水質汚濁防止法 第13条の2
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- 都道府県知事は、第十二条の三に規定する者が、第八条の環境省令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させるおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて特定施設(指定地域特定施設を除く。以下この条において同じ。)の構造若しくは使用の方法若しくは汚水等の処理の方法の改善を命じ、又は特定施設の使用若しくは特定地下浸透水の浸透の一時停止を命ずることができる。
- 2.前項の規定は、一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設を設置している工場又は事業場から地下に浸透する水で当該施設に係る汚水等(これを処理したものを含む。)を含むものについては、当該施設が特定施設となつた日から六月間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、適用しない。ただし、当該施設が特定施設となつた際既にその水が特定地下浸透水であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例でその水について同項の規定に相当するものがあるとき(当該規定による命令に違反する行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 水質汚濁防止法第13条の2は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
- 水質汚濁防止法第13条の2の条文原文は「都道府県知事は、第十二条の三に規定する者が、第八条の環境省令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させるおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定め…」で始まります。
- 水質汚濁防止法第13条の2は第二章 排出水の排出の規制等に置かれています。
- 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
- 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 水質汚濁防止法第13条の2の前の条は水質汚濁防止法第13条です。
- 水質汚濁防止法第13条の2の次の条は水質汚濁防止法第13条の3です。
- 水質汚濁防止法第13条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第13条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138 - 本サイト収録
水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第13条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/13_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点水質汚濁防止法13条の2は、有害物質を含む水を地下に浸透させるおそれがある事業者に対し、都道府県知事が施設の改善や使用の一時停止を期限付きで命じられると定める。
Q · 地下水からまだ何も検出されていなくても、工場は改善命令を受けるの?
受けうる。要件は汚染の結果ではなく「浸透させるおそれ」
水質汚濁防止法13条の2第1項により、都道府県知事は、特定地下浸透水を浸透させる「おそれ」があると認めるときに、期限を定めて施設の構造や使用方法の改善、または使用の一時停止を命じることができます。地下水汚染が実際に確認されている必要はありません。地下浸透を禁じる12条の3には直接の罰則がありませんが、本条の命令に違反すると30条の罰則が適用され、34条の両罰規定により法人も罰金の対象になります。
解説
地下に染み込んだ水は、誰の目にも見えない。そこで法律は、汚染が確認される前の段階でも都道府県知事が動けるようにした。本条が求めるのは「浸透させるおそれがあると認めるとき」であり、違反の現場を押さえる必要はない。有害物質を使う工場、めっき工場、ドライクリーニング店の事業者にとっては、立入検査(22条)で床のひび割れや配管の劣化を指摘された時点で、施設の改善命令や使用の一時停止命令(役所が事業者に直接下す、強制力のある決定)を受ける可能性があるということだ。見落とされやすいのは罰則の仕組みである。地下浸透を禁じる12条の3には直接の刑罰がない。本条の命令に従わなかった時点で初めて、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(30条)が現実のものになる。命令書が届いた瞬間から、行政との交渉は刑事責任を問われうる局面に変わる。第2項は、施設が新たに特定施設に指定された場合に6か月(政令で定める施設は1年)の猶予を認めている。ただし、罰則付きの同等規定を持つ条例がある地域では、この猶予はない。
法的な位置づけ
水質汚濁防止法13条の2は、地下浸透に関する改善命令等を定める規定である。都道府県知事は、同法12条の3に規定する者が環境省令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させるおそれがあると認めるとき、期限を定めて特定施設の構造・使用方法・汚水等の処理方法の改善、または施設の使用もしくは浸透の一時停止を命ずることができる。
手順
- 1.立入検査の指摘事項を当日中に記録する 講評で口頭指摘された箇所(床のひび割れ、配管劣化、地下ピット等)を写真と図面で記録し、指摘内容と担当職員名をメモに残す
- 2.自主改善計画を書面で提出する 命令が出る前に、改善内容・工程・完了予定日を記した自主改善計画書を都道府県の環境部局に提出し、浸透のおそれを解消する意思と手順を示す
- 3.命令書の内容と期限を正確に把握する 命令を受けた場合、改善対象(構造・使用方法・処理方法)か一時停止かを区別し、期限を社内で共有する。弁明の機会があれば構造図や測定データで反論する
- 4.期限に間に合わない場合は期限前に協議する 工事の手配が遅れる場合、期限が来る前に工程表を添えて書面で協議を申し入れる。黙って期限を過ぎると命令違反となり30条の罰則対象になる
- 5.不服がある場合は期限内に弁護士へ相談する 命令に不服がある場合、審査請求(3か月以内)または取消訴訟(6か月以内)を検討する。争っている間も命令の効力は原則続くため、改善作業は並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1特定地下浸透水とは何ですか?
