雇用保険法 第31条(未支給の基本手当の請求手続)
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- 第十条の三第一項の規定により、受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかつた期間に係る基本手当の支給を請求する者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該受給資格者について失業の認定を受けなければならない。
- 2.前項の受給資格者が第十九条第一項の規定に該当する場合には、第十条の三第一項の規定による未支給の基本手当の支給を受けるべき者は、厚生労働省令で定めるところにより、第十九条第一項の収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。
この条文の基本情報
未支給の基本手当の請求手続とは何ですか?
定義未支給の基本手当の請求手続とは、雇用保険法第31条に定められた規定で、「第十条の三第一項の規定により、受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかつた期間に係る基本手当の支給を請求する者は、厚生労働省令で定めるところによ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第31条(未支給の基本手当の請求手続)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第31条の条文原文は「第十条の三第一項の規定により、受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかつた期間に係る基本手当の支給を請求する者は、厚生労働省令で定めるところによ…」で始まります。
- 雇用保険法第31条は第一款 基本手当に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第31条の前の条は雇用保険法第30条です。
- 雇用保険法第31条の次の条は雇用保険法第32条です。
- 雇用保険法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法31条は、受給資格者の死亡で失業の認定を受けられなかった期間の基本手当を請求する遺族に、故人について失業の認定を受けることを義務づける規定である。
Q · 亡くなった家族の失業手当、遺族が受け取るには何をすればいいの?
遺族が故人について失業の認定を受ける手続が必要です
雇用保険法31条1項により、受給資格者の死亡で失業の認定を受けられなかった期間の基本手当を請求する遺族は、故人について失業の認定を受ける必要があります。請求権者と順位は法10条の3が定め、請求期限は死亡日の翌日から6か月以内(施行規則17条の2)。さらに31条2項は、故人が法19条1項の収入を得ていた場合、その額を公共職業安定所長へ届け出る義務を、故人ではなく請求する遺族自身に課しています。
解説
ハローワークの認定日を三日後に控えて、父が倒れた。基本手当は失業していた一日ごとに積み上がっているのに、その日々を「失業していた」と確認すべき本人がもういない。ここで止まるはずの給付を、もう一度動かすための条文が本条である。あなたは遺族として、亡くなった本人に代わり、本人について失業の認定を受けに行くことができる。これは相続手続ではない。雇用保険法10条の3が定めるとおり、あなたが「自己の名で」請求する固有の権利であり、だからこそ、借金を理由に相続放棄していても受け取れると解されている。ただし条件は三つ。生計を同じくしていたこと、上位順位の親族がいないこと、死亡日の翌日から6か月以内に動くこと。そして第2項はさらに厳しい。本人が亡くなる前に単発の仕事で収入を得ていたなら、その額を届け出る義務は、今度はあなた自身が負う。
法的な位置づけ
雇用保険法31条は、未支給の基本手当に関する手続規定である。受給資格者の死亡により失業の認定を受けることができなかった期間について、法10条の3第1項により支給を請求する者が、当該受給資格者について失業の認定を受けるべきことを定め、あわせて故人が法19条1項の収入を得ていた場合の届出義務を請求者に課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.死亡届提出と同じ日にハローワークへ連絡 受給資格者証、離職票、失業認定申告書、振込先通帳の所在を確保したうえで、管轄のハローワークに電話し、次の認定日、残りの支給日数、未支給請求に必要な書類一覧をその場で確認する
- 2.請求権者の順位と生計同一の要件を確認 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順位で、自分より上位の者がいないかを確認する。別居の場合は定期的な仕送りの振込記録など、生計同一を裏づける資料を集める
- 3.故人の直近の入金履歴を先に洗う 雇用保険法31条2項の届出義務は請求者自身が負うため、通帳、振込通知、メッセージ履歴から、故人が亡くなる前に単発の就労で得た収入がなかったかを確認し、あれば額と就労日を確定させる
- 4.未支給失業等給付請求書と失業認定申告書を提出 死亡日の翌日から6か月以内に、管轄のハローワークへ未支給失業等給付請求書、死亡の事実を示す書類、続柄と生計同一を示す資料を提出し、同時に死亡日の前日までの各日について本条1項の失業の認定を受ける
- 5.収入があった場合は同時に届け出る 故人が法19条1項の収入を得ていた場合、収入の額、就労日数その他の事項を公共職業安定所長へ届け出る。調査で指摘される前に自主的に申告することで、返還のみで済み2倍額納付を回避できる余地がある
よくある質問 AI による整理
Q1未支給の失業等給付とは何ですか?
