要点著作権法 113 条は、自分で複製していなくても、海賊版へのリンク集約や割れソフトの業務使用、DRM 回避ツールの販売などを著作権侵害とみなす規定である。
Q · 自分でコピーしていないのに、著作権侵害になることってあるの?
あります。コピー以外の中継行為も侵害とみなされます
著作権法 113 条は、自分で複製・公衆送信をしていなくても、海賊版へのリンクを集約するリーチサイトの運営(2 項)、割れソフトの業務上の使用(5 項)、DRM など技術的手段の回避や回避ツールの販売(6 項・7 項)、海賊版物品の輸入・頒布(1 項)、還流レコードの輸入(10 項)などを「侵害とみなす」と定めます。多くの類型で「情を知つて」という主観要件が置かれ、海賊版だと知りながら中継した時点で侵害者として扱われます。
コピーした本人だけが著作権を侵害する。多くの人はそう信じている。著作権法 113 条は、その常識を静かに覆す条文だ。「侵害とみなす行為」、つまり自分では一文字もコピーしていなくても、法律上は侵害者と同じ扱いを受ける行為が、ここに 11 項にわたって列挙されている。海賊版サイトへのリンクを集めて貼るだけのリーチサイト運営、業務用パソコンに入れた割れソフトの使用、DRM を外す機器の販売、海外限定盤 CD の逆輸入。どれも「自分で複製していない」のに、113 条が網をかける。鍵になるのは「情を知つて」という主観要件だ。海賊版だと薄々気づきながら流通させれば、あなたは侵害者になる。逆に言えば、この条文の構造を知る者は、どこに境界線が引かれているかを正確に把握し、その線を踏まずに動ける。
著作権法 113 条は、著作権等を直接侵害しない行為のうち一定のものを「侵害とみなす」規定であり、侵害物品の輸入・頒布、海賊版リンクを集約するリーチサイトの運営、技術的保護手段の回避とその道具の提供、海賊版プログラムの業務使用、還流レコードの輸入、権利管理情報の改変などを対象とする。多くの類型で「情を知つて」という主観要件が課される。
直接の複製や公衆送信をしていなくても、法律上は侵害と同じ扱いを受ける行為です。著作権法 113 条が、海賊版の中継・回避・輸入などを類型ごとに列挙しています。
令和 2 年(2020 年)改正で新設され、2021 年に施行されました。113 条 2 項が、海賊版へのリンクを集約して提供する行為そのものを侵害とみなします。
みなし侵害には差止請求(112 条)と損害賠償が及び、悪質な場合は刑事罰も対象です。DRM 回避ツールの提供などは 120 条の 2 で処罰されます。
原則は適法ですが、113 条 10 項の還流レコード規制に注意が必要です。国内盤と同一の海外向けレコードを、権利者の利益を不当に害する形で輸入すると侵害になります。
海賊版だと知っていた、または知り得る相当の理由があった、という主観要件です。多くのみなし侵害類型で、これがあって初めて侵害が成立します。
113 条 8 項が、権利者名や利用条件などの権利管理情報を故意に改変・除去する行為や、それを知りつつ頒布する行為を侵害とみなします。
113 条 5 項は、海賊版プログラムだと「情を知つて」業務上で使用する行為を侵害とみなします。使用権原の取得時に知らなければ対象外です。
できます。113 条のみなし侵害には 112 条の差止請求権が及び、侵害物の廃棄や行為の停止を求められます。損害賠償も並行して請求できます。
閲覧者・クリックする側は 113 条の対象外です。113 条 2 項が叩くのはリンクを集めて提供するリーチサイト運営者であって、利用者ではありません。ただし違法ダウンロード(30 条 1 項違反)は別問題で、漫画・書籍も 2021 年から対象に入りました。業界裏話ヒント:「見るだけ」は原則セーフでも、ダウンロードや保存に踏み込んだ瞬間、別の条文に切り替わる。リンクを貼る側と利用する側で適用条文がまるごと違う点が、検索しても整理されていない
113 条 5 項は「情を知つて」業務上使用する場合に侵害とみなします。割れ版だと気づいた今がまさに分岐点で、放置して使い続ければ侵害成立、正規ライセンスを買うか使用停止すれば回避できます。業界裏話ヒント:ソフトメーカー団体(BSA など)は内部告発の通報制度を持ち、報奨金を出すこともある。退職者が古巣を通報する事例が実際に多く、「バレなければ」という前提自体が崩れている
原則は適法ですが、113 条 10 項の還流レコード規制に注意が要ります。国内盤と同一の海外向け商業用レコードを、権利者の利益を不当に害する形で国内頒布目的で輸入すると侵害になります。ただし国内発行から政令期間(最長 7 年)経過後は対象外。業界裏話ヒント:この規制は実質的に邦楽の逆輸入を想定したもので、純粋な洋楽 CD の並行輸入には適用されにくい。「輸入 CD = 全部アウト」ではなく、同一の国内盤の有無と発行時期が分かれ目になる
私的利用目的でも、113 条 6 項は技術的利用制限手段の回避を侵害とみなします(研究・技術開発の正当な範囲などは例外)。さらに回避ツールの販売・提供は 7 項にあたり、刑事罰(120 条の 2)もあります。業界裏話ヒント:「自分が買った物だから」という理屈は通らない。DRM 回避は私的複製(30 条)の例外規定からも外されていて、コピー自体が合法でも回避行為が別途違法になる、という二段構えが見落とされやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象行為 | 113 条:みなし侵害(リンク集約・回避・輸入・業務使用など中継行為) | — |
| コピーの要否 | 自分で複製していなくても成立しうる | — |
| 主観要件 | 多くの類型で「情を知つて」が必要 | — |
| 主な効果 | 差止(112 条)・損害賠償・一部は刑事罰(119 条・120 条の 2) | — |
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