雇用保険法 第69条(不服申立て)
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- 第九条の規定による確認、失業等給付及び育児休業等給付(以下「失業等給付等」という。)に関する処分又は第十条の四第一項若しくは第二項の規定(これらの規定を第六十一条の六第五項において準用する場合を含む。)による処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
- 2.前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
- 3.第一項の審査請求及び再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。
- 4.第一項の審査請求及び再審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二章(第二十二条を除く。)及び第四章の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
不服申立てとは何ですか?
定義不服申立てとは、雇用保険法第69条に定められた規定で、「第九条の規定による確認、失業等給付及び育児休業等給付(以下「失業等給付等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第69条(不服申立て)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第69条の条文原文は「第九条の規定による確認、失業等給付及び育児休業等給付(以下「失業等給付等」という。」で始まります。
- 雇用保険法第69条は第六章 不服申立て及び訴訟に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第69条の前の条は雇用保険法第68条の2です。
- 雇用保険法第69条の次の条は雇用保険法第70条です。
- 雇用保険法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法69条は、失業等給付等の処分に不服がある者は雇用保険審査官へ審査請求し、決定に不服なら労働保険審査会へ再審査請求できると定める。3か月決定がなければ棄却とみなせる。
Q · ハローワークの決定に納得できないとき、どこに文句を言えばいいの?
3か月以内なら無料で雇用保険審査官に審査請求できる
雇用保険法69条により、第9条の確認、失業等給付等に関する処分、第10条の4の返還命令・納付命令に不服がある者は、都道府県労働局に置かれた雇用保険審査官へ審査請求できます。費用は無料で、書面一通で足ります。その決定にも不服なら労働保険審査会へ再審査請求ができます。期限は処分があったことを知った日の翌日から3か月(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条1項)。3か月経っても決定がないときは棄却とみなして次へ進めます(本条2項)。審査請求中は2年の時効が完成猶予・更新されます(本条3項)。
解説
ハローワークの窓口で「これは自己都合退職ですね」と告げられた、その一言は雑談ではない。第9条の確認や失業等給付の支給決定は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、第69条はそれに真正面から異議を申し立てる回路を用意している。相手は窓口の職員ではなく、都道府県労働局に置かれた雇用保険審査官である。費用はかからない。さらに知っておくべきは、この回路が階層構造だという点だ。審査官の決定に不服なら労働保険審査会へ再審査請求、取消訴訟は審査官の決定を経れば提起できる(第70条)。しかも第2項により、審査請求から3か月経っても決定が出なければ、棄却されたものとみなして自分で次の階へ進める権限があなたの側にある。待たされ続ける立場ではない。そして第3項、審査請求をした日から、2年で消える給付の時効(第74条)は止まる。窓口で引き下がった人と、通知書の教示欄を読んだ人は、半年後に違う場所に立っている
法的な位置づけ
雇用保険法69条は、雇用保険の給付関係処分に対する不服申立て手続を定める規定である。第9条の確認、失業等給付等に関する処分、第10条の4による返還命令・納付命令を対象とし、雇用保険審査官への審査請求と労働保険審査会への再審査請求という二段階の争訟ルートを置く。行政不服審査法第2章および第4章は適用されず、労働保険審査官及び労働保険審査会法が手続を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分通知書の日付と教示欄を確認する 封を開けたら金額より先に、処分の年月日と末尾の教示欄(不服申立ての方法・提出先・期限)を読む。処分があったことを知った日の翌日から3か月が審査請求の期限になる
- 2.争点を特定して証拠を時系列に束ねる 離職理由が争点なら退職を迫られた経緯のメール・LINE・録音・シフト表・同僚の陳述、不正受給が争点なら申告書控え・収入の実態・窓口での案内内容を、日付順の一覧表にまとめる
- 3.雇用保険審査官宛に審査請求書を提出する 処分をしたハローワークを管轄する都道府県労働局の雇用保険審査官に、審査請求書を提出する。費用は無料。請求の趣旨(処分の取消し)と理由、証拠一覧を添付する
- 4.口頭意見陳述の機会を請求する 書面に収まらない経緯は、口頭で意見を述べる機会を請求して直接説明する。審査官が事業主へ照会をかけるなど調査に動いているかを、担当審査官に電話で確認しておく
- 5.3か月経過時にみなし棄却を使うか判断する 審査請求をした日の翌日から3か月を過ぎても決定がないときは、本条2項により棄却されたものとみなして、労働保険審査会への再審査請求または取消訴訟へ進める。使うかどうかは請求人の選択
- 6.決定後の進路を選ぶ 審査官の決定に不服なら、決定書謄本の送付日の翌日から2か月以内に労働保険審査会へ再審査請求。取消訴訟は審査官の決定を経れば提起でき(70条)、出訴期間は決定を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険の審査請求とは?