有害物質使用特定施設に係る汚水等(処理したものを含む)を含み、有害物質使用特定事業場から地下に浸透する水のことです。環境省令の要件に該当する浸透は12条の3で禁止されています。
Q2地下浸透の改善命令は誰が出しますか?
都道府県知事です。政令市などでは市長が事務を行う場合があるため、工場所在地の環境部局に確認するのが確実です。
Q3地下浸透の改善命令に違反するとどうなる?
水質汚濁防止法30条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。34条の両罰規定で法人にも罰金が科されます。
Q4特定施設の一時停止命令はいつまで続く?
命令に定められた内容と期間によります。改善が確認されれば解除の協議が可能なため、改善計画と完了報告を書面で示すことが重要です。
Q5新たに特定施設に指定された場合、猶予はありますか?
指定日から6か月(政令で定める施設は1年)は本条が適用されません。ただし既に特定地下浸透水である場合や、罰則付きの相当条例がある場合は猶予なしです。
Q6地下浸透の改善命令は取消訴訟で争える?
争えます。行政処分にあたるため、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(知った日から6か月以内)の対象になります。
Q7地下浸透の改善命令を受けた記録は公開される?
情報公開請求の対象になりえます。命令歴は融資審査やM&Aのデューデリジェンスで確認されることが多く、取引への影響も考慮が必要です。
Q8住民が工場への改善命令を求めることはできる?
できます。行政手続法36条の3の「処分等の求め」で、法令違反の事実を示して行政に処分を求めることができ、行政は必要な調査を行う義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1指摘されたのはひび割れだけで、汚染はまだないのに命令されるんですか?
命令されうる。本条1項の要件は「浸透させるおそれ」であり、地下水の汚染が実際に確認されている必要はない。12条の4の構造基準を満たしていない施設は、特におそれがあると判断されやすい。実務のポイント:行政が命令を出すかどうかは、事業者が自分から改善計画を出したかどうかで大きく変わる。先に書面を出した事業者には命令歴が残りにくい
Q2命令を無視したら、実際にどのくらいの罰になりますか?
30条により、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金になる(最新の改正状況をご確認ください)。34条の両罰規定により、法人にも罰金が科される。実務のポイント:本当に怖いのは罰金の額ではなく、法人に前科がつくことである。公共工事の入札参加資格や大手取引先の監査で問題になり、取引を失うことが多い
Q3うちの工場は最近になって特定施設に指定されました。すぐ命令を受けますか?
本条2項により、指定日から6か月(政令で定める施設は1年)は適用が猶予される。ただし、すでに特定地下浸透水に当たる水を浸透させていた場合や、罰則付きの同等規定を持つ条例が適用される場合は、猶予されない。実務のポイント:自治体の条例が国の基準より厳しいことは珍しくない。猶予を当てにする前に、工場所在地の条例を確認する
Q4地下水汚染で体調を崩したら、工場に賠償請求できますか?
