廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第21条の2(事故時の措置)
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- 一般廃棄物の処理施設又は産業廃棄物の処理施設で政令で定めるもの(以下この項において「特定処理施設」という。)の設置者は、当該特定処理施設において破損その他の事故が発生し、当該特定処理施設において処理する一般廃棄物若しくは産業廃棄物又はこれらの処理に伴つて生じた汚水若しくは気体が飛散し、流出し、地下に浸透し、又は発散したことにより生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続くその支障の除去又は発生の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければならない。
- 2.都道府県知事は、前項に規定する者が同項に規定する応急の措置を講じていないと認めるときは、その者に対し、当該応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
事故時の措置とは何ですか?
定義事故時の措置とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2に定められた規定で、「一般廃棄物の処理施設又は産業廃棄物の処理施設で政令で定めるもの(以下この項において「特定処理施設」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2(事故時の措置)は、日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に含まれる条文です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2の条文原文は「一般廃棄物の処理施設又は産業廃棄物の処理施設で政令で定めるもの(以下この項において「特定処理施設」という。」で始まります。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2は第四章 雑則に置かれています。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の公布日は昭和45年12月25日です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2の前の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2の次の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の3です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第21条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 - 本サイト収録
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第21条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000137/21_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点廃棄物処理法21条の2は、特定処理施設で事故が起き生活環境保全上の支障又はそのおそれがあるとき、設置者に直ちに応急措置を講じ、速やかに知事へ届け出る義務を課す。
Q · ごみ処理施設や産廃施設で事故が起きたら、事業者は何をしなければならないの?
直ちに応急措置をとり、速やかに知事へ届け出る義務がある
廃棄物処理法21条の2第1項により、政令で定める特定処理施設の設置者は、事故で廃棄物や汚水・気体が飛散・流出・地下浸透・発散し、生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあるとき、直ちに応急措置を講じ、速やかに事故の状況と措置の概要を都道府県知事に届け出なければなりません。実害が出る前の「おそれ」の段階から義務が生じます。設置者が応急措置を講じていないと認められるときは、知事は第2項に基づき措置を命ずることができます。
解説
焼却炉の配管が割れて黒煙が上がる、最終処分場の遮水シートが破れて汚水が川へにじみ出る。こうした事故が起きたとき、施設の設置者には二つの義務が同時にかかる。一つ目は、支障(周辺の生活環境への実害や、その危険)を取り除くための応急措置を「直ちに」講じること。二つ目は、事故の状況と講じた措置を「速やかに」都道府県知事に届け出ること(保健所設置市などでは市長が窓口になる)。見落としやすいのは、実害が出た後だけでなく「生ずるおそれ」がある段階で義務が発生する点である。まだ誰も苦情を言っていない段階から、届出の時計は動いている。設置者が動かなければ、知事は応急措置を命令できる(第2項)。命令(役所が設置者に直接下す、従わなければ罰則につながる決定)に違反すれば刑事罰の対象になる。近隣住民の側からすれば、「事業者が自主的に動くのを待つ」のではなく、行政に命令権限の行使を求める根拠がここにある。
法的な位置づけ
廃棄物処理法21条の2は、特定処理施設の事故時の措置を定める規定である。一般廃棄物又は産業廃棄物の処理施設のうち政令で定めるものの設置者に対し、事故により生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合、直ちに応急措置を講ずる義務と、速やかに事故の状況及び措置の概要を都道府県知事に届け出る義務を課し、措置を講じない者への知事の命令権限を定める。
手順
- 1.飛散・流出を止める物理的な措置を最優先する 事故や異常を確認したら、止水、遮断、設備の運転停止、汚水の回収など、支障の除去又は発生の防止に実際に効く応急措置を直ちに講じる。見た目を取り繕うだけの措置は、応急措置とは評価されない
- 2.時刻付きで事故と措置を記録する 発生時刻、発見者、漏れた物質と範囲、講じた措置とその時刻を、写真・動画とともに時系列で記録する。後の届出と行政対応の土台になる
- 3.所管行政へ暫定の第一報を入れる 数値が確定する前でも、都道府県(保健所設置市なら市)の廃棄物担当課に電話等で第一報を入れる。「暫定」と明記し、後で修正報告を重ねる形にする
- 4.事故の状況と措置の概要を届け出る 事故の状況と講じた措置の概要を書面にまとめ、速やかに知事へ届け出る。自治体の要綱や様式がある場合はそれに従う
- 5.行政指導・命令に応じ履行を報告する 行政指導や第2項の措置命令が出たら内容と期限を確認し、履行状況を書面で報告する。不利益処分に進みそうなら早めに弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1特定処理施設とは何ですか?
