雇用保険法 第29条(給付日数を延長した場合の給付制限)
クイックジャンプ
- 訓練延長給付(第二十四条第二項の規定による基本手当の支給に限る。第三十二条第一項において同じ。)、個別延長給付、広域延長給付又は全国延長給付を受けている受給資格者が、正当な理由がなく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けること又は厚生労働大臣の定める基準に従つて公共職業安定所が行うその者の再就職を促進するために必要な職業指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日以後基本手当を支給しない。ただし、その者が新たに受給資格を取得したときは、この限りでない。
- 2.前項に規定する正当な理由があるかどうかの認定は、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
この条文の基本情報
給付日数を延長した場合の給付制限とは何ですか?
定義給付日数を延長した場合の給付制限とは、雇用保険法第29条に定められた規定で、「訓練延長給付(第二十四条第二項の規定による基本手当の支給に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第29条(給付日数を延長した場合の給付制限)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第29条の条文原文は「訓練延長給付(第二十四条第二項の規定による基本手当の支給に限る。」で始まります。
- 雇用保険法第29条は第一款 基本手当に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第29条の前の条は雇用保険法第28条です。
- 雇用保険法第29条の次の条は雇用保険法第30条です。
- 雇用保険法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法29条は、延長給付の受給中に正当な理由なくハローワークの紹介や訓練を拒むと、その拒んだ日以後は基本手当を支給しないと定める。通常の一か月の給付制限とは異なり期間の定めがない。
Q · 延長給付をもらっている間にハローワークの紹介を断ったら、何日止まるの?
一か月ではなく、その受給資格の残り全部が止まる
雇用保険法29条1項は、延長給付(訓練延長給付の24条2項分、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付)を受給中に正当な理由なく紹介・訓練・職業指導を拒んだ場合、「その拒んだ日以後基本手当を支給しない」と定めます。通常の受給資格者に対する原則一か月の給付制限(同法32条)と異なり期間の定めがなく、復活するのは新たな受給資格を取得したときだけです。正当な理由の認定は、厚生労働大臣の定める基準に従い公共職業安定所長が行います(同条2項)。
解説
ハローワークで紹介された仕事を断ったとする。通常ならペナルティは一か月の支給停止で済む。ところが訓練延長給付、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付、この四つのいずれかを受けている最中だと話がまるで変わる。29条は「その拒んだ日以後基本手当を支給しない」と書く。期間の定めがない。残り日数が何日あろうと、その受給資格ではもう一円も出ない。復活するのは新たな受給資格を取得したとき、つまり再就職して被保険者期間を積み直したときだけである。延長給付は所定給付日数を使い切ってなお職が見つからない人への上乗せであり、法はその代償として「紹介を選り好みしない」ことを条件にした。ただし2項がある。正当な理由の有無を判断するのは公共職業安定所長であり、しかも厚生労働大臣の定める基準に従う判断である。断る前にその線引きを窓口で確認し、記録に残せるかどうかが、残り日数の生死を分ける。
法的な位置づけ
雇用保険法29条は、延長給付受給中の給付制限を定める規定である。訓練延長給付(24条2項分)、個別延長給付、広域延長給付または全国延長給付の受給資格者が、正当な理由なく職業紹介、公共職業訓練等の受講または職業指導を拒んだ場合、拒んだ日以後の基本手当を支給しない。正当な理由の認定は公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って行う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が受けている延長給付の種類を特定する 受給資格者証や支給決定通知で、訓練延長給付(24条1項分か2項分か)、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付のどれに当たるかを確認する。24条1項分だけなら29条の射程外で、断ったときの結末が変わる
- 2.断る前に正当な理由の該当性を窓口で確認する 紹介を受けたその場で断言せず、「この理由は29条2項の正当な理由に該当しますか」と質問し、担当者名と回答日時をメモに残す。拒否として記録される前であれば、条件不適合として整理される余地が残る
- 3.断る理由を具体的事実と裏付け書類に落とす 賃金水準、通勤時間、健康状態、家族の介護など、感想ではなく事実に落とす。要介護認定通知、診断書、通勤経路の所要時間資料などを添え、口頭ではなく書面で提出して受理の記録を残す
- 4.訓練を欠席する場合は事前連絡を最優先にする 子の発熱など不可抗力でも、連絡なしの欠席が積み重なると受講拒否と評価されやすい。訓練実施機関とハローワークの双方に連絡し、電話履歴やメールを保存する
- 5.支給停止通知が届いたら期限内に審査請求を検討する 通知書の処分理由、根拠条文、拒否と認定された日付を特定し、時系列と連絡記録を揃える。雇用保険審査官への審査請求は処分を知った日の翌日から原則3か月以内(雇用保険法69条)。同時に受給期間そのものの残りも確認する
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険法29条とは何ですか?
