失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
要点雇用保険法 11 条は、失業等給付を受ける権利の譲渡・担保提供・差押えを禁止する。本人が同意しても譲渡は無効だが、振り込まれて預金になった後は保護が及ばない。
Q · 失業給付って、借金の返済のために差し押さえられたり、担保に入れたりできるんですか?
受給権は守られるが、振り込まれた後の預金は守られない
雇用保険法 11 条により、失業等給付を受ける権利は譲渡・担保提供・差押えのいずれもできません。債権者が裁判所で差押命令を取ろうとしても、受給権そのものには手が届かず、本人が同意して念書を書いても譲渡は効力を生じません。ただし保護されるのは受給権に限られ、給付が振り込まれて預金債権になった後は、一般の預金として差押えの対象になりうるというのが実務の一般的な理解です。守られているのは「入ってくるはずの給付」であって「入ってきた後のお金」ではありません。
会社を辞めて失業給付を待っている間、生活費が尽きて消費者金融に「これから入る給付金を担保にするから貸してほしい」と持ちかけたとする。相手が承諾しても、その担保設定は法律上、最初から効力を持たない。雇用保険法 11 条は、失業等給付を受ける権利について、他人への譲渡、担保への提供、差押えの三つをまとめて封じている。ここで押さえるべきは、封じられているのは「受給する権利そのもの」だという点だ。借金を滞納して債権者が裁判所で差押命令を取ろうとしても、まだ受け取っていない給付を受ける地位には手が届かない。ただし、いったん振り込まれて口座の預金残高になった後は話が変わる。預金債権は別物として扱われ、差押えの対象になりうるというのが実務の一般的な理解である。守られているのは「入ってくるはずの給付」であって、「入ってきた後のお金」ではない。この境界線を知っているかどうかで、失業中に口座をどう管理するかの判断が変わる。
雇用保険法 11 条は失業等給付の受給権の保護を定める規定であり、失業等給付を受ける権利について譲渡、担保供与、差押えを一律に禁止する。基本手当等の受給権は債権者の回収対象から除外され、受給者本人の合意があっても譲渡・担保設定は効力を生じない。保護の対象は受給権そのものであり、支給後に預金債権へ転化した金銭には及ばないと解される。
失業等給付を受ける権利について、譲渡・担保への提供・差押えの三つをまとめて禁止する規定です。生活再建の原資を債権回収から切り離す趣旨で置かれています。
受給権は本人のものであり他人に譲れないため、振込口座も原則として本人名義に限られます。親族名義の口座を使うと手続が通らず、名義を貸した側にも面倒が及ぶことがあります。
受給権の譲渡は 11 条で禁じられているため、家族に権利を移すことはできません。本人が受給要件を満たし、本人名義で受け取るのが原則です。
給付そのものを引き渡す約束は受給権の譲渡に当たり、法的には通りません。支払義務を負うこと自体は別問題ですが、給付を引当てにする条項は効力を生じません。
11 条により譲渡としての効力は生じないため、相手に給付を取り上げる権利は発生しません。ハローワークまたは法テラスに相談し、無効である旨を確認するのが確実です。
対象が受給権なのか、振込先の預金債権なのかを書面上で特定します。受給権なら 11 条を根拠に争える余地がありますが、預金債権なら別の対応が必要です。
失業等給付は課税されません。雇用保険法 12 条が公課の禁止を定めており、11 条の受給権保護と並んで受給者を守る仕組みになっています。
支給を受ける権利は 2 年で時効消滅します(雇用保険法 74 条)。また基本手当は原則として離職日の翌日から 1 年の受給期間内に受け終える必要があります(同法 20 条)。
受給権そのものは雇用保険法 11 条で差押えが禁じられているが、振り込まれて預金債権になった後は、一般の預金として差押えの対象になりうるというのが実務の一般的な理解である。ただし個別事情によって判断が分かれることもある。業界裏話ヒント:給付専用の口座を分けておくと、その残高が給付由来であることを説明しやすくなる。生活費と他の入金が混ざった口座では、どこまでが給付分か立証できず不利になりやすい。
担保設定自体が 11 条により効力を持たないため、給付を担保として取り上げる権利は相手に発生しない。借りた元本の返済義務がどうなるかは貸金業法や利息制限法の問題として別に検討する必要がある。業界裏話ヒント:給付を担保に取る形の貸付は、そもそも違法な業者である可能性が高い。無効な担保を根拠に取立てを続ける行為は、貸金業法上の取立て規制違反として警察や金融庁への通報材料になる。
差押禁止債権は破産手続において原則として自由財産として扱われ、破産財団に組み込まれない。したがって受給権は手元に残り、生活再建の原資になる。業界裏話ヒント:破産申立ての時期と給付の受給時期をどう組み合わせるかで、手元に残る現金の額が変わる。申立て前に弁護士へ受給予定を正確に伝えると、タイミングの設計をしてもらえる。伝えないまま進めると、残せたはずの資金を失うことがある。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の内容 | 雇用保険法 11 条:受給権の譲渡・担保供与・差押えを禁止 | — |
| 誰から守るか | 債権者(回収・担保取得を試みる第三者) | — |
| 本人の同意で覆せるか | 覆せない。本人が同意しても譲渡・担保設定は効力を生じない | — |
| 保護・効力の限界 | 保護は受給権に限られ、振込後の預金債権には及ばないと解される | — |
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