事業者は、第六十六条の八第一項、第六十六条の八の二第一項又は前条第一項の規定により面接指導を行う労働者以外の労働者であつて健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない。
要点労働安全衛生法 66 条の 12 は、面接指導の対象外でも健康への配慮が必要な労働者について、事業者が厚生労働省令の定めにより必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定める努力義務規定である。
Q · 残業が月80時間に届かない社員でも、会社は健康のために何かしないといけないの?
罰則はないが安全配慮義務違反として賠償責任に直結する努力義務です
労働安全衛生法 66 条の 12 により、面接指導の義務対象(66 条の 8 等)に該当しない労働者でも、健康への配慮が必要な者については、会社は厚生労働省令の定めにより必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。語尾は「努めなければならない」=努力義務で、違反しても直接の罰則はありません。しかし健康診断やストレスチェックで所見が出ていたのに放置すれば、安全配慮義務(労働契約法 5 条)違反として、過労死・過労自殺の損害賠償訴訟で会社の責任を分ける一線になります。
月の残業が一定ラインを超えた労働者には、会社は医師による面接指導を行わなければならない。これは法的な義務だ。では、そのラインに数時間届かない人、あるいは時間は短くても動悸や不眠を抱えている人はどうなるのか。この条文が拾うのは、まさにその「義務の網からこぼれた人」である。第66条の8などの面接指導の対象外であっても、健康への配慮が必要な労働者については、会社は厚生労働省令の定めにより必要な措置を講ずるよう努めなければならない。注意すべきは「努めなければならない」という語尾だ。これは努力義務(罰則はないが、努力を法的に求められる義務)であり、違反しても直接は罰せられない。だが甘く見てはいけない。あなたが体調を崩して倒れたとき、この努力義務こそが、会社が本来払うべきだった配慮の基準線になる。過労死や過労自殺の損害賠償訴訟で、会社の責任を分けるのはまさにこの一線だ。
労働安全衛生法第 66 条の 12 は、事業者の健康配慮措置に関する努力義務を定める規定である。第 66 条の 8、第 66 条の 8 の 2、第 66 条の 11 による面接指導の対象とならない労働者であっても、健康への配慮が必要な者については、厚生労働省令の定めるところにより、事業者が必要な措置を講ずるよう努めるべき旨を規定する。義務ラインの線引きから外れた労働者を補完的に救済する機能を持つ。
面接指導の義務対象外の労働者でも、健康への配慮が必要な者に対し、会社が必要な措置を講ずるよう努める努力義務を定めた規定です。義務ラインからこぼれた人を拾う補完規定です。
義務は違反に罰則や強制が伴いますが、努力義務は直接の罰則がありません。ただし努力義務の懈怠は安全配慮義務違反の判断材料となり、損害賠償責任に直結します。
労働契約法 5 条違反として、過労による健康被害が生じた場合に債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任を負います。残業が過労死ライン未満でも責任を問われる例があります。
時間外・休日労働が月 80 時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められ本人の申出がある場合、面接指導が義務になります(66 条の 8、労働安全衛生規則 52 条の 2)。
発症前 1 か月に約 100 時間、または 2〜6 か月平均で月約 80 時間の時間外労働が、健康障害と業務の関連が強いとされる目安です。労災認定基準に用いられます。
面接指導の義務対象でなくても、健康に不安があれば産業医面談を自ら求めることができます。会社が応じた記録も断った記録も、後の安全配慮義務の判断で証拠になります。
労働基準監督署、産業保健総合支援センター、各都道府県の総合労働相談コーナーに相談できます。すでに健康被害があれば労災申請と弁護士相談も検討します。
66 条の 12 の委任を受け、面接指導の対象外の労働者に対し会社が講ずべき措置(本人申出に応じた面談、就業上の措置等)の内容を具体化しています。
守らなくていい義務ではありません。直接の罰則はなくても、第66条の12の努力義務を怠った事実は、労働契約法5条の安全配慮義務違反の判断で重く扱われ、損害賠償責任に直結します。業界裏話ヒント:裁判所は「会社が労働者の健康リスクを知り得たか」を重視します。健診結果やストレスチェックで所見が出ていたのに何もしなかった、という記録は、努力義務でも会社を敗訴させる決め手になる。会社が「義務はなかった」と言っても、知り得たリスクの放置は通らない
そんなことはありません。面接指導が「義務」になるのは一定の残業ラインを超えた場合(第66条の8第1項)ですが、ライン未満でも健康への配慮が必要なら、会社は第66条の12で必要な措置を講ずるよう努める立場にあります。業界裏話ヒント:多くの会社は「80時間未満なら対応不要」と運用していますが、これは法律の建前を誤解しています。本人から不調の申出があれば努力義務が現実に動き出す。だからこそ「申し出た記録」を残すことが、あなたの側の最大の手札になる
言えます。健康診断やストレスチェックの結果を根拠に、就業上の配慮(労働時間短縮、配置転換、産業医面談など)を申し出ることができ、会社はこれに対し第66条の12の努力義務を負います。業界裏話ヒント:申出はメールなど記録の残る形で行うのが鉄則です。仮に会社が動かなくても、その申出と無対応の記録が、後で安全配慮義務違反を立証する証拠になる。倒れる前の一通のメールが、倒れた後の数百万円の賠償を左右する証拠価値を持つ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 66 条の 12:必要な措置を講ずる努力義務(罰則なし) | — |
| 対象者 | 面接指導の対象外で、健康への配慮が必要な労働者 | — |
| 発動の起点 | 本人の不調申出・所見等を踏まえた事業者の配慮 | — |
| 懈怠の帰結 | 罰則なしだが安全配慮義務違反の判断材料となり賠償に直結 | — |
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