要点雇用保険法 61 条の 3 は、不正の行為により給付を受け、または受けようとした者に高年齢雇用継続給付を支給しないと定める。やむを得ない理由があれば一部支給も可能。
Q · 高年齢雇用継続給付って、不正がバレたら実際にどうなるんですか?
受け取っていなくても、申請しただけで止まります
雇用保険法 61 条の 3 により、偽りその他不正の行為で失業等給付の支給を受け、または受けようとした日以後、高年齢雇用継続給付は支給されません。引き金は「受け取った」ではなく「受けようとした」時点です。さらに高年齢再就職給付金については、その受給資格に基づく求職者給付・就職促進給付の不正まで射程に入ります。ただし但書により、やむを得ない理由があるときは全部または一部を支給できます。なお、既に受けた分の返還命令・納付命令は別条(同法 10 条の 4)の問題です。
60 歳を超えて働き続けるあなたが受け取る高年齢雇用継続給付は、賃金が 60 歳時点より下がった分を国が埋める仕組みだ。だが雇用保険法 61 条の 3 は、その蛇口を一瞬で閉める条文である。ポイントは二つある。第一に、制裁の引き金は「不正受給が成功したこと」ではない。「受けようとした」段階、つまり虚偽の申請書を出しただけで、実際には一円も受け取っていなくても支給停止の対象になる。第二に、止まるのは不正をしたその給付だけではない。高年齢再就職給付金に関しては、その受給資格に基づく求職者給付や就職促進給付を不正に受けようとした場合まで巻き込まれる。つまり基本手当の申請での小さな虚偽が、その後の高年齢再就職給付金を丸ごと消す。ただし但書がある。「やむを得ない理由がある場合」は全部または一部を支給できる。この一行が、あなたに弁明の場が残されていることを意味する。
雇用保険法 61 条の 3 は、高年齢雇用継続給付の給付制限を定める規定である。偽りその他不正の行為により同条各号の失業等給付を受け、または受けようとした場合、その日以後の高年齢雇用継続給付は支給されない。ただし、やむを得ない理由があるときは、その全部または一部を支給することができる。
賃金額を実態より低く届け出る、副業収入を申告しないなど、偽りその他不正の行為で給付を受け、または受けようとすることです。実際に受け取っていなくても対象になります。
返還命令は雇用保険法 10 条の 4 の問題で、受給額の返還に加え、最大で受給額の 2 倍相当額の納付命令が併科されうる構造です。61 条の 3 は将来の給付停止を定める別の処分です。
ハローワークが事業主に賃金台帳や出勤簿の提出を求めた時点で、届出額と実額の差が露見します。給付は賃金額に連動するため、台帳との突合で機械的に発覚します。
同じ事実でも、調査開始前の自主申告は誤記の訂正として扱われる余地が残ります。発覚後に認めた場合と比べ、但書の「やむを得ない理由」の主張も通りやすくなります。
条文は内容を限定せず、行政の個別判断に委ねています。故意がなかった事情、事業主主導であった経緯、自主申告の有無などが評価要素となり、全部または一部の支給が残る余地があります。
条文上は、不正の行為により給付を受け、または受けようとした日以後の高年齢雇用継続給付が対象です。期間の上限は条文に書かれておらず、当該給付が停止される構造です。
雇用保険審査官への審査請求を検討します(雇用保険法 69 条)。請求期間は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内が原則です(行政不服審査法 18 条)。
悪質な事案では詐欺罪(刑法 246 条)で立件される可能性があります。61 条の 3 の支給停止、10 条の 4 の返還・納付命令とは別に、刑事責任が並行して問われうる構造です。
実務上、届け出るべき事実を届け出ない不作為も「偽りその他不正の行為」に含まれうると運用されており、故意の有無が争点になる。ただし 61 条の 3 但書は「やむを得ない理由」がある場合に全部または一部を支給できるとしている。業界裏話ヒント:故意か過失かの認定は、調査時のあなたの説明順序に強く影響される。先に事実を認めたうえで経緯を説明した人と、指摘されてから認めた人とでは、同じ事実でも扱いが変わる
給付の申請名義人はあなたなので調査の対象になるが、事業主が虚偽の届出や証明をした場合は、事業主も連帯して返還・納付の責任を負う(雇用保険法 10 条の 4 第 2 項)。業界裏話ヒント:会社に迷惑をかけたくないという理由で経緯を曖昧にすると、単独の不正として処理されやすい。事業主の関与を最初に明示することが、自分の処分を軽くする最短経路になる
61 条の 3 の第 2 号は、高年齢再就職給付金だけでなく、その受給資格に基づく求職者給付や就職促進給付を不正に受け、または受けようとした場合も支給しない対象としている。過去の失業認定時の申告漏れが後の給付を止めうる構造だ。業界裏話ヒント:受給資格の単位で連鎖する設計なので、どの受給資格に紐づく不正かの特定が防御の起点になる
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。