雇用保険法 第19条(基本手当の減額)
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- 受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数(以下この項において「基礎日数」という。)分の基本手当の支給については、次に定めるところによる。
- 一その収入の一日分に相当する額(収入の総額を基礎日数で除して得た額をいう。)から千二百八十二円(その額が次項の規定により変更されたときは、その変更された額。同項において「控除額」という。)を控除した額と基本手当の日額との合計額(次号において「合計額」という。)が賃金日額の百分の八十に相当する額を超えないとき 基本手当の日額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。
- 二合計額が賃金日額の百分の八十に相当する額を超えるとき(次号に該当する場合を除く。) 当該超える額(次号において「超過額」という。)を基本手当の日額から控除した残りの額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。
- 三超過額が基本手当の日額以上であるとき 基礎日数分の基本手当を支給しない。
- 2.厚生労働大臣は、年度の平均給与額が平成二十七年四月一日から始まる年度(この項の規定により控除額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年度の八月一日以後の控除額を変更しなければならない。
- 3.受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によつて収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。
この条文の基本情報
基本手当の減額とは何ですか?
定義基本手当の減額とは、雇用保険法第19条に定められた規定で、「受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数(以下この項において「基礎日数」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第19条(基本手当の減額)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第19条の条文原文は「受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数(以下この項において「基礎日数」という。」で始まります。
- 雇用保険法第19条は第一款 基本手当に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第19条の前の条は雇用保険法第18条です。
- 雇用保険法第19条の次の条は雇用保険法第20条です。
- 雇用保険法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法19条は、失業認定期間中に労働で収入を得た場合、収入の一日分から控除額を引いた額と基本手当日額の合計が賃金日額の80% を超えた分だけを減額すると定める。超えなければ満額が支給される。
Q · 失業保険をもらっている間にバイトしたら、その日の手当は没収されるんですか?
没収ではなく、80% の天井を超えた分だけの調整です
雇用保険法19条は、失業の認定に係る期間中に働いて収入を得ても、その日の基本手当を丸ごと没収する規定ではありません。収入の一日分から控除額千二百八十二円を引いた額に基本手当の日額を足し、その合計が賃金日額の80% を超えた分だけが削られます。超えなければ満額が支給されます。さらに、超過額が基本手当の日額以上で支給がゼロになった日は、所定給付日数が減らず後ろに繰り越されます。ただし同条3項の届出は必須で、怠れば不正受給となります。
解説
失業給付を受けながら1日だけ日雇いの仕事に入った日、手当が丸ごと消えると思い込んで申告をためらう人が毎年大量に出る。19条が定めているのは没収ではなく調整である。収入の1日分から千二百八十二円(毎年8月1日に改定されるため最新額は要確認)を引いた額に基本手当の日額を足し、その合計が賃金日額の80%という天井を超えた分だけを削る。超えなければ満額が出る。そして最も知られていないのが、削られて支給ゼロになった日の扱いだ。その日はあなたは基本手当を受け取っていないので、所定給付日数は1日も減らない。後ろに繰り越される。受給期間に余裕があるなら、働いて手当がゼロになる日は損失ではなく先送りである。3項の届出さえ正確に守れば、この条文はあなたを罰する装置ではなく、働きながら受給を伸ばす設計図として使える。
