雇用保険法 第74条(時効)
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- 失業等給付等の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び第十条の四第一項又は第二項の規定(これらの規定を第六十一条の六第五項において準用する場合を含む。)により納付をすべきことを命ぜられた金額を徴収する権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
- 2.年度の平均給与額が修正されたことにより、厚生労働大臣が第十八条第四項に規定する自動変更対象額、第十九条第一項第一号に規定する控除額又は第六十一条第一項第二号若しくは第六十一条の十二第二項に規定する支給限度額を変更した場合において、当該変更に伴いその額が再び算定された失業等給付等があるときは、当該失業等給付等に係る第十条の三(第六十一条の六第五項において準用する場合を含む。)の規定による未支給の失業等給付等の支給を受ける権利については、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第三十一条第一項の規定を適用しない。
この条文の基本情報
時効とは何ですか?
定義時効とは、雇用保険法第74条に定められた規定で、「失業等給付等の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び第十条の四第一項又は第二項の規定(これらの規定を第六十一条の六第五項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第74条(時効)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第74条の条文原文は「失業等給付等の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び第十条の四第一項又は第二項の規定(これらの規定を第六十一条の六第五項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 雇用保険法第74条は第七章 雑則に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第74条の前の条は雇用保険法第73条です。
- 雇用保険法第74条の次の条は雇用保険法第75条です。
- 雇用保険法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法74条は、失業等給付等の支給・返還を受ける権利および納付命令に係る徴収権が、行使することができる時から2年で時効消滅すると定める。基本手当では受給期間1年が先に閉まる。
Q · 失業給付のもらい忘れって、いつまでさかのぼって請求できるんですか?
行使できる時から2年。ただし基本手当は受給期間1年が先に閉まる
雇用保険法74条1項により、失業等給付等の支給を受ける権利は「行使することができる時」から2年で時効消滅します。国が受け取りすぎた給付を返還請求する権利、10条の4の納付命令に係る徴収権も同じ2年です。ただし基本手当では、時効より先に離職の日の翌日から原則1年の受給期間(20条)が閉まるため、実際に74条が効くのは未支給給付・差額・育児休業給付・教育訓練給付などの局面です。公法上の金銭債権の時効は援用不要で放棄もできず(会計法31条2項)、期限を過ぎれば窓口の裁量では救済できません。
解説
雇用保険の世界では、2年という数字が二方向に効いている。ハローワークが払うべき給付をあなたに払っていなければ、あなたがそれを請求できるのは「行使することができる時」から2年。逆に、受け取りすぎた給付を国が取り戻す権利も同じ2年。数字は対等に見えるが、力関係は対等ではない。国の債権は納入の告知一本で時効が更新される(会計法31条3項)のに対し、あなたの側は申請書を出さないまま2年が過ぎれば権利が消える。しかも公法上の金銭債権の時効は援用を要さず、時効の利益を放棄することもできない(会計法31条2項)。窓口の担当者がどれだけ同情しても、2年を過ぎた給付を温情で払う権限は制度上存在しない。第2項は、その硬い壁に一つだけ穴を開けている。厚生労働大臣が平均給与額の修正で自動変更対象額や支給限度額を後から動かし、その結果あなたの給付額が再算定された場合、その差額に係る未支給給付の請求権には会計法31条1項を適用しない。国側の都合で額が動いたときの差額まで時効で切り捨てない、という設計である。
法的な位置づけ
雇用保険法74条は、失業等給付等に関する権利の消滅時効を定める規定である。第1項は、給付を受ける権利、返還を受ける権利、および納付命令に係る徴収権のいずれについても、行使することができる時から2年の経過により時効消滅すると規定する。第2項は、平均給与額の修正による再算定分の未支給給付につき、会計法31条1項の適用を排除する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起算点となる「行使することができる時」を特定する 支給決定通知書、離職票、支給申請書の控え、給与明細を並べ、どの給付がいつ請求可能になったかを給付ごとに書き出す。基本手当なら失業認定日、育児休業給付なら各支給単位期間の経過時が目安となる
- 2.2年後の日付と受給期間1年の日付を両方カレンダーに置く 74条の2年だけを見ると、基本手当では先に閉まる受給期間(離職の日の翌日から原則1年、20条)を見落とす。二つの期限を別々に記入し、近いほうから逆算して動く
- 3.相談ではなく支給申請書を提出して記録を残す 期限が近いときは電話や窓口での口頭相談で時間を使わず、支給申請書そのものをハローワークに提出する。受付印のある控えを必ず保管し、権利を行使した事実を書面で確定させる
- 4.時効と言われたら起算日の根拠を書面で求める 「2年を過ぎている」と告げられた場合、どの時点を「行使することができる時」と判断したのかを書面で示すよう求める。平均給与額の修正に伴う差額であれば74条2項により会計法31条1項が適用されない旨を主張する
- 5.返還・納付命令を受けた側は対象期間を一覧化して整理する 返還命令書・納付命令書の日付と対象期間を確認し、どの支給分がいつ発生した権利かを一覧にする。納入の告知があれば時効は更新されている(会計法31条3項)ため、時効だけを頼りにせず事実関係と納付方法を並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険の時効は何年ですか?