ハローワークが下した失業等給付等の処分に対し、都道府県労働局の雇用保険審査官へ再判断を求める手続です。雇用保険法69条1項が根拠で、費用は無料、書面一通で申し立てられます。
Q2雇用保険の審査請求はいつまでにする?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条1項)。正当な理由があれば例外もありますが、原則この期限を過ぎると争えなくなります。
Q3離職理由が自己都合にされた、争える?
争えます。離職理由の判定は失業等給付に関する処分の一部であり、雇用保険法69条の審査請求の対象です。退職を迫られた経緯を示すメール・LINE・録音・シフト表を時系列で整理して提出します。
Q4不正受給の納付命令は争える?
争えます。第10条の4第1項・第2項による返還命令と納付命令は、本条1項が明文で審査請求の対象としています。故意の有無も金額の妥当性も審査官の前で主張できます。
Q5再審査請求はどこにする?
労働保険審査会です(本条1項)。雇用保険審査官の決定書謄本が送付された日の翌日から2か月以内に申し立てます(労働保険審査官及び労働保険審査会法38条1項)。
Q6審査請求書はどこに提出する?
雇用保険審査官は各都道府県労働局に置かれています。処分をしたハローワークを管轄する労働局の雇用保険審査官宛に提出します。処分通知書の末尾にある教示欄に提出先が記載されています。
Q7育児休業給付の不支給決定も審査請求できる?
できます。本条1項は「失業等給付及び育児休業等給付」を対象としています。被保険者期間の数え方など解釈に幅がある論点は、窓口の計算式をそのまま受け入れる必要はありません。
Q8審査請求すると時効は止まる?
止まります。本条3項により、審査請求および再審査請求は時効の完成猶予・更新に関して裁判上の請求とみなされます。給付を受ける権利の2年の時効(74条)が迫る場面で効きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審査請求って、弁護士に頼まないと無理ですか?
不要である。審査請求は書面一通で足り、費用も無料。雇用保険審査官は各都道府県労働局に置かれ、口頭で意見を述べる機会も請求できる。実務のポイント:争点の大半は離職理由や勤務実態の事実認定であって法律論ではない。条文を引用するより、退職を迫られた経緯を示すメール・LINE・録音を時系列で並べた表を一枚作る方が、決定を動かす力は強い
Q23か月も返事が来なかったら、ずっと待つしかないんですか?
待つ必要はない。第2項により、審査請求をした日の翌日から3か月を経過しても決定がないときは、棄却されたものとみなして労働保険審査会への再審査請求や取消訴訟へ進める。実務のポイント:これは使える権利であって義務ではない。審査官が事業主への照会など調査に動いている手応えがあるなら、待った方が有利なこともある。担当審査官に進捗を電話で確認してから判断する
Q3時間がないので、審査請求は飛ばしていきなり裁判できませんか?
