受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

雇用保険法 第61条の3(給付制限)

クイックジャンプ
  1. 偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年齢雇用継続給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、当該高年齢雇用継続給付の全部又は一部を支給することができる。
  2. 一高年齢雇用継続基本給付金高年齢雇用継続基本給付金
  3. 二高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付高年齢再就職給付金

この条文の基本情報

給付制限とは何ですか?

定義給付制限とは、雇用保険法第61条の3に定められた規定で、「偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 雇用保険法第61条の3(給付制限)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
  2. 雇用保険法第61条の3の条文原文は「偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年…」で始まります。
  3. 雇用保険法第61条の3は第一款 高年齢雇用継続給付に置かれています。
  4. 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
  5. 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 雇用保険法第61条の3の前の条は雇用保険法第61条の2です。
  7. 雇用保険法第61条の3の次の条は雇用保険法第61条の4です。
  8. 雇用保険法第61条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第61条の3
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
  • 本サイト収録雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第61条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/61_3

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点雇用保険法61条の3は、不正の行為により給付を受け、または受けようとした者に高年齢雇用継続給付を支給しないと定める。やむを得ない理由があれば一部支給も可能。

Q · 高年齢雇用継続給付って、不正がバレたら実際にどうなるんですか?

受け取っていなくても、申請しただけで止まります

雇用保険法61条の3により、偽りその他不正の行為で失業等給付の支給を受け、または受けようとした日以後、高年齢雇用継続給付は支給されません。引き金は「受け取った」ではなく「受けようとした」時点です。さらに高年齢再就職給付金については、その受給資格に基づく求職者給付・就職促進給付の不正まで射程に入ります。ただし但書により、やむを得ない理由があるときは全部または一部を支給できます。なお、既に受けた分の返還命令・納付命令は別条(同法10条の4)の問題です。

解説

60歳を超えて働き続けるあなたが受け取る高年齢雇用継続給付は、賃金が60歳時点より下がった分を国が埋める仕組みだ。だが雇用保険法61条の3は、その蛇口を一瞬で閉める条文である。ポイントは二つある。第一に、制裁の引き金は「不正受給が成功したこと」ではない。「受けようとした」段階、つまり虚偽の申請書を出しただけで、実際には一円も受け取っていなくても支給停止の対象になる。第二に、止まるのは不正をしたその給付だけではない。高年齢再就職給付金に関しては、その受給資格に基づく求職者給付や就職促進給付を不正に受けようとした場合まで巻き込まれる。つまり基本手当の申請での小さな虚偽が、その後の高年齢再就職給付金を丸ごと消す。ただし但書がある。「やむを得ない理由がある場合」は全部または一部を支給できる。この一行が、あなたに弁明の場が残されていることを意味する。

法的な位置づけ

雇用保険法61条の3は、高年齢雇用継続給付の給付制限を定める規定である。偽りその他不正の行為により同条各号の失業等給付を受け、または受けようとした場合、その日以後の高年齢雇用継続給付は支給されない。ただし、やむを得ない理由があるときは、その全部または一部を支給することができる。

よくある質問 AI による整理

Q1高年齢雇用継続給付の不正受給とは?

賃金額を実態より低く届け出る、副業収入を申告しないなど、偽りその他不正の行為で給付を受け、または受けようとすることです。実際に受け取っていなくても対象になります。

Q2雇用保険の不正受給はいくら返すことになる?

返還命令は雇用保険法10条の4の問題で、受給額の返還に加え、最大で受給額の2倍相当額の納付命令が併科されうる構造です。61条の3は将来の給付停止を定める別の処分です。

Q3雇用保険の不正受給はいつバレる?

ハローワークが事業主に賃金台帳や出勤簿の提出を求めた時点で、届出額と実額の差が露見します。給付は賃金額に連動するため、台帳との突合で機械的に発覚します。

Q4不正受給を自分から申し出たらどうなる?

同じ事実でも、調査開始前の自主申告は誤記の訂正として扱われる余地が残ります。発覚後に認めた場合と比べ、但書の「やむを得ない理由」の主張も通りやすくなります。

Q561条の3の「やむを得ない理由」とは?

条文は内容を限定せず、行政の個別判断に委ねています。故意がなかった事情、事業主主導であった経緯、自主申告の有無などが評価要素となり、全部または一部の支給が残る余地があります。

Q6高年齢雇用継続給付の支給停止はいつからいつまで?

