要点雇用保険法56条の3は、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上で安定した職業に就いた場合、残日数の6割(3分の2以上なら7割)に基本手当日額を乗じた就業促進手当が支給されると定める。
Q · 失業手当がまだ残っているうちに就職したら、残りはどうなるの?
残日数を3分の1以上残して安定就職すれば一括で受け取れます
雇用保険法56条の3により、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある状態で厚生労働省令の定める安定した職業に就くと、基本手当日額に支給残日数と10分の6を乗じた額が支給されます。3分の2以上残していれば10分の7に上がります。さらに4項により、受け取った額を基本手当日額で割った日数分だけが支給済みとみなされるため、支給残日数が全部消えるわけではありません。ただし待期満了前の就職、離職前事業主への再就職、過去3年以内に同手当を受けた場合は支給されません(2項ほか)。
失業手当を最後までもらい切ってから働こう、そう考えた瞬間に数十万円が消えている。雇用保険法56条の3が用意しているのは、早く決めた人への一括払いだ。所定給付日数の3分の1以上を残して安定した職業に就けば、残日数の6割(3分の2以上残していれば7割)に基本手当日額を掛けた額がまとめて入る。1項1号が再就職手当、2号が障害者など就職が困難な人向けの常用就職支度手当である。そしてこの条文の本当の急所は4項にある。手当を受け取っても支給残日数が全部消えるわけではなく、受け取った額を基本手当日額で割った日数分だけが「支給済み」とみなされる。つまり再就職先が合わずに短期で辞めても、受給期間内なら残った日数で基本手当を再開できる。早期就職は片道切符ではない。
雇用保険法56条の3は就業促進手当を定める規定であり、支給残日数を残して安定した職業に就いた受給資格者(1項1号・いわゆる再就職手当)および身体障害者その他の就職困難者(同項2号・いわゆる常用就職支度手当)を対象とする。手当額は基本手当日額に支給残日数と一定の給付率を乗じて算定され、支給後は相当日数分の基本手当を支給したものとみなされる(4項)。
AI 輔助整理,以條文原文為準
雇用保険法56条の3第1項1号に基づく就業促進手当の通称です。支給残日数を所定給付日数の3分の1以上残して安定した職業に就いた受給資格者に、残日数分の基本手当の6〜7割を一括支給する制度です。
基本手当日額×支給残日数×10分の6が基本です。就職日の前日時点で支給残日数が所定給付日数の3分の2以上あれば10分の7に上がります。基本手当日額には年齢区分ごとの上限があります(16条・18条)。
出ません。受給資格決定日から7日間の待期が満了した後の就職であることが前提です。また受給資格決定より前にその会社の採用が内定していた場合も対象外となるため、入社日の設定が結論を左右します。
もらえる場合があります。ただし待期満了後の一定期間(実務上1か月間)は、公共職業安定所または職業紹介事業者の紹介による就職に限られる取扱いです。最新の運用は管轄安定所で確認してください。
再就職手当を受けた人が同一事業主に6か月以上雇用され、再就職後の賃金が離職前より低い場合の差額補填です。上限は基本手当日額×支給残日数×10分の2(2025年4月施行の改正で10分の4から引き下げ)。
56条の3第1項2号の対象者です。支給残日数が3分の1未満の受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者のうち、身体障害者その他厚生労働省令で定める就職困難者が該当します。
離職前の事業主への再就職は対象外です。さらに資本・人事・取引において密接な関係のある関連会社への就職も同様に除かれます。出戻り採用は本人の手当を消す可能性があるため事前確認が必要です。
短期就労向けの就業手当は2025年4月1日に廃止されました。同時に1項が2号構成に整理され、就業促進定着手当の上限も引き下げられています。つなぎの短期就労は受け皿がなくなった領域です。
56条の3第3項により、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あれば残日数の6割、3分の2以上なら7割が一括で支給されます。さらに4項では、受け取った額を基本手当日額で割った日数分しか支給済みとみなされません。業界裏話ヒント:残りの日数は生きているので、再就職先を短期で離職しても受給期間(20条、原則1年)内なら基本手当を再開できる。早期就職の実質的なリスクは、多くの人が恐れているより小さい
対象になり得ます。1項が委任する省令上の「安定した職業に就いた」には、1年を超えて事業を継続すると認められる自営業の開始が含まれます。開業届、事業計画、店舗の賃貸借契約などで継続性を示します。業界裏話ヒント:分岐点は待期満了後に事業を開始したかどうか。開業日を届出する前に窓口で確認するだけで結論が変わることがある
省令上の申請期限は就職日の翌日から1か月ですが、雇用保険法74条の消滅時効は2年です。実務上、1か月を過ぎた申請も時効内であれば受理される取扱いが定着しています。業界裏話ヒント:窓口では「1か月以内」としか案内されないため、そこで諦めて数十万円を放棄する人が毎年いる。遅延理由書を求められることはあっても、まず申請してみる価値がある(最新の運用は管轄安定所で確認)
不正がなければ返還は不要です。56条の3第4項により、受け取った額に対応する日数分の基本手当を支給したものとみなされるだけで、残りの支給残日数は残ります。業界裏話ヒント:ただし受給期間(20条、原則として離職日の翌日から1年)は延びない。再開できるのはこの枠内だけなので、辞めるか迷っている段階で受給期間満了日を確認するのが先決になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 給付の趣旨 | 56条の3:早期の安定就職に対する一時金(就業促進手当) | — |
| 主な要件 | 待期満了後の安定就職+支給残日数が所定給付日数の3分の1以上+3年以内に同手当の受給なし | — |
| 支給額の決まり方 | 基本手当日額×支給残日数×10分の6(3分の2以上残せば10分の7) | — |
| 受給後の支給残日数 | 4項により、受給額を基本手当日額で除した日数分のみ支給済みとみなされ、残りは受給期間内で復活し得る | — |
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