都市計画法 第67条(土地建物等の先買い)
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- 前条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。
- 2.前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
- 3.第一項の届出をした者は、前項の期間(その期間内に施行者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地建物等を譲り渡してはならない。
この条文の基本情報
土地建物等の先買いとは何ですか?
定義土地建物等の先買いとは、都市計画法第67条に定められた規定で、「前条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のもので…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第67条(土地建物等の先買い)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第67条の条文原文は「前条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のもので…」で始まります。
- 都市計画法第67条は第二節 都市計画事業の施行に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第67条の前の条は都市計画法第66条です。
- 都市計画法第67条の次の条は都市計画法第68条です。
- 都市計画法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法67条は、事業の概要の公告の翌日から十日経過後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡す者に、施行者への書面届出を義務づける。届出後三十日以内は譲渡できない。
Q · 都市計画事業の事業地に入っている土地、売るときに役所へ届出が要るんですか?
公告の翌日から十日経過後の有償譲渡は書面届出が必要です
都市計画法67条1項により、事業の概要の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、物件、予定対価の額、譲渡の相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行者に届け出なければなりません。届出後三十日以内に施行者が買い取る旨を通知すると、届出書に記載した予定対価の額で売買が成立したものとみなされます(同条2項)。その期間内は物件を譲り渡すことができません(同条3項)。文化財保護法46条の適用を受ける物件は届出義務の例外です。
解説
役所から事業の概要の公告が出た。その掲示の日の翌日から数えて十日を経過した後に、事業地内の土地や建物を有償で手放そうとするなら、売る前に施行者へ書面で届け出る義務が生じる。届けるのは物件、予定対価の額、そして誰に売るのか。見落とされがちなのが第二項だ。届出から三十日以内に施行者が「買い取る」と通知すれば、あなたが届出書に書いた金額そのままで売買が成立したものとみなされる。役所に値切られることはない。その代わり、書いた額が天井にも床にもなる。そして第三項。買い取らない旨の通知が来るか、三十日が過ぎるまで、あなたはその物件を誰にも譲り渡せない。買主との契約書に条件を仕込んでいなければ、三十日間の宙ぶらりんを自分の責任で抱え込むことになる。売れない期間があるという事実そのものが、この条文の実質的な威力である。
法的な位置づけ
都市計画法67条は都市計画事業の事業地内における土地建物等の先買い制度を定める規定である。事業の概要の公告後、有償譲渡をしようとする者に施行者への書面届出義務を課し、施行者が三十日以内に買取りを通知した場合は届出書記載の予定対価の額で売買が成立したものとみなし、当該期間内の譲渡を禁止する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事業の概要の公告日を特定して十日を数える 施行者または所管の自治体窓口で、都市計画法66条に基づく事業の概要の公告の日付を確認する。その翌日から起算して十日を経過した後の有償譲渡が届出対象になるため、譲渡の時点がこの線のどちら側かを最初に確定させる
- 2.買主との契約に施行者買取り時の失効条項を入れる 届出前に、買主との売買契約へ「施行者が買い取る旨の通知をしたときは本契約は効力を失う」旨と、三十日間は引渡し・所有権移転登記ができない旨を明記する。届出後に頼み込んでも相手は応じにくいため、順番が決定的に重要になる
- 3.予定対価の額を鑑定・成約事例で裏取りする 施行者が買い取れば届出書記載の額がそのまま代金として確定するため、記載前に不動産鑑定士の評価や近隣成約事例で相場を確認する。低く書けばその低い額で取得され、高すぎれば買主が離れるという両面の制約がある
- 4.書面で施行者に届け出る 土地建物等の表示、予定対価の額、譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を記載した書面を施行者へ提出する。文化財保護法46条の適用を受ける物件は届出義務の例外であるため、該当の有無も事前に確認する
- 5.三十日間の凍結期間を管理し通知を待つ 届出後三十日以内に買取りの通知が来れば、その額で売買が成立したものとみなされる。買い取らない旨の通知があればその時点で譲渡禁止は解ける。期間中は引渡しも所有権移転登記も行わず、買主と進捗を共有する
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法の先買いとは何ですか?
都市計画事業の事業地内の土地建物等を有償譲渡する際、施行者が届出書記載の予定対価の額で優先的に買い取れる制度です。都市計画法67条が定めています。
Q2事業地内の土地 届出はいつから必要?
事業の概要の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後の有償譲渡から必要です。公告の日付の確認が出発点になります。
Q3都市計画法67条の届出書に何を書きますか?