条文上は、不正の行為により給付を受け、または受けようとした日以後の高年齢雇用継続給付が対象です。期間の上限は条文に書かれておらず、当該給付が停止される構造です。

Q7不正受給の処分に納得できないときは?

雇用保険審査官への審査請求を検討します(雇用保険法69条)。請求期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が原則です(行政不服審査法18条)。

Q8雇用保険の不正受給で刑事罰を受けることはある?

悪質な事案では詐欺罪(刑法246条)で立件される可能性があります。61条の3の支給停止、10条の4の返還・納付命令とは別に、刑事責任が並行して問われうる構造です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うっかり書き忘れただけでも「不正」になるんですか?

実務上、届け出るべき事実を届け出ない不作為も「偽りその他不正の行為」に含まれうると運用されており、故意の有無が争点になる。ただし61条の3但書は「やむを得ない理由」がある場合に全部または一部を支給できるとしている。実務のポイント:故意か過失かの認定は、調査時のあなたの説明順序に強く影響される。先に事実を認めたうえで経緯を説明した人と、指摘されてから認めた人とでは、同じ事実でも扱いが変わる

Q2会社が勝手に賃金を低く届け出ていた場合、私が罰を受けるんですか?

給付の申請名義人はあなたなので調査の対象になるが、事業主が虚偽の届出や証明をした場合は、事業主も連帯して返還・納付の責任を負う(雇用保険法10条の4第2項)。実務のポイント:会社に迷惑をかけたくないという理由で経緯を曖昧にすると、単独の不正として処理されやすい。事業主の関与を最初に明示することが、自分の処分を軽くする最短経路になる

Q3高年齢再就職給付金の不正で、前に受けた基本手当まで関係してくるんですか?

61条の3の第2号は、高年齢再就職給付金だけでなく、その受給資格に基づく求職者給付や就職促進給付を不正に受け、または受けようとした場合も支給しない対象としている。過去の失業認定時の申告漏れが後の給付を止めうる構造だ。実務のポイント:受給資格の単位で連鎖する設計なので、どの受給資格に紐づく不正かの特定が防御の起点になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「不正がバレても、もらった分を返せば終わり」と考える人が多いが、返還はむしろ別の条文(雇用保険法10条の4)の話であり、61条の3が定めるのは将来の給付を止めることだ。返還命令、最大2倍の納付命令、そして将来の支給停止。三つが同時に襲ってくる構造になっている
  • 不正の意味を「嘘をついて金を取ること」と狭く捉えている人は、条文の射程を読み違えている。「偽りその他不正の行為」には、積極的な虚偽記載だけでなく、届け出るべき事実を届け出ない不作為も含まれるというのが実務の運用だ。書かなかったことは、書いたことと同じ重さで評価されうる
  • あなたから見れば「会社が書類を作ったのだから自分は関係ない」となる。だが法律から見れば、給付の申請者はあなたであり、事業主が虚偽の証明をした場合は事業主も連帯して責任を負う構造になっている(雇用保険法10条の4第2項)。会社を守るために黙っていると、自分が主犯として扱われる。この落差が最も人を潰す
比較の観点この条文ほかの条文
処分の内容61条の3:将来の高年齢雇用継続給付を支給しない(給付停止)10条の4:既に受けた給付の返還命令+最大2倍の納付命令
34条:求職者給付(基本手当等)についての給付制限
発動の引き金不正の行為により支給を受け、または「受けようとした」日不正の行為により給付を実際に受けたこと
不正の行為により求職者給付を受け、または受けようとしたこと
射程の広さ高年齢再就職給付金では、その受給資格に基づく求職者給付・就職促進給付の不正まで連鎖不正受給に係る給付額を基準に算定
当該受給資格に係る求職者給付が中心
救済の余地但書:やむを得ない理由があれば全部または一部を支給できる事業主が虚偽の届出・証明をした場合は事業主の連帯責任(同条2項)
同様に、やむを得ない理由に関する定めが置かれる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
就業保險法第36條、勞工保險條例第70條

台湾は不正受給に対して給付の追還と2倍の罰鍰を科す構成で、日本の10条の4に近い。日本のように将来の特定給付を条文で名指しして止める規定は置かれていない

韓国
고용보험법 제61조(부정행위에 따른 급여의 제한)

