の案の内容となるべき事項を申し出られると定める。都道府県は案の作成時に関係市町村へ協力を求められるが、申出に応諾義務はない。
Q · 市街化調整区域を変えてほしいとき、県庁に直接言えばいいの?
市町村から県へ申し出る回路が15条の2
区域区分など都道府県が定める都市計画については、住民が県庁へ直接要望しても案の作成前段階では受け皿がありません。都市計画法15条の2第1項は、市町村が都道府県に対し「都市計画の案の内容となるべき事項」を申し出る回路を定めており、まず市町村の都市計画担当課を動かすのが正規ルートです。第2項は逆に、都道府県が案を作成しようとするとき関係市町村へ資料提出その他の協力を求められると定めます。ただし申出に都道府県の応諾義務はありません。
解説
市役所の窓口で「それは県が決めた線引きですので」と言われて引き下がった経験はないだろうか。市街化区域と市街化調整区域を分ける区域区分も、都市計画区域の整備・開発・保全の方針も、広域の幹線道路の位置も、決めているのは市町村ではなく都道府県である(15条)。だが15条の2第1項は、市町村が都道府県に対し「都市計画の案の内容となるべき事項」を正式に申し出る回路を法律上用意している。つまりあなたが市町村を動かせば、県の図面に手を届かせる正規ルートが存在する。第2項は逆向きで、県が案を作ろうとするとき市町村に資料の提出その他の協力を求められると定める。県は市町村の現場データなしに案を作れない。この双方向の条文が露わにするのは、県決定の都市計画であっても、市町村が黙っていれば市町村の実情は一行も反映されないという構造である。
法的な位置づけ
都市計画法15条の2は、都道府県が定める都市計画について市町村が関与する手続を定める規定である。第1項は市町村から都道府県への案の内容となるべき事項の申出を、第2項は都道府県から関係市町村への資料提出その他の協力要請を規定し、決定権限の配分(同法15条)を動かさずに情報と発意の流れを双方向化する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不満の対象が県決定か市町村決定かを切り分ける 都市計画法15条で決定権者を確認する。区域区分・整備開発保全の方針・広域の都市施設は都道府県、用途地域や地区計画は原則市町村。ここを取り違えると窓口を往復するだけで時間を失う
- 2.市町村の都市計画担当課で見直し時期と基礎調査の実施年を確認 区域区分の見直しは都市計画基礎調査(6条、おおむね5年ごと)の結果を受けて動く。次の見直しスケジュールと基礎調査の実施年を聞き取り、申出を差し込む時間帯を特定する
- 3.同一利害の地権者をまとめ、文書で申出を求める 単独の住民要望ではなく、周辺地権者の合意状況と土地利用実態のデータを添えて市町村に1項の申出を求める。口頭要望は担当者の異動で消えるため必ず書面で残す
- 4.市議会への請願を併走させる 議会で請願が採択されると、市町村は申出を出さざるを得ない状況になる。都道府県の担当者が組織内で上申するときの重みも変わる
- 5.案の公告・縦覧が始まったら意見書を提出する 17条の公告縦覧に入ったら、2週間の縦覧期間満了日までに意見書を提出する。この段階では図面の大幅変更は難しいが、記録として次サイクルに残る
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法15条の2とは何ですか?
都道府県が定める都市計画について、市町村が案の内容となるべき事項を申し出る手続(1項)と、都道府県が関係市町村に資料提出等の協力を求める手続(2項)を定めた規定です。
Q2市街化調整区域を市街化区域に変えてもらう方法は?
区域区分は都道府県決定のため、市町村の都市計画担当課に土地利用実態と地元合意を持ち込み、15条の2第1項の申出に載せてもらうのが正規ルートです。見直しサイクルに合わせる必要があります。
Q3市町村の申出に都道府県は従う義務がありますか?
ありません。1項の申出は意思の表明であり協議でも合意でもないため、都道府県が採用しなくても違法にはなりません。ただし18条1項の意見聴取や審議会の議には内容が持ち込まれます。
Q4都市計画の申出はいつまでに出せばいいですか?
