著作物の原作品若しくは複製物(映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。)を除く。以下この条において同じ。)、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物の譲渡を受けた時において、当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物がそれぞれ第二十六条の二第二項各号、第九十五条の二第三項各号又は第九十七条の二第二項各号のいずれにも該当しないものであることを知らず、かつ、知らないことにつき過失がない者が当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物を公衆に譲渡する行為は、第二十六条の二第一項、第九十五条の二第一項又は第九十七条の二第一項に規定する権利を侵害する行為でないものとみなす。
要点著作権法 113 条の 2 は、譲り受けた時に譲渡権の消尽要件を満たさない品と知らず、過失もなかった者の公衆譲渡を譲渡権侵害でないとみなす。免責は譲渡権のみに限られる。
Q · 海賊版と知らずに仕入れた中古品を転売したら、著作権侵害になりますか?
仕入れ時に善意無過失なら譲渡権侵害にならない
著作権法 113 条の 2 により、譲り受けた時点で、その物が譲渡権の消尽要件(同法 26 条の 2 第 2 項各号、95 条の 2 第 3 項各号、97 条の 2 第 2 項各号)を満たさないことを知らず、知らないことに過失もなかった者が公衆に譲渡する行為は、譲渡権を侵害しないものとみなされます。判断の基準時は販売時ではなく「譲渡を受けた時」です。ただし免責されるのは譲渡権だけで、複製権など他の権利の侵害責任は別途問われます。
フリマアプリで仕入れた中古ゲームソフトをまとめて転売した。あとから、それが正規ルートを通っていない品だと判明する。著作権者の譲渡権(著作権法 26条の2)は、正規に最初の販売がされて初めて消尽する。つまり最初の流通が違法なら、その後の転売も理屈の上では侵害になりうる。ここであなたを救うのが 113条の2 だ。仕入れた時点で、その品が消尽の条件を満たしていないことを知らず、知らないことに過失もなかったなら、あなたが公衆へ譲渡する行為は譲渡権を侵害しないものとみなされる。鍵は二つ。第一に、善意かどうかを判断するのは販売時ではなく「譲り受けた時」。第二に、守られるのは譲渡権だけで、複製権など他の権利の侵害責任までは免れない。中古市場という巨大な取引の安全を、この一条が静かに支えている。
著作権法 113 条の 2 は、善意者に係る譲渡権の特例を定める規定である。譲渡を受けた時点において、当該原作品・複製物等が同法 26 条の 2 第 2 項各号、95 条の 2 第 3 項各号又は 97 条の 2 第 2 項各号のいずれにも該当しないことを知らず、かつ知らないことに過失がない者の公衆への譲渡は、譲渡権を侵害する行為でないものとみなされる。
善意者に係る譲渡権の特例です。譲り受けた時に譲渡権の消尽要件を満たさない品と知らず過失もなかった者が公衆に譲渡しても、譲渡権侵害にならないとみなす規定です。
正規に流通した品なら譲渡権が消尽しており転売は自由です。非正規品でも、仕入れ時に善意無過失であれば 113 条の 2 により譲渡権侵害となりません。
販売時ではなく「譲渡を受けた時」、つまり仕入れた瞬間です。仕入れ後に非正規品と気付いても保護は残り、仕入れ時に怪しんでいれば救われません。
仕入れ時に善意無過失なら譲渡権侵害は成立せず、譲渡権を根拠とする賠償責任は生じません。ただし複製権など別の権利侵害があれば別途責任を負います。
特例による免責を主張する側、つまり追及される譲渡者が立証します。仕入れ伝票、取引メール、価格、商品説明の記録が中心的な証拠になります。
使えません。本条は映画の著作物の複製物を明文で除外しています。映画の著作物には頒布権(26 条)が及び、消尽の枠組み自体が異なります。
適法に公衆へ譲渡された著作物の原作品・複製物については譲渡権が及ばなくなる原則です(著作権法 26 条の 2 第 2 項)。中古流通を支える基礎です。
相場から著しく乖離した価格、無包装、出所不明の個人取引などは、疑うべき事情があったとして過失を認定されやすくなります。
確認義務までは課されていません。113条の2は、仕入れた時点で非正規品と知らず、それに過失もなければ転売は譲渡権侵害にならないと定めます。ただし激安や無包装など明らかに怪しい品は過失ありとされやすい。業界裏話ヒント:警告が来たとき勝負を分けるのは仕入れの記録。正規卸の伝票があれば善意無過失を立てやすく、出所不明の個人取引は過失を疑われる。仕入れ証拠がそのまま盾になる
仕入れ時に善意無過失だったと認められれば、その転売は譲渡権を侵害しないとみなされ(113条の2)、譲渡権についての賠償責任は生じません。ただし複製権など別の権利侵害は別問題。業界裏話ヒント:権利者の多くはまず在庫の販売停止と残部の返品・廃棄を求めてくる。ここで素直に応じつつ善意を主張すると、訴訟まで行かず収まることが多い。争う前に仕入れ時の状況を時系列で書き出す
売った時ではなく「譲り受けた時」です(113条の2の『譲渡を受けた時において』)。仕入れた後に非正規品と気付いても、仕入れ時点が善意無過失なら保護は維持されます。逆に仕入れ時に怪しいと分かっていれば、後で取り繕っても救われない。業界裏話ヒント:この時点のズレを知らない人は警告後の言い訳を組み立てがち。だが裁判官が見るのは仕入れの瞬間。仕入れ時のメール、商品説明、価格こそ最重要証拠になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規範の性格 | 113 条の 2:善意無過失者の公衆譲渡を非侵害とみなす(非侵害擬制) | — |
| 適用の前提 | 譲渡を受けた時に消尽要件不充足を知らず、かつ過失がないこと | — |
| 効果の及ぶ範囲 | 譲渡権(26 条の 2 第 1 項、95 条の 2 第 1 項、97 条の 2 第 1 項)のみ免責 | — |
| 対象からの除外 | 映画の著作物の複製物は明文で除外 | — |
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