できる可能性がある。水質汚濁防止法19条は、有害物質を含む汚水等の排出や地下浸透によって人の生命や身体を害した事業者に、過失がなくても賠償責任を負わせている。実務のポイント:本条の命令歴があれば、因果関係を立証する強い材料になる。情報公開請求で命令書の写しを入手しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの地下水からはまだ何も検出されていないから大丈夫」という考えは、本条の前提を誤っている。要件は汚染の結果ではなく「おそれ」である。床材、配管、地下ピットの構造が不十分なら、検出がゼロでも命令は出せる
- 改善命令を「行政指導の強い版」と受け止める事業者は多い。実際は行政処分であり、従わなければ30条の刑事罰の対象になる。さらに34条の両罰規定により、担当者個人だけでなく法人にも罰金が科される
- 事業者は「汚染を出さない義務」と考えがちだが、行政の見方は「汚染を出さない設備と運用を示す義務」に近い。この違いは大きい。点検記録や構造図を出せない事業者は、実際に何も漏れていなくても、おそれがあると判断されやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 13条の2:浸透のおそれに対する改善命令・一時停止命令 | 12条の3:特定地下浸透水の浸透禁止義務 14条の3:汚染された地下水の浄化措置命令 |
| 発動の段階 | 汚染前(おそれの段階) | 常時課される義務 地下水汚染が生じ、人の健康被害のおそれがある段階 |
| 違反時の罰則 | 命令違反は30条の罰則(両罰規定34条) | 直接の罰則なし(本条命令を経て処罰) 命令違反は罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は地下水体への注入を許可制で規律し、違反には限期改善と罰鍰を組み合わせる。土壌・地下水の汚染整治は別法で扱う
ドイツは地下水の汚染の懸念がない場合に限り物質の投入を認める予防原則型の規律を置く
米国は地下注入を UIC プログラムで許可制とし、飲料水源の保護を目的とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築40年の工場を引き継いだ二代目社長。県の立入検査で、洗浄槽の下のコンクリートにひびが見つかった。まだ地下水から有害物質は検出されていない。それでも知事は、期限を定めて構造改善を命じることができる
- もし改善命令に書かれた期限までに工事業者が手配できなかったら、どうなる?期限を過ぎても命令違反であることに変わりはない。延長してほしいなら、期限が来る前に書面で工程表を出して協議する。黙って過ぎるのが最悪だ
- 町のクリーニング店が、テトラクロロエチレンを使う洗浄施設を30年使ってきた。近所の井戸で基準超過が見つかり、県は使用の一時停止命令を検討している。店主にとっては、店を閉めるかどうかの問題になる
- あなたは工場の環境担当者。改善命令を受けたのに工場長は「罰金くらい払えばいい」と言う。しかし両罰規定(34条)があるため、会社も罰金刑を受け、前科が入札資格や取引先の監査に響く
- 裏の工場の排水溝から変な臭いがして、自宅の井戸水の味が変わった。県庁に電話したが「調査中」と言われただけ。このとき、住民の側から処分を正式に求める手続がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 井戸水の異変、異臭、変色を日付入りの写真で記録し、民間の検査機関で水質を検査する2. 検査結果を添えて都道府県(政令市では市)の環境部局に書面で通報し、行政手続法36条の3に基づき本条の改善命令を求める3. 健康被害が出ている場合は、水質汚濁防止法19条の無過失責任による損害賠償を検討する4. 周辺の住民と連携し、個人の苦情ではなく地域の問題として扱わせる
訴えられた側:1. 命令書に書かれた改善内容と期限を正確に把握する2. 命令の前に弁明の機会(行政手続法13条1項2号)が与えられた場合は、構造図、点検記録、水質測定データを提出して「おそれ」がないことを具体的に示す3. 期限に間に合わない場合は、期限前に工程表を添えて書面で協議する4. 命令に不服がある場合は、審査請求または取消訴訟の期限内に弁護士に相談する。争っている間も命令の効力は原則として続くため、改善作業は並行して進める
時効(請求できる期限):命令で定められた期限までに改善しなければ命令違反になる。命令に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こす。施設が新たに特定施設に指定された場合、本条の適用は指定日から6か月(政令で定める施設は1年)猶予される(第2項)
改正沿革 AI による整理
- 平成元年(1989年)改正 地下浸透規制の導入に伴い新設されたとされる。その後の省庁再編による「環境省令」への文言変更や、平成23年(2011年)改正での指定地域特定施設除外の文言整理など、改正の回数と内容は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成元年(1989年) 新設:地下浸透規制の導入に伴い新設されたとされる。その後の文言整理を含む改正の回数と内容は、e-Gov の改正履歴で要確認
- 水質汚濁防止法 第12条の3特定地下浸透水の浸透禁止義務
- 水質汚濁防止法 第8条特定地下浸透水の要件の委任
- 水質汚濁防止法 第30条本条命令違反に対する罰則
- 水質汚濁防止法 第14条の3汚染地下水の浄化措置命令
- 水質汚濁防止法 第19条健康被害の無過失損害賠償責任
- 土壌汚染対策法 第3条有害物質使用施設廃止時の土壌調査
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会付与
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