一般廃棄物・産業廃棄物の処理施設のうち、政令で定めるものを指します。廃棄物処理法21条の2の事故時の措置義務は、この特定処理施設の設置者にかかります。
Q2廃棄物処理施設の事故で届け出る内容は?
条文上は「事故の状況」と「講じた措置の概要」の二点です。発生日時・場所・漏れた物質や範囲、止水や運転停止などの措置内容を整理して届け出ます。
Q3産廃施設の事故の届出先はどこ?
条文上の届出先は都道府県知事です。保健所設置市など、廃棄物処理法の事務を市長が担う地域では、市の廃棄物担当課が窓口になります。
Q4支障が「生ずるおそれ」だけでも届出が必要?
必要です。21条の2は実害が出た場合だけでなく、生活環境の保全上の支障が「生ずるおそれがあるとき」にも応急措置と届出を求めています。
Q5応急措置にはどんなものがある?
飛散・流出を止める止水や遮断、設備の運転停止、汚水の回収、立入り制限などです。支障の除去や発生防止に実際に効く措置であることが求められます。
Q6知事の措置命令に従わないとどうなる?
命令違反は罰則の対象となり、刑事罰につながります。施設の許可にも影響が及ぶおそれがあるため、命令の内容と期限を確認し、履行状況を書面で残すことが重要です。
Q7市町村のごみ焼却場も対象になる?
一般廃棄物処理施設で政令の定めるものであれば対象です。設置者が市町村自身の場合、役所が届出を行う側に回ります。
Q8処理施設の事故で住民は損害賠償を請求できる?
本条は届出義務等を定めるもので、賠償の根拠は民法709条の不法行為です。写真や採水記録、診断書、領収書などの証拠を早い段階から残しておきます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事故の届出って、何日以内に出せばいいんですか?
21条の2第1項は「速やかに」と定めるだけで、日数は書いていません。そのため「何日なら大丈夫」という安全圏はなく、事故の規模や状況に照らして遅すぎれば義務違反と評価されうる。実務のポイント:自治体によっては、要綱や指導文書で「まず電話で第一報、その後書面」という運用を決めていることがある。所管の運用を平時に確認しておく施設ほど、事故時の傷が浅い
Q2うちの近所の施設が本当に対象なのか、どうやって分かりますか?
対象は、一般廃棄物・産業廃棄物の処理施設のうち政令で定めるものです(施行令で焼却施設や最終処分場などが指定されている)。設置許可を受けた施設の情報は、都道府県などが公表していることが多いです。実務のポイント:許可施設の一覧や、維持管理の記録の公表(8条の3、15条の2の3等)を調べると、事故前の運転状況まで追えることがある。事故後の交渉で「前から兆候があった」と示す材料になる
Q3行政が命令を出してくれないとき、住民に打つ手はありますか?
第2項は「命ずることができる」という書き方で、命令を出すかどうかは原則として知事の判断に委ねられています。ただ、行政事件訴訟法の非申請型義務付け訴訟(37条の2)という道が理論上あります。要件は厳しいです。実務のポイント:いきなり訴訟に進むより、議員への相談、情報公開請求、複数住民での書面要望を重ねる方が現実的に効く。記録が積み上がるほど、行政は「放置した」と言われるリスクを意識するようになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「事故を報告すると処分される。黙って直せば済む」と考える担当者は多い。だが本条は事故の発生そのものを罰していない。罰則が向くのは、措置命令に従わないことや、届出をしない・偽ることである。隠すことで、責められずに済んだはずの事故が責められる事故に変わる
- 「応急措置」は現場で一応何か手を打てば足りる、と軽く見られがちである。実際は、支障の除去や発生防止に実際に効く措置でなければ、知事は講じていないと認めて命令を出せる。見た目だけ取り繕う措置は、命令を呼び込むきっかけにしかならない
- 住民の側は「行政に苦情を言っても聞き流されるだけ」と思いがちである。問いの立て方がずれている。本条の第2項が知事に命令権限を与えている以上、問うべきは「苦情を聞いてくれるか」ではなく「命令権限を使うべき状況か」である。そう問い直すと、行政の答え方が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 21条の2:特定処理施設の事故による支障又はそのおそれ | 9条の2:一般廃棄物処理施設の構造・維持管理の不適合 19条の5:処理基準に適合しない処分による支障 |
| 事業者の自発的義務 | 直ちに応急措置+速やかに知事へ届出 | 条文上の自発的届出義務なし(行政の命令が起点) 条文上の自発的届出義務なし(行政の命令が起点) |
| 行政の権限 | 応急措置を講じない者への措置命令 | 改善命令・使用停止命令等 支障の除去等の措置命令 |
| 主な対象 | 特定処理施設の設置者 | 一般廃棄物処理施設の設置者 不適正処分を行った者等 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では排水が人体健康等に重大な危害を及ぼすおそれがあるとき、事業者に緊急応変措置と主管機関への通報を義務付ける。通報期限を時間単位で明記する点が、日本の「速やかに」との違い