できない。第70条により、確認や失業等給付等に関する処分の取消訴訟は、雇用保険審査官の決定を経た後でなければ提起できない(審査請求前置)。3か月の期限を逃せば裁判所の入口も閉じる。実務のポイント:ただし再審査請求まで終える必要はない。審査官の決定さえあれば訴訟へ行ける。第2項のみなし棄却を使えば、審査官が動かなくても3か月で訴訟の入口に立てる
間違えやすい点 AI による整理
- 「もう一度ハローワークに行って話し合えばいい」という発想そのものが、土俵を間違えている。窓口での再交渉には法的な期限効果が一切なく、担当者が親身に聞いてくれている間に3か月が流れる。争うべき相手は処分を出した窓口ではなく、別に置かれた雇用保険審査官である
- 不服申立てができること自体は知っていても、その先の深刻度が知られていない。第70条により、確認や失業等給付等に関する処分の取消訴訟は、審査官の決定を経なければ提起できない(審査請求前置)。つまり3か月の期限を逃した瞬間、行政の扉と裁判所の扉が同時に閉まる
- 「3か月も待たされたら意味がない」と考えがちだが、法律はその待ち時間を請求人の武器に変えている。第2項は、3か月経てば決定が出ていなくても棄却とみなして次へ進める選択権を与えた。あなたが処分庁に待たされているのではなく、あなたが引き金を握っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 第69条:雇用保険審査官への審査請求・労働保険審査会への再審査請求(行政内部の争訟) | 第70条:取消訴訟の提起要件(審査請求前置) 第74条:給付を受ける権利そのものの消滅時効 |
| 期限 | 処分を知った日の翌日から3か月(審査請求)/決定書謄本送付日の翌日から2か月(再審査請求) | 審査官の決定を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条) 2年(本条3項により審査請求中は完成猶予・更新) |
| 費用と負担 | 無料。書面一通で足り、口頭意見陳述も請求できる | 訴訟費用・弁護士費用が発生する 費用ではなく期間管理の問題 |
| 怠ったときの帰結 | 3か月を逃すと処分が確定し、行政の扉が閉まる | 審査官の決定を経ないと訴訟が却下される(裁判所の扉が閉まる) 2年経過で権利自体が消滅し、争っても給付は受けられない |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も給付処分への不服は専門の爭議審議手続を経る設計で、その後に訴願・行政訴訟へ進む。行政内部の一次審査を経させる構造は日本の審査請求前置と近い
韓国も고용보험심사관への심사청구と고용보험심사위원회への재심사청구という二段階構造をとり、日本の審査官・審査会の二層とほぼ同型
中国は失業保険を含む社会保険争議について行政復議と行政訴訟の一般ルートで処理し、雇用保険専門の審査官制度は置かない
ドイツは Widerspruchsverfahren(異議手続)を経たうえで社会裁判所(Sozialgericht)へ提訴する。専門裁判所が独立して審理する点で、日本より第三者性が強い
フランスは France Travail への recours administratif を経て行政裁判所へ進む。専門の審査機関ではなく一般行政不服・行政訴訟の枠組みで処理される
米国は連邦法が州失業保険給付の拒否に対する fair hearing の機会保障を州の要件とし、実際の審理は州ごとの Unemployment Insurance Appeals Board が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- パワハラで辞めたのに離職票が「一身上の都合」だったら、どうなる? ハローワークも自己都合と判定し、給付制限の間は一円も入らない。通知を知った日の翌日から3か月、それがあなたに残された時間である。上司とのLINE、産業医の記録、同僚の証言を時系列で束ねて審査請求を出せば、特定受給資格者としての判定を争える土俵に立てる
- 週末だけ手伝った実家の店の分を、申告し忘れていた。ハローワークから返還命令と、その2倍の納付命令が届く(第10条の4)。「偽りその他不正の行為」にあたるか、故意なのか単なる失念なのか、この時点ではまだ役所の一方的な判断にすぎない。金額の妥当性も含めて、争う場所は督促窓口ではなく雇用保険審査官である
