都市計画法 第86条(都道府県知事の権限の委任)
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都道府県知事は、第三章第一節の規定によりその権限に属する事務で臨港地区に係るものを、政令で定めるところにより、港務局の長に委任することができる。
この条文の基本情報
都道府県知事の権限の委任とは何ですか?
定義都道府県知事の権限の委任とは、都市計画法第86条に定められた規定で、「都道府県知事は、第三章第一節の規定によりその権限に属する事務で臨港地区に係るものを、政令で定めるところにより、港務局の長に委任することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第86条(都道府県知事の権限の委任)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第86条の条文原文は「都道府県知事は、第三章第一節の規定によりその権限に属する事務で臨港地区に係るものを、政令で定めるところにより、港務局の長に委任することができる。」で始まります。
- 都市計画法第86条は第八章 雑則に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第86条の前の条は都市計画法第85条の2です。
- 都市計画法第86条の次の条は都市計画法第87条です。
- 都市計画法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法86条は、都道府県知事が開発許可等の権限のうち臨港地区に係る事務を、政令の定めにより港務局の長へ委任できると定める。委任後は港務局の長が処分庁となる。
Q · 港のそばの土地を開発したいとき、開発許可は県知事に出すの?
臨港地区なら港務局の長が許可権者になることがある
都市計画法86条により、都道府県知事は第三章第一節の開発行為の許可等に関する事務のうち臨港地区に係るものを、政令の定めるところにより港務局の長へ委任できます。委任が現に行われている区域では、許可・不許可の処分庁は港務局の長であり、審査請求の相手方や取消訴訟で被告となる行政主体も知事側ではなく港務局側になります。したがって港湾エリアの開発では、まず臨港地区の指定範囲と委任の有無を確認することが実務の出発点になります。
解説
港のそばで倉庫を建てようとして、市役所の都市計画課に開発許可の相談に行ったら「ここは臨港地区なので港務局へ」と言われる。窓口が違う、という話ではない。都市計画法86条は、都道府県知事が持っている第3章第1節(開発行為の許可等)の権限のうち、臨港地区に関するものを、政令の定めに従って港務局の長へ委任できると定める。委任が行われれば、許可を出すのも、不許可にするのも、違反を是正命令で叩くのも港務局の長である。ここがあなたの実務を左右する。不許可になったとき、審査請求の相手方も、取消訴訟で被告となる行政主体も、知事ではなく港務局側になる。相手を間違えた審査請求は、中身を審理されないまま却下されうる。港湾地帯で土地を動かす人間にとって、86条は「誰が決裁者で、誰と喧嘩するのか」を指し示す一行である。
法的な位置づけ
都市計画法86条は権限の委任を定める規定であり、都道府県知事が第三章第一節の開発許可等に関する事務のうち臨港地区に係るものを、政令の定めに従って港務局の長へ委任できる旨を規定する。委任により権限は受任者へ移転し、処分庁ならびに審査請求および取消訴訟の相手方も港務局側へ移ることになる。
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法86条とは何ですか?
都道府県知事が開発行為の許可等に関する事務のうち臨港地区に係るものを、政令の定めに従って港務局の長へ委任できると定める権限委任規定です。
Q2臨港地区の開発許可はどこに申請するの?
原則は都道府県知事ですが、86条の委任が現に行われている区域では港務局の長が許可権者です。申請前に港湾管理者と都道府県の都市計画部局に照会してください。
Q3権限の委任と権限の代理の違いは?
委任は権限そのものが受任者へ移り、委任者はその権限を失います。代理は権限が本来の行政庁に残ったまま、代理機関が本人の名で行使する点が異なります。
Q4港務局の長の不許可処分は誰に審査請求する?
処分庁が港務局の長である以上、県知事宛に出すと不適法却下となる可能性があります。処分通知書末尾の教示欄に記載された相手方と期間を必ず確認してください。
Q5臨港地区とはどんな区域ですか?
港湾法に基づき港湾機能の維持増進のために定められる区域で、分区指定により建築物の用途が規制されます。都市計画区域の地域地区の一つでもあります。
Q6港務局は県庁の一部ですか?
別の法人です。港務局は港湾法に基づき地方公共団体が設立する港湾管理者の一形態で、県の内部部局ではありません。だから権限委任の規定が必要になります。
Q7委任されているか確認する方法は?
都市計画法施行令の委任規定と、実際の委任行為の有無を併せて確認します。実務では港湾管理者または都道府県の都市計画部局への照会が最短です。
Q8港務局の処分を取り消したいとき被告は誰?
取消訴訟の被告は処分庁が所属する行政主体です(行政事件訴訟法11条)。港務局の長が処分庁であれば、県ではなく港務局側が被告となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1港務局って、県や市とは別の組織なんですか?
