水質汚濁防止法 第8条の2
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都道府県知事は、第五条第一項の規定による届出又は第七条の規定による届出(同項第四号又は第六号から第九号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。)があつた場合において、その届出に係る特定施設が設置される指定地域内事業場(工場又は事業場で、当該特定施設の設置又は構造等の変更により新たに指定地域内事業場となるものを含む。)について、当該指定地域内事業場から排出される排出水の汚濁負荷量が総量規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、当該指定地域内事業場の設置者に対し、当該指定地域内事業場における汚水又は廃液の処理の方法の改善その他必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第8条の2は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第8条の2の条文原文は「都道府県知事は、第五条第一項の規定による届出又は第七条の規定による届出(同項第四号又は第六号から第九号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。」で始まります。
- 水質汚濁防止法第8条の2は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第8条の2の前の条は水質汚濁防止法第8条です。
- 水質汚濁防止法第8条の2の次の条は水質汚濁防止法第9条です。
- 水質汚濁防止法第8条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第8条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第8条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/8_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法8条の2は、指定地域内事業場の汚濁負荷量が総量規制基準に適合しないとき、知事が届出受理から60日以内に限り処理方法の改善等を命じられると定める。
Q · 排水の濃度は基準以下なのに、工場の増設届を出したら県から改善を命じられることはあるの?
ある。総量超過なら受理から60日以内に命令可能
あります。水質汚濁防止法8条の2により、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海などの指定地域内事業場では、排水の濃度とは別に、COD・窒素・りんの汚濁負荷量(濃度×水量)が総量規制基準に適合するかが問われます。適合しないと認められれば、知事は設置届出または一定の変更届出の受理日から60日以内に限り、処理方法の改善その他必要な措置を命じることができます。水量が増えれば、濃度が同じでも負荷量は増える点に注意が必要です。
解説
工場の新設ラインや排水処理設備の変更には、届出の受理日から六十日の猶予期間がある。多くの担当者はこれを単なる待ち時間だと思っている。実際には、この六十日は都道府県知事が「着工前に計画を差し戻せる」期間である。東京湾・伊勢湾・瀬戸内海などの指定地域では、排水の濃度だけでなく、COD・窒素・りんの「総量」(濃度×水量で算出する汚濁負荷量)にも上限がかかる。これが総量規制基準である。一滴ずつはきれいな排水でも、量が増えれば基準を超える。本条により、知事は届出を受理した日から六十日以内に限り、処理方法の改善などを命じることができる(計画変更命令と呼ばれる)。機械を発注し終えたあとに命令が出れば、設計のやり直しで数千万円が消えることもある。逆に言えば、届出前に負荷量を試算し、自治体と事前協議を済ませておいた事業者は、この六十日を何事もなく通過する。届出書の数字を作る段階が、実質的な審査の本番である。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法第8条の2は、総量規制基準に係る計画変更命令を定める規定である。都道府県知事は、指定地域内事業場に係る特定施設の設置届出または一定の変更届出があった場合、当該事業場の排出水の汚濁負荷量が総量規制基準に適合しないと認めるときは、届出受理日から60日以内に限り、汚水等の処理方法の改善その他必要な措置を命ずることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1総量規制基準とは何ですか?
指定地域内事業場から排出される汚濁負荷量(濃度×水量)の上限です。COD・窒素・りんを対象に、都道府県知事が定めます(水質汚濁防止法4条の5)。
Q2計画変更命令とはどんな命令ですか?
特定施設の設置・変更届出の内容が基準に適合しないとき、着工前に知事が処理方法の改善等を命じるものです。総量規制に係るものが8条の2、排水基準に係るものが8条です。
Q3指定地域内事業場に当たるのはどんな工場?
東京湾・伊勢湾・瀬戸内海などの指定地域にあり、一定規模以上の排水を出す特定事業場です。規模要件は政省令・条例によるため、所在地の自治体で確認が必要です。
Q4水質汚濁防止法の変更届は、どの変更で8条の2の対象になる?
7条の変更届のうち、同項4号または6号から9号に掲げる事項(構造・使用方法・処理方法・排水量等に関わる事項)の変更に係るものに限られます。
Q5新たに指定地域内事業場になる場合も対象ですか?
対象です。本条は、特定施設の設置や構造等の変更によって新たに指定地域内事業場となる工場・事業場も明文で含めています。
Q6計画変更命令に従わないとどうなる?
命令違反は刑事罰の対象となります(同法30条)。罰則の上限は改正の影響を受けるため、最新の条文を e-Gov で確認してください。
Q7計画変更命令に不服があるときは?
行政処分として、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または処分を知った日から6か月以内に取消訴訟を検討できます。
Q8水質汚濁防止法の届出から着工まで何日かかる?
原則として届出受理から60日を経過するまで設置・変更を実施できません(9条)。知事が相当と認めればこの期間は短縮され得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1六十日を過ぎたら、もう何も言われないってことですか?
本条の計画変更命令は出せなくなります。ただし、稼働後も総量規制基準を守る義務(12条の2)は続き、違反すれば改善命令や罰則の対象になります。実務のポイント:自治体側も六十日の期限は意識しており、疑わしい案件は受理前の事前相談の段階で指摘してくることが多いです。受理後の「沈黙」が続くのは問題がないからで、期限切れを狙った駆け引きはほぼ通用しません
Q2濃度は基準以下なのに、なんで改善を命じられるんですか?
