実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。
要点著作権法 101 条の 3 は、実演家の死後も、生存していれば実演家人格権侵害となる無断改変や氏名変更を禁じる。著作権が切れても人格的利益の保護は時間で消えない。
Q · 亡くなった声優や歌手の声を、AIで勝手に再現して使ってもいいの?
著作権が切れても、遺族は無断のAI再現を差し止められます
著作権法 101 条の 3 により、実演を公衆に提供・提示する者は、実演家の死後も、生存していたなら実演家人格権(氏名表示権 90 条の 2、同一性保持権 90 条の 3)の侵害となる行為をしてはなりません。故人の声のAI無断再現、演技の勝手な改変、名義の書き換えなどが該当すれば、遺族は 116 条を根拠に差止め等を請求できます。著作権(財産権)の保護期間が切れていても関係ありません。ただし、行為の性質・程度や社会的事情の変動により実演家の意を害しないと認められる場合は除外されます。
声優や歌手が亡くなったあと、その人の声をAIで合成して新しいセリフや歌を作る。技術的にはもう可能だ。ではそれを自由にやっていいのか。多くの人は「著作権は本人が死ねば切れる、もしくは相続される」程度の理解で止まっている。だがここに見落とされた一条がある。実演家人格権、つまり氏名を表示する権利(90条の2)と、実演を勝手に改変されない権利(90条の3)は、本人の死後も守られる。101条の3が定めるのは、実演家が生きていたら人格権侵害になる行為は、死後もやってはならないということだ。亡くなった俳優の演技を別人のセリフに差し替える、故人の名前を消して別名義で配信する。これらは遺族が差し止められる(116条)。AI時代に、この一条が突然、最前線の武器になった。
著作権法 101 条の 3 は、実演家の死後における人格的利益の保護を定める規定であり、実演を公衆に提供・提示する者は、実演家が生存していれば実演家人格権の侵害となる行為を死後も行ってはならない。ただし、行為の性質・程度や社会的事情の変動により実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実演家が自分の実演について持つ人格的な権利で、氏名表示権(90 条の 2)と同一性保持権(90 条の 3)の 2 つを指します。財産権である著作隣接権とは別物です。
無断で改変したり名義を書き換えたりすれば、実演家人格権の死後保護(101 条の 3)に触れ、遺族が差止め請求できます。著作権が切れているかは関係ありません。
101 条の 3 による死後保護に明確な時間制限はありません。財産権(実演から 70 年)と違い、人格的利益は原則として消滅せず残り続けます。
氏名表示権(90 条の 2)は実演家名を表示させる権利、同一性保持権(90 条の 3)は実演を名誉・声望を害する形で改変させない権利です。両方とも死後保護の対象です。
実演を行った実演家本人(俳優・声優・歌手・演奏家など)が持ちます。一身専属で譲渡できず、死後は遺族が保護のために差止め等を請求します。
先に問うべきは許可の相手ではなく、その改変や無断使用が本人の意に反するかです。反する場合、許可では解決せず 116 条で遺族が差し止められます。
財産権である著作隣接権は保護期間(実演から 70 年)で消滅します。一方、実演家の人格的利益は 101 条の 3 により死後も期限なく保護されます。
死後の人格的利益の侵害には 120 条の罰則(500 万円以下の罰金)が定められています。適用の要否や最新の改正状況は個別にご確認ください。
著作権(財産権)と実演家の人格的利益は別物です。財産権は保護期間(実演は実演時から70年)で切れますが、人格的利益の死後保護(101条の3)には時間制限がありません。だから保護期間が切れた実演でも、本人の意に反する改変や氏名の無断変更は問題になりえます。業界裏話ヒント:「パブリックドメインだから自由」は財産権だけの話で、人格的利益は最後まで別軌道で残る。ここを混同して炎上する制作現場は少なくない
116条が請求できる遺族の範囲と順位を定めています。配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で、生前に本人が別の者を指定していればその人が優先します。業界裏話ヒント:順位が上の遺族が存命だと下位の親族は原則動けないので、誰を窓口にするかを親族間で先に整理しておかないと、対応が遅れて拡散に間に合わなくなる
行為の性質と程度、社会的事情の変動その他を総合して判断します。一般に、本人の死から時間が経つほど許容されやすくなる傾向があります。業界裏話ヒント:生前の本人の発言や契約で意思が明確に残っているほど、相手の「意を害しない」という反論が塞がる。逆に何も残っていないと、この但書を盾に無断使用が正当化されやすい。だから故人側は生前の意思の記録こそが武器になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の対象者 | 101 条の 3:実演家(俳優・声優・歌手・演奏家等)の死後の人格的利益 | — |
| 保護される権利 | 実演家人格権=氏名表示権(90 条の 2)+同一性保持権(90 条の 3) | — |
| 保護期間 | 時間制限なし(財産権である著作隣接権 70 年とは別軌道) | — |
| 免責のただし書 | 行為の性質・程度、社会的事情の変動により意を害しないと認められる場合 | — |
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