当該土地建物等、予定対価の額、譲り渡そうとする相手方、その他国土交通省令で定める事項です。予定対価が金銭以外なら時価基準で金銭に見積もった額を書きます。
Q4届出後の三十日間は土地を売れない?
売れません。67条3項が期間内の譲渡を禁じます。ただし施行者が買い取らない旨を通知した時点で禁止は解除されます。
Q5施行者に買い取られると価格は下げられますか?
下げられません。67条2項は届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で売買が成立したとみなすと定め、施行者に減額交渉の余地はありません。
Q6相続した土地も届出が必要ですか?
相続や贈与は有償譲渡ではないため取得時の届出は不要です。ただしその土地を売却する段階では67条1項の届出対象になります。
Q7土地の交換や代物弁済も届出対象?
対象です。条文は予定対価が金銭以外のときは時価を基準に金銭に見積もった額を記載せよと定めており、現金が動かない取引も想定しています。
Q8都市計画法67条の届出をしないとどうなる?
届出義務違反として罰則の問題になります。譲渡の私法上の効力が当然に否定されるわけではないと一般に解されていますが、施行者との関係は悪化します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相続でもらった土地なんですけど、これも届出が要るんですか?
相続や贈与は有償の譲渡ではないので、取得した時点での届出は不要です。ただしその土地を売る段になれば67条1項の対象になります。実務のポイント:現金が動かない取引こそ注意が必要で、交換や代物弁済は条文が予定対価が金銭以外のときは時価を基準に見積もれと明示している以上、届出対象として設計されています。無償だから関係ないという自己判断が一番危ない
Q2買主が三十日も待てないと言っています。どうすればいいですか?
67条3項は期間内の譲渡を禁じますが、施行者が買い取らない旨を通知した時点で禁止は解けます。条文自身がその短縮ルートをかっこ書で用意しています。実務のポイント:施行者の用地担当部署に事前相談すると、買取りの意思がない案件は三十日を待たずに早期に通知を出してもらえることがあります。届出書を投函してから慌てるのではなく、投函前に一本電話を入れる人が期間を縮めている
Q3役所に買い叩かれるのが怖いんですが、値切られませんか?
値切られません。67条2項は届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で売買が成立したものとみなすと定めており、施行者に減額交渉の余地はありません。実務のポイント:裏返すと、身内へ安値で名義を移して事業地を抜けようとすると、その安値のまま施行者に取得されます。低く書く動機がある人ほど、この条文に自分の首を絞められる
Q4届出をせずに売ってしまったら、その売買はなかったことになるんですか?
この種の届出義務違反は罰則の問題として扱われ、譲渡の私法上の効力まで当然に否定されるわけではないと一般に解されています。実務上、解釈が分かれる論点です(罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:仲介した宅地建物取引業者には重要事項として都市計画法上の制限を説明する義務があり、届出漏れは業者側の責任問題に発展します。自分の落ち度として抱え込む前に、説明書面に何が書かれていたかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 届出を怠って売ったら売買そのものが無効になる、と身構える人が多い。この種の届出制度では、義務違反は罰則の問題として処理され、譲渡の私法上の効力まで当然に否定されるわけではないと一般に解されている。ただし実務上、解釈の幅がある領域であり、無効にならないから届けなくてよいという話には一切ならない。罰則の対象であることと、施行者との関係が最悪の形で始まることに変わりはない
- 三十日待てばいいだけだと軽く考えている人ほど危ない。その三十日は、あなたが自分の物件を誰にも渡せない完全な凍結期間である。買主の融資承認の有効期限、住み替え先の引渡し日、転勤の辞令。三十日を吸収できない予定が一つでも走っていれば、凍結期間は値引き要求か契約解除に化ける
- 「いくらで買い取ってもらえるのか」という問いを立てた時点で、前提がずれている。金額を決めるのは施行者ではなく、届出書に予定対価を書くあなた自身だ。正しい問いは「いくらと書けば、買主にも施行者にも通る額になるか」であり、その一行を書く前に相場の裏取りを終えておけるかどうかが勝負になる
- あなたから見れば単なる売却の事務手続に見える。施行者から見れば、事業用地を市場価格の投機的な上昇の前に押さえるための先買権の行使場面である。この落差を理解せずに身内へ安値で名義を移そうとすると、その安値のまま施行者に取られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動する段階 | 都市計画法67条:事業の概要の公告後の事業地 | 都市計画法57条:事業予定地の段階 都市計画法68条:許可制で使えなくなった事業地内の土地 |
