要点雇用保険法 10 条の 4 は、不正受給者に失業等給付の返還と、その 2 倍以下の額の納付を命じることができると定める。偽りの届出をした事業主も連帯して責任を負う。
Q · 失業保険の不正受給がバレたら、返せば済むんですか?
返還に加え 2 倍以下の納付、最大で受給額の 3 倍を負担します
雇用保険法 10 条の 4 第 1 項により、政府は不正受給者に対し支給した失業等給付の全部又は一部の返還を命じ、さらに厚生労働大臣の定める基準により不正受給額の 2 倍以下の納付を命じることができます。返還 1 に納付 2 が加わるため、負担は最大で受給額の 3 倍になります。同条 2 項では偽りの届出・報告・証明をした事業主や指定教育訓練実施者も連帯して納付を命じられ、3 項の徴収法 27 条準用により、納付を怠れば督促のあと国税滞納処分の例で給与や預金が直接差し押さえられます。
ハローワークの失業認定申告書に、アルバイトをした1日を書き忘れた。それだけで動き出すのがこの条文である。政府はまず支給した失業等給付の返還を命じ、さらに厚生労働大臣の定める基準に従って、不正に受けた額の2倍以下の金額の納付を命じることができる。返還1に納付2が乗るので、手元から出ていくのは最大で受給額の3倍。世間で「3倍返し」と呼ばれるものの正体がここにある。効いてくるのは2項も同じだ。離職理由や賃金額について偽りの届出や証明をした事業主、受講を偽証した指定教育訓練実施者は、受給者と連帯して払わされる。元従業員に頼まれて離職票に嘘を書いた側なら、あなたも債務者である。そして3項が労働保険の保険料の徴収等に関する法律27条を準用する結果、この債権は督促のあと国税滞納処分の例で給与や預金を直接差し押さえられる。訴訟も判決も経由せずに、である。
雇用保険法 10 条の 4 は、不正受給に対する返還命令・納付命令および連帯納付命令を定める規定である。1 項が受給者への返還と不正受給額の 2 倍以下の納付、2 項が偽りの届出等をした事業主・職業紹介事業者等・募集情報等提供事業を行う者・指定教育訓練実施者の連帯納付責任、3 項が徴収法 27 条・41 条 2 項の準用による強制徴収と時効更新を規律する。
呼び出しは事業主照会や被保険者記録の突合を終えた段階で来ることが多いため、記憶で答えず、就労日・金額・支払元を通帳とアプリ履歴から時系列で再構成してから臨みます。
通報より多いのは記録の突合です。次の勤務先が雇用保険の加入手続をした瞬間に被保険者期間が合わなくなり、事業主照会や確定申告データとの照合で就労の事実が浮かびます。
一括納付が困難な場合は分納の相談が実務上の窓口になります。放置すると督促を経て 3 項準用の滞納処分に進み、給与や預金が直接差し押さえられます。
雇用保険法 34 条により、不正受給者にはその後の求職者給付・就職促進給付が支給されません。返還・納付とは別に、残っていた受給資格そのものが失われます。
雇用保険法 74 条により徴収権は 2 年で時効消滅します。ただし 3 項が準用する徴収法 41 条 2 項で告知と督促に時効更新の効力があり、督促状で 2 年が振り出しに戻ります。
あります。行政上の返還・納付命令とは別に、額が大きい事案や計画性のある継続的な事案は詐欺罪(刑法 246 条)で立件されることがあります。両者は併存します。
納付命令は「2 倍以下」という幅の中で厚生労働大臣の定める基準により決まり、実務では悪質性と自主的な申し出の有無が額を左右します。調査完了後の申告では幅を使う余地が減ります。
同じです。教育訓練給付も失業等給付に含まれ、虚偽の受講証明をした指定教育訓練実施者は 2 項により連帯して納付を命じられ、講座指定を失うリスクも負います。
なります。失業認定申告書に事実と異なる記載をすること自体が10条の4第1項の「偽りその他不正の行為」に当たり、金額の大小は要件ではありません。ただし単純な記入漏れで自ら申し出た場合、実務上は返還のみで納付命令を行わない扱いもあります。業界裏話ヒント:発覚経路で最も多いのは通報ではなく、次の勤務先が雇用保険の加入手続をした瞬間に被保険者記録の期間が合わなくなるパターンです。隠し通せる前提の判断は、そもそも成り立たない。
原則として消えません。10条の4第3項が労働保険の保険料の徴収等に関する法律27条を準用するため、この債権は国税滞納処分の例により徴収でき、破産法253条1項1号の租税等の請求権として非免責債権に当たると解されています。業界裏話ヒント:破産の初回面談で、この債務を「役所への未払い」とだけ伝えて済ませる人がいます。書き分けないと、破産後も差押えが続いて生活再建の計画そのものが崩れる。名称と根拠条文まで正確に伝えること。
違います。2項により、偽りの届出・報告・証明をしたために給付が支給されたときは、政府は事業主や職業紹介事業者等、指定教育訓練実施者に対し、受給者と連帯して返還・納付を命じることができます。連帯債務なので、資力のある側から全額回収されます。業界裏話ヒント:退職者から会社都合への書き換えを頼まれたとき、断る理由を「10条の4第2項で会社が連帯債務を負うから」と明示すると交渉がその場で終わります。総務担当者がこの条番号を言えるかどうかで、会社が数十万円を負うかが決まる。
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