都市計画法 第87条(指定都市の特例)
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国土交通大臣又は都道府県は、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条及び次条において単に「指定都市」という。)の区域を含む都市計画区域に係る都市計画を決定し、又は変更しようとするときは、当該指定都市の長と協議するものとする。
この条文の基本情報
指定都市の特例とは何ですか?
定義指定都市の特例とは、都市計画法第87条に定められた規定で、「国土交通大臣又は都道府県は、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条及び次条において単に「指定都市」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第87条(指定都市の特例)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第87条の条文原文は「国土交通大臣又は都道府県は、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条及び次条において単に「指定都市」という。」で始まります。
- 都市計画法第87条は第八章 雑則に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第87条の前の条は都市計画法第86条です。
- 都市計画法第87条の次の条は都市計画法第87条の2です。
- 都市計画法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法87条は、国土交通大臣又は都道府県が指定都市の区域を含む都市計画を決定・変更する際、当該市長と協議するものと定める。協議であり同意ではないため、不調でも決定できる。
Q · 政令指定都市の市長が反対したら、その都市計画は止まるの?
止まりません。本条は協議を求めるだけで同意は要件ではない
都市計画法87条は、国土交通大臣又は都道府県が指定都市の区域を含む都市計画区域の都市計画を決定・変更しようとするとき、当該指定都市の長と「協議するものとする」と定めます。同意を決定の要件としていないため、協議が不調に終わっても決定権者は決定に踏み切れます。市長にあるのは交渉のテーブルに着く権利であり、拒否権ではありません。なお87条の2により指定都市の区域内の都市計画は原則として指定都市自身が定めるため、本条が実際に働く場面は広域的な類型に絞られています。
解説
「協議するものとする」。語尾のこの五文字に、都市計画をめぐる最大の誤解が埋まっている。国土交通大臣や都道府県が、政令指定都市の区域を含む都市計画を決定または変更しようとするとき、その市の長と協議しなければならない。ここまでは誰でも読める。問題はその先だ。協議は「同意」ではない。市長が反対しても、協議さえ尽くされていれば計画は決定できる。指定都市の長に拒否権はない。あなたの土地の用途地域、道路の予定線、市街化区域と調整区域の境目、それらを決める過程に市長は確かに座っているが、机を叩いて止める権限までは与えられていない。ただし協議の経緯は行政文書として残る。市長が何を求め、国や県がどう応じ、何が削られたか。縦覧される最終案には決して現れないその差分に、あなたが使える材料が眠っている。
法的な位置づけ
都市計画法87条は、国土交通大臣又は都道府県が指定都市の区域を含む都市計画区域に係る都市計画を決定又は変更する際の手続要件として、当該指定都市の長との協議を義務づける規定である。地方自治法252条の19第1項の指定都市を対象とし、協議は関与の一類型であって同意権や拒否権を市長に付与するものではない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定権者を最初に特定する 縦覧通知や計画案の表紙で、決定権者が国土交通大臣か、都道府県か、87条の2により指定都市自身かを確認する。ここで働きかける相手と手続の流れが根本から変わるため、中身を読むより先に行う
- 2.本条の協議が働く類型かを切り分ける 指定都市の区域を含む都市計画区域に係る計画で、決定権者が国土交通大臣又は都道府県である場合に本条の協議が働く。指定都市自身が定める類型なら協議の相手は存在せず、市の手続を直接追うことになる
- 3.協議記録を情報公開請求で取得する 決定権者が国や県なら、市長との協議に関する行政文書を情報公開法又は市の情報公開条例に基づいて開示請求する。市が何を求め、国や県がどう応じ、何が削られたかは縦覧案には現れない
- 4.市議会と市長に上流で働きかける 市長が協議の席に何を持って行くかが計画案の振れ幅を決めるため、協議が始まる前に所管委員会の傍聴と陳情を行う。縦覧段階では骨格が固まっており、上流での接触が実効的である
- 5.縦覧期間内に意見書を書面で提出する 都市計画法17条に基づき、公告・縦覧の2週間以内に意見書を提出する。採否にかかわらず提出の事実と内容は記録に残り、後続処分を争う段階で経緯を示す一次資料になる
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法87条の協議とは何ですか?