韓国も不正行為があった場合に給付を制限する構造を採り、日本と同様に事業主が関与した場合の連帯責任を定める規定が置かれている

ドイツ
SGB X § 45・§ 50、SGB III の失業給付規定

ドイツは個別の給付制限条文ではなく、行政処分の取消しと返還という社会法典の一般法理で処理する。高年齢者向けの賃金補填給付(Entgeltsicherung)は2011年に廃止済み

アメリカ
各州失業保険法の fraud disqualification(例:Cal. Unemp. Ins. Code § 1257(a))

米国は州法ごとに不正申告者への受給資格剥奪期間(disqualification weeks)を定める。日本のように高齢者の就労継続を補填する連邦給付は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 定年後に再雇用され、賃金が60歳時点の70% に下がった。会社の総務が高年齢雇用継続基本給付金の申請書を作ってくれるが、その賃金台帳の数字が実態と違っていた。あなたはハンコを押しただけ。それでも申請名義人はあなたであり、不正行為の主体として調査対象になる
  • もし、副業の収入を申告せずに給付を受け続けていたら、どうなる? 高年齢雇用継続給付は賃金額に連動して額が決まる。届け出た賃金が実態より低ければ、給付額は過大になる。ハローワークが事業主に賃金台帳の提出を求めた瞬間、差額は全部露見する
  • 60歳で退職し、基本手当を受給中に短期のアルバイトをしたが失業認定申告書には書かなかった。その後、新しい職に就いて高年齢再就職給付金を申請する。ところが61条の3第2号は、その受給資格に基づく求職者給付の不正まで射程に入れている。基本手当のときの一行の空欄が、再就職給付金を丸ごと消しに来る
  • ハローワークから「事情をお聞きしたい」と電話が入り、来週の来所を求められた。残された時間は数日。この面談で何を述べるかが、支給停止の範囲と、その後の返還命令・納付命令(雇用保険法10条の4)の重さを決める。行く前に、賃金台帳のコピーと申請書の控えを手元に揃えられるかどうかが分かれ目になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 事業主が勝手に虚偽の賃金額を届け出た疑いがあるなら、給与明細、通帳の振込記録、勤怠記録を時系列で保全する2. 自分の署名がない書類、あるいは内容を確認せず署名させられた経緯を書面で整理する3. ハローワークの調査に対しては、事実関係を先に自分から説明し、但書の「やむを得ない理由」に当たる事情を主張する4. 処分に納得できない場合は、雇用保険審査官への審査請求(雇用保険法69条)を検討する

訴えられた側:1. 記憶で答えず、申請書の控えと賃金台帳を取り寄せてから面談に臨む2. 故意ではなく記載ミスや認識違いであれば、その経緯を裏付ける資料(メール、社内のやり取り)を揃える3. 支給停止の範囲がどこまでか(当該給付のみか、受給資格に基づく他の給付まで及ぶか)を必ず確認する4. 返還命令・納付命令は61条の3とは別の処分なので、それぞれについて争う余地があることを前提に組み立てる

時効(請求できる期限):支給停止は、不正の行為により給付を受け、または受けようとした日以後の給付に及ぶ。処分に不服がある場合、雇用保険審査官への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条、雇用保険法69条)。不正受給に係る返還命令等の時効については、雇用保険法74条の消滅時効の規定を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)

学説

実務通説:「偽りその他不正の行為」には、虚偽の申告のみならず届出義務の不履行という不作為も含まれ、故意の有無は但書の「やむを得ない理由」の判断のなかで実質的に考慮されるとする理解が実務上有力である。

制度趣旨説:本条は制裁規定であると同時に、賃金額の自己申告に依存する高年齢雇用継続給付の制度的信頼性を維持するための担保装置であり、抑止の徹底と生活基盤への配慮を但書で調整していると説明される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和49年(1974年) 新設:失業保険法を全部改正して雇用保険法を制定。失業給付中心の制度から、雇用の安定を図る各種給付を含む制度へ再編された
  2. 2.平成6年(1994年) 改正:高年齢雇用継続給付を創設(翌1995年4月施行)。60歳以降の賃金低下を補填する給付とあわせ、その不正受給に対する給付制限が整備された
  3. 3.令和2年(2020年) 改正:高年齢雇用継続給付の給付率を段階的に縮小する方針が定められ、2025年4月以降に60歳に到達する者について支給率が引き下げられた(適用関係は最新版で要確認)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

雇用保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第一款 高年齢雇用継続給付

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›