雇用保険法74条1項により2年です。給付を受ける権利も、国が返還・徴収する権利も同じ2年で、起算点は「行使することができる時」です。
Q2失業給付のもらい忘れは請求できますか?
行使できる時から2年以内なら請求可能です。ただし基本手当は離職の日の翌日から原則1年の受給期間(20条)が先に閉まる点に注意が必要です。
Q3育児休業給付の時効はいつまでですか?
育児休業給付も失業等給付等として74条の2年時効が及びます。支給単位期間ごとに起算されるため、未支給分に気付いたら早期に申請書を提出してください。
Q4不正受給の返還請求に時効はありますか?
返還請求権・徴収権も74条1項で2年です。ただし納入の告知により時効は更新され(会計法31条3項)、詐欺罪の公訴時効7年は別に進行します。
Q5時効を過ぎたら窓口の判断で支給してもらえますか?
できません。公法上の金銭債権の時効は援用を要さず、時効の利益を放棄することもできないため(会計法31条2項)、担当者に支給する権限がありません。
Q6雇用保険の時効はどうやって止めますか?
受給者側は支給申請書を提出して権利を行使し、受付印のある控えを残します。国側は納入の告知一本で時効が更新されます(会計法31条3項)。
Q7雇用保険の時効の起算日はいつですか?
「行使することができる時」です。失業認定を経る給付は認定日、支給単位期間ごとの給付は各期間の経過時など、給付の種類により具体的な時点が異なります。
Q8平均給与額の修正で給付額が増えた差額も2年で消えますか?
74条2項により、再算定された未支給の失業等給付等の請求権には会計法31条1項が適用されません。国側の事情で額が動いた差額は時効で切り捨てられない設計です。
この条文についての質問 AI による整理
Q12年過ぎたけど事情が事情なので、担当の人が汲んで払ってくれることってないんですか?
制度上できません。公法上の金銭債権の時効は援用を要せず、時効の利益を放棄することもできない(会計法31条2項)ため、支給したいと思っても権限がないのです。実務のポイント:だから期限が迫っているときは、電話や窓口での「相談」ではなく申請書の提出で記録を残す。口頭のやり取りは、後から何一つ時計を止めた証拠になりません
Q2昔、バイト収入を申告せずに失業給付をもらいました。2年経てばもう追及されませんか?
返還請求権自体は2年ですが(74条1項)、起算点の捉え方は実務上解釈が分かれ、発覚後に納入の告知が打たれれば時効は更新されます(会計法31条3項)。さらに詐欺罪(刑法246条)の公訴時効は7年で、別の軌道を走ります。実務のポイント:発覚の端緒の多くは事業主が出す資格取得届です。次の就職で雇用保険に入った瞬間、記録は自動的に突き合わされます
間違えやすい点 AI による整理
- 「2年で時効」という事実は知られている。知られていないのは、その厳しさの質のほうだ。公法上の金銭債権の時効は民事と違い、援用を要せず、利益を放棄することもできない(会計法31条2項)。民事なら相手が時効を持ち出さなければ払ってもらえるが、ここでは2年を過ぎた瞬間、支給したいと思う担当者がいても支給できない
- 「失業給付はいつまで請求できるのか」という問いの立て方自体がずれている。基本手当で先に閉まる門は74条の2年ではなく、離職の日の翌日から原則1年の受給期間(20条)。2年の時効まで猶予があると考えた時点で、すでに受給できる日数を失っている可能性が高い。74条が本当に効いてくるのは、未支給給付、差額、育児休業給付、教育訓練給付といった局面である
- 「2年経ったから不正受給の件は終わり」と考えるのは、法律の側から見ると別の光景になる。返還請求権の起算点をいつと見るかは実務上解釈が分かれ、発覚後に納入の告知が打たれれば時効は更新される。加えて詐欺罪(刑法246条)の公訴時効は7年で、こちらは74条とは無関係に走っている。あなたが数えていた時計は、そもそも一つではなかった
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 期間の性質 | 74条:消滅時効(2年、行使できる時から) | 20条:受給期間(離職の日の翌日から原則1年) 10条の3:未支給給付の請求権(請求期限は省令で別途、より短い) |
| 何が消えるか | 給付請求権・返還請求権・徴収権のすべて | 所定給付日数の残日数(受給できる日数が消える) 遺族等が未支給分を請求する地位 |
| 止め方・延ばし方 | 受給者は申請書提出、国は納入の告知で更新(会計法31条3項) | 傷病・妊娠出産等の理由があれば受給期間の延長申請 省令所定の期限内に請求書を提出 |
