雇用保険法 第56条の2
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- 日雇労働被保険者が同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用された後に離職した場合(前条第一項本文に規定する場合を除く。)には、その者の日雇労働被保険者であつた期間を第十四条の規定による被保険者期間の計算において被保険者であつた期間とみなすことができる。ただし、その者が第四十三条第二項又は第三項の規定の適用を受けた者である場合には、この限りでない。
- 2.前項の規定により第十四条の規定による被保険者期間を計算することによつて同条第二項第一号に規定する受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した者について、第十七条に規定する賃金日額を算定する場合には、日雇労働被保険者であつた期間のうち、同条第一項に規定する算定対象期間における被保険者期間として計算された最後の六箇月間に含まれる期間において納付された印紙保険料の額を厚生労働省令で定める率で除して得た額を当該期間に支払われた賃金額とみなす。
- 3.第一項の規定は、第二十二条第三項の規定による算定基礎期間の算定について準用する。この場合において、第一項中「その者の日雇労働被保険者であつた期間を第十四条の規定による被保険者期間の計算において被保険者であつた期間とみなす」とあるのは、「当該日雇労働被保険者であつた期間を第二十二条第三項に規定する基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間に該当するものとして計算する」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第56条の2は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第56条の2の条文原文は「日雇労働被保険者が同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用された後に離職した場合(前条第一項本文に規定する場合を除く。」で始まります。
- 雇用保険法第56条の2は第四節 日雇労働被保険者の求職者給付に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第56条の2の前の条は雇用保険法第56条です。
- 雇用保険法第56条の2の次の条は雇用保険法第56条の3です。
- 雇用保険法第56条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第56条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第56条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/56_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法56条の2は、日雇労働被保険者が同一事業主に継続三十一日以上雇用された後に離職した場合、日雇期間を被保険者期間として計算できると定める。43条2項・3項の適用者は対象外。
Q · ずっと日雇でやってきた人でも、失業したときに基本手当をもらえる道はあるんですか?
同一事業主で継続三十一日以上なら、日雇期間を被保険者期間に通算できます
雇用保険法56条の2第1項により、日雇労働被保険者が同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用された後に離職した場合、日雇労働被保険者であった期間を14条の被保険者期間の計算において被保険者であった期間とみなすことができます。これにより受給資格を満たせば、日雇労働求職者給付金ではなく基本手当の枠組みに乗ります。賃金日額は、直近六箇月に納付された印紙保険料の額を厚生労働省令で定める率で除した額を賃金額とみなして算定します(2項)。ただし43条2項・3項の適用を受けた者は、1項ただし書により通算の対象から外れます。
解説
建設現場や港湾で日雇いをつないできて、たまたま同じ会社の現場に一か月以上入り続けた。その後で仕事が切れた。手元にあるのは日雇労働被保険者手帳だけで、もらえるのは日額数千円の日雇労働求職者給付金だけだと思っているなら、この条文を知らないまま損をしている。同一事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用された後に離職した場合、日雇労働被保険者だった期間を、一般の被保険者期間(十四条)として計算することが「できる」。原則として算定対象期間に十二か月そろえば、日雇の給付金ではなく基本手当の土俵に乗る。しかも賃金日額の計算では、納めた印紙保険料の額を厚生労働省令で定める率で割り戻して賃金額とみなす(二項)。手帳に貼られた印紙が、そのまま日額の原資に変わる。
法的な位置づけ
雇用保険法56条の2は、日雇労働被保険者であった期間を一般の被保険者期間に通算する特例規定である。同一事業主の適用事業に継続三十一日以上雇用された後に離職した者は、その期間を14条の被保険者期間とみなすことができ、賃金日額の算定では納付印紙保険料を厚生労働省令の率で除した額を賃金額とみなす。22条3項の算定基礎期間にも準用される。
手順
- 1.日雇労働被保険者手帳を全月分そろえて印紙を数える 手元にある日雇労働被保険者手帳を全期間分そろえ、就労日と印紙の貼付状況を月ごとに整理する。直近六箇月の印紙保険料は56条の2第2項の賃金日額算定に直結するため、貼付漏れがないかを先に点検する
- 2.同一事業主で継続三十一日以上の時期を特定する 同じ元請・同じ事業主の適用事業に継続して三十一日以上入っていた時期を洗い出す。三十日で切れていれば通算の入口に届かないため、開始日と終了日を日単位で確定させる
- 3.事業主から雇用期間の裏づけ書類を確保する 特定した時期について、事業主に賃金台帳の写し・出勤簿・雇用契約書の交付を求める。行政は書面で裏づけられた事実のみを計算に入れるため、記憶や口頭の説明では足りない
- 4.離職後すぐハローワークで通算を明示して申し出る 離職後は速やかに公共職業安定所で、56条の2第1項による被保険者期間の通算と、第3項による算定基礎期間の計算を明示して申し出る。条文が「みなすことができる」と定める以上、申し出と裏づけの有無で結論が動く場面がある
- 5.受給期間一年の残りから、日雇給付か基本手当かを選ぶ 基本手当の受給期間は離職の日の翌日から一年(20条)で自動的に進む。残り期間と所定給付日数を突き合わせ、日雇労働求職者給付金を受け続けるか基本手当を狙うかを早い段階で試算して決める
よくある質問 AI による整理
Q1日雇労働被保険者手帳とは何ですか?
