要点労働安全衛生法75条の3は、免許試験を担う指定試験機関の指定基準と欠格事由を定める。試験実施計画の適正さや法人類型の限定、利益相反・前科・取消歴などが審査される。
Q · クレーンやボイラーの国家免許の試験って、結局は役所がやっているんですか?
役所ではなく、国が指定した民間財団が運営します
労働安全衛生法75条の3により、クレーン・ボイラー・衛生管理者などの免許試験事務は、厚生労働大臣が指定した民間の一般社団法人・財団法人(指定試験機関)が運営します。指定には、試験実施計画の適正さと経理的・技術的基礎という積極的基準(第1項)を満たし、かつ法人類型の限定・利益相反・前科・過去の指定取消し・不適格役員という欠格事由(第2項)に該当しないことが必要です。実際には分野ごとにほぼ単一の機関が独占的に担っています。
クレーン運転士、ボイラー技士、衛生管理者。これらの国家免許を取るために受ける試験を、厚生労働省が自前で運営していると思っているなら、それは違う。労働安全衛生法は免許試験の事務を、国が「指定」した民間の法人に丸ごと委ねる仕組みを採っている。その指定を誰に与えるかを縛るのが、この条文だ。第1項は前向きの条件、つまり設備・職員・試験実施計画が適正で、経理的かつ技術的な裏付けがあること。第2項は門前払いの条件、すなわち一般社団法人か一般財団法人でなければ駄目、他の事業のせいで公正に試験を行えないおそれがあれば駄目、法令違反で処罰され2年を経ていない者や、過去に指定を取り消されて2年以内の者、そうした人物が役員にいる法人も駄目。あなたが受けたあの試験の中立性は、ここに並んだ欠格事由が入口で守っている。
労働安全衛生法75条の3は、指定試験機関の指定基準を定める規定である。第1項は試験事務の実施計画の適正さと経理的・技術的基礎という積極的要件を、第2項は法人類型の限定、業務上の利益相反、法令違反の前科、過去の指定取消し、不適格役員の在任という欠格事由を規定し、免許試験の公正かつ確実な実施を担保する。
厚生労働大臣の指定を受け、国に代わって免許試験事務を行う一般社団法人または一般財団法人です。労働安全衛生法75条の2以下が根拠で、75条の3が指定の基準を定めています。
厚生労働省ではなく、75条の3に基づき指定された民間の財団です。実務では分野ごとにほぼ単一の指定試験機関が問題作成から採点までを担っています。
一般社団・財団法人以外であること、利益相反のおそれ、法令違反の前科、過去の指定取消しから2年未満、不適格役員の在任などです(75条の3第2項)。一つでも該当すれば指定されません。
はい。75条の3第2項一号により、一般社団法人または一般財団法人以外は指定を受けられません。株式会社など営利法人は申請資格がありません。
役員のうちに労働安全衛生法違反で刑を受け執行終了から2年を経ていない者がいると、法人全体が指定されません(75条の3第2項五号)。役員一人の過去が組織の門を閉ざします。
取消しの日から2年を経過しないと再指定されません(75条の3第2項四号)。再起のタイミングは欠格期間の満了日が決めます。
75条の3第1項柱書は「他に指定を受けた者がなく」と定め、一分野につき事実上ひとつの機関が独占的に担う構造です。労働関係の免許試験はほぼ単一の財団に集約されています。
監督権限を持つ厚生労働大臣に申し出ます。指定の基準(75条の3)や取消事由(75条の11)のどの要件に反するかを具体的に示すと、行政を動かす根拠になります。
効率と専門性のためだ。全国の免許試験の問題作成から採点まで国が自前で抱えるより、専門の法人に委ねた方が機動的に運用できる(75条の2)。本条第1項はそのために設備・職員・実施計画の適正さを審査する。業界裏話ヒント:第1項の柱書は「他に指定を受けた者がなく」と書く。制度設計上、一分野につき事実上ひとつの機関が独占的に担う構造で、労働関係の免許試験はほぼ単一の財団に集約されている
最終的な監督責任は指定した厚生労働大臣にある。基準を満たさなくなった機関は指定を取り消され(75条の11)、不適格な役員は解任を命じられる(75条の4)。業界裏話ヒント:本条第2項四号は「過去に取り消された者は2年間再指定しない」と定める。一度信頼を失った機関の出戻りを時間の壁で防いでいる。不正を疑う受験者は、どの基準に反するかを本条に照らして指摘すれば、行政を動かす具体的な根拠になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 75条の3:指定の基準(積極要件+欠格事由) | — |
| 判断の方向 | 指定してよいか/してはならないかを審査 | — |
| 欠格期間との関係 | 前科・取消し・解任から各2年の欠格を規定 | — |
| 役員規律との連動 | 不適格役員の在任を欠格事由とする(第2項五号・六号) | — |
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