要点著作権法 114 条は、著作権侵害の損害額を、譲渡数量×単位利益(1 項)、侵害者の利益額の推定(2 項)、ライセンス料相当額(3 項)の三方法で算定できると定める。実売がなくても 3 項で底値を請求できる。
Q · 作品を無断で使われたけど、実際に売上が減ったわけじゃない。損害賠償なんて取れないの?
取れます。ライセンス料相当額が賠償の底値になります
著作権法 114 条は、著作権侵害の損害額を三つの方法で算定できると定めます。侵害品の譲渡数量に権利者の単位利益を乗じる方法(1 項)、侵害者が得た利益を損害と推定する方法(2 項)、そして権利行使につき受けるべき金銭すなわちライセンス料相当額を損害とする方法(3 項)です。実売が減っていなくても、相手が赤字でも、3 項のライセンス料相当額は請求でき、これが賠償の底値になります。
あなたのイラストが無断でグッズ化されメルカリで売られていた。あるいは書いた記事が丸ごと別サイトに転載され、広告収入を生んでいた。怒りはある。だが裁判で「いくら損したか」を証明しろと言われると、多くの人は途方に暮れる。実売がゼロなら損害もゼロなのか。違う。著作権法114条は、被害者が損害額を立証する重荷を三つの方法で肩代わりする。一つ、相手が売った数量にあなたの単位利益を掛ける(1項)。二つ、相手が得た利益をそのままあなたの損害と推定する(2項)。三つ、最低でも「使わせていたら取れたはずのライセンス料」を損害とする(3項)。三つ目が決定的だ。あなたが一円も売っていなくても、相手の利益が不明でも、ライセンス料相当額は必ず請求できる。これが損害賠償の底値を作る。さらに令和2年(2020年)改正で、配信やダウンロードによる侵害もこの計算に取り込まれた。
著作権法 114 条は、著作権・出版権・著作隣接権の侵害に対する損害賠償請求において損害額の算定を容易にする特則である。侵害作成物の譲渡数量に権利者の単位利益を乗じた額(1 項)、侵害者が得た利益額を損害と推定する規定(2 項)、権利行使につき受けるべき金銭すなわちライセンス料相当額(3 項)の三つの算定方法を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
著作権侵害の損害額を算定しやすくする特則です。譲渡数量×単位利益、侵害者の利益額の推定、ライセンス料相当額の三方法を定め、権利者の立証負担を軽減します。
一律の相場はなく、114 条の三方法で算定します。実務では 3 項のライセンス料相当額を底値に、相手の販売数や利益が立証できれば 1 項・2 項で上乗せを狙います。
財産的損害は 114 条で算定しますが、著作者人格権(氏名表示権・同一性保持権)が侵害された場合は別途慰謝料を請求できます。財産損害と人格的損害は別枠です。
不法行為に基づくため、損害と加害者を知った時から 3 年、侵害行為時から 20 年で消滅します(民法 724 条)。継続侵害は各行為ごとに起算されます。
相手の販売数が多く立証できれば 1 項が高額になりますが、立証は難しいです。3 項のライセンス料相当額は確実に取れる底値で、実務では両者を組み合わせます。
できません。損害賠償には侵害者の故意または過失が必要です。ただし差止請求(112 条)は故意・過失を問わず可能で、賠償と併用できます。
損害の性質上その額の立証が極めて困難な場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できる規定です。114 条と併用します。
侵害品の販売ページ、販売数・再生数の表示、転載 URL、ウェブアーカイブを保全します。114 条の推定規定と 114 条の 5 の裁判所認定で立証負担を軽減できます。
できます。著作権法114条3項により、相手の販売数が不明でも「使用を許諾していたら受け取れたはずのライセンス料相当額」を損害として請求できます。これが賠償の底値になります。業界裏話ヒント:実務では、まず3項のライセンス料相当額を確実な底値として押さえ、その上で相手の販売数や利益が立証できそうなら1項・2項でそれを上回る額を狙う二段構えで組み立てます。底値があるから、立証が崩れてもゼロにはならない
違います。2項の利益推定は使えなくなりますが、3項のライセンス料相当額は相手の利益と無関係に請求できます。赤字でも侵害は侵害で、使用料は発生します(3項)。業界裏話ヒント:「赤字だから払えない」は損害論では通用しません。利益ゼロの主張は2項を潰すだけで、3項の底値は揺らがない。むしろ赤字を自認したことで、こちらが迷わず3項に切り替える根拠になります
入ります。令和2年(2020年)改正で、侵害組成公衆送信(違法な配信)を公衆が受信して作成した複製物の数量も114条1項の算定基礎に取り込まれました。視聴・ダウンロードされた数が損害計算に効いてきます。業界裏話ヒント:改正前は配信型の侵害は数量になじまず賠償額が低く抑えられがちでした。改正後は受信・ダウンロード数が基礎に入るため配信型のリスクは跳ね上がった。古い解説で『配信は安い』と高をくくると痛い目を見ます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 著作権法 114 条:著作権・出版権・著作隣接権の侵害 | — |
| 損害額の算定 | 譲渡数量×単位利益・利益額の推定・ライセンス料相当額の三方法 | — |
| 立証負担 | 推定と底値により大幅に軽減 | — |
| ライセンス料の底値 | あり(3 項)—実売ゼロ・相手赤字でも請求可 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。