日雇で働く人が公共職業安定所で交付を受ける手帳で、就労日ごとに事業主が印紙保険料を納付し印紙を貼付します。この印紙の記録が日雇労働求職者給付金の支給日数や、56条の2による賃金日額の算定根拠になります。
Q2印紙保険料は誰がいくら納めるのですか?
事業主が日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙を貼り、消印して納付します。賃金日額に応じた等級区分があり、負担は事業主と被保険者で分かれます。等級ごとの金額は改正されるため、最新の告示を確認してください。
Q3日雇労働求職者給付金はいつまでもらえますか?
前二月間の印紙貼付日数に応じて月ごとの支給日数の上限が定まる仕組みで、基本手当のようにまとまった所定給付日数を消化する形ではありません。総額で差が出るため、通算の可否を早く確認する価値があります。
Q4雇用保険はなぜ三十一日が基準なのですか?
雇用保険の被保険者資格は三十一日以上の雇用見込みを一つの区切りとしており、56条の2も同一事業主での継続三十一日以上を通算の入口にしています。日々雇用と継続雇用を分ける客観的な線として機能します。
Q5日雇の失業給付の手続きはどこでしますか?
住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)です。日雇労働被保険者手帳を持参し、56条の2による通算を求める場合は、同一事業主での継続雇用が分かる賃金台帳や出勤簿の写しも併せて提出します。
Q6失業給付の請求に時効はありますか?
失業等給付の支給を受ける権利は二年で時効消滅します(雇用保険法74条)。加えて基本手当には離職の日の翌日から一年の受給期間(20条)があり、通算が認められても期間内に消化できなければ受け取れません。
Q7印紙が貼られていなかったらどうなりますか?
貼付漏れは賃金日額の算定根拠を欠くことになり、給付額に直接影響します。事業主に納付義務があるため、手帳の記録と実際の就労日を突き合わせ、公共職業安定所に相談して事業主側の記録で補う必要があります。
Q8日雇から常用になったら手帳はどうしますか?
同一事業主に継続して三十一日以上雇用されるなど43条2項の要件に当たる場合は、一般被保険者への切替手続が必要です。切替を受けた者は56条の2第1項ただし書により、通算の対象から外れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日雇でずっとやってきたけど、基本手当ってもらえるんですか?
条件が合えばあり得る。同一事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用された後に離職した場合、日雇労働被保険者だった期間を十四条の被保険者期間として計算できる(五十六条の二第一項)。そのうえで十三条の受給資格を満たせば基本手当の土俵に乗る。実務のポイント:条文は「みなすことができる」と書いてある。黙っていて自動で処理されるとは限らないので、窓口では自分から通算の可否を尋ねる
Q2賃金日額って、日雇のときは日給がバラバラだけどどう計算するんですか?
五十六条の二第二項が変換式を置いている。日雇労働被保険者だった期間については、納付された印紙保険料の額を厚生労働省令で定める率で除した額を、その期間に支払われた賃金額とみなす。つまり実際の日給そのものではなく、印紙の等級と枚数が賃金日額(十七条)を左右する。実務のポイント:印紙は賃金日額に応じて等級が分かれる。実態より低い等級で貼られ続けていると、その歪みが数年後の基本手当の日額にそのまま乗ってくる
Q3三十一日以上働いたのに、通算できないと言われることはありますか?
ある。四十三条二項または三項の規定の適用を受けた者は、五十六条の二第一項ただし書で対象から外れる。すでに一般被保険者へ切り替わっている場合や、認可を受けて日雇のまま継続した場合が典型で、実務上、個別事案への当てはめは解釈が分かれることがある。実務のポイント:断られたら口頭で引き下がらず、どの条項をどう当てはめたのかを確認する。根拠条項が分かれば、社会保険労務士に相談する時の出発点がまったく違う
Q4受け取れる日数の計算にも、日雇の期間は入りますか?
