水質汚濁防止法 第12条の2(総量規制基準の遵守義務)
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指定地域内事業場の設置者は、当該指定地域内事業場に係る総量規制基準を遵守しなければならない。
この条文の基本情報
総量規制基準の遵守義務とは何ですか?
定義総量規制基準の遵守義務とは、水質汚濁防止法第12条の2に定められた規定で、「指定地域内事業場の設置者は、当該指定地域内事業場に係る総量規制基準を遵守しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第12条の2(総量規制基準の遵守義務)は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第12条の2の条文原文は「指定地域内事業場の設置者は、当該指定地域内事業場に係る総量規制基準を遵守しなければならない。」で始まります。
- 水質汚濁防止法第12条の2は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第12条の2の前の条は水質汚濁防止法第12条です。
- 水質汚濁防止法第12条の2の次の条は水質汚濁防止法第12条の3です。
- 水質汚濁防止法第12条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第12条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第12条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/12_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法12条の2は、指定地域内事業場の設置者に総量規制基準の遵守を義務付ける。濃度ではなく1日あたりの汚濁負荷量(COD・窒素・りん)で排水を規制する。
Q · 排水の濃度が全部基準内なら、総量規制に引っかかることはないの?
濃度が基準内でも、1日の汚れの総量が枠を超えれば違反になる
水質汚濁防止法12条の2は、指定地域内事業場の設置者に総量規制基準の遵守を義務付けています。総量規制基準は濃度ではなく、COD・窒素・りんの1日あたり汚濁負荷量(濃度×排水量)で定められます。そのため、濃度が12条の排水基準を満たしていても、増産などで排水量が増えれば違反になりえます。違反した場合、知事は13条の2に基づき改善を命じることができ、その命令に違反すると30条の罰則の対象になります。
解説
排水基準(12条)は「1リットルあたりどれだけ汚れているか」という濃度で工場を縛る。総量規制基準は違う。「1日あたり合計何キロの汚れを海へ流したか」という重さで縛る。東京湾・伊勢湾・瀬戸内海の周辺にある一定規模以上の事業場(指定地域内事業場)が対象で、測る項目はCOD(化学的酸素要求量:水中の有機物汚れの指標)、窒素、りんの三つである。落とし穴は、濃度基準を毎回クリアしていても違反になりうる点だ。増産で排水量が倍になれば、濃度が同じでも汚濁負荷量(汚れの総重量)は倍になる。水で薄めて濃度を下げる手はここでは通用しない。むしろ希釈水の分だけ総量が増えることもある。ただし、本条の違反そのものには直接の罰則がないと解される。都道府県知事はまず13条の2で改善を命じ、その命令に違反して初めて刑事罰(30条)が動く。つまり行政とのやり取りで、命令が出る前の段階に交渉の余地がある。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法12条の2は、指定地域内事業場の設置者に総量規制基準の遵守を義務付ける規定である。総量規制基準とは、閉鎖性海域の水質保全のため、都道府県の総量削減計画に基づき事業場ごとに定められる、COD・窒素・りんの1日あたり排出汚濁負荷量の許容限度をいう。濃度による排水基準(12条)とは別個に適用される。
手順
- 1.指定地域内事業場に該当するか確認 事業場の所在地が指定地域に含まれるか、特定事業場としての日平均排水量が規模要件(原則50立方メートル以上)を満たすかを確認する。増産や設備増設後の最新の排水量で判定し直す
- 2.COD・窒素・りんの汚濁負荷量を算定 各項目について「濃度×排水量」で1日あたりの汚濁負荷量を算定し、事業場に適用される総量規制基準値と比較する。余力(残り枠)も数値で把握しておく
- 3.測定・記録体制を整備 14条の測定・記録義務に沿って、測定頻度・担当者・保存方法を社内規程に落とし込む。担当者の異動や退職で記録が途切れないよう、複数名で管理する
- 4.増産・設備投資の計画段階で負荷量を試算 増産計画や工程追加の稟議に、変更後の日排水量と汚濁負荷量の試算を添付する。枠を超える見込みなら、処理設備の増強や節水工程を設計段階で組み込む
よくある質問 AI による整理
Q1総量規制基準とは何ですか?
