要点労働安全衛生法 104 条は、事業者が労働者の健康情報を収集・保管・使用できる範囲を健康確保に必要な範囲と収集目的の範囲内に限定し、適正な管理措置を義務づける規定である。
Q · 健康診断やストレスチェックの結果って、会社は自由に使えるんですか?
いいえ、健康確保に必要な範囲と収集目的の範囲でしか使えません
労働安全衛生法 104 条により、事業者が労働者の心身の状態に関する情報(健康診断結果、ストレスチェック結果、面接指導記録など)を収集・保管・使用できるのは、労働者の健康の確保に必要な範囲内かつ収集目的の範囲内に限られます。さらに情報を適正に管理する措置を講じる義務があり、厚生労働大臣が指針を公表して指導します。健康確保の目的で集めた情報を人事評価や配置転換に流用すれば、目的外使用の問題になります。
会社の健康診断で再検査の判定が出た、ストレスチェックで高ストレス者と判定された。その結果はどこまで会社に伝わり、誰が見て、何に使われるのか。多くの働く人は「会社が全部握っている」と思い込んでいる。だが労働安全衛生法 104 条は、その前提を崩す。事業者が労働者の心身の状態に関する情報(健康診断結果、ストレスチェック結果、面接指導の記録など)を収集・保管・使用できるのは「労働者の健康の確保に必要な範囲内」に限られ、しかも集めた目的の範囲内でしか使えない。さらに、その情報を適正に管理する措置を講じる義務まで事業者に課している。つまり、あなたの健康情報は会社の自由財産ではない。配置転換や人事評価の材料に勝手に流用されれば、それは 104 条違反の問題になる。あなたが知っておくべきは、この条文を具体化した「健康情報等取扱規程」を会社は作って労使で共有する義務があるという点だ。その規程を見せてもらうだけで、自分の情報がどう守られているかが見える。
労働安全衛生法 104 条は、事業者による労働者の心身の状態に関する情報(健康診断結果、ストレスチェック結果、面接指導記録等)の取扱いを規律する規定であり、その収集・保管・使用を健康確保に必要な範囲かつ収集目的の範囲内に限定し、事業者に適正管理措置を講じる義務を課すものである。
健康診断結果、ストレスチェック結果、長時間労働者への面接指導記録、産業医の意見など、労働者の身体・精神の状態を示す情報の総称です。要配慮個人情報にあたり、104 条が取扱いを規律します。
104 条 3 項に基づく指針が、事業者に健康情報等取扱規程の策定と労使共有を求めています。法律本体の罰則付き義務ではありませんが、未整備は指針違反として労働基準監督署の指導対象になります。
104 条自体に直接の罰則はありませんが、目的外使用や管理不備があれば行政指導の対象となり、労働者に損害が生じれば民法 709 条の損害賠償責任を負う可能性があります。
健康診断個人票は労働安全衛生規則で原則 5 年間の保存が義務づけられます(一部は 30 年等)。104 条は収集目的の範囲を超えた保管を制限するため、目的達成後の不要な保持は避けるべきとされます。
産業医は就業上の措置に必要な範囲で事業者に意見を伝えますが、検査値そのものではなく就業判定を伝えるのが指針上の原則です。共有先は必要最小限に絞ることが求められます。
健康情報は個人情報保護法上の要配慮個人情報の代表例で、取得に原則本人同意が必要です。104 条は職場という文脈でこれを具体化し、収集目的の範囲内での使用と適正管理を上乗せで求めます。
収集目的を超えて人事評価や配置転換に流用されれば 104 条違反の問題となり、不利益処分の無効主張や民法 709 条に基づく損害賠償請求の対象になり得ます。アクセス記録の保全が重要です。
一般健康診断は派遣元、特定業務の特殊健康診断は派遣先が実施・管理するのが原則です。いずれも 104 条と指針に従い、収集目的の範囲内での使用と適正管理が求められます。
いいえ。104 条は健康情報の使用を「収集目的の範囲内」に限り、指針は閲覧できる者を必要最小限に絞るよう求めます。健康診断結果(66 条)は本来、就業上の措置を判断する産業医や限られた人事担当が扱うもので、直属上司が結果票そのものを見る必要は通常ありません。業界裏話ヒント:多くの会社では「就業判定(就業可・条件付き可・不可)」だけを上司に伝え、検査値そのものは伝えない運用が指針上の正解です。自分の数値が部署で共有されていたら、それ自体が運用の不備を示すサインです
個人結果は、本人の同意がなければ事業者に提供されません(66 条の 10)。会社が結果を知るのは、あなたが面接指導を申し出た場合などに限られます。104 条はさらに、入手した情報の目的外使用と不適正管理を禁じます。業界裏話ヒント:高ストレス判定を理由とした不利益取扱いは法律上禁止されています。逆に言えば、面接指導を申し出ない限り会社はあなたの結果を知り得ない。評価への影響を恐れるなら、申出の有無があなたのコントロール下にあると覚えておくとよい
104 条 3 項に基づく指針は、事業者に「健康情報等取扱規程」を策定し労使で共有することを求めています。規程がない、または労働者に周知されていない状態は、指針に反する不備です。業界裏話ヒント:中小企業ではこの規程整備が大幅に遅れているのが実情です。開示を求めて会社が出せない場合、それは交渉や申告の場で『体制不備』として指摘できる材料になります。労働基準監督署はこの整備状況も指導の対象にしています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 情報の性質 | 104 条:健康情報全般の取扱いルール(収集・保管・使用・管理) | — |
| 本人同意 | 収集目的外の使用は原則本人同意等が必要 | — |
| 事業者の利用範囲 | 健康確保に必要かつ収集目的の範囲内に限定 | — |
| 管理義務 | 適正管理措置を講じる義務(規程整備) | — |
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