事業者は、産業医又は前条第一項に規定する者による労働者の健康管理等の適切な実施を図るため、産業医又は同項に規定する者が労働者からの健康相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。
要点労働安全衛生法 13条の3 は、事業者に対し産業医等が労働者の健康相談に応じる体制を整備する努力義務を定める。選任だけでは足りず、相談窓口や手順の整備まで求められる。
Q · 会社に産業医がいれば、健康の相談はできるの?
産業医がいるだけでなく、相談できる体制の整備まで会社の努力義務です
労働安全衛生法 13条の3 は、産業医等が労働者の健康相談に応じ適切に対応するために必要な体制を整える努力義務を事業者に課します。産業医を選任しただけでは足りず、社員が実際にアクセスできる相談窓口や手順の整備まで求められます。努力義務に直接の罰則はありませんが、過労やメンタル不調が労災・損害賠償に発展した際、相談体制を整えていたかが安全配慮義務(労働契約法 5条)違反の判断材料になります。
毎晩終電、月の残業は 80 時間を超え、朝は布団から出るのに 30 分かかる。それでも「みんな頑張っているから」と口に出せずにいる。そんなとき、あなたの会社に産業医がいるなら、その産業医に直接「しんどい」と相談できる仕組みを整える努力を、会社は法律で課されている。労働安全衛生法 13条の3 がそれだ。条文は「事業者は、産業医等による健康相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない」と定める。ポイントは二つ。第一に、産業医を選任しただけでは足りない。社員が実際にアクセスできる相談窓口や手順まで作って初めて、会社は責任を果たす。第二に、これは「努力義務」だが、後で過労やメンタル不調が労災や損害賠償に発展したとき、相談体制を整えていたか否かが会社の安全配慮義務違反を測る材料になる。努力義務だから無視してよい、ではない。
労働安全衛生法 13条の3 は、産業医又は前条第一項に規定する者による健康管理等の適切な実施を図るため、事業者が労働者からの健康相談に応じる体制の整備その他必要な措置を講ずる努力義務を定める規定である。産業医の選任義務(同法 13条)を前提に、その機能を実効化するための体制面の規律として位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
産業医が労働者の心身の不調について応じる相談です。労働安全衛生法 13条の3 は、会社にこの相談に応じられる体制を整える努力義務を課しています。
人事や衛生管理者を通じて申し込むのが一般的です。社内に手順がない場合は、メールや書面で「産業医面談を希望する」と記録を残して申し出るのが確実です。
努力義務です。直接の罰則はありませんが、整備の有無は過労・メンタル不調が発生した際の安全配慮義務違反の判断材料になります。
常時 50 名以上の労働者を使用する事業場は産業医の選任義務があります(労働安全衛生法 13条)。50 名未満は 13条の2 で医師等による健康管理に努める義務があります。
高ストレスと判定された場合、本人の申出により医師の面接指導を受けられます(労安法 66条の10)。13条の3 の相談体制が整っていると、この面談につながりやすくなります。
会社が選任する産業医への相談は、労働者の費用負担なく受けられるのが原則です。産業医がいない中小企業でも、地域産業保健センターを原則無料で利用できます。
13条の3 は努力義務のため、整備しないこと自体に直接の罰則はありません。ただし整備を怠った状態で健康被害が生じると、安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる余地があります。
時間外・休日労働が一定時間を超えた労働者は、申出により医師の面接指導を受けられます(労安法 66条の8)。健康相談体制と併せて活用するのが有効です。
原則として伝わりません。産業医には守秘義務があり、本人の同意なく相談内容や健康情報を会社に開示することはできません。会社に届くのは「就業上の措置が必要」といった必要最小限の意見に限られます。業界裏話ヒント:産業医面談で「この働き方は健康上問題がある」という意見書を出してもらうと、会社はそれを無視しにくくなります。相談は愚痴の場ではなく、業務軽減を会社に求める正式ルートの入口です
確かに 13条の3 違反そのものに直接の罰則はありません。しかし「努力義務だから無視してよい」ではないのです。社員が過労やメンタル不調で倒れ損害賠償請求になったとき、相談体制を整えていたかが安全配慮義務(労働契約法 5条)違反の有無を分けます。業界裏話ヒント:裁判所は「法律が努力義務を課していたのに会社が何もしなかった」事実を、会社の落ち度を基礎づける方向で評価します。罰則の有無と賠償責任の有無は別物です
従業員 50 名未満で産業医の選任義務がない事業場でも、13条の2 で医師等による健康管理に努める義務があります。地域産業保健センターを利用すれば、医師による健康相談や面接指導を受けられます。業界裏話ヒント:地域産業保健センターのサービスは国の事業で原則無料ですが、その存在を知らない中小企業の経営者が大半です。「うちには産業医がいないから」と諦める前にこの窓口を使えるかどうかで、社員の健康リスク管理がまるで変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の性質 | 13条の3:健康相談に応じる体制整備の努力義務 | — |
| 対象事業場 | 産業医等を置く全事業場 | — |
| 求められる内容 | 相談窓口・手順など体制面の整備 | — |
| 違反時のリスク | 直接の罰則なし、安全配慮義務違反の判断材料 | — |
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