閉鎖性海域に流れ込む汚れの総量を減らすため、事業場ごとにCOD・窒素・りんの1日あたり汚濁負荷量の上限を定めた基準です(水質汚濁防止法4条の5、12条の2)。
Q2汚濁負荷量の計算方法は?
基本は「排水の濃度×排水量」です。1日の排水量が増えれば、濃度が同じでも汚濁負荷量は比例して増えます。具体的な算定方法は施行規則と都道府県の定めに従います。
Q3総量規制の指定地域はどこですか?
東京湾、伊勢湾、瀬戸内海に流入する水域の関係地域が指定されています。具体的な市町村の範囲は政令で定められているため、所在地ごとに確認が必要です。
Q4水で薄めれば総量規制基準をクリアできる?
できません。汚濁負荷量は濃度×水量で計算されるため、希釈しても汚れの総重量は減りません。希釈水の分、かえって負荷量が増える場合もあります。
Q5総量規制の対象になる項目は?
COD(化学的酸素要求量)、窒素含有量、りん含有量の3項目です。いずれも閉鎖性海域の富栄養化や赤潮・青潮の原因物質に関わる指標です。
Q6総量規制基準違反で改善命令を受けたらどうなる?
13条の2の改善命令に従わなければ、30条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。命令の期限内に履行することが最優先です。
Q7排水基準と総量規制基準は両方守る必要がある?
両方守る必要があります。12条の濃度基準と12条の2の総量規制基準は別個の義務で、一方を満たしても他方の違反は免れません。
Q8総量規制基準の測定記録はいつまで保存する?
14条に基づき汚濁負荷量を測定・記録する義務があり、保存期間は施行規則で定められています。立入検査で提示を求められるため、欠測なく保管することが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの工場も総量規制の対象なんですか?どうやって見分ければいいの?
条件は二つである。指定地域(東京湾・伊勢湾・瀬戸内海の関係地域)の中にあること、そして特定事業場として日平均排水量が一定量(原則50立方メートル)以上であること(4条の5、施行令・施行規則)。実務のポイント:規模の判定は届出時の数字のまま放置されがちである。増産で排水量が基準量を超えたのに対象になった自覚がないまま、立入検査で初めて指摘されるケースがある。(最新の改正状況をご確認ください)
Q2総量規制基準に違反したら、いきなり罰金になるんですか?
いきなりにはならないと解される。12条の排水基準違反は直ちに罰則(31条)の対象になるが、本条違反はまず知事の改善命令(13条の2)を経て、その命令への違反で初めて30条の罰則が適用される二段構えである。実務のポイント:だからこそ行政は正式な命令の前に行政指導で是正を求めることが多い。この段階の対応の誠実さと速さが、命令が出るかどうかを実質的に左右する
Q3総量規制基準って、ずっと同じ数字なんですか?
変わる。国の総量削減基本方針(4条の2)と都道府県の総量削減計画(4条の3)がおおむね5年ごとに策定し直され、それに合わせて総量規制基準(4条の5)も見直される。実務のポイント:基準の見直しではパブリックコメントや業界団体からの意見聴取がある。自社の業種の係数(C値など)がどう変わるかは、ここで意見を出せるかどうかで差が出る。施行後に知っても遅い
間違えやすい点 AI による整理
- 「水で薄めて濃度を下げれば基準はクリアできる」という発想は、濃度規制でも禁じ手だが、総量規制の前ではそもそも成り立たない。汚濁負荷量は濃度×水量で計算されるので、薄めても総重量は1グラムも減らない。この計算式を理解していない設備投資は、的を外す
- 本条違反に直接の罰則がないと聞いて「なら放っておいてもいい」と考える人がいる。深刻さはそこではない。13条の2の改善命令が出た瞬間から、違反はすぐに刑事罰の対象になる。命令の事実は自治体が公表する場合もあり、取引先や金融機関の目にも入る。罰則がないのは猶予の期間であって、免罪ではない
- 経営側から見れば、総量規制は「環境部門の数字」にすぎない。法律から見れば、湾全体で汚れの総量を配分する仕組みの一部であり、あなたの工場の枠は地域全体の削減目標から逆算されている。自社が頑張ったかどうかではなく、湾がきれいになったかどうかで枠が決まる。この視点の差が、増産計画を土壇場で止めることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の物差し | 12条の2:1日あたり汚濁負荷量(総重量) | 12条:排水の濃度(1リットルあたりの量) 13条の2:総量規制基準不適合時の改善命令 |
