雇用保険法 第27条(全国延長給付)
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- 厚生労働大臣は、失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当するに至つた場合において、受給資格者の就職状況からみて必要があると認めるときは、その指定する期間内に限り、第三項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて受給資格者に基本手当を支給する措置を決定することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、政令で定める日数を限度とするものとする。
- 2.厚生労働大臣は、前項の措置を決定した後において、政令で定める基準に照らして必要があると認めるときは、同項の規定により指定した期間(その期間がこの項の規定により延長されたときは、その延長された期間)を延長することができる。
- 3.第一項の措置に基づく基本手当の支給(以下「全国延長給付」という。)を受ける受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に第一項後段に規定する政令で定める日数を加えた期間とする。
この条文の基本情報
全国延長給付とは何ですか?
定義全国延長給付とは、雇用保険法第27条に定められた規定で、「厚生労働大臣は、失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当するに至つた場合において、受給資格者の就職状況からみて必要があると認めるときは、その指定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第27条(全国延長給付)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第27条の条文原文は「厚生労働大臣は、失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当するに至つた場合において、受給資格者の就職状況からみて必要があると認めるときは、その指定…」で始まります。
- 雇用保険法第27条は第一款 基本手当に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第27条の前の条は雇用保険法第26条です。
- 雇用保険法第27条の次の条は雇用保険法第28条です。
- 雇用保険法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法27条は、失業が全国的に著しく悪化し政令基準に該当したとき、厚生労働大臣が指定期間内に限り所定給付日数を超えて基本手当を支給できると定める。
Q · 失業手当の給付日数って、上限を超えて延びることがあるんですか?
個人の申請ではなく、国の措置で延びることがあります
雇用保険法27条の全国延長給付は、失業の状況が全国的に著しく悪化し政令で定める基準に該当した場合に、厚生労働大臣が指定する期間内に限り、所定給付日数を超えて基本手当を支給する措置です。個人がハローワークに申請して発動するものではなく、発動すれば対象者に行政側から案内されます。さらに3項により、受給期間(原則1年、20条)も政令で定める日数を加えた期間となるため、給付日数と受給期限が同時に伸びる設計になっています。
解説
失業手当には「所定給付日数」という上限がある。90日、120日、330日、人によって違うが、そこで打ち切りだと誰もが思っている。だが雇用保険法27条は、その上限を国家の判断で外すスイッチを用意している。全国延長給付である。リーマン・ショックやコロナ禍のように失業が全国規模で悪化し、政令の基準に該当したとき、厚生労働大臣は期間を指定して、所定給付日数を超えて基本手当を支給する措置を決定できる。ここであなたが理解しておくべきなのは、この決定が個々の受給者の申請で動くものではないという点だ。あなたがハローワークで「延長してください」と頼んでも動かない。動くのは統計と政令基準である。しかし決定が下りれば、受給期間そのもの(原則1年)も政令で定める延長日数分だけ自動的に伸びる(3項)。つまり、あなたが今もらっている手当の終わりの日は、あなたの努力ではなく、国全体の失業率という外部変数に握られている。
法的な位置づけ
雇用保険法27条は全国延長給付を定める規定であり、失業の状況が全国的に著しく悪化して政令で定める基準に該当した場合に、厚生労働大臣が指定期間内に限り所定給付日数を超える基本手当の支給を決定できる制度を規律する。支給日数は政令で定める日数を限度とし、受給期間も同日数を加えた期間となる。
手順
- 1.残り給付日数と受給期間満了日を同時に確認する 雇用保険受給資格者証で、所定給付日数の残数と受給期間満了日(原則は離職日の翌日から1年)を両方確認する。残日数が30日を切る時点を、行動を起こす基準日として手帳に書き込む
- 2.認定日に延長給付4系統の適用可否を一度に聞く ハローワークの失業認定の場で、全国延長給付(27条)・広域延長給付(25条)・訓練延長給付(24条)・個別延長給付の4つについて、現在の措置状況と自分の該当可否をまとめて質問する。窓口は聞かれなければ制度全体を並べて説明しない運用が一般的である
- 3.厚生労働省の措置決定と指定期間を自分の受給期間と突き合わせる 厚生労働省の報道発表と政令改正を検索し、全国延長給付の措置決定の有無、指定する期間、政令で定める限度日数を確認する。措置は指定期間内に限って効力を持つため、自分の受給期間がその期間と重なるかを日付単位で照合する
- 4.発動していない場合は訓練延長給付への切替えを検討する 全国延長給付が発動していない場合、公共職業訓練の受講申込みにより訓練延長給付(24条)へ切り替える道を検討する。受講開始日と残日数の関係で可否が決まるため、残日数に余裕がある段階で職業相談を申し込む
- 5.並行して受給資格外のセーフティネットを申請する 延長がいずれも使えない見込みなら、求職者支援制度の職業訓練受講給付金、自治体の生活困窮者自立支援、住居確保給付金を並行して申請する。申請から入金までに時間差があるため、給付が切れてから動くと生活資金が途切れる
よくある質問 AI による整理
Q1全国延長給付とは何ですか?
