要点著作権法 102 条は、私的複製や引用などの著作権の制限規定を著作隣接権に準用する。例外で作った複製物を目的外に使えば 9 項でみなし侵害となる。
Q · CDを個人用にコピーするとき、作者だけでなく歌手やレコード会社の権利も大丈夫なの?
102条が例外を準用するので同時にクリアできる
著作権法 102 条 1 項は、私的複製(30 条)・引用(32 条)・教育目的利用(35 条)・報道・図書館複製など著作権の制限規定を、実演・レコード・放送・有線放送の利用に準用します。そのため CD を個人用に取り込む行為は、作詞作曲家の著作権だけでなく、歌った実演家やレコード会社の隣接権も同時にクリアできます。ただし 9 項により、私的複製などで作った複製物を目的外に使えば、最初から侵害だったとみなされます。
音楽を一つ使うとき、あなたが真っ先に思い浮かべる権利は作詞家・作曲家の著作権だろう。だが、そこには見えない第二層がある。歌った実演家の権利、その音を固定したレコード会社の権利、電波に乗せた放送局の権利。これらをまとめて著作隣接権と呼ぶ。著作権法102条は、著作権について認められた数々の例外(私的複製、引用、教育目的の利用、報道、図書館での複製、障害者のためのアクセスなど)を、この第二層にもそっくり架け渡す橋である。もしこの条文がなければ、あなたが私的にCDをコピーする行為は、作者の著作権はクリアしても、実演家やレコード会社の権利を別個に侵害しかねない。102条があるからこそ、一つの例外が二つの層を同時に貫通する。逆に言えば、例外で作ったコピーを目的外に流用すれば、9項によって最初から侵害だったとみなされる。例外とは『使える』だけでなく、『使い方を一歩外せば牙を剥く』ものだ。
著作権法 102 条は、著作権の制限(権利制限)規定を著作隣接権に準用する規定である。私的複製・引用・教育目的利用・報道・図書館複製等の例外を、実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者の権利にも及ぼし、あわせて出所明示義務や例外の目的外利用をみなし侵害とする調整を定める。
実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者に認められる権利です。歌唱や演奏、録音、放送といった伝達行為への投資を保護し、作詞作曲家の著作権とは別の層として存在します。
著作権は作品を創作した著作者の権利、著作隣接権は作品を演じ・録音し・放送して伝えた者の権利です。同じ音源でも権利が二層に分かれ、両方をクリアしないと利用できません。
私的複製や引用など著作権の例外を、著作権法 102 条が実演・レコード・放送にも準用する仕組みです。これにより一つの例外が二つの権利層を同時に貫通します。
例外規定で作った複製物を本来の目的以外に頒布・公衆提示すると、当初から侵害だったとみなす規定です。取り込み自体が合法でも、使い道次第で遡って違法化します。
レコードの著作隣接権は発行後 70 年で存続します。著作者の死後を起算点とする著作権とは別の起算点なので、著作権が切れても隣接権が生きていることがあります。
家庭内で楽しむための私的複製は適法ですが、その複製物をフリマアプリや SNS で他人に渡すと、102 条 9 項で最初から侵害だったとみなされます。
102 条 2 項が定める義務で、引用・教育目的利用などで実演等を複製する際、出所を明示する慣行があるときは合理的な方法で出所を示さなければなりません。
確認すべきは著作権だけでなく、その音源の実演家・レコード会社の隣接権も切れているかです。著作権が消滅していても隣接権が別個に存続していることがあります。
私的使用の範囲なら適法です。著作権法30条1項が102条1項で著作隣接権にも準用されるので、作者の権利だけでなく実演家・レコード会社の権利も同時にクリアできます。ただし家庭内など限られた範囲で楽しむことが前提です。業界裏話ヒント:この私的複製で作ったデータを後でフリマアプリやSNSで他人に渡すと、102条9項によって『最初から侵害だった』とみなされます。取り込み自体は合法でも、その後の使い道一つで遡って違法化する。『個人で楽しむ』の線を越えないことが本当の肝です
著作権法32条の引用が成立すれば、102条1項を通じて実演家・レコード会社の隣接権にも引用の例外が及びます。ただし引用には主従関係・明瞭な区別・必然性という厳しい要件があり、BGMとして曲を丸ごと流すのは引用と認められにくい。業界裏話ヒント:YouTubeのContent IDで自動検出される多くはレコード会社の隣接権です。法的に著作権の引用が成立しても、隣接権者が別途権利を行使し収益化が止まる構図がある。法律論とプラットフォームの運用は分けて考える必要があります
学校その他の教育機関で、授業の過程における利用に必要と認められる限度なら、35条が102条で準用され隣接権側もクリアできます。ただし『授業の過程』が要件で、部活動やイベント、塾の一部などは対象外のことがあります。業界裏話ヒント:2018年改正で授業目的公衆送信補償金制度ができ、オンライン授業での送信は一定の補償金で可能になりました。だが指定管理団体(SARTRAS)への補償金支払いが前提で、『教育なら全部タダ』ではない。学校が制度に加入しているか確認しないと、個々の教員が知らずに枠を外すことがあります(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる権利 | 102 条:実演・レコード・放送・有線放送(著作隣接権) | — |
| 機能 | 著作権の制限規定を隣接権に準用する橋渡し | — |
| 目的外利用の扱い | 9 項でみなし侵害(当初から侵害とみなす) | — |
| 出所明示義務 | 2 項:準用される例外について出所明示 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。