法的な位置づけ
雇用保険法19条は、基本手当の受給資格者が失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合の支給額調整を定める規定である。収入の一日分から控除額を減じた額と基本手当の日額との合計額が、賃金日額の百分の八十に相当する額を超える部分について減額し、超過額が基本手当の日額以上であるときは当該基礎日数分を支給しない。収入の届出義務は同条3項が定める。
手順
- 1.受給資格者証で賃金日額と基本手当日額を確認する 雇用保険受給資格者証に記載された賃金日額と基本手当の日額を確認する。賃金日額に0.8を掛けた金額が、19条1項の「天井」になる。この2つの数字を知らないまま働くと、減額されるかどうかを自分で判断できない
- 2.減額が始まる収入日額の分岐点を計算する 天井(賃金日額 × 80%)から基本手当の日額を引き、さらに控除額千二百八十二円を足す。この金額が、収入の一日分(収入総額 ÷ 基礎日数)の分岐点になる。分岐点を超えなければ、働いても基本手当は満額支給される
- 3.働いた日ごとに労働時間と収入を記録する 働いた日付、労働時間数、収入額、支払予定日をその日のうちにメモする。基礎日数の取り方(労働に要した日数か入金日数か)で結論が変わる場合があるため、日付と時間の一次記録が後の交渉材料になる。待期7日間だけは労働を入れない
- 4.失業認定申告書に労働日と収入を漏れなく記入する 認定日に提出する失業認定申告書へ、労働した日、労働時間数、収入額を記入する。無報酬の家業手伝いも労働した事実として記入する。19条3項の届出義務であり、記入漏れは減額では済まず不正受給の入口になる
- 5.窓口で減額後の金額を検算し、疑問はその場で開示させる 認定後に示された支給額を、自分の計算と突き合わせる。差異があれば、収入の総額と基礎日数の認定内容を窓口で確認する。処分そのものに不服がある場合は、雇用保険審査官への審査請求という正式ルートがある
- 6.申告漏れに気付いたら発覚前に自分から申し出る 記入漏れや金額の誤りに気付いたら、その日のうちにハローワークへ自主申告する。実務上、調査による発覚前の自主的な申出は返還のみで納付命令に至らない扱いを受けることがある(取扱いは事案により分かれる)。時系列の記録を残しておく
よくある質問 AI による整理
Q1失業保険をもらいながら1日何時間まで働けますか?
条文に時間の上限はありません。実務上は1日4時間以上を「就労」としてその日を不支給(日数は繰り越し)、4時間未満を19条の減額計算に乗せる運用が広く行われています。
Q2失業認定申告書の「働きましたか」の欄はどう書きますか?
労働した日をカレンダー欄に印を付け、労働時間数と収入額、支払予定日を記入します。無報酬の手伝いでも労働した事実は記入対象です。記入は19条3項の届出義務そのものです。
Q3アルバイトした日は所定給付日数が減りますか?
減額されてその日の支給がゼロになった場合、基本手当を受け取っていないため所定給付日数は消化されず、後ろに繰り越されます。ただし受給期間(原則1年)を超えた分は消滅します。
Q4待期期間中にアルバイトしても大丈夫ですか?
働いた日は失業していた日と扱われず待期7日が完成しないため、支給開始日そのものが後ろにずれます。同じバイトでも待期明けに動かすほうが手取り総額で有利になります。
Q5控除額の千二百八十二円はいつ改定されますか?
19条2項により、年度の平均給与額が基準年度を上回るか下回った場合、その比率を基準として翌年度の8月1日以後の控除額が変更されます。最新額は毎年8月に要確認です。
Q6単発の派遣や日雇いの仕事も申告が必要ですか?
必要です。19条の対象は「自己の労働によつて収入を得た場合」であり、雇用形態や期間の長短は問いません。1日限りの日雇いや単発派遣も申告対象です。
Q7失業手当を受けると年金は止まりますか?
60代前半の特別支給の老齢厚生年金は、求職の申込みをすると原則停止されます。基本手当を実際に受けた日が1日もない月は事後精算で戻るため、19条でゼロになった月が精算に効いてきます。
Q8雇う側は失業中の人を働かせても問題ないですか?
雇うこと自体は適法です。問題は「申告しなくていい」と言うことで、相手を不正受給者にしてしまう点です。就労の事実は資格取得届や支払記録から把握されうると理解しておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1失業保険をもらいながらバイトしてもいいんですか?