雇用保険法27条に基づき、失業が全国的に著しく悪化したときに、厚生労働大臣の決定で所定給付日数を超えて基本手当を支給する制度です。個人の申請ではなく国の措置で発動します。
Q2全国延長給付の発動基準はどこで決まりますか?
27条1項が「政令で定める基準」に委任しており、具体的な失業指標と限度日数は雇用保険法施行令が定めます。条文本体を読むだけでは発動水準は分かりません。
Q3全国延長給付は何日分まで延長されますか?
27条1項後段により、所定給付日数を超えて支給する日数は政令で定める日数が限度です。無制限ではなく、発動時の政令で上限日数が示されます。
Q4延長給付が発動しているかはどこで確認できますか?
厚生労働省の報道発表と政令改正、そして管轄ハローワークの窓口で確認します。認定日に「現在、延長給付の措置は出ていますか」と自分から尋ねるのが確実です。
Q5全国延長給付と個別延長給付は何が違いますか?
全国延長給付は27条に基づき全国的な失業悪化を要件として一律に発動します。個別延長給付は附則等の暫定措置で、個々の受給者の就職困難性に着目する点が異なります。
Q6給付日数が残り30日を切ったら何をすべきですか?
認定日に全国延長給付・広域延長給付・訓練延長給付・個別延長給付の適用可否をまとめて確認し、公共職業訓練の受講開始時期も相談します。判断が遅れるほど選択肢が減ります。
Q7延長給付中も失業の認定日に行く必要がありますか?
必要です。延長給付も基本手当の支給である以上、原則4週間に1回の失業の認定を受けます。認定日を欠席すると、その期間分は支給されません。
Q8全国延長給付に年齢や離職理由の条件はありますか?
27条は受給資格者の就職状況を要件としており、条文上は年齢や離職理由で対象を限定していません。ただし発動時の政令や運用によって対象範囲が具体化されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1全国延長給付って、自分で申し込むんですか?
申し込む制度ではない。27条1項は厚生労働大臣が政令の基準に該当したときに措置を決定する仕組みで、発動すれば指定期間内の受給資格者に適用される。実務のポイント:ハローワークの窓口は、聞かれなければ延長給付の全種類を並べて説明しない運用が多い。認定日に自分から『延長給付の対象になりますか』と口に出すかどうかで、得られる情報量が変わる。
Q2延長で日数が増えても、1年の期限で切られませんか?
27条3項がその点を手当てしている。全国延長給付を受ける受給資格者の受給期間は、20条1項・2項の原則にかかわらず、1項後段の政令で定める日数を加えた期間になる。日数と期限が同時に伸びる設計である。実務のポイント:この『期間と日数を必ずセットで動かす』構造は延長給付各種に共通する。制度を確認するときは、増える日数と受給期間の両方を必ず窓口に確認する。
Q3自分の住む地域だけ不況なんですが、対象になりますか?
27条は失業の状況が全国的に著しく悪化した場合の制度である。地域単位の悪化は広域延長給付(25条)の領域で、条文も要件も異なる。実務のポイント:延長給付には全国・広域・個別・訓練と複数系統があり、どれに該当するかで窓口での聞き方が変わる。『延長できますか』ではなく『どの延長給付の系統に該当しますか』と尋ねると、話が一段深いところから始まる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「延長給付は個人が申請するもの」という前提そのものが誤っている。27条の全国延長給付は厚生労働大臣の措置決定で一律に発動し、対象者はハローワークから案内される仕組みである。申請ルートを探すのではなく、発動しているかどうかを確認するのが正しい問いだ。
- 「延長給付が出ても、受給期間の1年を過ぎたら結局もらえない」と考える人がいるが、3項がまさにその穴を塞いでいる。全国延長給付を受ける受給資格者の受給期間は、20条1項・2項の原則にかかわらず、政令で定める日数を加えた期間になる。日数だけ伸びて期限が伸びない、という中途半端な制度ではない。
- 延長給付の存在を知っている人でも、その深刻度を測り違えている。27条は失業状況が『全国的に著しく悪化』した場合の制度であり、地域限定の不況では2項ではなく地域延長給付(25条)の話になる。自分の県だけが不況というケースでは、そもそも条文が違う。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動のトリガー | 27条:失業が全国的に著しく悪化し政令基準に該当(厚生労働大臣の措置決定) | 25条:広域的な地域単位で失業状況が悪化 24条:本人が公共職業訓練を受講する |
| 本人が動かせるか | 動かせない。統計と政令基準で決まり、窓口交渉の余地はない | 動かせない。広域職業紹介の実施と併せて判断される 動かせる。受講申込みと開始時期を自分で選べる |
| 受給期間への影響 | 3項により、20条の原則に加えて政令で定める日数分だけ受給期間が延長される | 各制度の規定に従い、給付日数と受給期間がセットで調整される 訓練の受講期間に対応して支給が継続する |
