要点著作権法 112 条は、権利者が侵害者に対し侵害の停止・予防を請求できる差止請求権を定める。相手の故意・過失は不要で、2 項では侵害品や専用機械の廃棄も請求できる。
Q · 無断転載を見つけたけど、相手の儲けも損害額も分からない。それでも止められる?
止められます。差止に損害額の証明も相手の過失も不要です。
著作権法 112 条により、権利者は侵害者に対し侵害の停止・予防を請求できます。損害賠償(民法 709 条)と違い、相手の故意・過失も、損害額の証明も一切不要です。侵害している、またはそのおそれがある、それだけで止められます。さらに 2 項では、侵害品そのものや、専ら侵害に供された機械・器具の廃棄まで請求できます。被害が拡大するネット侵害では、まず差止で止血し、損害賠償は別軌道で進めるのが定石です。
あなたが描いたイラストが、見知らぬ誰かのスマホケースになって勝手に売られている。あるいは、苦労して撮った写真が、知らない会社のサイトにロゴだけ消されて貼られている。怒りと同時に、こう思うはずだ。「でも相手がいくら儲けたか分からないし、損害額なんて証明できない」。ここで著作権法 112 条があなたの手の中で別の武器に変わる。この条文が与えるのは「差止請求権」、つまり「今すぐ止めろ」と言える権利だ。決定的なのは、損害賠償(民法 709 条)と違って、相手の故意も過失も、あなたの損害額も、一切立証しなくていいという点である。相手が「知らずにやった」と言っても関係ない。侵害している、またはそのおそれがある、それだけで止められる。さらに 2 項では、侵害品そのものや、それを作った機械の廃棄まで請求できる。お金を取り返すのが損害賠償なら、出血そのものを止めるのが 112 条だ。
著作権法 112 条は差止請求権を定める規定であり、権利を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し、侵害の停止または予防を請求できる旨を規定する。損害賠償(民法 709 条)と異なり故意・過失を要件とせず、2 項では侵害組成物・侵害作成物・専ら侵害に供された機械器具の廃棄その他必要な措置を請求できる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
著作権侵害を将来に向けて止めさせる権利です。著作権法 112 条 1 項が根拠で、相手の故意・過失や損害額の証明を必要とせず、侵害の停止・予防を請求できます。
内容証明郵便なら数千円程度、仮処分申立ては担保金と弁護士費用がかかります。本訴は事案により数十万円〜。まず内容証明での警告から始めるのが一般的です。
差止は将来の侵害を止める権利で過失不要、損害賠償は過去の損害を金銭で回収する権利で過失が必要です。時効も別で、二つは独立して並行行使できます。
相手の身元や収益が不明でも、112 条により過失を問わず削除・配信停止を請求できます。発信者情報開示と並行し、まず止めることに集中するのが実務的です。
侵害ページの URL・スクショ・日時を保全し、投稿者とプラットフォーム双方に 112 条 1 項を明示して削除を請求します。証拠は消される前の確保が最優先です。
権利者であることの資料と侵害箇所を特定し、112 条 1 項に基づく停止・削除、必要なら 2 項の廃棄を請求する旨を記載します。到達と内容を証拠化できます。
差止請求権そのものには損害賠償のような消滅時効はなじまず、侵害が継続・そのおそれがある限り行使できます。急ぐ理由は時効ではなく被害拡大と証拠散逸です。
侵害ページの URL、スクリーンショット、販売画面、日時を記録します。ネット上の証拠は削除されると証明が困難になるため、発見時点での確保が最優先です。
止められます。差止請求(112 条 1 項)は相手の故意・過失を要件としません。『フリー素材だと思った』『知らずに使った』という弁解は、損害賠償の減額理由にはなり得ても、差止そのものは妨げません。業界裏話ヒント:実務では、まず相手の言い分に付き合わず『侵害という事実』だけを淡々と突きつける方が早く止まります。過失の有無を議論し始めると、相手に『協議の余地がある』と勘違いさせ、その間も侵害は続く。論点を『侵害か否か』に絞るのがプロの進め方です
条文上は可能です。112 条 2 項は侵害品に加え『専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具』の廃棄を認めます。ただし『専ら』が鍵で、海賊版専用の設備なら対象になりますが、他の用途にも使う汎用パソコンやプリンタは通常含まれません。業界裏話ヒント:廃棄請求は金額に換算しにくい強い圧力になるため、損害賠償の交渉でカードとして握っておくと和解が一気に進むことがある。実際に廃棄させるより、廃棄させられる立場だと相手に認識させる効果の方が大きい
そこで使うのが『差止の仮処分』(民事保全法)です。本訴の判決を待たず、数週間で暫定的に侵害行為を止められます。担保金が必要な場合もありますが、被害拡大を即座に止める効果は大きい。業界裏話ヒント:ネット上の侵害は『止めること』自体が最大の回復になります。損害賠償でお金を取るより、検索上位を侵害者に奪われ続ける方が長期的損失が大きい。だから経験ある弁護士は、まず仮処分で止血し、賠償交渉は後から落ち着いてやる、という順番を取ります
著作者本人だけでなく、著作権者、出版権者、実演家、著作隣接権者も請求できます(112 条 1 項に明記)。つまり、作品を譲り受けた会社、出版契約を結んだ出版社、演奏したミュージシャン、それぞれが自分の立場で差止を求められます。業界裏話ヒント:誰が差止を請求できるかは契約次第で変わる。著作権を譲渡したのか、出版権だけ設定したのか、独占的利用許諾なのかで、止める権利を持つ人が違ってくる。トラブル前に『自分は何を持っているのか』を契約書で確認しておくことが、いざという時の武器になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 救済の性質 | 侵害の停止・予防と廃棄(差止請求) | — |
| 故意・過失 | 不要(客観的な侵害で足りる) | — |
| 時効・行使期間 | 侵害が継続・そのおそれがある限り行使可 | — |
| 得られる効果 | 将来の侵害を封じ、侵害品・専用機械の廃棄も可 | — |
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