受給資格者が死亡し、本人が受け取れないまま残った失業等給付のことです。雇用保険法10条の3により、生計を同じくしていた一定範囲の遺族が自己の名で請求できます。
Q2未支給の基本手当はいつまでに請求すればいいですか?
死亡日の翌日から起算して6か月以内です(雇用保険法施行規則17条の2)。加えて離職日の翌日から原則1年の受給期間(法20条)もあり、先に来る方で締め切られます。
Q3相続放棄していても未支給の基本手当を請求できますか?
請求できると解されています。雇用保険法10条の3は遺族が自己の名で請求すると定めており、相続財産ではなく遺族固有の権利と理解されているためです。
Q4未支給の基本手当の請求に必要な書類は何ですか?
未支給失業等給付請求書、受給資格者証、死亡の事実を確認できる書類、続柄を示す戸籍関係書類、生計同一を示す資料、失業認定申告書、請求者名義の振込口座情報が基本です。
Q5同順位の遺族が複数いる場合、誰が請求しますか?
一人がした請求は全員のためにしたものとみなされ、一人への支給で全員への支給が終わったものとして扱われます。誰が窓口に行くかを早期に決めることが実務上の要点です。
Q6亡くなった日の分の基本手当も支給されますか?
対象は死亡日の前日までの、失業していたと認定された各日分です。死亡日当日以降は受給資格そのものが消滅するため、支給対象になりません。
Q7故人が得た収入を届け出なかったらどうなりますか?
雇用保険法31条2項の届出義務は請求する遺族自身に課されます。伏せて受給すれば不正行為とされ、返還に加え2倍額の納付を命じられうる場合があります(法10条の4)。
Q8未支給の基本手当に税金はかかりますか?
雇用保険法12条により、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことはできません。所得税の課税対象にはなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1父が失業保険をもらってる途中で亡くなりました。残りって誰がもらえるんですか?
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のうち、死亡当時に生計を同じくしていた者が、この順位で自己の名で請求できる(法10条の3)。対象は死亡日の前日までの失業していた各日分で、本条1項により遺族が本人について失業の認定を受ける必要がある。実務のポイント:生計同一は同居が絶対条件ではない。別居でも定期的な仕送りの振込記録があれば認められる余地があり、同居していないからと自己判断で諦める人が最も多い
Q2亡くなる直前に少しだけ手伝い仕事をしてたみたいなんですが、黙ってたらまずいですか?
本条2項は、故人が法19条1項の収入を得ていた場合、支給を受けるべき者、つまり請求するあなたに届出義務を課している。伏せたまま受給すれば偽りその他不正の行為にあたり、返還に加えて2倍額の納付を命じられうる(法10条の4)。実務のポイント:ハローワークは事業主側の資格取得届や賃金台帳と後から突き合わせる。発覚前に自主申告した場合は取扱いが変わる余地があり、迷った段階で窓口に相談した記録を残す方が最終的に安く済む
間違えやすい点 AI による整理
- 遺族が受け取る以上これは相続だから、相続放棄をしたら請求できないと思われている。実際は逆で、雇用保険法10条の3は遺族が「自己の名で」請求すると定めており、相続財産ではなく遺族固有の権利と解されている。負債超過で相続を放棄した遺族こそ、この請求を丸ごと取りこぼしやすい
- 6か月という期限を知っている人でも、その起算点が死亡日の翌日であることの重さを見ていない。遺産分割の話がついた日でも、離職票を見つけた日でもない。四十九日と納骨を済ませ、通帳の整理を始めてから調べ出すと、その時点で残りは4か月を切っている
- あなたから見れば「亡くなった父が申告し忘れた収入」でも、行政から見れば「請求者であるあなたが果たさなかった届出義務」である。本条2項が名指ししているのは死者ではなく、支給を受けるべき者だ。この視点の落差が、返還命令と2倍額納付という形で遺族に直撃する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 31条:未支給分を受け取るための手続要件(失業の認定と収入の届出) | 10条の3:誰が請求できるか(請求権者と順位、自己の名での請求) 15条:生存中の受給資格者に対する通常の失業の認定 |
| 行為主体 | 未支給の基本手当を請求する遺族 | 生計を同じくしていた遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順) 受給資格者本人 |
| 対象期間 | 死亡により認定を受けられなかった期間(死亡日の前日まで) | 未支給の失業等給付全般 受給期間中の各認定対象期間 |
