社会保険労務士法 第25条の24(違法行為等についての処分)
クイックジャンプ
- 厚生労働大臣は、社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その社会保険労務士法人に対し、戒告し、若しくは一年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。
- 2.第二十五条の三の二、第二十五条の四及び第二十五条の五の規定は、前項の処分について準用する。
- 3.第一項の規定による処分の手続に付された社会保険労務士法人は、清算が結了した後においても、この条の規定の適用については、当該手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
- 4.第一項の規定は、同項の規定により社会保険労務士法人を処分する場合において、当該社会保険労務士法人の社員等につき第二十五条の二又は第二十五条の三に該当する事実があるときは、その社員等である社会保険労務士に対し、懲戒処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
この条文の基本情報
違法行為等についての処分とは何ですか?
定義違法行為等についての処分とは、社会保険労務士法第25条の24に定められた規定で、「厚生労働大臣は、社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その社会保険労務士法人に対し、戒告し、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第25条の24(違法行為等についての処分)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第25条の24の条文原文は「厚生労働大臣は、社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その社会保険労務士法人に対し、戒告し、…」で始まります。
- 社会保険労務士法第25条の24は第四章の二に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第25条の24の前の条は社会保険労務士法第25条の23の3です。
- 社会保険労務士法第25条の24の次の条は社会保険労務士法第25条の25です。
- 社会保険労務士法第25条の24には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の24 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の24(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/25_24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法第25条の38は、法令違反または運営が著しく不当な社労士法人に対し、厚生労働大臣が戒告・一年以内の業務停止・解散命令を命じられると定める。
Q · 社労士法人が不正をしたら、法人そのものが処分されるの?
される。戒告・最長1年の業務停止・解散命令の三段階
社会保険労務士法25条の38により、厚生労働大臣は、法令違反または運営が著しく不当と認められる社労士法人に対し、戒告、一年以内の業務の全部または一部の停止、解散命令のいずれかを命じることができます。処分手続が始まった後に清算を終えても、手続が終わるまで法人は存続するものとみなされます(3項)。違反に関与した社員である社労士個人を別途懲戒することも妨げられません(4項)。
解説
社労士の処分といえば「先生個人が業務停止になる話」だと思われがちだ。しかし本条で厚生労働大臣が処分するのは、社会保険労務士法人という組織そのものである。処分は三段階ある。戒告(正式な警告で、業務はそのまま続けられる)、一年以内の業務の全部または一部の停止、そして解散命令(法人を消滅させる命令)だ。発動の条件は二つで、社会保険労務士法やそれに基づく命令に違反したとき、または「運営が著しく不当」と認められたときである。後者は条文違反がなくても処分の対象になりうる、幅の広い条件だ。逃げ道も先回りして塞がれている。処分の手続が始まった後に法人をたたんで清算を終えても、手続が終わるまでは法人は存続しているものとみなされる(3項)。また法人を処分しても、違反に関わった社員である社労士個人を別途懲戒することは妨げられない(4項)。顧問先の会社にとって何が起きるかというと、ある朝、委託先が手続代行を一切できなくなる可能性がある。委託先が「法人」なのか「個人」なのかを把握していなかった会社ほど、対応が遅れることになる。
法的な位置づけ
社会保険労務士法第25条の38は、社会保険労務士法人に対する行政処分を定める規定である。処分権者は厚生労働大臣、処分事由は法令違反または運営の著しい不当、処分の種類は戒告・一年以内の業務停止・解散命令の三段階である。懲戒手続規定を準用し、清算による手続回避を封じ、社員等である社会保険労務士個人への懲戒処分との併科を認める。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士法人の業務停止とは?
厚生労働大臣が社労士法人に対し、一年以内の期間を定めて業務の全部または一部を止めるよう命じる処分です。社会保険労務士法25条の38が根拠です。
Q2社労士法人 解散命令 できる?
できます。法令違反または運営が著しく不当と認められるとき、厚生労働大臣は社労士法人に解散を命じることができます(社労士法25条の38第1項)。
Q3社労士法人の処分 誰が行う?
厚生労働大臣です。都道府県の社会保険労務士会や全国社会保険労務士会連合会ではなく、国が直接処分権限を持っています。
Q4社労士法人 運営が著しく不当 とは?
条文上の定義はなく事案ごとの判断です。個別の条文違反が特定できなくても、組織的な不正の黙認や杜撰な管理体制が続く場合が想定されます。
Q5社労士法人を清算すれば処分を免れる?
免れません。処分手続に付された法人は、清算が結了した後も手続が終わるまで存続するものとみなされます(25条の38第3項)。
Q6社労士法人の業務停止 最長何年?
最長一年です。条文は「一年以内の期間を定めて」業務の全部または一部の停止を命じることができると定めています。
Q7社労士法人の処分 個人社労士も処分される?
関与した社員に懲戒事由があれば、法人処分と併せて個人も懲戒できます(4項)。関与していない社員が自動的に処分されるわけではありません。
Q8社労士法人の処分 不服申立てはできる?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内が原則です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの社労士法人が業務停止になったら、担当の先生個人に頼み直せばいいんですか?
そう単純にはいかない。本条の業務停止は法人に対するものだが、担当者が違反に関与していれば、4項によって個人としても懲戒されうる。関与していなくても、法人の社員のまま個人名義で同じ業務を受けることに問題がないかは、個別に確認が必要になる。実務のポイント:処分が出る前から、関与していない社員社労士が独立の準備をしていることは珍しくない。顧問先が早めに動けば、担当者ごと別の事務所へ移る形で、業務を途切れさせずに済む場合がある
Q2社労士法人の対応がひどいとき、一般人でも厚労省に訴えられますか?