条文上の期限はありませんが、実務上は都道府県が案を作成しようとする前です。16条の公聴会や17条の公告縦覧が始まった段階では案はほぼ固まっています。
Q5区域区分の見直しはどのくらいの頻度ですか?
都市計画基礎調査(6条)がおおむね5年ごとに行われ、区域区分の見直しはその結果を受けて動きます。基礎調査の実施年が申出を持ち込む好機です。
Q6都道府県と市町村はどちらが都市計画を決めますか?
15条が権限を配分し、区域区分・整備開発保全の方針・広域の都市施設等は都道府県、用途地域や地区計画は原則市町村が定めます。
Q7市町村の申出が断られたら不服申立てできますか?
できません。行政機関どうしのやり取りは国民に対する行政処分ではないため、審査請求や取消訴訟の対象になりません。争いの場は次の見直しサイクルです。
Q8都道府県から資料提出を求められた市町村は断れますか?
2項は協力を「求めることができる」と定める規定で、罰則を伴う義務付けではありません。ただし実務上は基礎調査データ等の提供が前提となっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市に申し出てもらっても、県が無視したらそれで終わりなんですか?
1項の申出に都道府県の応諾義務はなく、採用しなくても違法にはなりません。ただし県は決定に先立ち関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議を経る必要があり(18条1項)、申出の内容はその場に持ち込まれます。実務のポイント:申出は必ず文書で残すこと。採用されなくても「前回申し出た事項」として次の見直しの議事に載り続ける。口頭の要望は担当者の異動で消える
Q2住民が直接、都市計画の変更を提案することはできないんですか?
できます。21条の2の提案制度により、土地所有者等やまちづくりNPO法人、独立行政法人都市再生機構等が、一定規模以上(原則0.5ヘクタール以上、政令・条例で引き下げられる場合あり)の区域について、土地所有者等の3分の2以上の同意を得て提案できます。実務のポイント:面積や同意率の要件に届かない案件は、15条の2の市町村ルートに乗せる方が現実的。提案制度は必ず判断してもらえる代わりに門が狭い
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「市に申し出てもらったのだから県は応じるはずだ」となる。法律から見れば、1項の申出に都道府県の応諾義務はない。申出は意思の表明であって協議でも合意でもなく、県が採用しなくても違法にはならない。この落差を知らずに市町村に期待を全部預けると、数年後に「申し出はしましたが採用されませんでした」の一行で終わる
- 「申出が断られたら不服申立てをすればいい」という問いの立て方そのものが外れている。市町村と都道府県という行政機関どうしのやり取りは、国民に対する行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)ではないため、行政不服審査法の審査請求にも取消訴訟にも乗らない。争う土俵は法廷ではなく、次の見直しサイクルの側にある
- 15条の2の存在を知っている人でも、使える時間帯が極端に狭いことまでは知らない。申出が意味を持つのは県が「案を作成しようとするとき」の前であり、16条の公聴会や17条の2週間の縦覧が始まった時点では案はほぼ固まっている。制度は知っていたのに間に合わなかった、が最も多い負け方である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の向き | 15条の2:市町村 → 都道府県(1項)/都道府県 → 市町村(2項) | 16条:行政 → 住民(公聴会等による意見反映) 21条の2:住民・団体 → 行政(都市計画の提案) |
| 発動できる主体 | 市町村(1項)、都道府県(2項) | 案を作成する都道府県・市町村 土地所有者等、まちづくり NPO 法人、都市再生機構等 |
| タイミング | 案の作成前(実務上の締切は見直しサイクル) | 案の作成段階 随時(要件を満たせばいつでも) |
