都市計画法 第36条(工事完了の検査)
クイックジャンプ
- 開発許可を受けた者は、当該開発区域(開発区域を工区に分けたときは、工区)の全部について当該開発行為に関する工事(当該開発行為に関する工事のうち公共施設に関する部分については、当該公共施設に関する工事)を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
- 2.都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、当該工事が開発許可の内容に適合しているかどうかについて検査し、その検査の結果当該工事が当該開発許可の内容に適合していると認めたときは、国土交通省令で定める様式の検査済証を当該開発許可を受けた者に交付しなければならない。
- 3.都道府県知事は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。この場合において、当該工事が津波災害特別警戒区域(津波防災地域づくりに関する法律第七十二条第一項の津波災害特別警戒区域をいう。以下この項において同じ。)内における同法第七十三条第一項に規定する特定開発行為(同条第四項各号に掲げる行為を除く。)に係るものであり、かつ、当該工事の完了後において当該工事に係る同条第四項第一号に規定する開発区域(津波災害特別警戒区域内のものに限る。)に地盤面の高さが同法第五十三条第二項に規定する基準水位以上である土地の区域があるときは、その区域を併せて公告しなければならない。
この条文の基本情報
工事完了の検査とは何ですか?
定義工事完了の検査とは、都市計画法第36条に定められた規定で、「開発許可を受けた者は、当該開発区域(開発区域を工区に分けたときは、工区)の全部について当該開発行為に関する工事(当該開発行為に関する工事のうち公共施設に関する部…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第36条(工事完了の検査)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第36条の条文原文は「開発許可を受けた者は、当該開発区域(開発区域を工区に分けたときは、工区)の全部について当該開発行為に関する工事(当該開発行為に関する工事のうち公共施設に関する部…」で始まります。
- 都市計画法第36条は第一節 開発行為等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第36条の前の条は都市計画法第35条の2です。
- 都市計画法第36条の次の条は都市計画法第37条です。
- 都市計画法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法36条は、開発許可を受けた者の工事完了届出、知事による検査と検査済証の交付、工事完了の公告を定める。公告まで開発区域内は原則として建築できない。
Q · 造成が終わった土地なら、すぐに家を建てられますか?
いいえ。工事完了の公告が出るまで原則として建てられません。
都市計画法36条により、開発許可を受けた者は工事完了を都道府県知事に届け出て、知事の検査で許可内容に適合していると認められると検査済証が交付され、その後遅滞なく工事完了が公告されます。同法37条により、原則としてこの公告があるまで開発区域内で建築物を建築できません。重機が撤収して更地が仕上がって見えても、法的な建築解禁は公告日が起点です。購入前に検査済証の交付日と公告の告示日を確認してください。
解説
宅地を買うとき、不動産屋が「造成済みの土地です」と言う。そこで確認すべき書類がある。都市計画法36条の検査済証と、3項の工事完了公告だ。開発許可を受けた事業者は、造成工事が終わったら知事に届け出る義務があり、知事が許可内容どおりか検査して合格すれば検査済証を交付し、遅滞なく工事完了の公告をする。この公告が出るまで、その開発区域では原則として建築物を建てられない(37条)。つまりあなたが買おうとしている土地が、公告前なのか後なのかで、家が建てられる時期が変わる。さらに3項後段には津波災害特別警戒区域の規定があり、造成後の地盤面が基準水位以上になった区域は、その範囲まで公告に書き込まれる。どの部分が津波の基準水位を超えた高さになっているか、役所の公告に残る。買う前に読める情報が、そこにある。
法的な位置づけ
都市計画法36条は、開発行為の工事完了手続を定める規定である。開発許可を受けた者は工区又は開発区域の全部の工事完了を都道府県知事に届け出る義務を負い、知事は遅滞なく開発許可の内容への適合を検査し、適合と認めたときは検査済証を交付し、その後遅滞なく工事完了の旨を公告する。津波災害特別警戒区域に係る場合は基準水位以上の区域も併せて公告される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開発許可番号と開発登録簿を特定する 購入検討地について、売主または都道府県・指定都市の開発指導担当課で開発許可番号を確認する。開発登録簿の閲覧・写しの交付を受け、許可の年月日、予定建築物、公共施設の内容を控える
- 2.検査済証の写しを求め、交付日を控える 売主に都市計画法36条2項の検査済証の写しの提示を求める。建築基準法7条の検査済証と混同しないよう、開発行為に関するものである旨を明示して請求する。売主の手元になくても行政側で確認できる
- 3.工事完了公告の告示番号と告示日を確認する 都道府県・指定都市の公報や告示で36条3項の工事完了公告を検索し、告示番号と告示日を控える。津波災害特別警戒区域内であれば、基準水位以上の土地の区域が併記されていないかを確認する
- 4.公告前後でスケジュールと契約条項を詰める 公告前であれば37条の建築制限が原則として及ぶ前提で、引渡し日・着工日・住宅ローン実行日を再計算する。公告が遅延した場合の違約・解除・費用負担の取扱いを売買契約書に明記させる
- 5.疑義があれば検査記録の開示請求を検討する 道路幅員・排水施設・擁壁の仕様に不安がある場合、情報公開条例に基づき知事の検査記録の開示請求を行う。検査時点で適合と判断された内容と現況の差異を記録しておくと、後日の紛争で証拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1開発行為の検査済証とは何ですか?