ドイツは重大事故のおそれがある施設について、事故時の所管官庁への報告義務を政令レベルで詳細に定める
米国は一定量以上の有害物質の放出を直ちに National Response Center へ報告する義務を課し、違反には罰則がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 産廃の中間処理施設で夜間に火災が起き、朝になっても焦げた臭いが住宅街に漂っている。施設の近くに住むあなたが市役所に電話するとき、「21条の2の届出は出ていますか」と一言添えるだけで、担当者の対応の速さは変わる
- あなたは焼却施設の工場長。集じん機が故障し、排ガスの基準を超えたかもしれない。本社は「数値が確定するまで報告は待て」と言う。だが条文が求めるのは「おそれ」の段階での応急措置と速やかな届出だ。確定を待った数日間が、後で隠蔽と見られるリスクになる
- 大雨の翌朝、最終処分場の下流の用水路が茶色く濁っていたら、誰が何をする義務を負うのか? 設置者には応急措置と届出の義務があり、知事には措置命令の権限がある。農家のあなたは、写真と採水の記録を持って行政に動くよう求めることができる
- 届出を忘れたまま三日が過ぎた。「速やかに」の期限はもう過ぎている可能性が高い。今からでも出す。出さないままでいるより、遅れても出す方が傷は浅い
- 汚水の漏出があったのに、施設の管理者が土をかぶせて見えなくしただけだった。このやり方で本当に応急措置といえるのか。周辺住民の相談を受けた自治会長は、知事の措置命令(第2項)を求める要望書を出すことができる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 異臭・煙・濁水を日時入りの写真と動画で記録し、可能なら採水や体調の変化もメモする2. 都道府県(保健所設置市なら市)の廃棄物担当課に通報し、21条の2の届出が出ているか、応急措置の内容は何かを尋ねる3. 措置が不十分と考えるなら、第2項の措置命令を出すよう書面で要望する4. 農作物や健康被害が出た場合は、民法709条による損害賠償請求に向けて領収書や診断書を保管する
訴えられた側:1. 事故を確認した時点で、まず飛散・流出を止める物理的な措置を最優先する(止水、遮断、運転停止など) 2. 数値が未確定でも、暫定の第一報を所管の行政に入れ、経過をタイムスタンプ付きで記録する3. 行政指導や命令が出たら内容と期限を確認し、履行状況を書面で報告する4. 許可取消しなどの不利益処分に進みそうなら、聴聞の手続を見据えて早めに弁護士に相談する
時効(請求できる期限):条文上の期限は、応急措置が「直ちに」、届出が「速やかに」で、具体的な日数は定められていない。事故または支障のおそれを認識した時点が起算点と考えるのが安全である。被害者の損害賠償請求には特定の時効がなく、一般の不法行為の時効(民法724条:損害と加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年(724条の2)、行為時から20年)が適用される
学説
行政法の一般的理解:第2項は「命ずることができる」と規定しており、命令を出すか否かは原則として知事の裁量に委ねられる。住民が命令の発動を求める法的手段としては、行政事件訴訟法の非申請型義務付け訴訟が理論上考えられるが、要件は厳格である
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)改正(要人的検証) 処理施設の事故時の応急措置・届出義務と、知事による措置命令を定める条文として新設されたとみられる。施行時期と、その後の文言修正の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 新設:平成22年の廃棄物処理法改正により、特定処理施設の事故時の応急措置・届出義務と、知事による措置命令を定める規定として新設されたとされる(施行時期等は要確認)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第8条一般廃棄物処理施設の設置許可
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第15条産業廃棄物処理施設の設置許可
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第9条の2一般廃棄物処理施設の改善命令等
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の5不適正処分への措置命令(現行効力を要確認)
- 水質汚濁防止法 第14条の2特定事業場の事故時の措置と届出
- 大気汚染防止法 第17条ばい煙発生施設等の事故時の措置
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