入り得る。五十六条の二第三項が第一項を二十二条三項の算定基礎期間の算定に準用し、日雇労働被保険者だった期間を基準日まで同一事業主に被保険者として雇用された期間として計算する読み替えを置いている。算定基礎期間は所定給付日数を決める要素なので、ここが伸びれば受け取れる日数が変わる。実務のポイント:受給資格の有無ばかり気にして、日数の条文を確認し忘れる人が多い。資格と日数は別々の条文で決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 日雇は日雇の給付しかもらえない、と聞いたことはあるだろう。だが問題はその先の深刻度である。日雇労働求職者給付金は一か月あたり十三日から十七日分が上限で、日額も等級ごとに数千円台にとどまる(最新の改正状況をご確認ください)。一方で基本手当に乗れば所定給付日数は九十日以上になりうる。同じ働き方をしていて、通算を申し出たかどうかだけで受取総額の桁が変わる
- 「三十一日以上働いたら自動的に一般被保険者になるんですよね」という問いの立て方自体がずれている。四十三条二項による切替(これから先はもう日雇ではなくなるという話)と、五十六条の二による過去の日雇期間の通算(すでに離職した後の計算の話)は別の制度である。切替の情報ばかり調べていると、離職後に効いてくるこの通算に一生たどり着かない
- あなたから見れば「同じ会社で三十一日以上働いた」は自明の事実である。だが行政から見れば、それは日雇手帳の印紙と事業主の記録で裏づけられて初めて存在する事実になる。同一事業主・継続・三十一日という三点を書面で示せなければ、汗をかいた事実そのものが計算に入らない。この落差が、実態としては資格があるはずの人を落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の役割 | 56条の2:過去の日雇期間を一般の被保険者期間へ通算する特例 | 43条2項:将来に向けて日雇労働被保険者から一般被保険者へ切り替える 14条:被保険者期間そのものの原則的な計算方法 |
| 効いてくるタイミング | 離職した後、受給資格と賃金日額を計算する場面 | 継続雇用の要件を満たした在職中の時点 受給資格の判定時に常に適用される土台 |
| 賃金額の扱い | 納付印紙保険料を厚生労働省令の率で除した額を賃金額とみなす(2項) | 切替後は実際に支払われた賃金で計算 支払われた賃金を前提に被保険者期間を計算 |
| 適用されない場合 | 43条2項・3項の適用を受けた者は1項ただし書で除外 | 公共職業安定所長の認可で日雇のまま継続した場合(43条3項) 被保険者であった期間そのものが存在しない場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は日雇専用の印紙制度を置かず、就業保險の保険年資を通算して失業給付の受給要件を判定する方式。日々雇用でも加保記録があれば年資として積み上がる点が日本と異なる
韓国は「일용근로자(日雇労働者)」を制度上明記し、被保険単位期間の通算と直近の労働日数要件で구직급여を判定する。日雇労働確認申告により就労実績を管理し、印紙貼付方式は採らない
ドイツは短期就労(kurzzeitige Beschäftigung)を失業保険の適用外とする一方、主に短期の有期就労を重ねた者には短縮された Anwartschaftszeit を用意する。入口を短縮期間で救う設計で、日本の通算特例とは技術が異なる
米国は日雇専用の保険を置かず、州ごとの base period における賃金額と就労四半期で受給資格を判定する。日雇的就労も賃金報告があれば base period に算入される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、応援で入った現場が延びて同じ元請の下に三十五日連続で入り、そこで切られたとしたら? 三十日で終わっていた場合と結論が変わる。継続三十一日以上という線の内側に入った瞬間、それまでの日雇労働被保険者だった期間を被保険者期間として計算する道が開く。線の外側にいた人には、その道は最初から存在しない
- 離職から十か月、日雇の給付金を細切れに受け取りながら過ごしてきた。基本手当の受給期間は離職の日の翌日から一年(二十条)で走り続けている。残り二か月を切ってから通算に気付いても、所定給付日数を消化しきれない。気付くのが早いか遅いかだけで、受け取れる総額が変わる
- あなたが手配する側の事業主だとする。同じ作業員を継続三十一日以上使った月があれば、後日その人の被保険者期間について照会が来る。賃金台帳と出勤簿が、その時の唯一の裏づけになる
- 現場仲間から「俺は日雇だから失業保険なんて関係ないよな」と相談された。手帳を見せてもらい、同じ会社に一か月以上続けて入った時期があるかを一緒に探す。あるなら、その人が向かうべき窓口は日雇の給付だけではない
- 公共職業安定所長の認可を受けて、日雇労働被保険者のまま働き続けてきた(四十三条三項)。この場合は本条一項ただし書で通算の対象から外れる。目先の使い勝手で選んだ認可が、離職した後の計算方法まで決めていたことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 日雇労働被保険者手帳を全月分そろえ、同一事業主の下に継続三十一日以上入った時期を特定する2. その事業主から雇用期間が分かる書類(賃金台帳の写し、出勤簿、雇用契約書)を確保する3. 離職後は速やかに公共職業安定所で、五十六条の二第一項による被保険者期間の通算と、第三項による算定基礎期間の計算を明示して申し出る4. 受給期間は離職の日の翌日から一年(二十条)。日雇の給付金を受け取り続けるか基本手当を狙うかは、早い段階で試算して選ぶ
訴えられた側:1. 同一の作業員を継続三十一日以上使った実績を賃金台帳と出勤簿で洗い出す2. 四十三条二項に該当する場合は日雇から一般被保険者への切替手続の要否を確認する。遅れれば遡及の届出と保険料の精算が発生する3. 印紙保険料の等級と貼付漏れを点検する(労働保険の保険料の徴収等に関する法律二十二条)。貼付不足は元従業員の給付額を直撃し、後日の紛争と是正指導の火種になる4. 離職者からの照会には記録に基づいて回答し、記憶で答えない
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。ただし基本手当の受給期間は離職の日の翌日から一年(雇用保険法二十条)で、この期間を過ぎると通算が認められても支給されない。失業等給付の支給を受ける権利自体の消滅時効は二年(同法七十四条)。起算点は離職日または支給事由の生じた日である
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