都市計画法36条2項に基づき、都道府県知事が造成等の工事を検査し、開発許可の内容に適合すると認めたときに交付する行政文書です。建物の検査済証とは別の制度です。
Q2工事完了の公告はどこで確認できますか?
都道府県や指定都市の公報・告示、開発指導担当課の窓口で確認できます。誰でも閲覧できる公開情報なので、売主の説明を待たずに自分で告示日を調べられます。
Q3開発登録簿とは何ですか?
都道府県知事が開発許可の内容や工事完了公告の年月日等を記載して保管する公簿です。売主が検査済証を紛失していても、閲覧や写しの交付で内容を確認できます。
Q4工事完了の届出に期限はありますか?
36条1項に日数の定めはなく、工事を完了したときに届け出るとされています。ただし届出が遅れれば検査も公告も遅れ、その間は建築制限が解けません。
Q5工区に分けて完了届出はできますか?
できます。36条1項は開発区域を工区に分けたときは工区の全部の完了で届出を認めており、大規模開発では先行工区から段階的に公告を受けられます。
Q6津波災害特別警戒区域だと公告に何が加わりますか?
特定開発行為に係る工事で、完了後に地盤面の高さが基準水位以上となる土地の区域があるときは、その区域も併せて公告されます(36条3項後段)。
Q7工事完了公告の後、道路や公園は誰のものになりますか?
都市計画法40条により、開発行為で設置された公共施設の用地は原則として公告の日の翌日に市町村等へ帰属します。公告日は権利関係の基準時でもあります。
Q8検査で不適合とされたらどうなりますか?
検査済証は交付されず公告も出ません。是正工事を行って再度届け出る必要があり、その間は37条の建築制限が続くため、引渡し期日の延期に直結します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査済証って建物の検査済証と同じものですか?
別物である。都市計画法36条2項の検査済証は造成など開発行為の工事に対するもの、建築基準法7条の検査済証は建物に対するもの。造成地に家を建てる場合、あなたは二種類の検査済証を順に手にすることになる。実務のポイント:中古の造成地を買うとき、開発許可の検査済証が手元にない売主は珍しくない。都道府県の開発指導担当課で開発登録簿の閲覧や写しの交付を受けられるので、売主の手元になくても行政側で確認できる
Q2工事完了の公告が出る前に家を建て始めたらどうなりますか?
37条により、開発区域内は原則として工事完了公告があるまで建築物の建築等が制限される。知事の承認があるときなどの例外はあるが、無断で着工すれば是正指導や監督処分の対象になりうる。実務のポイント:例外の承認は実務上存在するので、どうしても工程を前倒ししたい事業者は担当課と事前協議する。ただし個人の買主が自己判断で着工するのは危険で、建築確認自体が下りない
間違えやすい点 AI による整理
- 「造成工事が終われば自由に家を建てられる」と思われているが、工事の物理的完了と法的な建築解禁は別物。37条により、原則として36条3項の工事完了公告があるまで開発区域内に建築物を建築できない。重機が引き上げた光景を見て安心するのは早い
- 検査済証の存在自体は知っていても、その重さを知らない人が多い。これは単なる受領書ではなく、知事が許可内容への適合を公権的に認定した文書であり、後に区画・道路・排水施設の設置内容を争うとき、検査時点の状態を証明する行政記録になる。造成不良を売主と争う場面で、検査済証とその検査記録の開示請求が武器になる
- 「公告なんて役所の内部手続で、買主には関係ない」と思われがちだが、公告は誰でも見られる公開情報である。売主の説明を待たずに、都道府県の公報や告示で開発区域の完了状況を自分で確認できる。情報の非対称は、多くの場合「調べられることを知らない」ことから生まれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の位置づけ | 36条:開発行為の出口(完了届出・検査・検査済証・公告) | 29条:開発行為の入口(開発許可) 37条:公告前の建築等の制限 |
| 行為主体 | 届出は開発許可を受けた者、検査と公告は都道府県知事 | 申請は開発行為をしようとする者、許可は都道府県知事 制限を受けるのは開発区域内で建築しようとする者 |
| 基準時の効果 | 公告日を境に建築解禁(37条)・公共施設用地の帰属(40条)・制限指定(41条)が動く | 許可時に33条の技術基準への適合が判断される 公告があるまで原則として建築物を建築できない |
| つまずきどころ | 工事の物理的完了と公告日が数か月ずれる | 許可不要な規模・区域の判断を誤る 知事の承認等の例外を自己判断で当てはめる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は造成(水土保持)の完工檢查と建築の竣工查驗を別制度で運用する点が日本と同型。ただし完工と使用開始の境界は使用執照が担い、日本のような区域全体への公告を建築解禁の起点とする構造ではない
