雇用保険法 第18条(基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更)
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- 厚生労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。以下同じ。)の平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。以下同じ。)が平成二十七年四月一日から始まる年度(この条の規定により自動変更対象額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の八月一日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。
- 2.前項の規定により変更された自動変更対象額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
- 3.前二項の規定に基づき算定された各年度の八月一日以後に適用される自動変更対象額のうち、最低賃金日額(当該年度の四月一日に効力を有する地域別最低賃金(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第九条第一項に規定する地域別最低賃金をいう。)の額を基礎として厚生労働省令で定める算定方法により算定した額をいう。)に達しないものは、当該年度の八月一日以後、当該最低賃金日額とする。
- 4.前三項の「自動変更対象額」とは、第十六条第一項(同条第二項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定による基本手当の日額の算定に当たつて、百分の八十を乗ずる賃金日額の範囲となる同条第一項に規定する二千四百六十円以上四千九百二十円未満の額及び百分の八十から百分の五十までの範囲の率を乗ずる賃金日額の範囲となる同項に規定する四千九百二十円以上一万二千九十円以下の額並びに前条第四項各号に掲げる額をいう。
この条文の基本情報
基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更とは何ですか?
定義基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更とは、雇用保険法第18条に定められた規定で、「厚生労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第18条(基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第18条の条文原文は「厚生労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。」で始まります。
- 雇用保険法第18条は第一款 基本手当に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第18条の前の条は雇用保険法第17条です。
- 雇用保険法第18条の次の条は雇用保険法第19条です。
- 雇用保険法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法18条は、平均給与額の変動比率に応じて厚生労働大臣が毎年8月1日以後の自動変更対象額を改定する義務を定める。下限は最低賃金日額を下回れない。
Q · 失業手当の日額って、毎年勝手に変わるんですか?
変わります。毎年8月1日に自動改定されます
雇用保険法18条により、毎月勤労統計の平均給与額が基準年度と比べて上昇または低下した場合、厚生労働大臣はその比率に応じて翌年度8月1日以後の自動変更対象額を変更しなければなりません。これは裁量ではなく義務です。動くのは賃金日額の区切り額と上限額・下限額で、すでに受給中の人にも8月1日以後の分から適用されます。さらに3項により、下限が最低賃金日額を割り込むことは禁じられています。
解説
失業手当の日額は、毎年8月1日に書き換えられている。決めるのは国会でも窓口の担当者でもなく厚生労働大臣で、根拠は毎月勤労統計の平均給与額だ。18条1項は、平均給与額が平成27年度(直近で変更があればその前年度)より上がるか下がるかした場合、その比率に応じて翌年度8月1日以後の額を変更しなければならないと命じている。裁量ではなく義務である。動くのは基本手当の日額そのものではなく、日額を出すときに使う賃金日額の区切り、すなわち自動変更対象額と、17条4項の上限額・下限額だ。だからあなたの賃金日額が上限に張り付いている場合、下限に該当する場合、給付率が80%から50%へ下がっていく中間帯にいる場合、8月1日を境に振込額が動く。すでに受給中でも動く。3項はさらに、下限が地域別最低賃金から算定した最低賃金日額を割り込むことを禁じた。最低賃金の引き上げが、失業中のあなたの底値を押し上げる回路がここにある。
法的な位置づけ
雇用保険法18条は自動変更対象額の改定を定める規定であり、年度の平均給与額が基準年度の平均給与額を超えまたは下回った場合、厚生労働大臣がその変動比率に応じて翌年度8月1日以後に適用される賃金日額の区切り額および上限額・下限額を変更する義務を負う旨を規定する。変更後の額が最低賃金日額に達しない場合は最低賃金日額とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支給決定通知書から二つの数字を控える 「賃金日額」と「基本手当日額」を控える。この二つが分からないと、改定の影響を受ける帯にいるかどうか判定できない
- 2.7月下旬の厚生労働省公表資料と突き合わせる 毎年7月下旬に公表される改定後の上限額・下限額・自動変更対象額の一覧を確認し、自分の賃金日額が上限帯・下限帯・逓減帯のどこに位置するかを特定する
- 3.8月以降の振込額を自分で検算する 賃金日額に該当帯の給付率を掛け、上限額・下限額の頭打ち・底上げを適用して基本手当日額を算出。8月分の振込額と一致するか確認する
- 4.説明のつかない差異はハローワークに算定根拠を求める 18条の自動変更で説明がつかない差額なら、口頭ではなく算定根拠の書面提示を求める。やり取りの日付を記録しておく
- 5.納得できなければ3か月以内に審査請求 処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求する(雇用保険法69条)。窓口で口頭で聞き返しても期間は止まらない
よくある質問 AI による整理
Q1自動変更対象額とは何ですか?
