要点雇用保険法 37 条は、求職の申込み後に病気やけがで働けない受給資格者に、基本手当と同額の傷病手当を支給すると定める。支給した日数は基本手当を支給したものとみなされ、総額は増えない。
Q · 失業保険をもらっている途中で病気になったら、給付はどうなりますか?
求職申込み後の傷病なら傷病手当が出ます。ただし総額は増えません
雇用保険法 37 条により、受給資格者が求職の申込みをした後に疾病又は負傷で職業に就けなくなった場合、公共職業安定所長の認定を受けた日について傷病手当が支給されます。日額は基本手当と同額(3 項)、支給日数は所定給付日数から既に基本手当を支給した日数を引いた残りが上限です(4 項)。ただし支給された日数は基本手当を支給したものとみなされるため(6 項)、受け取る総額は増えません。健康保険法 99 条の傷病手当金や労災保険の休業補償給付などを受けられる場合は支給されません(8 項)。
求職の申込みを済ませ、来週から面接という段になって高熱で倒れる。この瞬間、基本手当の前提が崩れる。基本手当は「働く意思と能力がある」人に払う金なので、働けない日は失業の認定が下りない。そこに開いた穴を塞ぐのが傷病手当である。日額は基本手当と同額(3項)、認定は公共職業安定所長が行う(2項)。ただし、あなたが本当に知るべきはここからだ。傷病手当を受けた日数は、基本手当を支給したものとみなされる(6項)。つまり総額は1円も増えない。所定給付日数という財布から前借りしているだけである。しかも求職の申込みより前に発病して働けない状態だった人は、そもそも対象外。待期中と給付制限中も出ない(5項)。健康保険の傷病手当金や労災の休業補償給付を受けられるなら、そちらが優先で雇用保険からは出ない(8項)。穴を塞ぐ蓋であって、財布を増やす制度ではない。
雇用保険法 37 条の傷病手当とは、受給資格者が離職後に公共職業安定所へ出頭して求職の申込みをした後、疾病又は負傷のために職業に就くことができず基本手当の支給を受けられない日について支給される失業等給付である。支給には公共職業安定所長の認定を要し、日額は基本手当の日額と同額、支給日数は所定給付日数から既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数を限度とする。
求職の申込み後に病気やけがで働けなくなった受給資格者に、基本手当に代えて支給される給付です(雇用保険法 37 条 1 項)。公共職業安定所長の認定を受けた日について支給されます。
基本手当の日額と同額です(37 条 3 項、16 条)。病気で働けない期間でも受け取る日額は変わらないため、金額の有利不利で申請を迷う必要はありません。
認定を受けた日分は、働けない理由がやんだ後に最初に基本手当を支給すべき日に支払われます(37 条 7 項)。療養中に毎回振り込まれるのではなく、後払いが原則です。
厚生労働省令の定めるところにより公共職業安定所長が行います(37 条 2 項)。窓口担当者の判断ではなく所長の認定処分なので、不支給には審査請求で争う余地があります。
14 日以内の傷病であれば、傷病手当ではなく証明書によって失業の認定を受け、基本手当がそのまま支給される扱いがあります。申告しないと、その日数分が受け取れないまま消えます。
傷病手当は所定給付日数を消費しますが(37 条 6 項)、30 日以上働けない場合の受給期間延長(20 条)は日数を温存できます。療養が長引く見込みなら延長が有利になりやすいです。
労災保険の休業補償給付などを受けられる場合、雇用保険の傷病手当は支給されません(37 条 8 項)。健康保険法 99 条の傷病手当金や労働基準法 76 条の休業補償も同じく優先します。
失業等給付を受ける権利は 2 年で時効消滅します(雇用保険法 74 条)。加えて支給対象は受給期間内の日に限られるため、実際の期限は原則として離職の日の翌日から 1 年です。
打ち切りではない。求職の申込みをした後に病気やけがで職業に就けなくなった日は、37条1項の認定を受ければ傷病手当が支給される。日額は基本手当と同額である(3項)。業界裏話ヒント:働けない期間が14日以内なら傷病手当ではなく、証明書によって失業の認定を受け基本手当がそのまま出る。窓口で認定を渋られたら、証明書による認定を求めればよい。
もらえない。37条8項が、健康保険法99条の傷病手当金、労働基準法76条の休業補償、労災保険の休業補償給付などを受けられる場合は傷病手当を支給しないと定めている。名前が一字違いの別制度である。業界裏話ヒント:退職前から療養中の人は、被保険者期間が継続1年以上あれば健康保険の資格喪失後の継続給付が使える。そちらを受けつつ雇用保険側は受給期間の延長で温存するのが総額では有利になりやすい。
減る。支給日数は所定給付日数から既に受けた基本手当の日数を引いた残りが上限であり(4項)、支給された傷病手当の日数分は基本手当を支給したものとみなされる(6項)。総額は増えない。業界裏話ヒント:療養が長引きそうなら、あえて傷病手当を申請せず受給期間の延長を選ぶ手がある。窓口は聞かれない限りこの比較を説明しないことが多い。
もらえない。37条5項が、32条1項・2項や33条1項によって基本手当を支給しないとされる期間は傷病手当も支給しないと定めている。待期の7日間も9項による21条の準用で同じく不支給である。業界裏話ヒント:給付制限の期間は近年短縮の方向にある(最新の改正状況をご確認ください)。制限が明ける日と療養が続く見込み日数を並べて、傷病手当と受給期間延長のどちらを取るか決める。
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