禁止されていない。19条は働くことを禁じず、収入に応じて基本手当を調整するだけである。ただし3項の届出は絶対で、失業認定申告書に労働した日と収入を記入する。実務のポイント:実務では1日の労働時間4時間以上を「就労」、4時間未満を「内職・手伝い」として扱い、前者はその日を不支給(日数は繰り越し)、後者を19条の減額計算に乗せる運用が広く行われている。この4時間という線は条文には一行も書かれていない行政運用である
Q2いくらまで稼いだら減らされるんですか?
一律の上限額は存在しない。収入の1日分から控除額千二百八十二円(毎年8月1日に改定、最新額は要確認)を引き、基本手当の日額を足した合計が賃金日額の80%を超えた分だけ減額される(19条1項)。実務のポイント:賃金日額が高かった人ほど80%の天井も高い位置にある。前職の給料が高い人ほど同じバイト代でも減額されにくいという逆転が起きる
Q3申告を忘れたまま認定を受けてしまいました。どうなりますか?
単なる減額では済まない。不正受給と認定されると支給済み全額の返還に加え、不正受給額の2倍以下の納付命令が出る(雇用保険法10条の4)。さらに以後の給付は全面停止される(同34条)。実務のポイント:調査で発覚する前に自ら申し出た場合、返還のみで納付命令に至らない取扱いを受けることがある(事案により分かれる)。気付いた日が分岐点になる
Q4メルカリの売上や株の配当も申告が必要ですか?
19条の対象は「自己の労働によつて収入を得た場合」である。株の配当、家賃収入、不用品の売却代金は労働の対価ではないため原則として減額対象外。一方、無報酬でも家業を手伝えば労働した日として申告対象になる。実務のポイント:判断基準は金銭の有無ではなく労働の有無である。ここを逆に理解している受給者が非常に多く、それが不正受給認定の典型パターンになっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「いくらまで稼いでいいのか」という問いの立て方そのものが誤っている。19条に収入の上限額は書かれていない。あるのは、収入日額から控除額を引いた額と基本手当日額の合計が賃金日額の80%を超えた分だけ削るという調整式だけである。固定の上限を探し続ける限り、答えは永遠に見つからない
- 届出義務があること自体は多くの人が知っている。知られていないのはその深刻度だ。3項の届出を怠ると、単にその日の分が減額されるのではなく、不正受給として支給済み全額の返還に加え不正受給額の2倍以下の納付命令(雇用保険法10条の4)、さらに以後の給付の全面停止(同34条)に至る。金額の話ではなく受給資格そのものを失う
- あなたから見れば「たった3時間、知り合いを手伝っただけ」だが、法から見れば「失業の認定に係る期間中の自己の労働」である。無報酬の家業手伝いですら申告対象の労働にあたる。この落差が、悪意のない受給者を不正受給認定に落とす最大の入口になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何が起きるか | 19条:収入に応じて基本手当を減額(超過額が日額以上ならその基礎日数分は不支給) | 10条の4:不正受給時の支給済み全額返還+不正受給額の2倍以下の納付命令 34条:不正受給を理由とする以後の給付の全面停止 |
| 発動の前提 | 失業認定期間中に自己の労働による収入があり、3項の届出をしている | 偽りその他不正の行為により給付を受けた(届出義務違反を含む) 同じく不正の行為が認定された |
| 所定給付日数への影響 | 支給ゼロの日は日数を消化せず後ろに繰り越される(受給期間内に限る) | 返還の問題であり、日数の繰り越しは論点にならない 以後の受給資格そのものを失う |
| 分岐点になる行動 | 正確に申告する(申告しても損しない構造) | 申告せずに認定を受ける 調査で発覚する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も「失業給付+工作収入の合計が平均月投保薪資の80% を超えた分を控除」という同型の天井方式を採る。ただし台湾は月収が基本工資を超えると請領不可という閾値方式を併用する点が日本と異なる
韓国も失業認定対象期間中の労働について申告義務を課し、具体的な調整方法は施行令に委任する構造。届出義務と給付調整を組み合わせる点で日本と近い