国土交通大臣又は都道府県が指定都市の区域を含む都市計画を決定・変更する際、当該市長と行う法定の手続です。地方自治法上の関与の一類型で、同意までは求められていません。
Q2指定都市の長の協議に同意権はありますか?
ありません。条文は「協議するものとする」であり、同意を決定の要件としていません。協議が整わなくても決定権者は決定でき、市長に拒否権はないと解されています。
Q3政令指定都市の都市計画は誰が決めますか?
87条の2により、指定都市の区域内の都市計画は原則として指定都市自身が定めます。国土交通大臣が決定する広域的な類型などで本条の協議が働きます。
Q4都市計画の協議記録は開示請求できますか?
協議の経緯は行政文書として残るため、情報公開法や各自治体の情報公開条例に基づく開示請求の対象になり得ます。縦覧案に現れない調整の経緯を確認する手段になります。
Q5都市計画案に意見書はいつまでに出せますか?
都市計画法17条により、案の公告後2週間の縦覧期間内に書面で提出します。期間を過ぎると意見書としては受理されないため、通知が届いたらすぐ日程を確認してください。
Q6協議を欠いた都市計画決定は取り消せますか?
手続違背の主張は可能ですが入口が狭く、用途地域の指定などは処分性が否定される類型が多いとされます。後続処分を捉えて前提の違法を争う経路が実務の定石です。
Q7指定都市とはどの市を指しますか?
地方自治法252条の19第1項に基づき政令で指定された市です。札幌市から熊本市まで全国20市が該当し、都道府県に準じる事務権限が移譲されています。
Q8都市計画に反対したい場合、誰に働きかけるべきですか?
まず決定権者が国土交通大臣か都道府県か指定都市かを確認します。決定権者が国や県なら、協議の席に立つ市長と市議会への働きかけが上流での有効な手段になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市長が反対したら、その都市計画って止まるんじゃないんですか?
止まりません。本条は「協議するものとする」と定めるだけで、市長の同意を決定の要件にしていない。協議が不調でも都道府県や国土交通大臣は決定できます。実務上、市長の意向は案に反映されやすいものの、それは調整の結果であって法的な拒否権ではない。実務のポイント:だから協議で効くのは「反対」ではなく「代案」。市が具体的な代替案を記録に残せているかどうかが、後の交渉余地を決める。
Q2協議しないで決めた都市計画は、裁判で無効にできますか?
手続違背の主張自体は可能ですが、争う入口が狭い。用途地域の指定のような都市計画決定は処分性が否定され、取消訴訟が門前払いになる類型が多い(最判昭和57.4.22)。他方、土地区画整理事業計画は処分性が認められています(最大判平成20.9.10)。実務のポイント:実務の定石は、決定そのものではなく建築確認の拒否など後続の処分を捕まえ、その前提となる決定の違法を主張する経路を取ることです。
間違えやすい点 AI による整理
- 「市が反対すれば計画は止まる」と多くの住民が信じている。だが本条の文言は「協議するものとする」であって、同意を要件としていない。協議が不調に終わっても、都道府県や国土交通大臣は決定に踏み切れる。市長の立場は交渉のテーブルに着く権利であって、テーブルをひっくり返す権利ではない。
- 都市計画が市の仕事だと知っている人でも、指定都市では誰が決めるかが2011年の地域主権改革関連法で大きく動いたことまでは追えていない。87条の2により、指定都市の区域内の都市計画は原則として指定都市自身が定めることとされ、本条の協議が実際に働く場面は国土交通大臣が決定する広域的な計画などに絞られてきている。「県に言えばいい」という思い込みで、宛先を間違えた陳情が今も日々投げられている(最新の改正状況をご確認ください)。
- 「協議を欠いたから都市計画決定を取り消せないか」という問いの立て方自体が、実は入口で躓いている。用途地域の指定のような都市計画決定は、それ自体の処分性が否定され取消訴訟の門前で払われる類型が多い(最判昭和57.4.22)。一方で土地区画整理事業計画については処分性が認められている(最大判平成20.9.10)。手続の瑕疵を語る前に、その計画が裁判所の土俵に上がる種類のものかどうかを先に判定しなければ、時間と費用だけが消える。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 87条:国や県が決定する際に指定都市の長と協議する手続要件 | 87条の2:指定都市の区域内の都市計画を指定都市自身が定める特例 15条:都道府県と市町村の間の決定主体の原則的な役割分担 |