延長給付を受給中の人が正当な理由なく紹介・訓練・職業指導を拒んだとき、拒んだ日以後の基本手当を打ち切る規定です。新たな受給資格の取得以外に復活の道はありません。
Q2給付制限は延長給付だと何か月ですか?
月数の概念がありません。通常の受給資格者は32条で原則一か月ですが、29条は「拒んだ日以後支給しない」と定めるだけで、期間の定めも短縮も存在しません。
Q3正当な理由は誰が判断しますか?
公共職業安定所長が、厚生労働大臣の定める基準に従って認定します(29条2項)。所長の裁量ではなく統一基準に従う判断であり、基準の該当箇所の説明を窓口で求められます。
Q4延長給付はどの種類が対象ですか?
訓練延長給付のうち24条2項の規定による支給分、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付の四つです。訓練期間中の24条1項分は29条の射程外です。
Q5職業訓練を欠席したらどうなりますか?
無断欠席が積み重なると「指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだ」と評価されうる領域です。事前連絡の有無と記録が、正当な理由側の証拠になります。
Q6支給停止に納得できないときは?
雇用保険審査官への審査請求から入ります(雇用保険法69条)。処分があったことを知った日の翌日から原則3か月以内で、この段階を飛ばして訴訟に行く道は原則ありません。
Q7打ち切られた基本手当は復活しますか?
同一の受給資格では復活しません。29条1項ただし書は「新たに受給資格を取得したとき」だけを例外とし、再就職して被保険者期間を積み直す必要があります。
Q8通勤が遠いという理由は通りますか?
通勤が著しく困難といった事情は考慮の対象になりえますが、個別判断です。断言する前に該当性を窓口で確認し、理由を書面で提出して記録に残すのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一回断っただけで、本当に残り全部止まるんですか?
29条1項は期間を書かず「その拒んだ日以後基本手当を支給しない」と定める。通常の受給資格者への給付制限が原則一か月である32条とは構造が違い、復活は新たな受給資格の取得のみ(29条1項ただし書)。実務のポイント:延長給付が決まった面談で、この違いを口頭で丁寧に説明されるとは限らない。決定通知を受け取った時点で「断った場合どうなるか」を自分から聞いておくと、以後の紹介の受け方が変わる
Q2賃金が安すぎる、通勤が遠すぎる、これは正当な理由になりますか?
判断するのは公共職業安定所長で、厚生労働大臣の定める基準に従って行われる(29条2項)。賃金が同種の業務の一般水準に比べ著しく低い、通勤が著しく困難といった事情は考慮の対象になりうるが、あくまで個別判断である。実務のポイント:この基準はハローワークの業務取扱要領として運用されており、窓口で該当箇所の説明を求めることができる。口頭で「無理です」と言い切る前に、理由を書面で出した方が記録として残る
Q3訓練延長給付なら全部この条文が効くんですか?
