租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。
要点雇用保険法12条により、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことはできない。基本手当は所得税・住民税とも非課税で、確定申告への記載も不要である。
Q · 失業手当って、確定申告に書かなくていいんですか?
書く欄自体がありません。雇用保険法12条で非課税です
雇用保険法12条により、租税その他の公課は失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができません。基本手当、就業促進手当、教育訓練給付、雇用継続給付のいずれも所得税・住民税の対象外で、源泉徴収票も発行されず、確定申告書に記載する欄自体が存在しません。住民税額を基礎に決まる国民健康保険料や保育料が、給付の分だけ上がることもありません。ただし健康保険の被扶養者認定では基本手当日額が収入として扱われ、日額3,612円以上(60歳以上・障害者は5,000円以上)なら非課税のまま扶養から外れます。
ハローワークから振り込まれた基本手当を、確定申告書のどこに書けばいいのか。答えは、書く欄が存在しない。雇用保険法12条が、失業等給付として受け取った金銭を標準とする租税その他の公課を全面的に禁じているからだ。所得税も住民税もかからず、住民税額をもとに決まる国民健康保険料も、保育料も、高等学校等就学支援金の判定も、給付の分だけ上がることはない。ここまでを知っている人は少なくない。だが本当の分かれ目はその先にある。税の世界であなたの給付はゼロ円扱いなのに、健康保険の被扶養者認定では基本手当日額がそのまま収入として数えられ、日額3,612円以上なら非課税のまま扶養から外れる。同じ一本の振込が、窓口ごとに違う顔で現れる。その顔の違いを知らないまま受給を始めると、あとから医療費の返還請求が届く。
雇用保険法12条は公課の禁止を定める規定であり、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課することを禁止する。対象は同法10条が定める求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付であり、所得税法9条の非課税所得規定に対する個別法の特則として機能する。効力は税および公課の賦課に限定される。
失業等給付として支給された金銭を標準として、租税その他の公課を課すことを禁じる規定です。所得税・住民税だけでなく、住民税額を基礎に算定される公課全般に及びます。
かかりません。雇用保険法12条により失業等給付は住民税の課税所得に算入されないため、翌年の住民税が給付の分だけ増えることはありません。前年の給与分の住民税は別途課税されます。
上がりません。国民健康保険料は住民税の課税所得を基礎に算定され、失業等給付はそこに算入されないためです。倒産・解雇による離職なら、さらに保険料軽減の申請ができます。
影響しません。保育料も高等学校等就学支援金も市町村民税額で判定され、失業等給付は課税所得に載らないためです。給付を受け取ったせいで判定が不利になることはありません。
非課税です。雇用保険法10条が定める失業等給付であれば12条の非課税が及びます。高年齢求職者給付金、傷病手当、寄宿手当、技能習得手当なども同じ扱いになります。
非課税です。労働者災害補償保険法12条の6が雇用保険法12条と同旨の公課禁止を置いています。休業補償給付や障害補償給付にも税は課されません。
国民年金法25条も公課禁止を定めますが、老齢基礎年金・老齢厚生年金は所得税法上の雑所得として明文で課税対象とされています。目的が生活再建の一時的支援か、恒常的所得の代替かで扱いが分かれます。
適用されません。雇用保険法10条の4の返還命令・納付命令は、給付への課税ではなく不正受給への制裁的な負担であり、公課禁止とは別軌道です。給付の非課税とは無関係に支払義務が生じます。
書く欄がそもそも存在しない。雇用保険法12条により所得として扱われず、ハローワークから源泉徴収票も発行されない。業界裏話ヒント:退職した年は年末調整を受けていないため、所得税を払い過ぎたままの人が非常に多い。給付を書かないぶん所得は低く、自分で払った国民年金・国民健康保険料の社会保険料控除と医療費控除を積むと、還付が数万円になるのは珍しくない
税と社会保険で答えが割れる。税法上の配偶者控除は合計所得金額で判定し、給付は12条により所得に入らないので影響しない。だが健康保険の被扶養者認定は今後1年間の見込み収入で見るため、非課税の給付も収入として数え、基本手当日額3,612円以上(60歳以上・障害者は5,000円以上)で外れる。業界裏話ヒント:待期期間と給付制限期間は受給していないので扶養に入れる。受給開始で抜け、終了で戻る、この出入りを届け出るのが正しい運用で、黙って据え置くと遡及取消になる
受給権そのものは雇用保険法11条で譲渡・担保提供・差押えが禁止されている。問題は振り込まれた後で、預金債権に転じた後も禁止の効力が及ぶかは実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:給付振込専用の口座を作り、他の入金と混ぜないこと。差押えを受けても、その口座の原資が全額失業給付だと通帳で示せれば、差押禁止債権の範囲変更(民事執行法153条)を申し立てる余地が残る
いずれも雇用保険法10条が定める失業等給付なので、12条の非課税がそのまま及ぶ。就業促進手当、教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、介護休業給付も同じ扱いである。育児休業給付は令和2年(2020年)改正で失業等給付から独立した体系に移ったが、非課税は準用により維持されている。業界裏話ヒント:再就職後の賃金が離職前より下がった場合、就業促進定着手当という上乗せがあり、これも非課税。再就職を急ぐか迷ったとき、税引き後で比較する必要がないぶん判断は単純になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 守っている対象 | 雇用保険法12条:給付の金額そのもの(税・公課からの保護) | — |
| 誰に対して効くか | 国および地方公共団体の課税権に対して効く | — |
| 口座に振り込まれた後 | 非課税の効力はそのまま維持される | — |
| 他制度への波及 | 税と公課の窓口まで。健康保険の被扶養者認定や生活保護の収入認定には及ばない | — |
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