別の法人である。港務局は港湾法に基づき、港湾管理者として地方公共団体が設立する特別の法人で、県庁の一部局ではない。だからこそ都市計画法86条のように、わざわざ権限を委任する規定が必要になる。実務のポイント:実務では港務局を設置せず地方公共団体自身が港湾管理者となっている港が多く、その場合この委任規定の出番はない。まず対象港の管理者形態を確認するのが先である
Q2委任されているかどうかは、どこを見れば分かりますか?
86条は委任の方法を政令に委ねているため、都市計画法施行令の該当規定と、実際の委任行為の有無を併せて確認する必要がある。実務では港湾管理者または都道府県の都市計画部局への照会が最短である。実務のポイント:処分通知書の発出名義と教示欄の記載は、権限の所在を示す最も確実な一次資料である。過去に同じ区域で出された処分の写しを入手できれば、照会より早く確定できる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 都市計画法の開発許可は都道府県知事が出すもの、と条文の主語だけを見て理解している人が多い。だが権限の委任規定を一本挟むだけで、法的な処分庁は入れ替わる。あなたが立てるべき問いは「誰が許可権者か」ではなく「この区域で、委任が現に行われているか」である
- 委任を「代理でハンコを押してもらう程度のこと」と捉えると危ない。行政法上の委任は権限そのものが受任者へ移り、委任した側はその権限を失う。つまり知事に「港務局の判断を覆してくれ」と頼んでも、知事にはもう動かす権限がない。深刻度はここにある
- 委任できる範囲は無制限ではない。86条が対象とするのは第3章第1節の規定によりその権限に属する事務で、かつ臨港地区に係るものに限られる。しかも委任の方法は政令に委ねられている。「港務局が港のことを全部決める」という理解は射程を広げすぎている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 86条:臨港地区に係る事務を港務局の長へ委任する根拠 | 29条:開発行為の許可という権限の本体 81条:違反是正のための監督処分権限 |
| 対象となる事務の範囲 | 第三章第一節の権限のうち臨港地区に係るものに限定 | 都市計画区域等における開発行為全般 違反者・工事施行者等に対する是正命令等 |
| 処分庁となる者 | 委任が行われた区域では港務局の長 | 原則として都道府県知事等 原則として都道府県知事等 |
| 実務上の確認ポイント | 臨港地区の指定範囲と委任の有無を政令・照会で確認 | 開発行為該当性と許可不要の例外に当たるか 命令の名宛人と履行期限、弁明の機会の付与 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も権限委任には法規の根拠を要し、委任後は受任機関が処分庁となる点で日本と同じ構造。港湾区域の土地利用は商港法と都市計畫法の双方が関与する
韓国も国土計画法制の中に権限の委任・委託規定を置き、港湾区域については港湾管理主体との調整が行われる
ドイツは州法により計画・許可権限を別の主体へ移すことを認める。港湾都市では州の港湾管理組織が実質的な計画主体となる例がある
米国では州(または二州間協定)が設立する港湾公社に計画・開発権限を広く授権する方式が一般的で、地方自治体のゾーニングとの優劣が争点になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 臨港地区内の埋立地で物流施設の開発を計画している。開発許可の事前相談を県庁に持ち込んだが、担当者は「この区域の許可権者は港務局の長です」と回答。委任が実際に行われているかどうかで、協議相手も処理期間も変わる。委任の有無を確認せずにスケジュールを組むと、着工が数か月ずれる
- 港務局の長から開発許可の不許可処分を受けた。処分通知の教示欄を見ると、審査請求先が県知事ではない。ここで「どうせ県が上だろう」と知事宛に審査請求書を出すと、不適法却下で時間だけ失う。あと3か月で審査請求期間が切れるという状況で、宛先を間違える余裕はない
- もし、港務局の長が下した処分を裁判で争いたくなったら、誰を被告にする? 取消訴訟の被告は処分庁が所属する行政主体(行政事件訴訟法11条)。港務局は港湾法に基づく特別地方公共団体的な法人であり、県そのものではない。被告の特定を誤れば、訴状の補正で済む場合もあるが、出訴期間の壁と競り合うことになる
- あなたが港湾関連事業者の法務担当で、社内から「開発許可は県に出せばいいんですよね」と聞かれた。答えは「臨港地区なら、まず委任の有無を確認する」。この一言が言えるかどうかで、社内の手続ミスを一件防げる
学説
行政法通説:権限の委任は法律の根拠を要し、委任により権限は受任機関へ移転して委任機関はこれを失う。受任機関は自己の名と責任で処分を行うため、審査請求および取消訴訟の相手方も受任機関側を基準に判断される。
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