効かない。29条1項の括弧書は対象を24条2項の規定による基本手当の支給に限っており、訓練を受け終わった後の延長分が射程である。訓練期間中の延長(24条1項)は29条の射程外で、一般の給付制限の枠組みで判断される。実務のポイント:自分が今受けているのが24条1項分か2項分かで、断ったときの結末が変わる。支給決定の通知や受給資格者証の記載で、どの延長給付なのかを先に特定しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 給付制限という仕組みがあること自体は多くの人が知っている。知られていないのはその長さの差である。通常の受給資格者が紹介を拒んだ場合は原則一か月(雇用保険法32条)だが、延長給付中は29条により期間の定めなく打ち切られる。同じ「断る」でも、制度上の重さが比較にならない
- 「制限された一か月をどう短くするか」と考えている時点で、問い自体がずれている。29条には期間という概念がなく、したがって短縮も途中解除も存在しない。立てるべき問いは「そもそも拒否と認定されない断り方、記録の残し方があるか」である
- あなたの感覚では「条件が合わないので今回は見送った」に過ぎない。だが窓口の記録上は「紹介する職業に就くことを拒んだ」という一行に変換されうる。この認識の落差が、あとから通知書を見て初めて表面化する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制限の長さ | 29条:期間の定めなし、拒んだ日以後の全部 | 32条:原則一か月の給付制限 24条:延長給付そのものの支給根拠、制限規定ではない |
| 対象者 | 延長給付(24条2項分・個別・広域・全国)の受給資格者 | 通常の受給資格者 訓練を受ける受給資格者(1項分は29条の射程外) |
| 復活の条件 | 新たな受給資格の取得のみ(1項ただし書) | 制限期間の経過により自動的に再開 該当なし |
| 正当な理由の判断者 | 公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従い認定(2項) | 同じく職業安定所の認定手続による 訓練の必要性を所長が判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も推介された職業や職業訓練を正当な理由なく拒めば失業給付を核付しないが、日本の29条のような「延長給付層だけ無期限打切り」という二層構造は採らない
韓国も訓練の拒否等を理由に給付を制限するが、制限期間は所定の範囲で定まる設計であり、無期限打切りは規定していない
ドイツは就労拒否に対し週単位の Sperrzeit(待機期間)を段階的に課し、累積で請求権消滅に至る構造。期間を明示する点で日本29条と対照的
米国は各州法が suitable work の拒否を失格事由とし、州によって週数限定型と当該失業期間全体の失格型に分かれる。後者は日本29条の効果に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個別延長給付の残りが40日、明日紹介される求人が片道90分の職場だったらどうなる? その場で断った瞬間、40日分が丸ごと消える可能性がある。あと24時間のうちにやるべきことは一つ、通勤時間を理由とする不参加が正当な理由に当たるかを職員に確認し、担当者名と回答をメモに残すことだ
- あなたは指示された公共職業訓練の初日に、子の発熱で行けなかった。慌てていて連絡も入れないまま数日が空いた。これが受講の拒否として記録に載ると29条が動き出す。連絡を入れた事実そのものが、後になって正当な理由の側の証拠になる
- 広域延長給付を受けている最中に、遠隔地の求人を紹介された。親の介護があり通えない。理由を口頭で伝えたか書面で出したかで、結論が真逆になる
- 友人が全国延長給付を受けていて「気に入らない求人ばかりだから全部断ってる」と笑っている。あなたはその場で止められる。それは一か月の話ではなく、残り全部の話だと三十秒で説明できる
- 支給停止の通知が封筒で届いた。理由欄には「正当な理由なく公共職業安定所の紹介する職業に就くことを拒んだため」と一行だけ。雇用保険審査官への審査請求という道があることを知らずに机に置いたまま数か月が過ぎると、事実関係が正しくても争う入口が閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の処分理由と根拠条文(29条1項)、拒否と認定された日付を特定する2. その日に何があったかを時系列で書き出し、連絡した記録(電話履歴、メール、来所記録)を集める3. 正当な理由の判断は公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って行う(29条2項)ので、どの基準のどの項目で否定されたのか説明を求める4. 納得できなければ雇用保険審査官への審査請求を検討する(同法69条)。同時に、受給期間そのものの残りも確認しておく
訴えられた側:1. 断りたい求人や訓練が出てきたら、その場で断言せず「検討したい」と持ち帰る2. 断る理由を賃金水準、通勤の可否、健康状態、家族の介護など具体的事実に落とし、裏付け書類を用意する3. 口頭ではなく書面で理由を提出し、受理の記録を残す4. 訓練を欠席する場合は事前連絡を最優先にする。無断欠席の積み重ねが拒否と評価されやすい5. 自分が受けているのが四つの延長給付のどれか、支給決定通知で確認しておく
時効(請求できる期限):支給停止に猶予期間はなく、拒んだ日以後の日から基本手当が出なくなる。同一の受給資格では期間経過による自動復活もない(29条1項ただし書)。不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から原則3か月以内(雇用保険法69条、労働保険審査官及び労働保険審査会法。最新の改正状況をご確認ください)。前提として受給期間自体が離職日の翌日から原則1年で終わる(同法20条)
- 雇用保険法 第32条通常の受給資格者への給付制限、原則一か月との対比
- 雇用保険法 第24条訓練延長給付、本条は2項分のみを対象とする
- 雇用保険法 第24条の2個別延長給付、本条の対象となる延長給付
- 雇用保険法 第25条広域延長給付、本条の対象となる延長給付
- 雇用保険法 第69条支給停止処分への審査請求の入口
- 職業安定法 第17条公共職業安定所の職業紹介の法的根拠
- 職業能力開発促進法 第15条公共職業訓練等の実施根拠
- 労働保険審査官及び労働保険審査会法 第8条審査請求の期限と手続を規律
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める