指定地域では、排水基準(濃度)とは別に総量規制基準(汚濁負荷量)がかかるからです(4条の5、本条)。水量が増えれば、濃度が同じでも負荷量は増えます。実務のポイント:節水型の工程に変えて水量を減らすと、濃度は上がっても負荷量は下がることがあります。処理設備の増強だけでなく、工程の水使用量を見直すほうが安く済む場合があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの排水は濃度基準をクリアしているから大丈夫」という考えは、総量規制の地域では成り立たない。濃度が同じでも、水量が二倍になれば汚濁負荷量も二倍になる。総量規制基準は排水の質ではなく、湾全体に流れ込む量を管理する物差しである
- 六十日の期限が過ぎれば安全、というのは半分だけ正しい。本条による計画変更命令は出せなくなるが、稼働後に総量規制基準を守る義務(12条の2)は残り、違反すれば改善命令や罰則の対象になる。六十日は免罪符ではなく、最も安く直せる期間が終わったというだけの意味である
- 届出は「役所に知らせる手続」だと思われているが、指定地域内事業場にとっては実質的に事前審査である。届出書に記載した汚濁負荷量の数字そのものが、命令を出すかどうかを判断する材料になる。数字を甘く見積もれば、あとで自分を縛る証拠になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判断の物差し | 8条の2:汚濁負荷量(濃度×水量)が総量規制基準に適合するか | 8条:排出水の汚染状態(濃度)が排水基準に適合するか 12条の2:稼働後に総量規制基準を守り続ける義務 |
| 適用地域 | 東京湾・伊勢湾・瀬戸内海などの指定地域内事業場に限る | 全国の特定事業場 指定地域内事業場 |
| 時期 | 着工前:届出受理日から60日以内に限る | 着工前:届出受理日から60日以内に限る 稼働後:期限なく継続 |
| 違反時の帰結 | 処理方法の改善その他必要な措置の命令 | 構造・使用方法・処理方法の変更命令または計画廃止命令 改善命令・罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も水体ごとの総量管制と事業の排放許可制度を持つ。日本の届出+60日の事後介入型に対し、許可取得を前提とする事前許可型の色彩が強い
韓国は水系単位の水質汚染物質総量管理制度を持ち、地域ごとに排出許容量を割り当てる点で日本の総量規制と発想が近い
米国は水質基準を満たさない水域に TMDL(日最大総負荷量)を設定し、排出許可(NPDES)に配分する。水域全体の負荷量を管理する点で日本の総量規制に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 増産のために洗浄工程を二系統に増やし、変更届を出した。排水の濃度は以前と同じなのに、県の担当者から「日量が増えるので窒素の総量が基準を超える」と連絡が来た。受理から五十日目のことで、設備はすでに発注済みだった
- あなたは食品工場の環境担当である。変更届を出したあと、あと二十日で六十日の期限が来る。この間に県から追加資料の要求があれば、回答の中身次第で命令が出るかどうかが決まる
- 湾で養殖業を営む漁業者として、隣の工場が大型の排水設備を新設すると聞いたらどうするか。届出の受理から六十日以内であれば、知事には計画段階で改善を命じる権限がある。住民や漁協が懸念を伝えるなら、このタイミングしかない
- 日量五十立方メートル以上の排水を出す事業場は、指定地域内事業場として総量規制の対象になりうる(規模要件は省令によるため要確認)。旅館の増築で浴場を増やしただけで、新たに対象に入ることがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 地元の工場が設置届や変更届を出したと聞いたら、都道府県の環境部局に届出の有無と受理日を問い合わせる2. 情報公開請求で届出書の汚濁負荷量の記載を確認する3. 漁業被害や赤潮の懸念がある場合は、受理から六十日以内に、データを添えて知事宛てに意見書を出す4. 稼働後に基準超過の疑いがあれば、12条の2違反として改善命令を求める
訴えられた側:1. 届出前に総量規制基準に照らして汚濁負荷量を試算し、自治体と事前協議する2. 命令の予告を受けたら、行政手続法上の弁明の機会で、代替の処理方法や測定データを示して反論する3. 命令が出た場合は、内容を精査したうえで、審査請求または取消訴訟を検討する4. 命令に違反すると刑事罰の対象になるため(30条、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。最新の改正状況をご確認ください)、争う場合でも履行計画は同時に進める
時効(請求できる期限):知事が命令を出せるのは届出受理日から60日以内に限られる(本条)。設置等の実施も原則として受理から60日間は制限される(9条)。命令に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 昭和53年(1978年)改正 総量規制制度の導入に伴い本条が新設されたとみられる。その後の文言改正の有無と時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和53年(1978年) 新設:閉鎖性海域の水質総量規制制度の導入に伴い、総量規制基準に係る計画変更命令として新設されたとされる。その後の文言改正の有無は要確認
- 水質汚濁防止法 第5条命令の前提となる設置届出
- 水質汚濁防止法 第7条構造等の変更届出
- 水質汚濁防止法 第8条排水基準に係る計画変更命令
- 水質汚濁防止法 第9条受理後60日の実施制限
- 水質汚濁防止法 第12条の2総量規制基準の遵守義務
- 瀬戸内海環境保全特別措置法 第5条瀬戸内海の特定施設は許可制
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