韓国も開発行為許可の出口に준공검사(竣工検査)を置き、検査済証に相当する준공검사필증を交付する。許可と完了検査を一対とする構造は日本と極めて近い
ドイツは Bebauungsplan による計画拘束が前面に出るため、日本の開発許可のような個別許可+完了公告という単線構造ではなく、基盤整備義務(Erschließungspflicht)と建築監督上の完了検査が分担する
米国は自治体ごとの subdivision 規制で、開発者が improvement を完了し自治体が final acceptance をするまで建築確認(building permit)を出さない運用が一般的。連邦統一法はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 分譲地を内見して気に入ったが、売主は「もうすぐ造成が終わります」と言う。契約を急かされている。ここで聞くべきは「検査済証の交付日と工事完了公告の日はいつですか」の一言。公告前の土地は原則として建築制限がかかっており、住宅ローンの実行時期や着工スケジュールが数か月ずれる可能性がある
- あなたが開発事業者側で、工区分けをして先行区画だけ売り出そうとしている。36条1項は工区に分けた場合、工区単位での完了届出を認めている。ここを理解していないと、全区域の完了を待って公告を受ける羽目になり、資金回収が半年遅れる
- もし、造成工事の一部が許可内容と違っていたら? 知事の検査で不適合とされれば検査済証は交付されず、公告も出ない。是正工事を終えて再度届出をするまで建築制限は解けない。買主への引渡し期日が迫っているなら、違約の問題に直結する
- 津波災害特別警戒区域内の造成地を検討中。3項後段により、地盤面が基準水位以上である区域は公告に併記される。自分が買う区画がその区域に入っているかどうかを、売買契約前に公告で確認できる。重要事項説明を待つのではなく、自分から都道府県の公告を探しに行く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入予定地または購入済み地について、開発許可番号を売主または都道府県の開発指導担当課で確認する2. 検査済証の写しの提示を求め、交付日を控える3. 都道府県の公報・告示で36条3項の工事完了公告を探し、告示日を確認する4. 公告前であれば37条の建築制限が原則として及ぶことを前提に、引渡し・着工スケジュールの再確認と、遅延した場合の取扱いを契約書で詰める5. 造成内容に疑義があれば、知事への検査記録の開示請求を検討する
訴えられた側:1. 開発事業者として工事完了届出をする前に、許可内容と現地の不一致がないか自主点検する。道路幅員、排水施設、擁壁の仕様は指摘されやすい2. 工区分けをしているなら、工区単位で完了届出ができることを前提に工程と資金計画を組む3. 検査で不適合とされた場合は、是正の範囲と期間を担当課と具体的に詰め、買主への説明と引渡し期日の変更を早期に通知する4. 津波災害特別警戒区域内の特定開発行為に該当する場合は、基準水位以上の区域の確定資料を事前に整える
時効(請求できる期限):工事完了の届出には条文上の期限日数の定めはないが、完了したときは届け出なければならないとされており、知事は届出があったとき遅滞なく検査し、検査済証交付後は遅滞なく公告する。手続の詳細は国土交通省令に委任されている。なお、知事の不作為や処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づく審査請求(原則として処分を知った日の翌日から3か月以内)や行政事件訴訟法の取消訴訟(原則6か月以内)の期間制限がかかる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:36条3項の公告は、工事完了という事実の周知にとどまらず、37条の建築制限解除、40条の公共施設用地の帰属、41条の建蔽率等の制限指定を同時に始動させる統一的基準時として機能する、と整理されている
実務的整理:36条2項の検査済証は、知事が許可内容への適合を公権的に認定した記録であり、後日の造成瑕疵紛争において検査時点の状態を示す行政文書として証拠価値を持つ、と実務上位置づけられている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法の全部制定に伴い開発許可制が導入され、その出口手続として工事完了の届出・知事の検査・検査済証の交付・工事完了の公告が定められた
- 2.平成23年(2011年) 改正:津波防災地域づくりに関する法律の制定に伴い3項後段が追加され、津波災害特別警戒区域内の特定開発行為について、造成後の地盤面が基準水位以上となる土地の区域を併せて公告することとされた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める