| 実務上どちらが先に閉まるか | 未支給給付・差額・育児休業給付・教育訓練給付で主に機能 | 基本手当では74条より先に閉まる 死亡による未支給の場面で最も早く閉まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も失業給付の請求権を2年の短期時効としており、日本と同水準。ただし台湾は労工保険局への申請主義で、起算点を「得請領之日」と明記している点が明快
韓国は給付請求権・徴収金請求権とも3年とし、日本の2年より長い。日本法を母法としつつ受給者保護側に振れた例
ドイツは社会給付請求権の時効を発生年の年末から4年とする。起算点を暦年末に統一し、受給者が日付計算を誤りにくい設計になっている
米国の失業保険は州ごとの制度で、遡及請求期間は週単位・数週間程度と極めて短い州が多い。連邦統一の時効規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 育児休業給付の一部が支給されていないことに、復職から1年半後、給与明細と支給決定通知を突き合わせて気付いたとしたら? 会社の担当者は「もう終わった話」と言う。だが消えるのは行使できる時から2年で、残りはまだ半年ある。この半年を口頭相談で潰すか、支給申請書の提出で記録に変えるかで、数十万円が残るか消えるかが分かれる
- 単発のアルバイト収入を申告せずに基本手当を受け取った。3年前の話だからもう時効だと思っている。だが納入告知が一枚届いた瞬間に時効は更新され、詐欺罪の公訴時効は7年走り続けている
- 受給資格者だった父が認定日を前に亡くなり、生計を同じくしていたあなたが未支給の失業等給付を請求できる立場に立った(10条の3)。ここで効くのは74条の2年だけではない。請求書の提出期限は厚生労働省令で別に、しかも短く定められている(最新の改正状況をご確認ください)。葬儀と相続の手続に追われる数週間が、そのまま請求可能期間を削っていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支給決定通知・離職票・給与明細から「行使することができる時」がいつかを特定し、そこから2年をカレンダーに置く2. 窓口相談ではなく支給申請書を提出し、受付印のある控えを必ず確保する3. 時効だと言われたら、起算日をどこに置いた判断なのかを書面で示すよう求める4. 平均給与額の修正に伴う差額であれば74条2項で会計法31条1項が適用されないため、時効の一言で引き下がらない
訴えられた側:1. 返還命令書・納付命令書の日付と対象期間を確認し、どの支給分がいつ発生した権利かを一覧に整理する2. 事実誤認があるなら、就労日・収入額と失業認定申告書の記載を突き合わせた資料を作って争う3. 争わない場合、命令発出前の自主申告と納付方法の相談が実務上の分岐点になる4. 事業主が偽りの届出や証明をしていた場合は10条の4第2項により連帯して命令を受ける立場であり、あなた一人の債務ではない
時効(請求できる期限):行使することができる時から2年(雇用保険法74条1項)。国側の債権は納入の告知により時効が更新される(会計法31条3項)。なお基本手当では、時効より先に離職の日の翌日から原則1年の受給期間(20条)が閉まる。平均給与額の修正に伴い再算定された未支給給付には会計法31条1項が適用されない(74条2項)
学説
通説:雇用保険法74条の2年時効は、会計法31条1項の5年に対する特則であり、大量給付処理における権利関係の早期確定を目的とする。時効の効果は援用を要さず絶対的に生じるため、行政庁に裁量的救済の余地はないと解されている
実務上の議論:不正受給に係る返還請求権の起算点を、支給時点と見るか不正発覚時点と見るかについては実務上の取扱いに幅がある。いずれにせよ納入の告知により時効が更新されるため(会計法31条3項)、時効のみを根拠とする防御は限定的である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法(昭和49年法律第116号)の制定に伴い、失業保険法から引き継ぐ形で給付および徴収に係る2年の消滅時効規定として置かれた
- 雇用保険法 第10条の3未支給の失業等給付等の請求権、本条2項の対象
- 雇用保険法 第10条の4不正受給に対する返還命令・納付命令、本条1項の徴収権の根拠
- 雇用保険法 第18条自動変更対象額、本条2項の再算定の起点
- 雇用保険法 第20条受給期間の制限、時効より先に閉まる期限
- 雇用保険法 第61条の6育児休業給付への準用、時効の射程を画する
- 会計法 第31条国の金銭債権の時効の一般法、本条2項が適用を排除
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第41条保険料徴収権の2年時効、給付側と対をなす規律
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