| 相手方の応答義務 | 都道府県に応諾義務なし | 意見を反映するための措置を講ずる(手続的義務) 提案を受けた行政庁は都市計画の決定・変更の要否を判断する義務あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も都市計画の擬定機関を段階的に配分し、下級機関が上級機関の計画に関与する構造を持つ。ただし申出という独立の条文形式ではなく、擬定・審議手続の中に組み込まれている
韓国は도시·군관리계획の입안권者を原則として市長・郡守とし、広域的事項は道知事・国土交通部長官が担う。日本の15条の2に相当する明示的な申出規定は置かれていない
ドイツは Gemeinde の計画高権(Planungshoheit)が憲法上強く保障され、広域計画(Raumordnung)との適合義務という形で調整される。市町村からの申出ではなく相互調整義務が基本構造
米国は zoning 権限が原則として地方自治体にあり、広域機関は助言・調整にとどまることが多い。日本のような都道府県決定・市町村申出という上下構造は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の土地が市街化調整区域のままで家が建てられない。区域区分の定期見直しがあと1年半で動き出すと聞いたとき、あなたはどこに何を持ち込むか。県庁の都市計画課に直訴しても、案の作成前の段階では「市から申出をいただければ検討します」で終わる。市町村の担当課に周辺の土地利用実態と地元の合意状況を持ち込み、1項の申出に乗せてもらうのが正規ルートである。この順番を間違えると次のサイクルまで数年待つ
- あなたが市の都市計画担当者で、県から2項の協力要請を受けた。求められたのは基礎調査の数値だが、地元が長年求めてきた幹線道路の線形変更は要請項目に入っていない。ここで資料だけ出して終われば、市の意向は案に残らない。2項の協力に応じる場と、1項の申出を出す場は別の手続である。同じ机の上で両方を同時に動かせるかどうかが、担当者の力量そのものになる
- 工場用地を探す事業者から「この一帯が市街化区域になる見込みはあるか」と聞かれた。答えは県の見直し方針と、市が申出を出しているかどうかで決まる。市の都市計画課で申出の有無を確認すれば、方向はおおよそ見える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不満の対象が県決定か市町村決定かを15条で確認する。区域区分・整備開発保全の方針・広域の都市施設は県、用途地域や地区計画は原則市町村2. 県決定なら市の都市計画課で次の見直し時期と基礎調査の実施年を確認3. 同じ利害を持つ地権者をまとめ、書面で市に1項の申出を求める。議会への請願を併走させると重みが変わる4. 案が公告・縦覧(17条)に入ったら意見書の提出期限を逃さない
訴えられた側:1. 市町村の担当者として2項の協力要請を受けたら、資料を出して終わりにせず、同じ時期に1項の申出に載せる事項を庁内で確定させる2. 申出は口頭でなく文書で行い、基礎調査データ・人口推計・地元合意の状況を添える3. 都道府県側なら、申出を採用しない場合も検討経過を記録に残す。18条1項の関係市町村の意見聴取と都道府県都市計画審議会の議で、その経過は必ず問われる
時効(請求できる期限):本条の申出自体に法定の期限はなく、特定の時効もない。ただし実務上の締切は二重にある。第一に案が公告・縦覧に入ると、意見書の提出は縦覧期間(2週間)の満了日まで(17条)。第二に区域区分等の見直しは都市計画基礎調査(6条、おおむね5年ごと)のサイクルに連動するため、そこを外すと次の機会まで数年待つことになる。なお都市計画決定そのものは原則として抗告訴訟の対象にならない(用途地域の指定につき最判昭和57.4.22)
学説
通説:15条の2第1項の申出は、都道府県の決定権限(15条)を動かさない発意の回路であり、法的拘束力を持たない手続的関与と解される。応諾義務を課せば実質的に決定権が市町村へ移り、広域調整という制度目的が損なわれるためである
改正沿革 AI による整理
- 地方分権改革期(正確な改正年は要検証) 機関委任事務の廃止と都市計画決定権限の再配分に伴い、都道府県が定める都市計画に対する市町村の関与手続として整備された条文と解されるが、新設年および新設か改正かの区別は原典照合による人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める