| 対象 | 指定地域内事業場の設置者 | 排出水を排出する者(特定事業場) 総量規制基準に適合しない汚水等を排出するおそれのある指定地域内事業場の設置者 |
| 違反時の罰則 | 直接の罰則なし(改善命令を経由) | 直罰(31条) 命令違反に30条の罰則 |
| 希釈の効果 | 無効(負荷量は減らない) | 希釈は禁じ手とされる — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も水体の涵容能力に応じて主管機関が排放総量管制を行える仕組みを持つ。日本のように特定の閉鎖性海域を法律上の制度として恒常運用している点とは運用形態が異なる
韓国は主に河川流域単位で水質汚染総量管理制を運用し、地方自治体に配分負荷量を割り当てる
米国は水質基準未達の水域ごとにTMDLを設定し、排出源へ負荷量を配分する。流域全体から逆算する発想は日本の総量規制と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新製品が当たって工場のラインを一本増やした。排水の濃度は変わらない。しかし日排水量が1.6倍になり、窒素の1日の汚濁負荷量が総量規制基準を超えた。設備増設の届出は出していたのに、総量の再計算は誰もしていなかった
- 県の立入検査で汚濁負荷量の測定記録を見せるよう求められた。去年の担当者が退職してから、測定は形だけで記録が抜けている月がある。検査日まであと5日しかない。測定と記録の義務(14条)は、総量規制の遵守を裏付ける唯一の証拠である
- 濃度基準さえ守っていれば、行政に何か言われることはないのでは? 実際には、濃度がすべて基準内なのに、総量オーバーで改善命令の手前の行政指導を受けた事業場がある
- 湾岸エリアの大型ホテルを買収する側のデューデリジェンス担当になった。厨房や大浴場の排水が日50立方メートルを超えれば、指定地域内事業場に当たりうる。過去の測定記録、総量規制基準の適用区分、処理設備の余力、この三点を見ずに買えば、改修費はあなたの会社が負う
- 隣の工場が総量削減計画の更新で汚濁負荷量の枠を大きく削られた。次に削られるのは自分たちかもしれない。総量削減計画はおおむね5年ごとに見直され、基準は年々厳しくなっていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の工場の排水で漁場や水辺環境に異変があると感じたら、日時・場所・写真を記録する2. 都道府県または政令市の水質担当部署に情報提供し、報告徴収や立入検査(22条)を求める3. 実害(漁業被害など)があれば、損害賠償は無過失責任を定める19条や民法709条の問題として弁護士に相談する4. 公害紛争処理法に基づく公害等調整委員会・都道府県公害審査会のあっせん・調停も選択肢である
訴えられた側:1. 過去の汚濁負荷量の測定記録(14条)を整理し、どの項目がいつから超えているか特定する2. 原因が排水量の増加か濃度の悪化かを切り分ける。対策がまったく変わる3. 行政指導の段階で改善計画と実施スケジュールを自分から提出し、13条の2の命令を回避する4. 命令が出た場合は期限内に履行する。不服があれば行政不服審査法の審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。改善命令(13条の2)に違反した場合の罰則(30条、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。改善命令への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和53年(1978年)改正 閉鎖性海域の水質改善のため総量規制制度が導入され、本条が新設されたとされる。その後の文言改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和53年(1978年) 新設:閉鎖性海域の水質改善を目的とする総量規制制度の導入に伴い新設されたとされる。その後の文言改正の有無は要確認
- 水質汚濁防止法 第4条の5総量規制基準の設定根拠
- 水質汚濁防止法 第13条の2総量基準不適合時の改善命令
- 水質汚濁防止法 第14条汚濁負荷量の測定・記録義務
- 水質汚濁防止法 第12条濃度による排水基準の遵守義務
- 水質汚濁防止法 第30条改善命令違反に対する罰則
- 瀬戸内海環境保全特別措置法 第5条瀬戸内海地域の特定施設設置許可制
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