基本手当の日額を算定するときに使う賃金日額の区切り額です。80%を乗じる帯、80%から50%へ逓減する帯の境目と、17条4項の上限額・下限額を指します(18条4項)。
Q2失業手当の改定はいつからですか?
毎年8月1日以後の分から適用されます。厚生労働省は通常7月下旬に改定後の基本手当日額を公表するため、その時点で自分の額を検算できます。
Q3受給中でも失業手当の額は変わりますか?
変わり得ます。受給資格決定時の額が最後まで固定されるわけではなく、上限帯・下限帯・逓減帯に該当する人は8月1日以後の分が新しい区切り額で計算し直されます。
Q4失業手当が下がることもありますか?
あります。18条1項は平均給与額が「下るに至つた場合」も比率に応じた変更を義務づけており、賃金水準が下がれば給付も下がる対称的な仕組みです。
Q5最低賃金と失業手当の関係は?
18条3項により、自動変更後の額が最低賃金日額に達しない場合はその最低賃金日額まで引き上げられます。基礎になるのは当該年度4月1日に効力を有する地域別最低賃金です。
Q6条文の2,460円という数字は今も使えますか?
そのままでは使えません。16条・17条の額は法定の基準値で、18条により毎年上書きされた後の額が実務で適用されます。条文の数字で計算すると答えは外れます。
Q7毎月勤労統計とは何ですか?
厚生労働省が作成する賃金・労働時間の基幹統計です。18条1項の平均給与額は、この統計の平均定期給与額を基礎に厚生労働省令の方法で算定されます。
Q8端数はどう処理されますか?
18条2項により、5円未満は切り捨て、5円以上10円未満は10円に切り上げます。つまり改定後の額は10円単位に丸められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q18月から失業手当の振込額が変わったんですが、これって間違いですか?
多くは18条1項の自動変更によるものである。毎年8月1日に賃金日額の上限額・下限額と給付率の区切り額が改定され、すでに受給中の人にも8月1日以後の分から適用される。実務のポイント:支給決定通知書の日額欄と、厚生労働省が7月下旬に出す改定額の一覧を並べれば自分で検算できる。窓口は改定があった事実を積極的に説明してくれるとは限らない。
Q2最低賃金が上がったら、失業手当も上がるんですか?
下限帯にいる人は上がる。18条3項が、自動変更後の額のうち最低賃金日額に達しないものは最低賃金日額とすると定めているためである。実務のポイント:都道府県ごとの地域別最低賃金の額がそのまま自分の下限になるわけではなく、厚生労働省令の算定方法を通した額が使われる。自分の県の最低賃金を単純に掛け算しても答えは合わない(算定方法の詳細は最新の厚生労働省令をご確認ください)。
間違えやすい点 AI による整理
- 「失業手当の金額は法律で決まっているのだから変わらない」という前提そのものがずれている。条文に書かれた2,460円・4,920円・12,090円は法定の基準値であって、窓口で実際に使われる額ではない。18条によって毎年上書きされた後の額が適用される。条文の数字をそのまま拾って計算すると、答えは必ず外れる
- 毎年8月に改定があること自体は知っている人でも、すでに受給中の自分にも及ぶところまでは知らない場合が多い。受給資格決定時に確定した日額が最後まで固定されるわけではなく、上限額・下限額・給付率の逓減帯に該当する人は、8月1日以後の分が新しい額で計算し直される
- あなたから見れば毎月勤労統計は経済ニュースの一行だが、制度から見れば自分の給付額を算出する唯一の入力値である。2019年に問題化した毎月勤労統計の不適切調査では、この落差が現実になった。統計の誤りが、そのまま個人の口座残高の誤りとして着地する構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 18条:区切り額・上限額・下限額を毎年改定する | 16条:改定後の区切り額を使って日額を計算する 17条:賃金日額の算定と上限額・下限額の定め |
| 動かす主体 | 厚生労働大臣(義務、裁量なし) | 行政庁の計算適用(自動) 離職前6か月の賃金から算定 |
| 入力データ | 毎月勤労統計の平均給与額+地域別最低賃金 | 賃金日額と年齢区分 被保険者期間中の賃金支払実績 |
| 変動タイミング | 毎年8月1日以後 | 18条の改定に連動 受給資格決定時に確定、上下限は18条で動く |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は失業給付を平均月投保薪資の60%とし、額の変動は投保薪資分級表の改定(基本工資連動)を通じて生じる。日本のような統計連動の自動改定条文は置かず、行政の分級表改定で処理する点が異なる
韓国も구직급여일액に上限額・下限額を設け、下限額を最低賃金に連動させる。最低賃金による下支えという設計思想は日本18条3項と同型
ドイツは Arbeitslosengeld を Bemessungsentgelt から算定し、算定基礎の上限は社会保険の Beitragsbemessungsgrenze の年次改定に連動する。連動先が最低賃金ではなく保険料算定上限である点が日本と異なる