| 誰が動くか | 譲渡しようとする所有者が届け出て、施行者が買うか決める | 譲渡しようとする所有者が届け出て、都道府県知事等が買うか決める 所有者が施行者へ買取りを請求する |
| 価格の決まり方 | 届出書記載の予定対価の額で売買が成立したものとみなされる | 届出に係る予定対価を基礎に買取りが行われる 買取請求を受けた施行者との間で時価を基礎に決める |
| 譲渡の制限 | 届出後三十日または買い取らない旨の通知までは譲渡禁止 | 届出後一定期間の譲渡制限がかかる 譲渡禁止ではなく買取りを求める権利の行使 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公共設施保留地について取得手続と優先購買の仕組みを置くが、日本のような譲渡前の一般的届出義務+三十日凍結という構成ではなく、収用・協議価購の枠組みで処理する傾向が強い
ドイツは自治体の先買権を売買契約の締結後に行使する構成で、契約成立を前提に自治体が買主の地位に入る。日本67条は譲渡前の届出段階で介入する点が異なる
フランスの都市先買権は譲渡意思の申告(DIA)を起点とし、行政が一定期間内に先買いを決定する。届出起点・期間制限という骨格は日本67条と機能的に近い
米国は先買権型の届出制度ではなく、収用前の任意交渉と正当補償(Fifth Amendment)で処理する。譲渡の事前届出義務という発想自体が一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公告前から不動産業者と交渉していた土地なら、届出は要らないのか。要る。条文が見ているのは「十日を経過した後に譲り渡そうとするかどうか」であり、交渉をいつ始めたかではない。公告の日付を確認し、譲渡の時点がその線のどちら側かを数えるところから実務は始まる
- あなたが買主の側だったとする。手付を打ち、融資の本申込みまで進めたところで、売主が「届出をしないといけないらしい」と言い出す。三十日後、施行者の買取通知が入れば、その物件は施行者のものとして成立してしまう。契約書に解除の定めがなければ、手付の帰趨をめぐって揉めるのはあなたの側だ
- 相続で引き継いだ実家の土地が、道路拡幅の事業地に入っていた。相続は有償の譲渡ではないので届出は要らない。だが売却に動いた瞬間、この条文の射程に入る
- 届出から二十九日目。施行者からは何の通知もない。買主は決済日を動かせないと言っている。あと一日、動いてはいけない日が残っている。ここで引渡しを前倒しすれば第三項違反になる
- 借入金の返済の代わりに土地を渡す代物弁済、あるいは他人の土地との交換。現金が一円も動かないから届出は不要だと考える人は多い。しかし条文は予定対価が金銭以外のときは時価を基準に金銭に見積もった額を書けと、正面から指示している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公告の日付を特定し、翌日起算で十日を数える。2. 売却予定なら、届出の前に買主と条件付きの契約形態を詰める。施行者の買取通知があれば契約が効力を失う旨を明記する。3. 予定対価は鑑定評価や近隣事例で裏を取ってから記載する。この額でそのまま成立しうる。4. 届出後三十日は引渡しも所有権移転登記もできないと買主に事前共有する。5. 施行者の担当部署に、買取意思の有無を早期に通知してもらえるか相談する
訴えられた側:1. 届出をせずに譲渡してしまった場合、まず施行者へ速やかに事実を申告し、以後の手続の指示を受ける。放置は事態を悪化させるだけである。2. 買主として巻き込まれた場合、契約の解除条項と手付の扱いを確認し、仲介業者の重要事項説明に事業地内である旨の記載があったかを検証する。記載漏れは宅地建物取引業法上の説明義務の問題になりうる。3. 交換や代物弁済で届出の要否に迷う段階なら、実行前に施行者へ照会する。事後の是正よりコストが桁違いに安い
時効(請求できる期限):届出義務は、事業の概要の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後の有償譲渡から発生する。届出後三十日以内に施行者が買取りの通知をすれば、その時点で予定対価の額での売買が成立したものとみなされる。三十日を過ぎるか、買い取らない旨の通知があった時までは譲渡が禁止される。税務上の収用等の特例を使う場合は、買取りの申出の日から六か月以内の譲渡といった期間要件があるので、税理士に確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 中央省庁再編に伴う改正(施行 平成13年(2001年)) 届出事項を定める委任先が建設省令から国土交通省令に改められた。制度の実質に変更はないが、古い解説書の表記は現行条文と一致しない
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 改正:中央省庁再編に伴い、届出事項を定める委任先が建設省令から国土交通省令に改められた。制度の実質に変更はないが、旧版の解説書の表記は現行条文と一致しない
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