- 育児休業給付の支給申請が「被保険者期間が足りない」として却下された。産休と育休をまたぐ期間の数え方には、実務上、解釈の幅がある。窓口が示した計算式を、そのまま受け入れる義務はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の日付と末尾の教示欄を確認、知った日の翌日から3か月が期限(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条第1項)2. 離職理由が争点なら、退職を迫られた経緯のメール・LINE・録音・シフト表・同僚の陳述を時系列の一覧にまとめる3. 都道府県労働局の雇用保険審査官宛に審査請求書を提出、費用は無料4. 口頭で意見を述べる機会を請求し、書面に収まらない経緯を直接説明する
訴えられた側:1. 返還命令と納付命令は別個の処分、2倍分の納付命令だけを争う選択もある(第10条の4)2.「偽りその他不正の行為」の認定は不正の意思を前提とする、申告漏れが過失にとどまることを示す資料(申告書控え、収入の実態、窓口での案内内容)を集める3. 納付しても審査請求は妨げられないが、争うなら先に審査請求を出し、督促・徴収の進行と期限を切り分けて管理する4. 3か月を過ぎると訴訟の道も閉じる(第70条)
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条第1項、正当な理由があれば例外)。再審査請求は審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内(同法第38条第1項)。審査請求から3か月で決定がなければ、みなし棄却として次へ進める(本条第2項)。取消訴訟は決定を知った日から6か月(行政事件訴訟法第14条)。給付を受ける権利自体の時効は2年(雇用保険法第74条)だが、審査請求中は完成猶予・更新される(本条第3項)
学説
通説:本条4項が行政不服審査法第2章・第4章を包括的に排除したのは、大量の給付処分を専門知識を持つ審査官が迅速・無償に処理する必要があるためと解される。その代償として審理員制度や行政不服審査会への諮問は働かず、第2項のみなし棄却と第3項の時効効果が請求人側の担保として機能する。
手続保障重視説:専門ルートの独立性は労働保険審査会の委員が両議院の同意を得て任命される点で一応担保されるものの、審査の枠組みが厚生労働行政の内側にとどまることへの懸念を指摘し、みなし棄却と審査請求前置の運用は請求人に不利にならないよう解すべきとする立場。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)行政不服審査法の全面改正に伴う整備(平成28年4月1日施行) 異議申立て制度の廃止と新行審法の章構成に合わせ、第4項の適用除外が「第二章(第二十二条を除く。)及び第四章」を指す形に改められた。誤った教示の救済規定のみが適用対象として残された
- 平成29年(2017年)民法(債権関係)改正に伴う整備(令和2年4月1日施行) 第3項の「時効の中断」が「時効の完成猶予及び更新」に改正。民法の時効概念の再編に対応した文言修正で、審査請求に裁判上の請求と同じ時効効果を与える趣旨自体は維持された
- 令和6年(2024年)改正(令和7年4月1日施行) 出生後休業支援給付・育児時短就業給付の新設に伴い、育児休業給付が「育児休業等給付」に改称され、第1項の不服申立ての対象範囲が整理された
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:行政不服審査法の全面改正に伴う整備(平成28年4月1日施行)。異議申立て制度の廃止と新行審法の章構成に合わせ、第4項の適用除外が「第二章(第二十二条を除く。)及び第四章」を指す形に改められ、誤った教示の救済規定のみが適用対象として残された
- 2.平成29年(2017年) 改正:民法(債権関係)改正に伴う整備(令和2年4月1日施行)。第3項の「時効の中断」が「時効の完成猶予及び更新」に改正された。審査請求に裁判上の請求と同じ時効効果を与える趣旨自体は維持されている
- 3.令和6年(2024年) 改正:出生後休業支援給付・育児時短就業給付の新設(令和7年4月1日施行)に伴い、育児休業給付が「育児休業等給付」に改称され、第1項の不服申立ての対象範囲が整理された
- 雇用保険法 第9条被保険者資格の確認、審査請求の対象処分
- 雇用保険法 第10条の4不正受給の返還命令・納付命令、審査対象処分
- 雇用保険法 第70条審査請求前置、取消訴訟の提起要件
- 雇用保険法 第74条2年の消滅時効、本条3項の完成猶予対象
- 雇用保険法 第61条の6育児休業等給付の通則、5項で10条の4を準用
- 労働保険審査官及び労働保険審査会法 第8条審査請求期間3か月と手続の詳細を規律
- 行政不服審査法 第22条誤った教示の救済、本条4項でも適用が維持
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間6か月
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