米国は州法ごとに weekly benefit amount の上限を定め、多くの州が州平均週賃金に連動させて毎年改定する。連邦統一の自動改定条文はなく、州により連動指標も改定時期も分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 7月中に受給資格の決定を受けて基本手当をもらい始めたのに、8月1日から振込額が変わったとしたら、それは計算ミスなのか? 違う。18条の自動変更が働いただけである。次の失業認定日まであと数日という段階でも、支給決定通知書の基本手当日額欄と、厚生労働省が7月下旬に公表する改定後の額を突き合わせれば、自分で検算できる。窓口に問い合わせる前に、まず手元の紙とニュースリリースで足りる
- あなたが総務担当で、退職予定者から「失業手当はいくらもらえますか」と聞かれた場面。離職前6か月の賃金を180で割った賃金日額に給付率を掛ければ概算は出る。だがその給付率の区切り額は8月1日に動く。3月退職と9月退職では、同じ給与額でも案内すべき数字が違ってくる
- 地域別最低賃金が大幅に引き上げられた年、パートや短時間勤務で賃金日額が低い層の基本手当は、平均給与額の変動とは別に3項の底上げで動く。最低賃金の改定は秋に発効し、それが翌年度8月1日以後の下限に反映される。自分の失業手当の底値が、前年の秋の審議会の答申で事実上決まっていたことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支給決定通知書の「賃金日額」と「基本手当日額」の二つの数字を必ず控える。2. 厚生労働省が毎年7月下旬に公表する改定後の上限額・下限額・自動変更対象額の一覧と突き合わせ、自分が上限帯・下限帯・逓減帯のどこにいるか確認する。3. 8月以降に額が変わったら、まず18条の自動変更で説明がつくか検算する。4. 説明がつかない差異なら、ハローワークに算定根拠の書面提示を求め、それでも納得できなければ雇用保険審査官への審査請求(雇用保険法69条)を検討する。
訴えられた側:過大に支給されていたと通知された側の対応。1. まず単純な算定誤りか、不正受給の認定かを文書で確認する。両者は結果が全く違う。2. 算定誤りなら返還のみが問題となり、分割納付の相談余地がある。3. 偽りその他不正の行為と認定されると、返還に加えて最大2倍額の納付命令(雇用保険法10条の4)が重なりうるため、申告内容のどこが不正とされたのかを具体的に特定させる。4. 認定に不服なら3か月の審査請求期間内に動く。
時効(請求できる期限):改定額の適用開始は毎年8月1日(本条1項)。基本手当の受給期間は原則として離職の日の翌日から1年(雇用保険法20条)。失業等給付の支給を受ける権利は2年で時効消滅する(同法74条)。処分に不服がある場合の雇用保険審査官への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(同法69条、最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説(社会保険法学):本条は給付水準を賃金水準の変動に追随させるスライド規定であり、毎年の立法を要せず制度の実質的価値を維持する技術と位置づけられる。3項の最低賃金日額による下支えは、自動性が生活最低線を割り込むことを防ぐ実体的歯止めと解される
改正沿革 AI による整理
- 基準年度の更新 自動変更の比較基準となる年度は改正のたびに更新されてきており、現行条文は平成27年(2015年)4月1日から始まる年度を基準としている。改正回数と各改正年の特定には人的検証が必要
- 最低賃金日額による下支えの導入 3項の、自動変更後の額が最低賃金日額を下回る場合に最低賃金日額まで引き上げる仕組みは、制定当初からではなく後年の改正で追加されたものと解されるが、施行年の特定には人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法の制定に伴い、失業給付日額のスライド規定として設けられた。基準年度・算定方法の具体は制定後の改正で更新されており、各改正年の特定には人的検証が必要
- 2.平成27年(2015年)以降 改正:現行1項は平成27年4月1日から始まる年度を比較の基準年度とする。自動変更が行われた場合は直近変更年度の前年度が基準となる連鎖方式。改正回数の特定には人的検証が必要
- 3.施行年要検証 改正:3項の最低賃金日額による下支えは制定当初からではなく後年の改正で追加されたものと解されるが、施行年の特定には人的検証が必要
- 雇用保険法 第16条基本手当の日額と給付率、自動変更対象額の適用先
- 雇用保険法 第17条賃金日額の算定と上限額・下限額の定め
- 雇用保険法 第20条受給期間、改定日をまたぐ受給の枠組み
- 雇用保険法 第69条給付に関する処分への審査請求
- 雇用保険法 第74条給付を受ける権利の2年時効
- 最低賃金法 第9条地域別最低賃金、3項の最低賃金日額の基礎
- 統計法 第2条毎月勤労統計の基幹統計としての位置付け
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