要点雇用保険法 60 条は、不正の行為で給付を受け、又は受けようとした者に、その日以後の就職促進給付を支給しないと定める。新たに受給資格を取得すればその資格に基づく給付は復活する。
Q · 失業保険で不正受給を認定されたら、再就職手当はもうもらえないんですか?
その受給資格では出ません。新たな受給資格を取れば復活します
雇用保険法 60 条 1 項により、偽りその他不正の行為で給付を受け、又は受けようとした者には、その日以後、就職促進給付(再就職手当・就業促進定着手当・移転費など)が支給されません。ただし同項ただし書は、やむを得ない理由がある場合の全部又は一部の支給を認めています。さらに 2 項により、その日以後に新たに受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合には、その資格に基づく就職促進給付が支給されます。制限は人に永久に貼られるのではなく、その時の受給資格に紐づいています。
失業給付の受給中に単発のバイトを一日だけした。失業認定申告書の就労欄に印を付け忘れた。ハローワークがそれを「偽りその他不正の行為」と認定した瞬間、雇用保険法 60 条 1 項が起動する。効果は「その日以後、就職促進給付を支給しない」。再就職が決まっても再就職手当は一円も出ず、引っ越しのための移転費も出ない。多くの人が見落とすのは 5 項だ。もらえなかったはずの就業促進手当が、56 条の 3 第 4 項の適用上「支給があったものとみなす」とされ、基本手当の支給残日数はきっちり削られる。払われないのに、消費はされる。ただし 1 項にはただし書きがあり、2 項から 4 項には出口が彫ってある。新たに受給資格を取得すれば、その資格に基づく就職促進給付は復活する。一生の烙印ではない。どこが締まり、どこが開いているのかを正確に読める人だけが、窓口で次の一手を打てる。
雇用保険法 60 条は、就職促進給付の給付制限を定める規定である。偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者は、その日以後、就職促進給付の支給を受けられない。ただし、やむを得ない理由がある場合の裁量支給、新たな受給資格の取得、日雇受給資格の取得による給付の復活が、同条 1 項ただし書から 4 項に併せて規定されている。
早期の再就職を後押しする給付の総称です。再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などの就業促進手当のほか、移転費、求職活動支援費が含まれます。雇用保険法 60 条の制限はこの給付全体にかかります。
60 条 1 項の効果は「支給を受け、又は受けようとした日以後」に生じ、原則としてその受給資格に基づく給付が終わるまで続きます。新たな受給資格を取得すれば 2 項により復活します。
されえます。60 条 1 項は「支給を受け」だけでなく「受けようとした」場合も対象にしています。受給に至らなくても、申告書に虚偽を記載した時点で制限の起算点が生じます。
します。52 条 3 項で日雇労働求職者給付金を受けられない期間が明けた後に日雇受給資格者であれば、60 条 3 項によりその資格に基づく就職促進給付が支給されます。4 項も同趣旨です。
負う場合があります。事業主が偽りの届出・報告・証明をしたときは、雇用保険法 10 条の 4 第 2 項により受給者と連帯して返還と納付の責任を負うとされています。
雇用保険審査官に対する審査請求ができます(雇用保険法 69 条)。期間制限があるため、通知書の受領日を記録し、日数を数えたうえで手続きしてください。
雇用保険法 74 条が給付の返還を受ける権利について時効を定めており、現行は 2 年とされています。最新の改正状況は e-Gov 法令検索でご確認ください。
悪質な事案では刑法 246 条の詐欺罪が併存しえます。返還命令・納付命令という行政上の措置と刑事責任は別建てで、行政手続で返還しても刑事責任が自動的に消えるわけではありません。
なりえます。60 条 1 項の「偽りその他不正の行為」は金額の大小ではなく、申告義務に反したかどうかで判断されます。ただし実務では単純な記載漏れと意図的な隠蔽は区別され、前者は減額修正で済むことがあります。業界裏話ヒント:この線引きは法令ではなく、厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」という内部の取扱基準に書かれています。窓口で「要領のどの取扱いに基づく判断か」と聞ける人と聞けない人では、同じ事案でも着地が変わる
必ずではありません。雇用保険法 10 条の 4 は「二倍に相当する額以下の金額の納付を命ずることができる」と定めており、悪質性、自主申告の有無、金額を見た裁量判断です。近年は延滞金の規定も整備されています(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:調査の呼び出しより前に自ら申し出た事案では、納付命令まで進まない扱いがあります。呼び出しの日付と自分から申し出た日付、どちらが先かが記録上の分かれ目になる
その受給資格に基づく就職促進給付は支給されません(60 条 1 項)。例外は「やむを得ない理由がある場合」のただし書きと、新たな受給資格を取得した場合の 2 項です。さらに 5 項により、支給されなかった就業促進手当は 56 条の 3 第 4 項の適用上「支給があったものとみなす」とされ、基本手当の残日数は消費されます。業界裏話ヒント:この 5 項を説明されないまま制限期間を過ごし、後で残日数の少なさに驚く人が多い。制限が決まった時点で残日数の計算根拠を書面で出させておく
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。