できる。本条2項で準用される25条の3の2により、何人も懲戒事由に当たる事実を厚生労働大臣に通知し、適当な措置をとるよう求めることができる。顧問先に限らず、従業員や元職員でもよい。実務のポイント:感情的な苦情として出しても動きにくい。違反した条文と日付、提出漏れの具体例を書類で揃えて出すと、調査の端緒として扱われやすくなる。都道府県の社会保険労務士会への相談を並行して進めるのも一つの方法である
Q3処分が出たかどうか、外から確認する方法はありますか?
懲戒処分は官報で公告される仕組みがあり(準用される25条の5、現行の運用を要確認)、厚生労働省のウェブサイトでも公表されることがある。実務のポイント:委託先を選ぶ段階で、過去の処分歴を官報や公表資料で検索する会社はほとんどない。数分の確認で避けられたはずの委託先リスクが、実際には見過ごされている
間違えやすい点 AI による整理
- 「社労士の不祥事は担当の先生個人の問題で、法人に頼んでいれば別の先生が引き継いでくれる」と考えるのは逆である。本条の処分を受けるのは法人そのものなので、業務の全部停止になれば、所属するすべての社労士が法人名義で業務をできなくなる。法人に頼んでいることが、そのままリスクの集中になる
- 処分の理由は法令違反だけだと思われがちだが、それ以上に重いのは「運営が著しく不当」という二つ目の条件である。個々の条文違反がはっきりしなくても、組織として不正を見過ごす体制や杜撰な管理が続けば処分の対象になりうる。どの程度で「著しく不当」と評価されるかは事案ごとの判断で、明確な線引きはない
- 問題の立て方そのものに誤りがある。「法人と個人、処分されるのはどちらか」ではない。4項により、法人の処分と社員社労士個人の懲戒は両立する。法人は業務停止、関与した社員は個人として業務停止や失格処分、というように二重に処分されうる構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の対象 | 25条の38:社会保険労務士法人(組織そのもの) | 25条:個人の社会保険労務士(懲戒の種類を定める) 25条の2・25条の3:個人の社会保険労務士(懲戒事由を定める) |
| 処分の種類 | 戒告/一年以内の業務の全部または一部の停止/解散命令 | 戒告/一年以内の業務停止/失格処分 事由の重さに応じ25条所定の懲戒を選択 |
| 処分事由 | 法令違反または運営が著しく不当 | 種類のみを定め、事由は25条の2・25条の3に委ねる 不正行為の指示等(25条の2)、その他の法令違反・信用失墜行為等(25条の3) |
| 両者の関係 | 4項により個人懲戒との併科を妨げない | 法人処分の有無にかかわらず個人に適用 法人処分と同時に社員個人へ適用されうる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾には社労士に相当する国家資格がなく、労務手続は記帳士・会計師・弁護士等が分担する。専門職法人そのものを処分する発想は會計師法に類例がある
韓国には社労士に近い公認労務士制度と労務法人があり、法人に対する業務停止等の処分規定を置く点で日本と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 給与計算と社会保険の手続を任せている社労士法人が、雇用調整助成金の不正受給に関与していたと報じられた。翌月、業務の全部停止で三か月。入退社の資格取得届・喪失届の提出期限は待ってくれない。あと五日で新入社員の資格取得届の期限が来る
- もし勤め先の社労士法人が解散命令を受けたら、職員である自分の雇用はどうなるのか? 法人は清算に入り、雇用契約も終わる方向へ進む。ただ、違反に関与していない社員社労士まで自動的に懲戒されるわけではない(4項は「併せて行うことを妨げない」と定めるだけで、必ず懲戒するとは定めていない)
- あなたは社労士法人の代表社員。行政から事情聴取の連絡が来た段階で「法人をたたんでしまえば処分は消える」と考えた。3項がその道を塞いでいる。清算が結了しても、処分手続が終わるまで法人は存続しているものとみなされる
- 顧問先の社長から相談を受けた。前任の社労士法人が届出を放置していた疑いがあり、労災の手続も止まっていた。「どこに言えばいいのか」と聞かれ、厚生労働大臣への懲戒事由の通知という窓口があると答えられるかどうかで、その後の話の進み方が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 顧問先の場合、委託先が提出した届出の控え・電子申請の受付記録・賃金台帳のデータを直ちに自社側に回収する2. 期限が迫っている手続(資格取得届・喪失届、労働保険の年度更新、算定基礎届など)を一覧にし、別の社労士へ並行して依頼する3. 不正が疑われる事実があれば、厚生労働大臣への懲戒事由の通知(準用される25条の3の2)を検討する4. 損害が出ていれば、委託契約上の責任を別途追及する
訴えられた側:1. 法人側の場合、事情聴取の段階で事実関係を時系列で整理し、関与した社員と関与していない社員を切り分ける2. 処分前の意見陳述の手続(準用される25条の4)で、再発防止策を具体的に示す3. 清算による回避はできないため(3項)、解散に逃げずに手続に向き合う4. 処分に不服があれば、審査請求または取消訴訟を検討する。顧問先への通知と引継ぎ計画は、処分の前から準備しておく
時効(請求できる期限):処分そのものに時効の定めはない。処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。業務停止は最長一年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:社会保険労務士法人制度の創設に伴い、法人に対する処分規定として新設された
- 社会保険労務士法 第25条個人社労士に対する懲戒の種類
- 社会保険労務士法 第25条の2不正行為の指示等による個人懲戒、4項の併科根拠
- 社会保険労務士法 第25条の3一般の懲戒事由、4項の併科根拠
- 社会保険労務士法 第25条の3の2何人も懲戒事由を通知できる、本条に準用
- 社会保険労務士法 第25条の4懲戒の手続、本条に準用(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の聴聞・弁明の一般原則
- 行政事件訴訟法 第14条処分取消訴訟の出訴期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める