事業主は、労働者が第八条の規定による確認の請求又は第三十七条の五第一項の規定による申出をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
要点雇用保険法 73 条は、労働者が 8 条の確認請求または 37 条の 5 第 1 項の申出をしたことを理由に、事業主が解雇その他不利益な取扱いをすることを禁じる規定である。シフト削減や更新拒否も射程に入る。
Q · 雇用保険に入っていないとハローワークに相談したら、会社に解雇されたりシフトを減らされたりしませんか?
違法です。73 条が報復的な不利益取扱いを禁じています
雇用保険法 73 条により、事業主は、労働者が 8 条の確認の請求または 37 条の 5 第 1 項の申出をしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。禁止されるのは解雇だけでなく、シフト削減、契約更新の拒否、遠隔地への配置転換、賞与の減額なども含まれます。違反は同法 83 条の罰則の対象になりうるとされ、解雇については私法上も無効と解されるのが一般的です。争点は「請求と無関係の理由だ」という会社の主張であるため、請求日と通告日の記録が要になります。
給与明細に雇用保険料の欄がない。店長に聞くと「うちは短時間勤務だから入れない決まり」と返ってきた。ここで引き下がる必要はない。雇用保険法 8 条は、労働者本人がいつでもハローワークに「自分は被保険者のはずだ」と確認を請求できると定める。事業主の届出(7 条)を待つ必要も、会社の同意を得る必要もない。そして 73 条は、その請求をしたことを理由に解雇する、シフトを削る、契約更新を拒む、そうした報復を事業主に正面から禁じる。禁止対象は解雇だけではなく「その他不利益な取扱い」全般だ。さらに 2022 年 1 月からは、65 歳以上のダブルワーカーが自分で申し出る 37 条の 5 の制度も同じ盾の下に入った。あなたが権利を使う場面と、使った後に守られる場面が、この一条で接続されている。
雇用保険法 73 条は、被保険者資格の確認請求(同法 8 条)または 65 歳以上の複数就業者による申出(同法 37 条の 5 第 1 項)を行ったことを理由とする不利益取扱いを禁止する規定である。事業主の人事裁量そのものを否定するのではなく、権利行使を理由とする部分に限って違法とする点に特徴があり、8 条の請求権と一組で機能する。
労働者が被保険者資格の確認請求(8 条)や 65 歳以上の複数就業者の申出(37 条の 5 第 1 項)をしたことを理由に、事業主が解雇その他不利益な取扱いをすることを禁じる規定です。
会社の判断に従う必要はありません。8 条により労働者が単独でハローワークに確認請求でき、被保険者に当たるかどうかを判断するのは会社ではなく行政です。
事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)です。給与明細、雇用契約書、シフト表など勤務実態を示す資料を持参すると手続きが進みやすくなります。
65 歳以上で 2 か所以上に勤務する人が、自ら申し出て被保険者になれる制度です(37 条の 5 第 1 項)。2022 年 1 月施行で、この申出も 73 条の保護対象に含まれます。
週の所定労働時間が 20 時間以上で、31 日以上の雇用見込みがあることが基本です。適用除外に当たらなければ、パートやアルバイトでも要件を満たせば被保険者になります。
必要ありません。事業主の届出義務(7 条)と労働者の請求権(8 条)は別ルートであり、会社の協力も他の従業員の連名も請求の要件ではありません。
違反は雇用保険法 83 条の罰則の対象になりうるとされています。あわせて、報復目的の解雇は強行規定違反として私法上も無効と解されるのが一般的です(最新の改正状況をご確認ください)。
条文は「解雇その他不利益な取扱い」と定めており、賞与の減額、遠隔地への配置転換、嫌がらせ的な担当変更も射程に入りえます。争点は請求との因果関係の立証です。
できる。雇用保険法 8 条の確認請求により、被保険者だった期間を遡って確定させられる。原則は 2 年前までだが、給与から雇用保険料が控除されていたことを明細等で確認できる場合は 2 年を超えて遡及できる(平成 22 年(2010 年)10 月施行)。業界裏話ヒント:この 2 年の壁を破る鍵は、あなたの記憶でも会社の帳簿でもなく、あなたの手元に残った明細の紙 1 枚である。転職のたびに古い明細を捨てる人は、この救済の入口を自分で閉じている
その報復こそ 73 条が禁じる行為であり、違反した事業主は雇用保険法 83 条の罰則の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務上、窓口で請求者名の取扱いに配慮を求めることはできるが、事業所調査の過程で誰の件か推測されることは十分ありうる。業界裏話ヒント:完全な匿名を期待するより、請求日を受付番号で固定し、直後の人事措置の日付を記録する方が防御力は高い。時間的近接の記録が、後で理由を争うときの主戦場になる
条文は「解雇その他不利益な取扱い」と書いており、シフト削減や更新拒否も不利益な取扱いに含まれうる。会社は請求と無関係の理由を主張してくるため、時系列の証拠が要になる。73 条違反の解雇は強行規定違反として私法上も無効と解されるのが一般的だが、個別措置の効力判断は実務上、事案ごとに解釈が分かれる。業界裏話ヒント:解雇より、静かにシフトを絞る手口の方が圧倒的に多い。だから記録すべきは解雇通知ではなく、請求前後の勤務時間数の推移である
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