| 市の立場 | 協議の相手方。意見を述べ記録を残せるが同意権はない | 決定権者そのもの。市の判断で決定・変更できる 定める権限の範囲が条文上の区分で画される |
| 住民が働きかける先 | 協議前の市長・市議会、および決定権者である国又は県 | 市の都市計画審議会と市の担当部局 決定主体に応じて県の審議会か市の審議会に分かれる |
| 時間の走り方 | 協議自体に法定期限なし。住民側は17条の縦覧2週間が唯一の明確な時計 | 市の決定手続に従い16条・17条の住民手続が適用される 役割分担の確定が先行し、その後に手続規定が動く |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では直轄市の都市計画は直轄市が擬定し、内政部の核定を受ける構造。日本の「協議」と異なり上級庁の核定という承認型の関与が置かれている点が対照的である
韓国も広域自治体と基礎自治体の間で都市管理計画の立案権と決定権を分け、協議手続を置く。特別市・広域市には日本の指定都市に近い権限集約が見られる
ドイツは Gemeinde の計画高権(Planungshoheit)が強く、広域調整は共同 Flächennutzungsplan や Planungsverband による水平的調整で行われる。上級庁による決定という構造とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市が正面から反対している幹線道路の都市計画が、それでも決定されたらどうなる? 協議が整わなくても決定できる以上、答えは「決まる」である。そして縦覧期間は2週間、意見書の締切はその最終日。残された時間で打てる手は、市議会への陳情と協議記録の開示請求、この二つに絞られる。
- 指定都市の都市計画課に配属された初日、上司から「県との協議、来週ね」と告げられる。事務レベルの打ち合わせのつもりで同席する。その席が条文上は市長の権限行使の場であることを、あなたはまだ知らない。
- 郊外に物流倉庫を建てるため用地を押さえたが、市街化調整区域のままでは建物が建たない。区域区分の見直しを待つしかない立場になったとき、あなたが日程を追うべきは都道府県都市計画審議会ではない。その手前で、市との協議がいつ動き、市長が何を求めているかである。審議会に案が上がった時点では、輪郭はもう変えられない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 縦覧通知が来たら、計画案の中身より先に「誰が決定権者か」を確認する。国土交通大臣か、都道府県か、87条の2で市自身か。これで働きかける相手が根本から変わる。2. 決定権者が国や県なら、市長との協議記録を情報公開請求で押さえる。3. 市議会の所管委員会の傍聴と陳情を並行させる。4. 意見書は縦覧期間内に必ず書面で提出する(都市計画法17条)。後に後続処分を争う段になったとき、経緯を示す一次資料になる。
訴えられた側:1. 決定・変更の手続に入る前に、協議の相手方が「指定都市の長」であることを確認する。市の都市計画課との事務打ち合わせは、条文上の協議そのものではない。2. 協議の申入れと回答を必ず文書化し、日付を残す。3. 協議が整わなくても決定自体は可能だが、協議を尽くした記録が薄ければ後から手続違背を突かれる。4. そもそも87条の2で市自身が定める類型に当たらないか、着手前に切り分ける。宛先違いの協議は時間の丸損である。
時効(請求できる期限):本条の協議自体に法定の期限はない。住民側に走る時計は、都市計画案の公告・縦覧が2週間、意見書の提出はその期間内(都市計画法17条)。後続処分(建築確認の拒否など)を争う場合は、処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年の出訴期間(行政事件訴訟法14条)、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。
学説
通説:「協議するものとする」は地方自治法上の関与の類型としての協議であり、同意・承認とは区別される。協議を尽くしたと評価できる限り、協議が不調であっても決定権者は都市計画を決定できると解されている。
分権改革後の位置づけに関する理解:指定都市の区域内の都市計画については87条の2による特例が置かれ、決定主体が指定都市側に移行した結果、本条の協議は国土交通大臣が決定する広域的な類型などを受け持つ位置へと役割が縮小したと整理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法の全部改正(現行法制定)に伴い、指定都市に関する特例として協議規定が置かれた。
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