| 確認すべき情報源 | 厚生労働省の措置決定・報道発表・政令改正 | 対象地域の指定内容とハローワークの案内 訓練コースの開講日程と残日数の関係 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も原則の給付期間を法定したうえで、失業状況が深刻な場合に中央主管機関が給付期間を延長できる構造を採る。行政の判断で一律に延ばす点が日本の27条と近い
韓国も失業が急増した局面で行政の決定により給付を延長する制度を持つ。訓練延長・個別延長・特別延長という多層構造も日本と類似する
ドイツは給付期間を年齢と被保険者期間で法定し、危機時の延長は恒久規定ではなく時限立法で対応してきた。政令基準による自動的な発動枠を常設していない点が日本と異なる
米国の Extended Benefits は州の失業率が一定の閾値を超えると自動的に作動するトリガー方式で、統計で発動が決まる点は日本の政令基準と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 所定給付日数90日の受給者。残り2週間で内定が出ず、貯金も尽きかけている。もし全国延長給付が発動していれば、政令で定める日数分だけ支給が続き、受給期間の1年の壁も同時に後ろへずれる。ハローワークの窓口ではなく、厚生労働省の発表と政令改正を見るべき場面である。
- リーマン・ショック直後に離職した人は、実際に延長給付の対象になった世代がいる。同じ会社を同じ月に辞めた同僚でも、景気局面が違えば手当の総額が数十万円変わる。運ではなく制度設計の産物だ。
- もし失業率が急上昇している最中に自分の給付日数が切れたら、どうなる? 27条の措置がなければそこで終わりである。個別延長給付(雇用保険法附則関係)や訓練延長給付(24条)など、別ルートの延長が使えないか、給付日数が残り30日を切った時点で確認する必要がある。
- 人事・労務担当者として大量離職を出す側に立った場合。離職票の発行が遅れると、受給資格決定日そのものが後ろにずれ、延長措置の指定期間から外れる従業員が出る。あなたの事務処理の遅れが、他人の生活資金の上限を決めてしまう。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 残り給付日数が30日を切ったら、認定日に窓口で全国延長給付・訓練延長給付・個別延長給付の三つの適用可否を明示的に確認する2. 厚生労働省の報道発表と政令改正を検索し、措置決定の有無と指定期間を自分の受給期間と突き合わせる3. 延長が使えない場合は、公共職業訓練の受講開始で訓練延長給付(24条)に切り替える道を検討する。訓練は受講開始日が給付残日数との関係で決まるため、相談は早いほど選択肢が広い4. 生活が逼迫する場合は求職者支援制度や自治体の生活支援も並行して申請する
訴えられた側:事業主として大量離職を生じさせる立場にある場合、離職票の交付遅延は元従業員の受給開始日を後ろにずらし、延長措置の指定期間から外す結果を招く。離職日から10日以内の資格喪失届提出(雇用保険法施行規則7条)を厳守し、離職理由の記載は事実に基づいて正確に行う。離職理由の争いは特定受給資格者該当性に直結し、所定給付日数そのものを変える
時効(請求できる期限):全国延長給付は厚生労働大臣が指定する期間内に限られ、その期間は2項により延長されうる。受給期間は原則として離職日の翌日から1年(20条1項)だが、全国延長給付を受ける者は政令で定める日数を加えた期間となる(3項)。失業の認定は原則4週間に1回、認定日を欠席すると当該期間の手当は支給されない
学説
通説:27条の全国延長給付は、客観的な政令基準と厚生労働大臣の措置決定によって一律に発動する仕組みであり、個々の受給資格者に対して延長を請求する権利を直接与えるものではないと理解されている。受給者側の関心は請求ではなく、措置の有無と指定期間の確認に向かう。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:前身である失業保険法が制定され、失業時の所得保障の枠組みが整えられた
- 2.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法(昭和49年法律第116号)が制定され、失業保険法を全面的に改める形で基本手当と延長給付の体系が整備された。全国延長給付は本法において延長給付の一類型として位置づけられた
- 雇用保険法 第20条受給期間の原則、3項が修正する対象
- 雇用保険法 第22条所定給付日数の原則、27条が超過を認める基準
- 雇用保険法 第24条訓練延長給付、別系統の延長ルート
- 雇用保険法 第25条広域延長給付、地域単位の悪化に対応する類型
- 雇用保険法 第28条延長給付相互の支給順位の調整
- 職業安定法 第1条職業紹介体制、延長給付の前提となる就職支援
- 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律 第7条受給資格を失った者への職業訓練受講給付金(通称 求職者支援法)
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