ドイツは月単位の非課税枠(Freibetrag)を超える副収入を失業手当から控除する方式。加えて週15時間未満という労働時間基準が法律に明記されており、日本の4時間基準が行政運用にとどまるのと対照的である
米国は連邦統一規定を持たず、州ごとに earnings disregard(一定額まで収入を無視する枠)を設定する。天井方式ではなく足切り方式が主流で、州による差が非常に大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認定対象期間に単発の引越し作業を2日入れたら、その月の手当はどうなる? 1日8時間なら実務上「就労」として扱われその2日は不支給、しかし所定給付日数からは差し引かれず後ろに残る。3時間なら19条の減額計算に乗り、天井を超えなければ満額のまま。同じ仕事でも時間の刻み方で結論が反転する
- 待期期間7日のうち3日、知人の店を手伝った。待期はその分だけ完成が遅れ、支給開始日そのものが後ろにずれる。この7日間だけは、収入ゼロで耐えるのが最も効率がいい
- 次の失業認定日まであと3日。先月納品したクラウドソーシングの報酬を申告書に書くべきか迷っている。書けば減額、書かなければ不正受給。3日で決断しなければならないが、正解は書く一択であり、しかも書いても損しない構造になっている
- 小さな会社を経営していて、失業中の知人に週2日だけ手伝ってもらった。あなたが善意で「申告しなくていいよ」と言った一言が、相手を不正受給者にする。雇用保険の資格取得届や支払記録から就労が把握されうることを、雇う側のあなたが知っておく必要がある
- 実家の飲食店が人手不足で、無報酬のまま週末だけ厨房に立った。1円も受け取っていないから申告不要だと考えるのは危険で、労働した事実そのものが失業認定申告書の記入対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の賃金日額と基本手当の日額を受給資格者証で確認し、賃金日額×80%の天井を計算する2. その天井から基本手当日額を引き、さらに控除額を足した金額が、減額が始まる収入日額の分岐点になる3. 減額計算に納得できない場合は、収入の総額と基礎日数の認定内容を窓口で開示させる。基礎日数の取り方(労働に要した日数か入金日数か)で結論が変わることがあり、実務上も取扱いに幅がある4. 処分に不服があれば雇用保険審査官への審査請求という正式ルートがある
訴えられた側:1. 不正受給を指摘されたら、まず故意か過失かの区別を主張する。届出書の記載漏れと事実の隠蔽は評価が違う2. 労働の事実、時間数、収入額の一次資料(契約書、振込記録、勤務表)を自分の側で揃え、認定額が過大でないか検証する3. 納付命令は不正受給額の2倍以下という上限があり、額そのものが裁量の対象になる4. 発覚前に気付いたなら、その日のうちに窓口へ自主申告する。時系列の記録を残しておくこと
時効(請求できる期限):失業の認定は原則4週間に1回で、指定された認定日に申告する。認定日を過ぎた申告は次回認定日に持ち越され、受給期間(原則として離職日の翌日から1年、雇用保険法20条)を超えた分は消滅する。失業等給付の支給を受ける権利および返還を受ける権利の時効は2年(同法74条)
学説
実務上の取扱い(行政運用):1日の労働時間4時間以上を「就労」として当日を不支給(所定給付日数は繰り越し)、4時間未満を「内職・手伝い」として19条の減額計算に乗せる運用が広く行われている。この4時間という線は条文にも施行規則にも明記がなく、行政運用に由来する取扱いである
通説的理解:19条は就労に対する制裁規定ではなく、賃金日額の80% を上限とする所得調整規定と解される。就労を阻害せずに二重取りのみを遮断する趣旨であり、支給ゼロの日について所定給付日数を温存する扱いもこの趣旨から説明される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:失業保険法を全面改正して雇用保険法が制定され、失業の認定に係る期間中に自己の労働による収入がある場合の基本手当調整規定として本条が置かれた
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