| 違反・不履行の効果 | 2項の届出を怠れば不正受給として返還+2倍額納付の余地(法10条の4) | 6か月の請求期限(施行規則17条の2)経過で請求不能 認定を受けられなければ当該日分は不支給 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も失業給付は保険給付として構成され、被保険者死亡後の未請領分の取扱いは保険法規と関連施行細則で処理される。日本のような条文単位の失業認定代行規定は明示されていない
韓国も未支給の実業給与について遺族が自己の名で請求する構成を採り、請求権者の範囲と順位を法定する点で日本と極めて近い設計
ドイツは社会法典総則で特別承継を定め、同一世帯の配偶者・子等が未支給の社会給付を承継する。相続とは別枠の承継である点は日本の遺族固有権構成と発想が近い
米国は連邦統一規定を欠き、未受領の失業給付を遺族または遺産に支払うかは州ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認定日の前日に亡くなったら、その日までに積み上がった分はどうなる? 死亡日の前日までの失業していた各日について、遺族が本人に代わって認定を受ければ支給対象になる。逆に誰も動かなければ一円も出ない。しかも期限は死亡日の翌日から6か月、葬儀と役所回りと相続の話に追われている間に、その半分は溶けていく
- 兄と妹、どちらも父と生計を同じくしていた。同順位者が複数いる場合、一人がした請求は全員のためにしたものとみなされ、一人への支給で全員への支給が終わったものとして扱われる。誰が窓口に行くかを決めないまま放置するのが、いちばん損をする。
- あなたは母の失業認定申告書を代わりに書いて提出した。亡くなる二週間前、母は知人の店を半日手伝って謝礼を受け取っていたが、そこまでは知らず「収入なし」で出した。本条2項の届出義務を負っているのは故人ではなく支給を受けるべき者、つまりあなたである。後日の調査で発覚すれば、返還に加えて2倍額の納付を命じられうる(法10条の4)。悪意はなかったという説明は、通帳とやり取りの記録がなければ通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受給資格者証、離職票、失業認定申告書、振込先通帳の所在を確保2. 自分が生計を同じくしていたか、上位順位者(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)がいるかを確認3. 死亡日の翌日から6か月以内に、管轄のハローワークへ未支給失業等給付請求書、死亡の事実を示す書類、続柄と生計同一を示す資料を提出4. 同時に、死亡日の前日までの各日について本条1項の失業の認定を受ける5. 故人の直近1か月の入金履歴を通帳とスマホで先に洗い、届出漏れの芽を潰す
訴えられた側:1. 届出漏れが故意か、知り得なかったかを切り分ける。別居で通帳を見られなかった等の事情は書面で記録化2. 収入の実額と就労日数を振込記録で確定し、法19条による減額で済む範囲か不支給かを判定3. 調査で指摘される前に自主的に申告すれば、返還のみで2倍額納付を回避できる余地がある4. 返還命令や納付命令は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、雇用保険審査官への審査請求と、その先の取消訴訟の対象になる。通知書は末尾の教示欄から読む
時効(請求できる期限):未支給の失業等給付の請求は、受給資格者が死亡した日の翌日から起算して6か月以内(雇用保険法施行規則第17条の2)。加えて大枠として、受給期間は離職の日の翌日から原則1年(法第20条)であり、死亡を理由に延びない。この二重の壁のうち先に来る方で締め切られる。不支給決定や返還命令に不服がある場合の雇用保険審査官への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(法第69条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:未支給の失業等給付は、雇用保険法10条の3が遺族による自己の名での請求を定めることから、相続財産ではなく遺族固有の権利と解される。31条はその請求を実現するための手続要件として、一身専属的な失業の認定を遺族が代行する例外を開いた規定と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法(昭和49年法律第116号)の制定に伴い、旧失業保険法の体系を引き継ぐ形で、未支給の基本手当に係る失業の認定および収入の届出に関する規定が置かれた
- 雇用保険法 第10条の3未支給給付の請求権者と順位の根拠
- 雇用保険法 第15条失業の認定、基本手当支給の前提手続
- 雇用保険法 第19条自己の労働による収入がある日の減額、本条2項の対象
- 雇用保険法 第20条受給期間の枠、死亡でも延長されない
- 雇用保険法 第10条の4不正受給に対する返還命令と2倍額納付命令
- 民法 第896条相続による包括承継、遺族固有の請求権との対比
- 国民年金法 第19条未支給年金、同型の遺族固有請求権の先行モデル
- 労働者災害補償保険法 第11条未支給の保険給付、労災側の同型規定
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